イチローが15日(現地時間)のパドレス戦で、1回第一打席に一塁線上のボテボテのキャッチャー・ゴロをイチローらしい内野安打にして、ピート・ローズの持つ大リーグ記録4256安打に並ぶと、9回第五打席にはライトポール際へ糸を引くような美しいライナーの二塁打を放ち、日米通算4257安打として、ピートローズをあっさり超えた。
ピート・ローズ自身が「日米通算安打は、大リーグ記録ではない。それで超えたというなら、おれのマイナーでの安打数を加えろ。それもプロのヒットだ」などと乱暴な、日本プロ野球をマイナー・レベルだと言わんばかりの大人げないことを言うので、さすがにイチローも冷めてしまう。実際、ピート・ローズの最多安打記録にゴールを設定したことはないと言う。「日米合せた数字ということで、どうしたってケチがつくことは分かっている」、「今回はピート・ローズが喜んでくれていたら、全然違うんですよ。でも、そうじゃないっていうふうに聞いているので、だから僕も興味がないっていうか・・・」、またピート・ローズの発言に対して、「そういう人がいた方が面白いしね。だって、大統領選の予備選見てたって、面白いじゃないですか。そりゃあだって、あの共和党の方がいらっしゃるから盛り上がっているわけで、そういうところありますよ」、「それは人間の心理みたいなものですから。それはいいんじゃないですか。じゃないと盛り上がらないし、っていうところもあるでしょ?」 イチローは大人だ。
しかし、初回のヒットに対しては、試合開始直後ということもあって客席はまばらだったが、三塁側の内野席を中心にスタンディング・オベーションが起こったらしい。クリスチャン・イエリッチのヒットで生還すると、ダグアウトで同僚にもみくちゃにされた。そして9回にはファンは総立ちとなり、打たれたパドレスの守護神フェルナンド・ロドニーもイチローを祝福すると、ショートのアレクセイ・ラミレスは拍手を送ったらしい。日米通算なのだから大リーグ記録になり得ないのは当然で、しかし、2001~2010年に10年連続200安打を達成し、中でも2004年には262安打のシーズン最多安打記録を作っているメジャー16年目、42歳の打撃能力が抜きん出ていることは、ファンならずとも知っている。
この記録の陰には、打つだけでなく走・守にも秀でる彼の身体能力と、体調をベストに維持し、故障しないで試合に出続ける、コンディションづくりへのひた向きな努力がある。チームの中で最も打席が多く回ってくる打順1番に座っていられるのは、通算盗塁成功率が8割を超えるイチローの機動力を生かすためである。大リーグ在籍15年間で出場試合が140を下回ったシーズンは一度もない。イチローと言えども打撃スランプはあっても、試合に出続ける限りレーザービームなど守りでは確実に魅せてくれる。その存在感は大きい。結果として、「(試合数x)打席数x打率=安打数」を最大化出来ていることになる(あるいは本人には、如何に出場試合数を増やすか、打席を増やすか、打率をあげるか、というのが先にあるのかも知れないが)。
そしてイチローの美学である。「ホームラン好きな女性に、僕は魅力を感じませんね。技術を要する内野安打にはセクシーさがある。僕は怪力よりも技術で女性を驚かせたい。それで、たまには大きいのも打てるって姿を見せておけば、ちょっとしたアピールもできるかもしれないし」(2009年NY Times紙)。痺れるなあ。大リーグ記録ではなく、世界記録として、王さんの通算868本塁打と並び、イチローの通算4257安打を称えたい。
ピート・ローズ自身が「日米通算安打は、大リーグ記録ではない。それで超えたというなら、おれのマイナーでの安打数を加えろ。それもプロのヒットだ」などと乱暴な、日本プロ野球をマイナー・レベルだと言わんばかりの大人げないことを言うので、さすがにイチローも冷めてしまう。実際、ピート・ローズの最多安打記録にゴールを設定したことはないと言う。「日米合せた数字ということで、どうしたってケチがつくことは分かっている」、「今回はピート・ローズが喜んでくれていたら、全然違うんですよ。でも、そうじゃないっていうふうに聞いているので、だから僕も興味がないっていうか・・・」、またピート・ローズの発言に対して、「そういう人がいた方が面白いしね。だって、大統領選の予備選見てたって、面白いじゃないですか。そりゃあだって、あの共和党の方がいらっしゃるから盛り上がっているわけで、そういうところありますよ」、「それは人間の心理みたいなものですから。それはいいんじゃないですか。じゃないと盛り上がらないし、っていうところもあるでしょ?」 イチローは大人だ。
しかし、初回のヒットに対しては、試合開始直後ということもあって客席はまばらだったが、三塁側の内野席を中心にスタンディング・オベーションが起こったらしい。クリスチャン・イエリッチのヒットで生還すると、ダグアウトで同僚にもみくちゃにされた。そして9回にはファンは総立ちとなり、打たれたパドレスの守護神フェルナンド・ロドニーもイチローを祝福すると、ショートのアレクセイ・ラミレスは拍手を送ったらしい。日米通算なのだから大リーグ記録になり得ないのは当然で、しかし、2001~2010年に10年連続200安打を達成し、中でも2004年には262安打のシーズン最多安打記録を作っているメジャー16年目、42歳の打撃能力が抜きん出ていることは、ファンならずとも知っている。
この記録の陰には、打つだけでなく走・守にも秀でる彼の身体能力と、体調をベストに維持し、故障しないで試合に出続ける、コンディションづくりへのひた向きな努力がある。チームの中で最も打席が多く回ってくる打順1番に座っていられるのは、通算盗塁成功率が8割を超えるイチローの機動力を生かすためである。大リーグ在籍15年間で出場試合が140を下回ったシーズンは一度もない。イチローと言えども打撃スランプはあっても、試合に出続ける限りレーザービームなど守りでは確実に魅せてくれる。その存在感は大きい。結果として、「(試合数x)打席数x打率=安打数」を最大化出来ていることになる(あるいは本人には、如何に出場試合数を増やすか、打席を増やすか、打率をあげるか、というのが先にあるのかも知れないが)。
そしてイチローの美学である。「ホームラン好きな女性に、僕は魅力を感じませんね。技術を要する内野安打にはセクシーさがある。僕は怪力よりも技術で女性を驚かせたい。それで、たまには大きいのも打てるって姿を見せておけば、ちょっとしたアピールもできるかもしれないし」(2009年NY Times紙)。痺れるなあ。大リーグ記録ではなく、世界記録として、王さんの通算868本塁打と並び、イチローの通算4257安打を称えたい。