癒しのＳＴさん

昨日相談したＳＴ（言語聴覚士）さんは、そうちゃんが３歳～４歳までの間に１年半毎週お世話になった先生です。
多動・他害がひどくて集団での療育がうまくいっておらず、個別の訓練もあった方がいいだろうとドクターと話し合い、始まったコミュニケーション訓練でした。

あの頃はフルタイムで働いていたので、夫と交代で時間給を取って行き、両方の祖母や子育てサポーターさんにも時々行ってもらいながら、家族総出で通いました。
その時間は、そうちゃんを診てもらえるだけでなく、親の話も受け止めてもらえるとても貴重な時間でした。

６年ぶりに先生とお会いして、懐かしさがこみあげました。
「最近はどう？そうちゃん。」と聞かれ、「うーん、動きはあまり変わってないです。」と言ったら、「そうー。」と驚きながら一緒に笑ってくれました。

そうちゃんは絵カードで絵の名称を５０個くらい言え、「すごいねー。上手に言えるねー。」と褒めてもらえました。
そっか。成長してるんだ。ゆっくりでも。
３歳だったそうちゃんとここに通った日々。思い出すだけで、胸が熱くなる。

先生がよく聞いて下さるので、そこからは堰を切ったように駆け足で、最近の出来事を話しました。

・デイで脱走して２キロ走り、マクドナルドで人のポテトを食べてしまって警察に保護されたこと。
・学校の給食中に走り出してランチルームを駆け抜け、校門の外に出るまで先生が追いつけなかったこと。
・チャイルドゲートを乗り越えたりカウンターキッチンに上って台所に侵入し、鍵のかかった冷蔵庫を開けてしまうこと。
・また違うデイでトイレの小窓から脱走して畑に降り立ち、けがもなく保護されたこと。
・万歩計をつけると大体２万歩を超えていて、休日は７～８キロ散歩することも稀ではないこと。
・朝の登校時に道路でひっくり返るのでおんぶしていること。車に乗せるとクラクションを鳴らそうとし続けること。
・夜は３時間おきに目覚めるので、私もそうちゃんも常に熟睡できていないこと、服薬などで調整中であること。

全部、ほんのここ数か月の出来事です。
先生、目を丸くして聞いて下さいました。
「やっぱりそうちゃんはスーパーだね。すごいね。」と言いながら。
それから、お姉ちゃんや他の家族の近況も気にかけてくれました。

そして最後に、

「よく無事に。ここまでみんな生きてきたね。
　頑張って、家で、よく育ててきたね。」と。

とうとう泣いてしまいました。私。
ありがとう、先生。大好きです。
抜けないトンネルはないっていう先生の言葉を信じて。
生きていこうと思う。

気持ちが浄化されて、小さいころのそうちゃんにも会えた気がして。
自分の置かれてる状況も少し客観的に見れて。
あったかい気持ちになれた相談でした。

言語訓練

そうちゃんが、口唇で発音する「ま行」「パ行」などを上の歯と下唇で発音していることを、言語聴覚士（ＳＴ）さんに相談をしてきました。

結論から言えば、「今、発音の訓練をする理由は見つかりません。」ということで、言語訓練は開始しないことになりました。
口唇で作る音を、代替法(前歯を使った)で完璧に話せているから、とのことでした。
普通は、発声法が違うと発音も聞き取りづらさが出ることがあるみたい。
「唇を合わせずに、こんなに上手に全部の発音ができる子を初めて見ました。そうちゃんなりに、耳で聞き取って工夫して、話せるようになったんですね。ここまで完成していると、直すことで本人が混乱する恐れがあります。デメリットの方が多いので、今回訓練の開始はしません。」

なるほど。
笑ったまま歯と下唇で「まみむめも」が言える独特の発音は、そうちゃんが苦労して獲得してきたものなんだ。
本人も周りも困らなきゃ、そのままにしといていいのね。

ただ、困ってるのは食事なんです。
前歯が「前突（ぜんとつ）」「開咬（かいこう）」になっていることで、奥歯の数本しか噛み合っておらず。
「吸う」ことが下手でスープをダラダラこぼすし、噛みちぎれないので何でも丸のみにしてしまいます。
手先もまだまだなのでハシが上手に使えず、左手で口にギューギュー押し込みながら食べます。
足を椅子に乗せたり、姿勢が崩れたり、急に走り出したりするので、ずっと付き添ってないといけません。

そんなことを訴えたら、「その内容なら、ＯＴ（作業療法）で訓練が可能かどうか聞いてみましょう。」と言ってくれました。
４月にはOTにかかれるかどうか、教えてもらえるそうです。
そうちゃんはOT訓練を受けたことが今まで一度もないので、楽しみ。
ついでに歩き方とか手の使い方とかも見てもらいたいな～。