ヒラリー・クリントン国務長官が来日した。日本政府は「国務長官の初訪問国となった」と喜んでいるが、中川辞任に水をさされた。長官は「24日に総理をホワイトハウスに招待します。オバマ大統領がはじめて会う外国指導者は麻生総理」とさらに持ち上げに懸命だ。
そこで、外国マスコミの見方で頭を冷やそう。
★
朝鮮日報・・・・「クリントン氏の国務長官就任後初の訪問国が日本となったことについて、日本政府は大きく意味づけている。日本の外務省関係者は「日米同盟を重要視する象徴的な意味としてとらえている」と述べた。しかしクリントン長官のアジア歴訪の最大の関心は中国だ。ワシントン・ポストは15日、クリントン長官が最初の訪問先として日本を選んだのは「象徴的なもの」とし、実際は中国への訪問を最も重要視していると報じた。クリントン長官は外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』への寄稿で、「今世紀は米国と中国との関係が世界で最も重要な2国間関係になる」と主張していた。
中国の新華社通信も16日、クリントン長官の訪中を「圧軸劇目」と評した。演劇で最も重要なプログラムは、今回のアジア歴訪の最後の国となる中国で展開されるという意味だ。」
★
なるほど。国務長官として日本を初訪問国としたのはラスク長官以来だとか。
そこで、ラスクについて調べた。
★
池田首相訪米準備のために、米国務省が作成した部内文書(1961年6月14日付)についての赤旗解説・・・・
池田勇人首相とケネディ大統領との最初の日米首脳会談は、一九六一年六月二十日からワシントンで開かれ、六月二十二日には、日米共同声明が発表された。この文書は、この首脳会談で、ケネディ大統領の側から、「原子力潜水艦の日本寄港」の問題が提起される場合がありうると考え、その場合にそなえて国務省が作成した部内の覚書である(実際には、原潜寄港問題は、首脳会談ではなく、並行して六月二十一日におこなわれたラスク国務長官と小坂外相の会談でとりあげられ、米側からその希望が表明されたが、日本側からは、国民の世論からみて現時点では困難だとの見解がのべられ、今後の問題として持ち越された。)
この部内文書には、日本政府とのあいだに、核兵器を積載した艦船・飛行機の「通過(トランジット)」について、「秘密裏」の合意があることが、次のように明記されている。
「日本との条約取り決めでは、核兵器が日本に『持ち込まれる(イントロデュース)』前に日本との公式協議を必要とするが、実際には、日本政府は、日本を通過する(トランジット)艦船と航空機に積載された〔核〕兵器については関知しないと、秘密裏に合意している。」
★
これは秘密文書が明らかになった当時(2000年)の共産党・不破委員長が明らかにした一端。なるほど、ラスクはいまにつづく核密約の張本人か。
「オバマに会える。人気にあやかりたい」と総理の心は弾んでいるかもしれないが、いまは米軍再編問題の真最中。アフガンへの米軍増派計画もある。オバマ政権も日米軍事同盟の手綱を緩める気配はない。
24日の急な訪米会談は国民にとっても眼光紙背に徹することがもとめられる。
★
ところで、朝鮮日報記事でも紹介されていた外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』日本版が休刊した。まだ日の浅いこのブログでも記事を紹介したことがあるその道の専門誌。華々しいクリントン来日とのコントラスト。
そこで、外国マスコミの見方で頭を冷やそう。
★
朝鮮日報・・・・「クリントン氏の国務長官就任後初の訪問国が日本となったことについて、日本政府は大きく意味づけている。日本の外務省関係者は「日米同盟を重要視する象徴的な意味としてとらえている」と述べた。しかしクリントン長官のアジア歴訪の最大の関心は中国だ。ワシントン・ポストは15日、クリントン長官が最初の訪問先として日本を選んだのは「象徴的なもの」とし、実際は中国への訪問を最も重要視していると報じた。クリントン長官は外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』への寄稿で、「今世紀は米国と中国との関係が世界で最も重要な2国間関係になる」と主張していた。
中国の新華社通信も16日、クリントン長官の訪中を「圧軸劇目」と評した。演劇で最も重要なプログラムは、今回のアジア歴訪の最後の国となる中国で展開されるという意味だ。」
★
なるほど。国務長官として日本を初訪問国としたのはラスク長官以来だとか。
そこで、ラスクについて調べた。
★
池田首相訪米準備のために、米国務省が作成した部内文書(1961年6月14日付)についての赤旗解説・・・・
池田勇人首相とケネディ大統領との最初の日米首脳会談は、一九六一年六月二十日からワシントンで開かれ、六月二十二日には、日米共同声明が発表された。この文書は、この首脳会談で、ケネディ大統領の側から、「原子力潜水艦の日本寄港」の問題が提起される場合がありうると考え、その場合にそなえて国務省が作成した部内の覚書である(実際には、原潜寄港問題は、首脳会談ではなく、並行して六月二十一日におこなわれたラスク国務長官と小坂外相の会談でとりあげられ、米側からその希望が表明されたが、日本側からは、国民の世論からみて現時点では困難だとの見解がのべられ、今後の問題として持ち越された。)
この部内文書には、日本政府とのあいだに、核兵器を積載した艦船・飛行機の「通過(トランジット)」について、「秘密裏」の合意があることが、次のように明記されている。
「日本との条約取り決めでは、核兵器が日本に『持ち込まれる(イントロデュース)』前に日本との公式協議を必要とするが、実際には、日本政府は、日本を通過する(トランジット)艦船と航空機に積載された〔核〕兵器については関知しないと、秘密裏に合意している。」
★
これは秘密文書が明らかになった当時(2000年)の共産党・不破委員長が明らかにした一端。なるほど、ラスクはいまにつづく核密約の張本人か。
「オバマに会える。人気にあやかりたい」と総理の心は弾んでいるかもしれないが、いまは米軍再編問題の真最中。アフガンへの米軍増派計画もある。オバマ政権も日米軍事同盟の手綱を緩める気配はない。
24日の急な訪米会談は国民にとっても眼光紙背に徹することがもとめられる。
★
ところで、朝鮮日報記事でも紹介されていた外交専門誌『フォーリン・アフェアーズ』日本版が休刊した。まだ日の浅いこのブログでも記事を紹介したことがあるその道の専門誌。華々しいクリントン来日とのコントラスト。