風来庵風流記

縁側で、ひなたぼっこでもしながら、あれこれ心に映るよしなしごとを、そこはかとなく書き綴ります。

カード詐欺のはなし

2016-05-24 00:00:47 | 日々の生活
 あるクレジットカード会社から、私のカードが第三者により不正利用された可能性が高いとの連絡が入った。同社の不正利用検知システムにより判断したものだそうで、カード利用内容について至急確認したいため連絡を乞うとして、セキュリティセンターの電話番号(24時間受付)が記されていた。カードマンが免許証コピーや印鑑不要だとして手軽さを売りにするあのクレジットカード会社である。先ずは電子メールで、しかしフリーメールだったのでチェックせず気づかないでいたら、一週間後に郵便で同様の連絡が入った。
 日本でカード詐欺に遭ったのは初めてだが、20年ほど前、アメリカ滞在中に一度経験がある。当時のアメリカは(今でもそうだと思うが)小切手社会で、クレジットカード利用明細書に基づき、小切手を返送する形で決済する。あるとき、不正利用を発見したため、心当たりなしとのメモ書きとともにその分を差引いて小切手を返送したところ、差引いた金額が未払いだとして高額の延滞料をチャージされたため、抗議の電話をしたら、不正利用も含めて100%決済した上で、後から不正利用を申し立てるのがルールだと反論され、実際にカード利用明細書の裏にそのように説明書きがあるはずだと諭されてしまった。その後、カード会社から不正利用分が還付されて、一件決着と安心していたら、今度は、不正利用分が未払いだと、あるサービス会社から支払い督促の郵便が届いた。何日以内に支払わなければブラック・リストに載ることになるぞ・・・という脅しである。どうも私宛の債権が取立て会社に売却されたらしい。拙い私の英語ではラチが明かないだろうと、駐在していた会社の社内弁護士に事情を説明し、私の俄か顧問弁護士として代わりに電話してもらい、なんとか握り潰してもらったが、実に後味の悪い想い出である。
 さて日本の話に戻ると、カード会社のWebサイトを見ても、セキュリティセンターの名前も電話番号も出ていない。検索すると、同様にセキュリティセンター・メールの信憑性に疑問をもった何人かがブログに書き込みをしているのを見つけ、どうやら本物らしいと分かった。そこで、深夜ではあったが電話して事情を聞くと、連休中の2日間に13万円と30万円の利用があったとの由、勿論、心当たりがないと答えると、私の口座から引き落とされないよう処置してくれた。
 実はこれで一件落着とはならず、ふと、電話した際に本人確認のために生年月日を答えさせられたことが気になって、翌日、今度はクレジットカードに記載されたコールセンターに電話し、セキュリティセンターの一件を再確認した次第である(最初からそうすれば良かったのだが)。疑い出せばキリがない。個人情報への社会的関心が高まるにつれ、何かと疑心暗鬼になる、実に面倒な時代になったものだと思う。
コメント
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