暑さ続きで、ブログに向き合わないまま時間ばかり過ぎて行きますが、気になるニュースはいくつかありました。その中で、もはや旧聞に属しますが、麻生副総理が、憲法改正論議に関連してナチスを引き合いに出した失言騒動は、政治とメディア報道に関わる普遍的な問題を含んでいそうなので、ちょっと思い出してみたいと思います。
先ず事実関係の確認から入ります(実は、全文、少なくとも彼の肉声を確認するまではブログに書きたくなかったのでした)。麻生さん発言の全文と思しきものをネットで検索し、また肉声のかなりの部分をYouTubeで聞いて、私なりに確認した内容を参考までに以下に掲載します。ご覧の通り、支離滅裂で分かりにくいのですが、文脈から判断する限り、どうも問題発言があったとは思えません。メディアで報道されている不適切な一節「ワイマール憲法がいつの間にか・・・ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気がつかないで変わったんだ。あの手口に学んだらどうかね」の中の最後の一文は、文章に起こすと平板になって、そのまま読むと誤解するかもしれませんが、ナマの声を聞くと、明らかにトーンが変わって付け足しのように添えられた言葉であり、会場で笑いが起こっていますから、麻生さんらしいブラックがつくジョークで反語的に語られたものであることは明らかでした。
この発言があった場は、国家基本問題研究所の月例研究会で、主催者兼討論会の司会だった櫻井よしこさんが、当日の様子を語っておられます(産経新聞8月5日)。それによると「日本再建は憲法改正なしにはあり得ない。従って主題は当然、憲法改正だった」し、「月例研究会に麻生副総理の出席を得たことで改正に向けた活発な議論を期待したのは、大勝した自民党は党是である憲法改正を着実に進めるだろうと考えたからだ」ったそうですが、「蓋を開けてみれば氏と私及び国基研の間には少なからぬ考え方の開きがあると感じた。憲法改正を主張してきた私たちに、氏は「自分は左翼」と語り、セミナー開始前から微妙な牽制球を投げた」というのです。そして「『憲法改正なんていう話は熱狂の中に決めてもらっては困ります。ワァワァ騒いでその中で決まったなんていう話は最も危ない』『しつこいようだが(憲法改正を)ウワァーとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で決めてほしくない』という具合に、氏は同趣旨の主張を5度、繰り返した」そうです(確かに、数えていませんが、下記の<発言全文>にも何度も出て来ます)。結局、櫻井よしこさんは「憲法改正に後ろ向きの印象を与えた麻生発言だった」と結論づけています。
こうした主催者側の、またYouTubeで肉声を聴いた私のような部外者の印象に対して、多くのメディアの報道は、明らかに異質なものでした。既にあちらこちらで批判が渦巻いていますが、一部を切り出して文脈を捻じ曲げ、あるいはナチスという言葉だけに反応して反民主主義的とのレッテルを貼った結果が、全世界にあっという間に伝わり、中・韓が便乗するのはもとより、米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)も非難声明を出すに至り、麻生さんは発言撤回を余儀なくされたのでした。誤解をリードしたのは相変わらずの朝日新聞で、天声人語(8月1日)は、「熱狂の中での改憲は危うい、冷静で落ち着いた論議をすべきだという考えなら、わかる。なぜこれほど不穏当な表現を、あえてしなければならないのか。言葉の軽さに驚く。」などと、麻生さんが発言で意図したこととジョークで付け足したことを完全にひっくり返してしまいました。国語力の問題などと揶揄する声もありますが、そうではなく、マスコミは(とりわけ反日を社是とするかのような朝日新聞は)自分が聞きたいようにしか聞かないし、話したいようにしか話さないものだと、思わざるを得ません。従軍慰安婦問題が、もとを辿れば朝日新聞の誤報に始まったのはよく知られるところですが、何の反省もなく、あの世紀の誤報の系列に連なることが繰り返されていると思うと、ちょっと哀れですらあります。
