「誰にだって、失敗や挫折はある。遠回りしたって、人生はそんなに変わるものじゃーない」と80歳近い2人のジジイが、17歳の青年に熱く語っていた。昨夜のマンションでの新年会は6時半のスタートだったが、終わってみればいつもと同じ12時だった。男6人、女4人、高校生2人、小学生1人の13人だが、大人2人と高校生1人が9時過ぎからの参加だったから、再スタートとなり、こんな遅い時間になってしまった。
高校生の1人は中学1年の時に不登校になったが、今、高校2年となり、どちらへ進むか悩んでいるところだった。そこで、60年前を振り返り、ジジイ2人が自分の青春時代を熱く語り出したのだ。自分の子どもや孫にはこんなにも赤裸々に、自分の失敗や挫折を語ったりしないだろうし、子どもや孫は「ジイジ、うるさい」と真面目に聞かないだろう。それが同じマンションで暮らしているだけなのに、耳を傾けてくれるから、語り手としてはいっそう熱が入る。
私たちの子どもの頃には親戚や隣近所の人が、こんな風な集まっては酒を飲んでいた。子どもは遠巻きにそれを眺め、美味しそうな食べ物を見つけると怒られないようにそっと手を出したものだ。核家族化になり、家族4人で一家団欒はあったとしても、子どもも交えてこんな風に酒など飲む機会はなくなった。たまたま気の合う仲間が出来たから20年以上も続いている。私たちの子どもが大きくなり、たまたま親子で同じマンションに居を構えているから、血はつながっていないが孫のような存在なのだ。
17歳の青年にすれば、両親よりも年上の祖父の話を聞くような感じだろう。大勢で暮らすのは大変だが、時々こうして集まって、とめどもなくバカ話に興ずるのもいいと思う。子どもに聞かせられないようなHな話も飛び出すが、それも学校では決して教えてもらえない貴重な勉強だと思う。