7月・8月のカレンダーをめくると鮮やかな紅葉が山一杯に広がった写真だった。今日からまた新しい月になった。北海道と東北は台風の被害で大変なことになっている。そんなこととは知らずに私たちは温泉旅行を楽しんできた。マンションの友だち8人で、吉良吉田への1泊の旅だ。私は三河生まれなのに、吉良吉田へは行ったことがなかったが、名鉄フリー切符と宿がセットになったチラシを見て、「いいじゃーないか」と言うので出かけた。
知り合いの看板屋さんに頼んで、「退職おめでとう」の横断幕を密かに用意し、誕生日会の席に掲示してもらった。ケーブルで登る露天風呂から三河湾が見える。吉良吉田は吉良上野介、吉良の仁吉そして「人生劇場」を書いた尾崎士郎のゆかりの地だが、同じ三河にいても私には遠い土地だった。西三河は扁平な台地だが、矢作川の東は丘陵地になっていることもよく知らなかった。
翌日は、中居さんの勧めもあって蒲郡のラグーナテンボスへ出かけた。以前、西浦温泉に誕生日会で来た時に寄ったが魅力は感じなかった。経営主体が変わり新聞などでも取り上げられていたから、「話のタネに行ってみるか」ということになった。吉良吉田からは名鉄で蒲郡まで行ける。2日間のフリー切符の便利さだ。駅から無料のシャトルバスがあるというのでバス停へ行くと、すでにたくさんの若い男女が待っている。バスはすし詰め状態だが、どう見ても年寄りはいない。
テーマパークと大型プールが人気で、若い男女がやって来る。ビキニ姿の女の子たちが堂々と歩いている。私たちは古い方の建物に向かったが、こちらは私たちのような年寄りや家族連れが多かった。女性たちは買い物に興じていたが、館内に映画館でもあれば時間が潰せるがそれも出来ず、私たち男はただぼんやりと過ごした。今、流行りのアニメ「ワンピース」(?)の海賊船で湾を回るクルージングがあるというので、マンガを知らない私たちも船に乗り、子どものようにはしゃぐこともなく楽しんだ。
そして再び吉良吉田に戻り、ここから名鉄で家路へと向かうが、「岩倉の焼鳥屋へ行こう」と言うので素通りして岩倉まで行く。フリー切符のおかげで電車旅を大いに満喫した2日間だった。