私が教員になったばかりの年、8ミリ映画を作った。この度、大学の時の友だちと彼が知り合いになった歯科医と私の3人で制作した映画を、誰にでも見てもらえるDVDにすることが出来た。47年前だからほぼ50年の歳月が流れてしまった。大学の時の友だちとも音信不通になっていたが、彼は教員を続けていたのでその名簿から探し出すことが出来た。電話すると、「どうしてまた、映画のことを思い出したの?それもDVDにするのはどういう心境なの?」と驚いていた。
8ミリフィルムをCDにすることが出来るのを知り、歯科医に連絡すると音声もテープで残っていたので、DVDにしようと思い立ったことを話し、「人生の後始末だね」と答え、「出来上がったら届けるから」と伝えた。コンピュータ技術が進化した今なら、8ミリフィルムとカセットテープをミキシングさせることも出来るだろう。その技術と装置を持っているところといえば、専門の業者か大学のようなところである。
私が教員だった時の卒業生で、大学で教えている人に声をかけると、「自分は出来ないけれど、心当たりはあるから頼んでみます」と言ってくれた。映像と音声を一致させることで苦労したようだが、出来上がったDVDを見ると素晴しい出来上がりだった。おそらく制作した当時も、8ミリを映写して、それに合わせて音を作っていったと思う。思うというのも、残念ながら記憶がハッキリしていない。バックのギターは友だちの演奏だが、こんなに上手かったのかと改めて感心した。
ポール・ゴーギャンの作品に『われわれはどこから来たのか われわれは何者か われわれはどこへ行くのか』(ボストン美術館所蔵)という長い題名のかなり大きな油彩がる。太宰治や高橋和巳に惹かれ、立原道造の詩に魅せられ、ヌーベルバークといわれるヨーロッパの映画に憧れたデカダンス気取りの若者も、ゴーギャンのように苦悩していた。今から思えば、苦悩することに自己満足していたと思う。それでもまだ、「生きているのか、生きている自分は何者なのか」と日々問いかけている。
さて、明日から28日までブログは休みます。友だちと一緒に九州へ行ってきます。長い車の旅なので、無事に帰られますように心がけて行ってきます。