前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県知事の原発「もんじゅ」運転再開了承に抗議

2010年04月28日 | Weblog
    今日は、西川福井県知事が原発「もんじゅ」運転再開了承を文部科学大臣に伝える、というので抗議の申し入れや宣伝行動に参加しました。

●原発反対県民会議の申し入れ
 午前11時から、県庁原子力安全対策課で代表委員の中嶌哲演氏、田嶋公人氏をはじめ団体代表らが抗議申し入れをおこないました。「再開に先立って起きたナトリウム検知器の故障発生で県民の不安はさらに大きくなっており、私たちは、本日の再開同意に強い怒りを込めて抗議します」と中嶌さんが読み上げました。
  わたしも、昨日のトラブルはナトリウムというもんじゅの根幹にかかわるところ。原因究明前に運転再開同意をすべきでない。地域振興というが新幹線など逆に県民負担も重くなる。筋違いの取引だ」などと批判しました。
  応対した岩永課長は、「今後、劣化をふくむ安全性も慎重に確認していく」「昨日のポンプのトラブル。昨年5月に取り替えたもの。ただ、この検出器だけでナトリウム漏洩を監視しているのではない。分解して原因究明することとなっている」「軽水炉と違う『もんじゅ』特有の危険性は認識している。安全にたいして課の職員全員で取り組む」などと答えました。


●県庁前宣伝
  昼休みに、県庁前で抗議の宣伝。南秀一県委員長、金元書記長、山田かずお参院選挙区予定候補、西村、鈴木両市会議員らが参加し、党の抗議声明も配りながら県民に訴えました。わたしもマイクを握りました。


●党の抗議声明の発表
  宣伝の後、原子力安全対策課と県政記者クラブをたずね、抗議声明を手渡しました。

  以下、抗議声明です。


西川知事の「もんじゅ」運転再開了承に抗議する声明

                        2010年4月28日 日本共産党福井県委員会


一、本日、西川知事は文部科学大臣に「もんじゅ」運転再開を了承する旨を伝えました。わたしたちは、これに対しつよく抗議するものです。

二、今回、1年前に交換したばかりのナトリウム漏れの検出器が故障するなど、依然として「もんじゅ」の安全管理が不十分であることがしめされました。あらためて、冷却材にナトリウムを使用する巨大プラントを動かすことの危険性が浮き彫りとなりました。この原因調査も終わっていないにもかかわらず、早々と運転再開を了承したことは、安全第一を願う県民への背信行為です。

三、知事は3者協議のなかで、地域振興策として、運転が40年を超える原子力発電所に関連する交付金の充実や、北陸新幹線の敦賀までの早期認可を求めていますが、これはどちらも県民の利益を損なう問題が大きいものです。
40年を超える老朽化原発の運転・酷使は事故のリスクを高めるものです。
また、新幹線計画は、建設費の負担に加え、在来線と、さらには枝線の第三セクター化の負担を自治体と県民におしつけるものであるとともに、乗換えの必要や料金値上げなど県民利用にマイナスの面も生じます。
このような内容を「地域振興」と称して、危険な「もんじゅ」と取引したことは許されません。

四、これまでの申し入れなどで明らかにしてきたように、そもそも「もんじゅ」は、ウランの数万倍の放射能をもつプルトニウムを燃料とする点でも、冷却材に用いる液体ナトリウムの扱いが困難だという点でも、既存の原発以上に危険な原子炉です。原子炉内の放射性物質が外部に大量に放出されるような深刻な事故が起きれば、取り返しのつかない事態となります。運転再開は、県民の安全を損ないかねないものです。

五、「もんじゅ」の直近には長さ15キロメートルの活断層があることも明らかになっています。中越沖地震後に原子力機構が実施した耐震性再評価では、許容値ぎりぎりの配管もあります。とても、安全が確保されたといえる状態ではありません。

六、日本の高速炉開発には、すでに2兆円近くの税金が投入されています。「もんじゅ」だけでも約9000億円です。国民の医療や福祉が切り捨てられる一方で、このような巨額の無駄遣いを続けることは許されません。

七、知事の政治資金をめぐって、「もんじゅ」関連企業がパーティ券を購入していたことは、知事の公正な判断に疑念を投じるものです。巨額の税金が投入されている「もんじゅ」。その一部がいわゆる天下り企業を経由して、知事や敦賀市長や国会議員の政治資金として流れることは、税金の還流として断じて許されません。
かかる問題での政治的道義的責任をあいまいにしたまま、運転再開を了承したことは巨額の原発公共事業・「もんじゅ」をめぐる「政治とカネ」問題の疑惑をますます深めるものです。

八、このような知事の判断に誰一人として県議会議員からの異議がだされないのも異常な事態と言わざるを得ません。
さしせまった参院選、来春の知事選・県議選で、わたしたちは、危険な原発推進行政の転換をもとめ、県民の安全を第一とした国政、県政へ改革するため奮闘するものです。

         ★

  原子力安全保安院の検査の後、連休明けの6日にも運転再開、と報道されています。
原発反対県民会議では抗議の集会も計画するそうです。
  国民的、県民的な監視をつよめましょう。

さっそくトラブル。知事は「もんじゅ」運転再開を認めるべきではない

2010年04月28日 | Weblog
      読売・・・・・日本原子力研究開発機構は27日、5月上旬に運転再開を予定している高速増殖原型炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)で、ナトリウム漏れ検出器1台が故障したと発表した。ナトリウム漏れはなかった。機構が原因を調査中だが、原因によっては運転再開の時期に影響が出る可能性がある。
    機構によると、26日午後11時59分ごろ、原子炉の熱を伝える2次冷却系の検出器1台の故障警報が作動した。配管と保温材の間から空気を吸引し、その中のナトリウムイオンを煙感知器と同様の原理で検出する装置で、職員が調べると、空気を吸引するためのファンを動かすモーターが過熱して止まっていた。

    機構は、故障した検出器でナトリウムを一時的に検出できない状態になったことが保安規定に抵触したとして経済産業省原子力安全・保安院に報告した。検出器は部品を交換し、27日午前5時24分に復旧した。

   ナトリウム漏れの検出器はもんじゅ全体で4種類計614台設置され、故障したのと同じタイプの装置は2次系だけに32台ある。故障したモーターは昨年5月に交換していたという。・・・・・・・・

            ★

    知事は「運転再開の判断に影響ない」などと述べたという。予定通り、昨日敦賀市長の意見を聞いており、今日にも文部科学大臣に運転再開を認める危険性がある。

14年以上も停止していたプラントを動かした例は世界になく、ましてや、普通の原発と違い、冷却材にナトリウム、燃料にプルトニュームを使う点で、きわめて危険な原発だ。さらに、直下に活断層も確認され、構造上地震に弱い「もんじゅ」が巨大地震に耐えられるか、専門家からも疑問がだされている。

あらためて、今回のトラブルは「もんじゅからの警告」と受け止め、知事は運転再開に同意すべきではない。

しかも、3者協議で、40年超の原発運転への交付金拡大、北陸新幹線を「地域振興」として求めた。とんでもないことだ。
老朽化原発を酷使すれば、事故の危険も増大する。耐震性も老朽化原発では弱くなる。「カネ」で取り引きできることではない。
新幹線は、巨額の建設費用の地方負担、平行在来線・枝線の第三セクター化ということでさらに沿線自治体の巨額の財政負担と利用者の利便低下の懸念がある。
「地域振興」とは逆に、老朽化危険の増大と、地域財政の危機の拡大になりかねない。

西川知事は、今日の文部科学大臣への「ゴーサイン」を見送るべきだ。

     それにしても、このような知事の姿勢に県議会議員が全員賛成で後押ししている「なれあい県議会」も大問題だ。大臣からは「もんじゅと地域振興の意見書に全県議会議員が賛成したのですね」などと云われている始末だ。こういう分野でこそ「事業仕分け」の精神が求められるのではないか。