かーちゃんはつらいよ

施設入所した18歳そうちゃん(自閉症、最重度知的障害、強度行動障害、てんかん)のかーちゃんが書く雑記。

交差点で大パニック

2018年09月09日 21時38分24秒 | みゆみゆとの生活
今日はみゆみゆの学園祭。
朝、そうちゃんをデイに送ってその足で高校へ向かうべく、車に乗り込んだら・・・

カタカタカタ・・・

車が嫌な音がする。
すぐに降りて見てみたら、パンクしてた
ピンチ。
大ピンチ。

すっかり行く気になっているそうちゃん。
タイヤの修理はそんなにすぐにはできない。
じゃあ電車で行ってみようか、と誘ってみたら、
「でんしゃで いくよぉ?」意気揚々と駅に向かって歩き出した。

車の修理は夫に任せ、一路、電車でデイを目指すことに。
最近のそうちゃんはとても落ち着いている。
それに、長年の行動援護で電車に乗るのも慣れている。
きっと、大丈夫。

と思ったが、甘かった。
相手はそうちゃんなんだから。
そんな甘い見通しではダメ!って朝の私を叱りたい。

いや、電車はなんとか30分乗れたし、乗り換えも上手くいったんだけどさ。
途中でデイの職員さんに駅までの迎えを頼んだのが、裏目に出てしまった。
頼むならもっと余裕もって頼んどかなきゃいけなかった。
あるいは、人に頼らずちゃんと道を印刷して調べといて、歩く覚悟で行くべきだった。

駅に着いた時、デイの車はまだ来ていませんでした。
「もうすぐお迎え来るからここで待つよ」と言ったのだけど、初めての場所で不穏になっているそうちゃん、「あっち!歩く!」と勝手に歩き出した。
グイグイ私の手を引っ張る。あまりに力が強くて止められない。
スマホの地図を見る間もなく、無理やり止めることもできず、ついていくしかない。
途中、ほんとに道がわからなくなって雨も降り出し、これ以上動くと余計大変なことになる、と判断。
コンビニの駐車場でそうちゃんを止め、デイに電話して交差点の名前などを伝え、探してくださいとお願いした。

そのあたりから、そうちゃんは本格的なパニックに。
赤信号だろうがなんだろうが、自分の思った方向に無理やり飛び出そうとし続ける。
それを私は、全身を使って止める。
「おねがい、そうちゃん。そっちは行かないで。お迎え来るから!」
たくさんの人に注目されてたけど、なりふり構ってなんかいられない。
そのうち激しい雨が降り出して、濡れた手が滑ってそうちゃんが走り出しかけた時は、もうこれでこの子は車にひかれてしまうのかと血の気が引きました。
幸い、鍛えられた瞬発力で捕まえられたけど。

コンビニの軒先まで連れて行って馬乗り状態で落ち着かせている時、とても親切そうな奥さんが声を掛けてくれました。
「大丈夫ですか?何かお手伝いしましょうか?」
その言葉で、一気に涙が噴き出して。
でも両手はそうちゃんを捕まえているし、顔も頭も雨でびしょびしょで。
その液体が涙だと認識する暇もなく、「もうすぐ迎えが来るんです。それまでの辛抱なので。ありがとうございます。」そう答えた。
必死だった。

それからもなかなかデイの人とは落ち合えず。
私の体力も限界で。
110番して警察に応援を頼みました。
「自閉症の子どもがパニックで何度でも車道に飛び出そうとするんです。どうしたらいいですか?」
そんな、号泣しながらのSOSに、「今すぐそちらへ向かいます」と言ってくれた警察官。
本当にありがとうございました。
警察官がこちらへ向かってくれている、その事実だけで随分安心して。
でもそれからもまだ、駐車場の真ん中で私はそうちゃんと格闘し続けました。

最終的に、最初に来てくれたのはデイの別の方でした。
最初の方は私の位置がわからなかったのか、結局会えずじまいでした。申し訳ないことをしました。
警察には丁重に謝り、「来ていただかなくても大丈夫です」とお話しました。
状況を聞いてくれ、「また何かあったら電話してくださいね。」と言ってくれました。

デイの車にそうちゃんと一緒に乗り、信頼している職員さんに今日のいきさつを話すうち、涙が止まらなくなって。
号泣してしまいました。
タオルも持っていなかったので、そうちゃんの着替え用のシャツを顔に押し当てて。
悲しくて、辛くて、反省反省の、涙。

ちょっとしたハプニングと、
少しの判断ミスが重なって。
たくさんの人にご迷惑とご心配をかけた。
何よりそうちゃんに、かわいそうなことをした。
ともかく、誰もケガをしなくてよかった。
何も物を壊さなかったのも幸いだった。

声を上げて泣く私の背中をさすりながら、「もっと早く迎えに行けばよかったです。ごめんなさいね・・・。」と言ってくれた若い職員さん。
何も悪くないのに。でも、ありがとうございます。そう言って下さって。

そうちゃんは、大好きな職員さんの車で、すっかり落ち着いてデイに行きました。

ああ、しんどかった。
そのあとしばらく、涙が汗みたいに出続けました。

車のタイヤを直して迎えに来た夫と辛いラーメンを食べて気分を立て直し。
みゆみゆの学園祭に、予定より遅れて行きました。

その話はまた今度。