前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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民主党のルール無視の国会運営の実態

2010年04月06日 | Weblog
   民主党のルール無視の国会運営の実態と、それを是正させた日本共産党国会議員団のとりくみを佐々木衆議院議員が書いています。



佐々木衆議院議員のメールより・・・・・この1週間、議院運営委員会理事会では、国会の審議のあり方をめぐって、ながいながい議論がありました。ことの発端は、民主党の一方的で強引な国会運営にありました。3月26日(金曜日)に、民主党が、突然「労働者派遣法案と地域主権関連法案の2法案を“参議院先議”にしたい」と言い出したのです。「参議院先議」というのは、政府が先に参議院側に法案を提出し審議・採決して衆議院に回してくるやり方です。野党側は、いっせいに抗議しました。いくら何でも、それは強引すぎるからです。

ほんらい 政府が提出する法案は、衆議院から審議をはじめるのが国会の基本ルールとなっているのです。たとえば憲法60条は、予算案について衆議院の優先審議権を規定しています。また、予算に関連がある内閣提出法案は衆議院から先に審議するルールが決められています(「先例集」)。とりわけ、総理大臣が出席して質疑をおこなう重要法案については、衆議院から審議することが当然のこととされてきました。──「参議院先議」は例外で、与野党が合意した議案についてのみ、おこなわれてきたのです。

私は、(1)派遣労働法改正案は重要広範議案であり同議案の参院先議の前例は一度もないこと、(2)地域主権関連法案は予算関連の政治主導確立法案とセットになっており予算関連法案は衆議院審議が慣例となっていることを強調しました。

ところが民主党は、野党の抗議を無視して、月曜日(29日)の午後5時に、これらの法案を参議院に提出してしまったのです。そのため、野党は「衆議院の議運理事会で協議中であり合意もしていないのに、参議院に突然提出するのはあまりにも異例であり与党の横暴だ」と主張し、2法案の参議院提出を撤回し、衆議院に提出するよう要求しました。自民党、公明党も撤回を主張しました。

私は、「あの強引な自民党もやらなかった暴挙だ。民主党はそこまでルール破壊をするのか!」と言うと、民主党の理事は勢いを失い、自民党理事は複雑な表情をしていましたが……。3月31日付「しんぶん赤旗」には、経過と解説が詳しくのりました。その日、自民党理事がこういいました。「ありがとう、うまく整理してもらって。他の新聞では報道してくれないから」と。──「しんぶん赤旗」の面目躍如ですね。

民主党は「参院選挙があり日程がタイトで、十分な審議をするためだ」などと説明しましたが、与野党の合意なしに政権側の都合だけで勝手に参院先議を決めることになれば、混乱をもちこむこととなり、かえって十分な審議ができなくなります。
私は、民主党理事に言いました。「早くやろうとして強引なことをすれば、それが裏目に出て、結局、時間がかかることになる」と。その理事はぽつりと「そうだよな」と言いました。
じっさい、議院運営委員会でこんな議論をしていたため、予定されていた木曜日(4月1日)と金曜日(4月2日)の本会議が出来なくなってしまいました。
与党にとっても「非効率」だったのです。

暗礁に乗り上げたため、4月2日になって、ついに民主党は主張を取り下げ、派遣法改定案の参議院先議を撤回し、衆議院に提出しなおすと表明しました。これを受け、自民・公明両党は、「前例としない」ことを条件に同意しました。
私は、「派遣法改定案の撤回再提出は当然であり、地域主権関連法案もそうすべきだ」と主張しました。そのうえで「今後、与野党が合意した場合のみ参議院先議とすること、重要広範議案は議論の余地なく衆議院から審議することを確認すべきだ」と求めました。

松本剛明議運委員長は、(1)法案は衆議院から議論するのが普通である、(2)合意を得て運営していくことが充実した審議につながる、(3)重要広範議案は参議院先議となったことはない、その重みを政府・与党に伝える。──このようにまとめました。
これで、一件落着しましたが、今回の事態は、日本共産党がスジの通った主張をすれば、議会運営の上で大きな影響を与えることを証明するものとなりました。・・・・・・・


          ★

  あの自民党政権時代にもやらなかった暴挙をおこなう民主党政権。
最近では、各地の候補者擁立でも地元が反対するにもかかわらず「幹事長主導の強引な複数擁立」が報道されています。地方の意見を無視した中央本部の活動。日本共産党にいる身にとっては考えられない「上意下達、地方無視」です。
 しかし、民主党内のことであれば、それは党内のことで済みますが、国会に運営にまで合意もないのに民主党流の「押し付け」をするのは筋違いでしょう。

   ましてや、鳩山内閣が「一丁目一番地」と位置づける「地域主権改革」法案は、自公政権時代に「地方分権」の名で打ち出された「構造改革」路線による地方切り捨てを受け継いだものにほかなりません。

法案は国の基準を撤廃して地方に委ねるものですが、国が基準を定めているのは、憲法に基づいてナショナルミニマムをすべての国民に保障するためです。
 保育所の面積基準を後退させれば、詰め込みをひどくするだけです。避難階段や耐火基準の撤廃は、消防防災に逆行です。

    しかも、国の基準をなくして地方まかせにすれば、国が財源保障の責任を果たすために地方に出している国庫負担金の削減にもつながり、公共サービスの向上どころか地域格差をさらに広げることになりかねません。
    このように地方をますます「破壊」しかねない法案をごり押しするために、国会審議のルールを破ることは本当に許されないと思います。