風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

参院選(6)総括

2013-07-23 03:02:32 | 時事放談
 ただの床屋談義に、たまたまタイムリーに「参院選」の枕詞を付してしまって5回にわたってブログを書いて来ました。折角なので締め括ります。
 過去5回のブログでは、安倍さんを支持する内容もありましたが、何を隠そう(本当は隠すべきですが)比例では自民党に投票しませんでした。このあたりが、今の政治状況の混迷を象徴しているのではないかと思うために敢えて白状しました。残念ながら、この状況は、実に小泉政権以来、変わっていません。私のように、若いかどうかは別にして、都心に住むサラリーマンで、保守的(立ち位置として戦後日本の政治情勢の中では多分に中道)ではあるものの、程度の差はあれ構造改革を支持する人たちの受け皿となる政治集団をなかなか見出し得ないという問題です。
 その結果、下馬評どおり、与党として見れば過半数を占める勝利を収めましたが、自民党単独では過半数を達成できませんでした。一人区では29勝2敗と圧倒的な強さを見せましたが、候補者の質や政党間の選挙協力がないと言う意味で政党の評価をモロに反映する比例区での得票は34.7%と、前回(2010年 24.1%)、前々回(2007年 28.1%)、前々々回(2004年 30.0%)の結果を上回りましたが、更にその前(2001年 38.6%)には届きませんでした。また維新の会が伸び悩み、憲法改正に必要な三分の二の賛成は遠くなりました。結果論とは言え、民意は、そんな微妙なところに落ち着きました。
 より問題なのは、初めての「ネット選挙」で、若者を中心に関心が高まり投票率が上がることが期待されたにも係らず、過去三番目に低い投票率52.6%は、前回(2010年 57.9%)、前々回(2007年 58.6%)、前々々回(2004年 56.5%)、更にその前(2001年 56.4%)をも、4ポイント近く下回ったことでしょう。冒頭で触れたように、どの党も受け皿たり得ない、あるいは自分が投票しても大して変わらないという、政治への不信感や無力感を感じている人もいるでしょうし、ねじれ国会で動かない政治に象徴されるように、参議院あるいは二院制の存在意義を疑問視する人もいるでしょうし、衆議院に比して5倍という一票の格差に見られるように、選挙制度そのものへの批判もあるでしょう。この点に関しては、当・落選したら全て水に流すのではなく、与党と野党とを問わず、真摯に問題を受け止めて欲しいと思います。
 これだけ投票率が低いと、民意が正確に反映されているのか疑問を感じてしまいますが、そういった制限つきではあれ、政権発足後、半年しか経っておらず、経済をはじめ結果を見届けていない中での選挙は、安倍さんという個人に対する信任投票だという声があって、その意味では、国民の多くは安倍さんに対して安定した政権運営を望んだことは間違いありません。ねじれ国会を罪悪視してきた自民党にとって、ねじれが解消されて、まさに真価を問われる状況にもなったわけで、国民の負託を受けて、着実に政治課題に取り組んで行って欲しいと思います。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする