高齢者肺炎球菌ワクチン定期予防接種の案内が届いた。今年の10月から定期予防接種となったとある。70歳から5年おきに接種するというもので、そのため私のところにも送られてきた。「日本人の死亡の第3位が肺炎なのです」と、西田敏行さんがテレビでコマーシャルしているのを見たが他人ごとと思っていた。高齢者をそんなに長生きさせてどうするのだろう。医者や製薬会社は利益があるとしても、高齢者が長生きすればますます若い勤労世帯の負担が増えるばかりだ。
高齢者でも健康で長生きしたいと願う人は接種を受ければいいけれど、70歳まで生きてきたのだから後はもう気にしないという人も多いはずだ。「美人薄命と言われてきたけど、70歳まで生きてきたのよ。後は老婆と言われるまで」と開き直る人もいるし、実際、80歳でも若々しく健康でボランティア活動に精を出している人もいる。社会貢献はしていなくても、ゴルフにカラオケにと多忙で、病院に行ったことがないという人もいる。高齢者の生活もそれぞれで、一律にする必要はない。
カミさんの両親はふたりとも72歳で亡くなったから、カミさんは少なくとも両親の歳を越えることを目標にすべきだろう。私の両親はふたりとも54歳でこの世を去ったので、私は充分に親を越えた。母が亡くなった時、祖母はまだ元気だった。祖母は病室で「親よりも先に逝くのは親不孝者だよ」と母の名を呼び続けていた。土曜日に5歳の孫娘の保育園で、「祖父母参観日」が行なわれ、出かけて行った。5歳の孫の祖父母となると若いジジババが多い。孫娘はかなり興奮気味だったが、見渡すと我が家の孫だけでなく、子どもたちは一様にふざけ合いテンションが高かった。
祖父母に認められたいというつもりなのだろう。中でも我が家の孫が一番目立つ。席を立って注意しに行きたいくらいだった。そんなことを帰り道でカミさんに話すと、「あなたは面白がって放任していたわよ」と言い返されてしまった。その結果が我が家の娘たちであるなら、何も心配は要らない。5歳の孫娘も立派な大人になるだろう。そうなると問題なのは「ワクチンは接種しない」と言い切る私にあるようだ。