島尻北方担当大臣が「歯舞(はぼまい)」を読めなかったとしても、よくあるド忘れくらいにしか思わなかったが、大臣としての資質や品格は問題がありそうだ。私の中学・高校時代では学年のトップはいつも女性だったし、知識も品格も優れていたから、女性が大臣になるのに全く違和感はない。
けれど、男にも女にも不適任な者はいる。島尻大臣は宮城県の生まれで上智大学を卒業し、政治家としては沖縄の那覇市議に当選したのが始まりだった。この時は民主党系の市議だったが、2期目の途中で参議院補選に立候補し、当選して自民党へ移った。普天間基地についても県内移設容認であったり、島根県主催の「竹島の日」に出席したり、政治信念は疑わしい。
「反放射能派というか、どれだけ下げても心配と言う人たちが騒いで、何の科学的根拠もなく、時の環境大臣(民主党)が決めた」と、被爆放射線量について演説した丸川原子力防災担当大臣は、当初は「撤回しない」と発言していたが、国際基準と分かると、「福島についての発言部分を撤回する」と答弁した。原発事故による放射能汚染についての見識がこの人にはない。
丸川大臣は東大を卒業してテレビ朝日のアナウンサーとなった人だが、安倍首相に心酔し政治家を志した。2007年参議院選の東京選挙区から立候補しトップ当選した。この時、「幸福の科学」の支援があったと言われている。国会でのヤジは際立っていた。日本の核武装化についても検討すべきと考えている。
高市総務大臣も権力者の側にいることを全面的に表している。今年の3月で、テレビの有名キャスターが相次いで降板する。自民党から局の上層部に「番組つくり」について調査が行われたからだ。高市大臣は政治的公平に反する番組に対して、「(局に)電波停止もありうる」と公言した。安倍首相も「一般論を述べたものだ」と応援する。
いかにも正しいように聞こえるが、とんでもない権力の乱用である。テレビ局やラジオ局あるいは新聞や週刊誌が、どのような報道をしようと、判断するのは国民自身でなくてはならない。政府が報道に口を出すなら、国民は政権の思想統制下に置かれるということだ。男でも女でも、権力志向の強い人間は危険である。辞任に追い込めない野党が誠に情けない。