風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

追悼・サイコロキャラメル

2016-05-10 00:07:36 | 日々の生活
 明治製菓のロングセラー菓子「サイコロキャラメル」が3月末で販売終了になっていたことが判明し、「悲報」がネットを駆け巡っている。そのせいかどうか、アマゾンで販売されていた「明治 サイコロキャラメル 10粒×10個」(価格:¥1,619〔¥162/個〕)には、「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定」とのメッセージが出ている。
 「遊べるお菓子」をコンセプトに、一辺25mmの立方体のサイコロ柄の個性的なパッケージで、1927年(なんと昭和2年!)10月から製造・販売されていたというので、実に88.5年もの長きにわたって親しまれて来た商品ということになる(どうでもいいことだが、毛沢東が井崗山にソビエト政権を樹立し、またソビエト共産党がトロツキーらを除名した頃のことである)。長きに・・・と言うよりも、昭和2年に発売開始された当初はさぞ斬新なデザインで注目されたことだろう。販売終了の理由について同社は、より強いカテゴリーの商品に注力する流れの中で、キャラメル市場の縮小や、売上の減少があったと説明しており、現に「サイコロキャラメル」のほか「ヨーグルトキャラメル」や「クリームキャラメル」もともに生産終了した結果、同社の代表的な菓子で戦前から販売されているものは、1926年発売開始の「ミルクチョコレート」を残すのみとなったらしい(以上、J-CASTユースほか)。まさにこれも時代の流れなのだろう。
 私ごとながら、小学生の頃のことだから40年以上前の話になるが、大学卒業まで20年間暮らした町の国道沿いに明治製菓の工場があり、町内会対抗運動会のスポンサーになってくれていたのだろう、景品として明治のお菓子が貰えて、「サイコロキャラメル」も含まれ、歯に粘りつくのを気にもせず、くっちゃくっちゃ頬張ったものだ。なんとも長閑な当時が偲ばれる。
 明治製菓のサイトを検索すると、今回の販売終了ではなく、2008年12月5月のプレスリリースが引っ掛かった。ポッカコーポレーションとの共同開発商品第三弾登場と称して、「『ポッカコーヒー』の主な購買層である30~50代の“大人の男”をターゲットに」との謳い文句のもと、「ポッカコーヒーチョコレート」「ポッカコーヒーキャンデー」「ポッカコーヒータブレット」「ポッカコーヒーガム」と並んで「ポッカコーヒーキャラメル」(サイコロキャラメル類似のパッケージで、サイコロの目がコーヒー豆になっている)が売り出されたというものだ。果たしてこの年代の“大人の男”が購入したのか甚だ疑問だが、今となっては何だか物悲しい。
 北海道のローカル番組「水曜どうでしょう」(北海道テレビ)の人気企画「サイコロの旅」で、俳優の大泉洋さんらが旅程を決める小道具(サイコロ)として使っていたため、ツイッターには「水曜どうでしょうのサイコロの旅が一番困るんじゃないか」、「『水曜どうでしょう』ごっこができなくなる」といった呟きもあったようだが、もとよりそんな番組のことは知らない。しかし、この番組のためかどうか、「サイコロキャラメル」のブランドは明治製菓のグループ会社に移管され、6月に北海道限定の「おみやげ品」として発売予定という。それが朗報と言えるのかどうか・・・とりあえずこの追悼ブログを書いた以上、「白い恋人」の向こうを張って頑張って欲しいとエールを送ることにしよう(そのためには「面白い恋人」のような大阪の援軍が必要かも)。
コメント (3)
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