前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

SPEEDIを葬り、住民に被曝をおしつけるような安全委員会の議論は許されません!

2012年01月06日 | Weblog
     NHK・・・・ヨウ素剤判断にSPEEDI使わず  1月4日

     東京電力福島第一原子力発電所の事故で、放射性物質の広がりを予測するシステムが機能せず、甲状腺の被ばくを避けるヨウ素剤の取り扱いに混乱が生じたことから、国の原子力安全委員会は、ヨウ素剤の服用を指示するかどうかの判断に予測システムは使わないことを決め、空気中の放射線量など別の指標を導入することになりました。

     原子力事故の際、甲状腺の被ばくを避けるヨウ素剤を服用するかどうかは、放射性物質の広がりを予測する「SPEEDI」というコンピューターシステムのデータを基に国などが判断し、住民に指示することになっています。しかし、福島第一原発の事故ではシステムが機能せず、国や福島県が判断を示さなかったことから、市町村によってはヨウ素剤の取り扱いに混乱が生じました。

このため原子力安全委員会の作業部会は、今後も迅速な対応につながるか疑わしいとして、ヨウ素剤の服用を指示するかどうかの判断に予測システムは使わないことを決めました。代わりに、空気中の放射線量や原子炉の水位などのデータの利用を検討しています。さらに、服用の基準についても国際的な動きに合わせて見直し、1歳児の甲状腺の被ばく線量で今の半分の50ミリシーベルトに引き下げるということです。作業部会では今後、指標についての具体的な数値を検討し、ことし3月までに提言にまとめることにしています。・・・・・・


      この問題は県議会でも私は指摘し、国の態度をきびしく批判してきました。

空気中の放射線量のデータでは、すでにその地域に放射能汚染が広がっているということであり、むやみに移動すれば被曝量が増える恐れもあります。

SPEEDIは基本的に、風向などもふまえて、放射能汚染が広がる地域と日時を予測するわけですから、避難やヨウ素剤の服用などに「時間的な余裕」がうまれ、極力被曝をおさえる対応を考えるツールとなりえます。

     今回の福島原発事故対応の失敗を、システムのせいにする安全委員会の議論はひどい。

SPEEDIシステムは3.11の16時から計算結果の出力をつづけていたのです。1回の計算は15分でできるということですから、大量のデータが出力されたでしょう。

有効なシステムがありながら、それを活用できなかった自分たちの体制と能力こそ問題にすべきでしょう。


      安全委員会は事故原発からの「放出源情報」が得られなかったことを理由にしています。しかし、詳細データが得られなくとも1時間あたり1ベクレルという単位放出でのシミュレーションはでき、避難情報やヨウ素剤服用の情報として提供できるわけで詭弁でしかありません。

このことは、福井県のSPEEDIシステムを県議会厚生常任委員会で視察した際にも、県の岩永原子力安全対策課長は「計算はできる」と答えています。
しかも「原子力災害対策特別措置法」にもとづく防災基本計画では、単位放出量によって仮計算した拡散予測を関係自治体などに知らせることになっており、今回の福島原発事故時に、これらのSPEEDI情報が自治体と住民に提供されなかったことは違法行為ともいえるものです。そして大量の住民に避けられたはずの被曝をさせたのです。


     原発苛酷事故に備えたまともな予測システムを活用せずに、モニタリングにより「地域や住民が放射能を浴びたら対策を考える」と言わんばかりの今回の安全委員会の「決定」は世界最大の原発集中地の福井県民は断じて受け入れることはできない。


このようなずさんな議論のままで、「再稼働」などあり得ないことは当然でしょう。

原子力委員会や安全委員会はいい加減にしなさい!
福井県に来て、公開の場で住民の意見を聞きなさい!