思い出されるのは、橋下発言との共通性です。人はいちいち原文や全文に当たって確認するほどヒマではなく(私のような酔狂を除いて)、怪しいと訝りつつも報道を聞き流したり、(内容を気に入れば)そのまま鵜呑みにしたりする人が大部分で、いつの間にか世論が形成されて行きます。決して中・韓のように初めから日本を叩こうと手ぐすね引いて待っているわけではない他の外国政府ですらも、文脈から判断すれば弁解の余地ありと仮に認めていたとしても、報道によって一定の世論が形成され、とりわけ橋下発言のときは女性人権団体が、また今回はユダヤ系人権団体が過敏に反応してしまうと、そこに配慮した政治的発言をせざるを得ない世の中であることに、気をつけなければなりません。
そういう意味でも、麻生さんは、近所に住んで入れば面白いオヤジだと思うでしょうが、政治家としては脇が甘いと言わざるを得ません。参院選前には、安倍総理はじめ周囲からさんざん失言注意報が繰り出されたと言われ、さすがの本人も気を引き締めて緊張していたことでしょうが、選挙が終わった途端、気が緩んで、いつもの失言癖が出てしまったのでしょうか。麻生さんに限らず、脇の甘い政治家と、何かと言葉尻を捉えて足を引っ張ろうとするマスコミが、結果として国益を損なう茶番劇を演じることほど、情けないものはありません。中・韓という、日本を貶めることに生き甲斐を求めるご近所さんがいるのは、嘆かわしくも、価値観を異にする人たちの行うこととして諦めざるを得ませんが、折角、法による支配や自由や民主主義などといった人類の普遍的価値観を共有すると宣言していながら、欧米や東アジアを除くアジアやその他のコミュニティから、白い目で見られかねない事態だけは避けなければならないと、心から憂える次第です。
<発言全文>
(このカッコ内は要約的なものも含む「全文」と称するものからのコピペ: 護憲と叫んでいれば平和が来ると思っているのは大間違いだし、改憲出来ても世の中、全て円満にと全然違う。改憲は単なる手段だ。目的は国家の安全と安寧と国土、我々の生命、財産の保全、国家の誇り。)
一番最初に申し上げたように、わーっとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で、決めて欲しくない。ちょっと皆さんよく落ち着いて、我々を取り巻く環境はなんなんだと、この状況を良く見て下さいと、いう世論というものの上に、憲法改正は成し遂げるべきなんだと、そうしないと間違ったものになりかねない、ということを思うわけです
最後に、僕は、今、三分の二という話を、よくでてきますけども、じゃあ伺いますが、ドイツは、ヒトラーは、ありゃ民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーというのは、いかにも軍事力で取ったように思われて、全然違いますよ。ヒトラーは選挙で選ばれたから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違えんでくださいよ、これ。そして彼は、きちんと、ワイマール憲法という、当時、ヨーロッパで最も進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきたんだから。だから常に憲法は良くても、そういったことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないのであって、私どもは憲法はきちんと改正すべきだと言い続けていますけども、その上で、これをどう運営していくかと、これはかかって皆さん方が投票する議員の行動であってみたり、またその人たちのもっている見識であったり、矜持であったり、そういったようなものが最終的に決めてくる。
(このカッコ内もコピペ: 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから。それなりに予算で対応しておりますし。事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が。ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。この人たちの方が、よほど、喋っていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。喋っていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。
しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて。おれたちは作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。そのときに喧々諤々、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。「ちょっと待ってください、違うんじゃないですか」と言うと、「そうか」と。偉い人が「ちょっと待て」と。「しかし、君ね」と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、「そうか、そういう考え方もあるんだな」ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。)僕は、この4月28日、忘れもしません、4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからといって、月曜日だったか、靖国神社に連れて行かれたましたよ。それが、私が初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、まあ、結構歳くってからも、毎年1回、必ず行っておりますけれども、そういったような意味で言ったときに、わーわーわーわー騒ぎになったのは、いつからですか、これは。昔は静かに行っておられましたよ。各総理大臣もみな行っておられたんですよ、これは。いつから騒ぎにしたんです。マスコミですよ(拍手)。違いますかね(拍手)。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやあ、と言うんです。憲法は、ある日、気が付いたら、ドイツが、さっき話しましたけれども、ワイマール憲法がいつの間にか変わっていて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気がつかないで変わったんだ。あの手口に学んだらどうかね(笑)。もうちょっと、わーわーわーわー騒がないで、本当にみんな、いい憲法だからといって、それをみんな納得してから、あの憲法変わっているからね。だから是非、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりは全くありませんし、しかし私どもは、重ねて言いますが、喧噪の中で決めないで欲しい。
<了>
先ず事実関係の確認から入ります(実は、全文、少なくとも彼の肉声を確認するまではブログに書きたくなかったのでした)。麻生さん発言の全文と思しきものをネットで検索し、また肉声のかなりの部分をYouTubeで聞いて、私なりに確認した内容を参考までに以下に掲載します。ご覧の通り、支離滅裂で分かりにくいのですが、文脈から判断する限り、どうも問題発言があったとは思えません。メディアで報道されている不適切な一節「ワイマール憲法がいつの間にか・・・ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気がつかないで変わったんだ。あの手口に学んだらどうかね」の中の最後の一文は、文章に起こすと平板になって、そのまま読むと誤解するかもしれませんが、ナマの声を聞くと、明らかにトーンが変わって付け足しのように添えられた言葉であり、会場で笑いが起こっていますから、麻生さんらしいブラックがつくジョークで反語的に語られたものであることは明らかでした。
この発言があった場は、国家基本問題研究所の月例研究会で、主催者兼討論会の司会だった櫻井よしこさんが、当日の様子を語っておられます(産経新聞8月5日)。それによると「日本再建は憲法改正なしにはあり得ない。従って主題は当然、憲法改正だった」し、「月例研究会に麻生副総理の出席を得たことで改正に向けた活発な議論を期待したのは、大勝した自民党は党是である憲法改正を着実に進めるだろうと考えたからだ」ったそうですが、「蓋を開けてみれば氏と私及び国基研の間には少なからぬ考え方の開きがあると感じた。憲法改正を主張してきた私たちに、氏は「自分は左翼」と語り、セミナー開始前から微妙な牽制球を投げた」というのです。そして「『憲法改正なんていう話は熱狂の中に決めてもらっては困ります。ワァワァ騒いでその中で決まったなんていう話は最も危ない』『しつこいようだが(憲法改正を)ウワァーとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で決めてほしくない』という具合に、氏は同趣旨の主張を5度、繰り返した」そうです(確かに、数えていませんが、下記の<発言全文>にも何度も出て来ます)。結局、櫻井よしこさんは「憲法改正に後ろ向きの印象を与えた麻生発言だった」と結論づけています。
