アメリカの大統領選挙に向けて、共和党の候補者指名争いでトランプ氏が3連勝している。次の3月1日の「スパーチューズディー」が注目されている。トランプ氏の「すべてのイスラム教徒を入国禁止に」とか、「イスラム系アメリカ人の身辺調査をデータベースに」といった発言を聞いて、こんな人は大統領にはなれないだろうと思っていた。それが3連勝である。
アメリカ人は頭がおかしいのではと思うが、これは共和党支持者の投票の結果だから、本当に大統領になるわけではない。それでも多くの人々が、「アメリカを再び偉大な国にする」「イスラム国をトコトン爆撃する」と、トランプ氏が演説すると狂喜の拍手を送る。「強いアメリカ」‥、「強いロシア」‥、日本の安倍首相も「強い日本」を口にしていたが、どうしてそんなに「強い」ことに憧れるのだろう。
私は皆目甲斐性が無くて、鋼鉄のような強い男性の身体よりも柔らかくて冷たい女性の身体の方が好きだ。男はすぐ腕力で勝負したがるが、女が腕力で挑むことはない。「そんなことはない、近頃の女は男よりも力がある」と言う人もいるが、力づくなら男の方が圧倒的だろう。40代の女に20代の男が殴り殺された事件があったが、女が上司であったので男は無抵抗だったのだろう。
男よりも女の方が「平和」的であるなら、クリントン女史が大統領になることが良いように思うが、「クリントン女史は初の女性大統領になりたいだけ」という批判もある。当選するために自らの思想性をかなぐり捨てたからだ。彼女の自叙伝『リビング・ヒストリー』では高校生の頃、ベトナム反戦運動に熱心に取り組んでいたのに、世界から戦争を無くすための指針を打ち出していない。
メキシコ人を犯罪者と決めつけ、国境に「高い壁を造る」と主張し、「その費用はメキシコに負担させる」と言うトランプ氏、どう見ても「普通の感覚」さえ持っていない。票集めのため、思想が変わるクリントン女史は、政治家らしいが誠実ではない。アメリカはどうなっていくのだろう。アメリカの友人が5月に来日するので、ぜひ、聞いてみたいと思っている。