かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

さりげなさに感動

2016年11月07日 20時21分18秒 | みゆみゆとの生活
今年度4度目の、居住地校交流に行ってきました。
地元小学校、5年生のクラスで給食を食べ、お掃除をする。
いつものパターンで。

毎回交流するクラスが違うので、少しづつやり方や雰囲気が違います。
今日は、みゆみゆが担任してもらったことのある先生のクラスにお邪魔しました。

着いたらトイレに行き、ちゃんと手を洗ってエプロンして、さっさと準備をするそうちゃん。
おかずを取りに行くと、当番の子たちが渡してくれました。
私の分も、そうちゃんが行ったり来たりしながら運んでくれて感激
少し前は、私からこんなに離して行動させることはできませんでした。

廊下にピュッと出ていってしまうんじゃないか、
手づかみでおかずを食べてしまうんじゃないか、
他の子にぶつかるのではないか・・・心配で。

実際に今日も、そうちゃんは違うところにフラーっと行きそうになったのだけど、
戸口近くにいた女子が「そうちゃんどこ行くの?スープはあっちだよー」と誘導してくれて。
「はい」と戻って来れて、感動しました。

「いただきます」までの間も、そうちゃんはご飯に手をつけずに座って待つことができました。
周りの子に、「そうちゃんよく待てるようになったでしょ?」と言ってみたら、みんな、「うん、うん」とうなずいてくれました。
「小さいころはよく走り回ってたもんねー」と言った男の子は、保育園が同じだった子で。
少し大人っぽくなったその横顔に、保育園時代を重ねて微笑んでしまいました。
月日は流れてるんだ。

そのあとの掃除でも子ども達が、
そうちゃんが雑巾を持ってボーっとしていると、しゃがんで拭く場所を教えてくれたり、
机を運ぼうとすれば、後ろからそっと片側を持っていてくれたり、
雑巾が絞れていなければ、かわりに絞って渡してくれたり。

なんてさりげないんだー あああー

感動。
そうちゃんが何をしたいのか、何ならできるのか、子ども達は見ている。
そして、必要なことだけ、静かに声を掛けている。
決して、大声で指示したり「今はこれする時間!」と手をギュッと引いたりしない。

おとなはつい、「教えよう」「手伝おう」としすぎるのだけど。
子ども達の方が、ずっと支援は上手だ、と思った。
小さいころから、断片的にでもそうちゃんと接しているから、多すぎない関わりが自然にできる。
そんな子ども達を信じて、そうちゃんのことを子ども達に任せてくれた先生にも、感謝です

周りが変われば居場所ができる。(by木村泰子先生)
年にたった6回の交流でも、それを実感できます。

そうちゃんにとっても、他の子ども達や先生にとっても、この経験が積み重なっていくように、
今後は、できれば交流するクラスを固定してもらえるよう、教頭先生に要望してきました。

そうちゃんと周りの子ども達の様子は、少しづついい方向に変化してきています。
けれど、毎回交流クラスが変わるため、一年を通した変化を知ってるのは私だけ。
これはもったいないです、と。
そうちゃんを通して、支援学校のことも、みんなに知ってもらいたい。

そんな話をした後、
「この子を、どうぞ教材として使って下さい。」と言いました。
教頭先生はよく聞いて下さって、
「交流はもちろんそうちゃんのためでもありますが、小学校の子ども達のためでもあります。
クラスの固定については、学年主任とも相談して、またお返事しますね。」と答えてくれました。

いつも温かく迎えてくれ、お忙しいだろうに真摯に答えて下さる教頭先生。
行くと必ず声を掛けてくださる、そうちゃんの大好きな校長先生。
ここに来ると、私も「おかえり」と言ってもらえた気がします。

交流は気が張るし、疲れるけど。
でも、うれしいな、と思う気持ちが必ずじんわりと来るから。
何度でも、行きたいと思う。
「みゆみゆちゃんは元気ですか?」と聞いてくれる先生がたくさんいることも。
とても、シアワセなことです