こうした主催者側の、またYouTubeで肉声を聴いた私のような部外者の印象に対して、多くのメディアの報道は、明らかに異質なものでした。既にあちらこちらで批判が渦巻いていますが、一部を切り出して文脈を捻じ曲げ、あるいはナチスという言葉だけに反応して反民主主義的とのレッテルを貼った結果が、全世界にあっという間に伝わり、中・韓が便乗するのはもとより、米国のユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」(本部・ロサンゼルス)も非難声明を出すに至り、麻生さんは発言撤回を余儀なくされたのでした。誤解をリードしたのは相変わらずの朝日新聞で、天声人語(8月1日)は、「熱狂の中での改憲は危うい、冷静で落ち着いた論議をすべきだという考えなら、わかる。なぜこれほど不穏当な表現を、あえてしなければならないのか。言葉の軽さに驚く。」などと、麻生さんが発言で意図したこととジョークで付け足したことを完全にひっくり返してしまいました。国語力の問題などと揶揄する声もありますが、そうではなく、マスコミは(とりわけ反日を社是とするかのような朝日新聞は)自分が聞きたいようにしか聞かないし、話したいようにしか話さないものだと、思わざるを得ません。従軍慰安婦問題が、もとを辿れば朝日新聞の誤報に始まったのはよく知られるところですが、何の反省もなく、あの世紀の誤報の系列に連なることが繰り返されていると思うと、ちょっと哀れですらあります。
思い出されるのは、橋下発言との共通性です。人はいちいち原文や全文に当たって確認するほどヒマではなく(私のような酔狂を除いて)、怪しいと訝りつつも報道を聞き流したり、(内容を気に入れば)そのまま鵜呑みにしたりする人が大部分で、いつの間にか世論が形成されて行きます。決して中・韓のように初めから日本を叩こうと手ぐすね引いて待っているわけではない他の外国政府ですらも、文脈から判断すれば弁解の余地ありと仮に認めていたとしても、報道によって一定の世論が形成され、とりわけ橋下発言のときは女性人権団体が、また今回はユダヤ系人権団体が過敏に反応してしまうと、そこに配慮した政治的発言をせざるを得ない世の中であることに、気をつけなければなりません。
そういう意味でも、麻生さんは、近所に住んで入れば面白いオヤジだと思うでしょうが、政治家としては脇が甘いと言わざるを得ません。参院選前には、安倍総理はじめ周囲からさんざん失言注意報が繰り出されたと言われ、さすがの本人も気を引き締めて緊張していたことでしょうが、選挙が終わった途端、気が緩んで、いつもの失言癖が出てしまったのでしょうか。麻生さんに限らず、脇の甘い政治家と、何かと言葉尻を捉えて足を引っ張ろうとするマスコミが、結果として国益を損なう茶番劇を演じることほど、情けないものはありません。中・韓という、日本を貶めることに生き甲斐を求めるご近所さんがいるのは、嘆かわしくも、価値観を異にする人たちの行うこととして諦めざるを得ませんが、折角、法による支配や自由や民主主義などといった人類の普遍的価値観を共有すると宣言していながら、欧米や東アジアを除くアジアやその他のコミュニティから、白い目で見られかねない事態だけは避けなければならないと、心から憂える次第です。
<発言全文>
(このカッコ内は要約的なものも含む「全文」と称するものからのコピペ: 護憲と叫んでいれば平和が来ると思っているのは大間違いだし、改憲出来ても世の中、全て円満にと全然違う。改憲は単なる手段だ。目的は国家の安全と安寧と国土、我々の生命、財産の保全、国家の誇り。)
一番最初に申し上げたように、わーっとなった中で、狂騒の中で、狂乱の中で、騒々しい中で、決めて欲しくない。ちょっと皆さんよく落ち着いて、我々を取り巻く環境はなんなんだと、この状況を良く見て下さいと、いう世論というものの上に、憲法改正は成し遂げるべきなんだと、そうしないと間違ったものになりかねない、ということを思うわけです
最後に、僕は、今、三分の二という話を、よくでてきますけども、じゃあ伺いますが、ドイツは、ヒトラーは、ありゃ民主主義によって、きちんとした議会で多数を握って、ヒトラー出てきたんですよ。ヒトラーというのは、いかにも軍事力で取ったように思われて、全然違いますよ。ヒトラーは選挙で選ばれたから。ドイツ国民はヒトラーを選んだんですよ。間違えんでくださいよ、これ。そして彼は、きちんと、ワイマール憲法という、当時、ヨーロッパで最も進んだ憲法下にあって、ヒトラーが出てきたんだから。だから常に憲法は良くても、そういったことはありうるということですよ。ここはよくよく頭に入れておかないといけないのであって、私どもは憲法はきちんと改正すべきだと言い続けていますけども、その上で、これをどう運営していくかと、これはかかって皆さん方が投票する議員の行動であってみたり、またその人たちのもっている見識であったり、矜持であったり、そういったようなものが最終的に決めてくる。
(このカッコ内もコピペ: 私どもは、周りに置かれている状況は、極めて厳しい状況になっていると認識していますから。それなりに予算で対応しておりますし。事実、若い人の意識は、今回の世論調査でも、20代、30代の方が、極めて前向き。一番足りないのは50代、60代。ここに一番多いけど。ここが一番問題なんです。私らから言ったら。なんとなくいい思いをした世代。バブルの時代でいい思いをした世代が。ところが、今の20代、30代は、バブルでいい思いなんて一つもしていないですから。記憶あるときから就職難。記憶のあるときから不況ですよ。この人たちの方が、よほど、喋っていて現実的。50代、60代、一番頼りないと思う。喋っていて。おれたちの世代になると、戦前、戦後の不況を知っているから、結構しゃべる。しかし、そうじゃない。
しつこく言いますけど、そういった意味で、憲法改正は静かに、みんなでもう一度考えてください。どこが問題なのか。きちっと、書いて。おれたちは作ったよ。べちゃべちゃ、べちゃべちゃ、いろんな意見を何十時間もかけて、作り上げた。そういった思いが、我々にある。そのときに喧々諤々、やりあった。30人いようと、40人いようと、極めて静かに対応してきた。自民党の部会で怒鳴りあいもなく。「ちょっと待ってください、違うんじゃないですか」と言うと、「そうか」と。偉い人が「ちょっと待て」と。「しかし、君ね」と、偉かったというべきか、元大臣が、30代の若い当選2回ぐらいの若い国会議員に、「そうか、そういう考え方もあるんだな」ということを聞けるところが、自民党のすごいところだなと。何回か参加してそう思いました。ぜひ、そういう中で作られた。ぜひ、今回の憲法の話も、私どもは狂騒の中、わーっとなったときの中でやってほしくない。
靖国神社の話にしても、静かに参拝すべきなんですよ。騒ぎにするのがおかしいんだって。静かに、お国のために命を投げ出してくれた人に対して、敬意と感謝の念を払わない方がおかしい。静かに、きちっとお参りすればいい。何も、戦争に負けた日だけ行くことはない。いろんな日がある。大祭の日だってある。8月15日だけに限っていくから、また話が込み入る。日露戦争に勝った日でも行けって。といったおかげで、えらい物議をかもしたこともありますが。)僕は、この4月28日、忘れもしません、4月28日、昭和27年、その日から、今日は日本が独立した日だからといって、月曜日だったか、靖国神社に連れて行かれたましたよ。それが、私が初めて靖国神社に参拝した記憶です。それから今日まで、まあ、結構歳くってからも、毎年1回、必ず行っておりますけれども、そういったような意味で言ったときに、わーわーわーわー騒ぎになったのは、いつからですか、これは。昔は静かに行っておられましたよ。各総理大臣もみな行っておられたんですよ、これは。いつから騒ぎにしたんです。マスコミですよ(拍手)。違いますかね(拍手)。いつのときからか、騒ぎになった。騒がれたら、中国も騒がざるをえない。韓国も騒ぎますよ。だから、静かにやろうやあ、と言うんです。憲法は、ある日、気が付いたら、ドイツが、さっき話しましたけれども、ワイマール憲法がいつの間にか変わっていて、ナチス憲法に変わっていたんですよ。誰も気がつかないで変わったんだ。あの手口に学んだらどうかね(笑)。もうちょっと、わーわーわーわー騒がないで、本当にみんな、いい憲法だからといって、それをみんな納得してから、あの憲法変わっているからね。だから是非、そういった意味で、僕は民主主義を否定するつもりは全くありませんし、しかし私どもは、重ねて言いますが、喧噪の中で決めないで欲しい。
<了>