前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県に「原発再稼働やめよ」などを申し入れました。福井県立大学の原発シンポに参加して。

2012年01月27日 | Weblog
       昨日は、福井県にたいして原発再稼働を認めないことなどの申し入れをおこないました。南県委員長、宇野県常任委員とともにおこないましたが、参加予定で県庁に向かっていた猿橋おおい町議らが大雪のために参加できなくなったことは残念でした。
原子力安全対策課の岩永課長は「ストレステストについて裕度が高まっていることはしめされている。意見聴取会の議論に今後注目していく。福島原発事故ふまえた基準で判断すべき。安全基準がどうなるか、先はよめない。ストレステストの結果だけでなく、確認していく」などと答えました。

      関西電力は立地自治体で地元住民の会合を開催し、マスコミなどを通じて「早く再稼動して欲しい」「リプレースをすすめてほしい」などの声を「発信」しています。
まさに、国民・県民のなかにある「原発にたよらないエネルギーを。危険な原発なくしてほしい」という大きな世論と、関西電力など原発共同体の「原発でひきつづき利益をあげさせてほしい」という大きな思惑のぶつかりあいです。

 このような緊迫した情勢のなかで、県議会や各自治体議会を迎えることになります。
福井県議会のなかでも「再稼働を認めるべき」「県はいつまでも国まちではダメ」との声が高まっています。しかし、福島原発事故は収束には程遠く、その大事故をふまえた「対策」も国民県民の理解を得られていません。

福井県や福井県議会がそのような状況で「再稼働を先導」することは国民県民の安全の願いに背をむけることになるのではないでしょうか。

     
       また、昨日は、福井県立大学主催の「東日本大震災の教訓ーーーあらためて原子力と向き合うために」が開催され、会場はいっぱいでした。参加者からも、「トイレなきマンションではないか」「地震の問題がある」「日本で失敗したもんじゅが世界で役立つのか」などなどの声がだされていました。
いい機会だったと思います。ただ、パネリストのなかに、いわゆる「原発なくす」立場にたった専門家はおらず、推進の地元町長や若狭湾エネルギー研究センター専務理事らのみなさんだけでした。「大学」がやる以上、多角的な視点を提供することが必要だったのではないかと思います。


以下、昨日の申し入れ文です。

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2012年1月26日
福井県知事 西川一誠様
   
                          日本共産党福井県委員会
                           委員長      南秀一
                           県議会議員   佐藤正雄

県内原発の再稼動を認めないこと、など福島原発事故をふまえた厳格な対応を求める要望書

     いま原発についての福井県の態度に日本中の関心が集まっています。大飯原発「再稼働ありき」の原子力安全・保安院の結論、IAEAの調査、安全委員会の審査などは国民から見れば、信用できない「茶番」としか映らないでしょう。40年運転制限といいながら、60年まで延長を可能とするなど、民主党政権下での原子力行政の信頼は地に落ちました。また、まったく実態とかけはなれた野田総理の「福島原発事故収束宣言」は福島県民と国民から総すかんです。
   福井県は、このような国の原子力行政の信頼が失墜している状況下で「再稼働」を判断すべきではありません。来月下旬には県内のすべての原発が止まります。いまでも54基中、稼動しているのは4基という状況ですが、国民生活に障害はおこらず、「危険な原発なしで生活できるなら、そのほうがいい」との実感が広がっています。このようなこともあり、いま再稼働を福井県が判断することになれば、日本中の批判の矢面に福井県が立たされることになり、福井県の大きなイメージダウンにもつながります。
  国民の信頼を失った国の原発行政から脱却し、県の原子力行政の転換を求めます。
福井県としても「原発に依存しない福井県」を期限を定めて展望することを求めつつ、当面の問題について、以下の点を申し入れます。
 
一、県内原発の再稼働を認めないこと
関西電力は、定期検査で停止中の大飯原発3、4号機の再稼働に向け、ストレス・テストの結果を経産省原子力・安全保安院に提出し、保安院が「妥当」としました。「やらせ」の保安院が規制機関として失格であることは明らかです。野田首相は、福島原発事故の原因究明が「すべてのスタートの大前提」とわが党の志位和夫委員長に答弁しています(9月27日、衆院予算委)。「事故原因の究明なし」、「まともな規制機関なし」の再稼働など論外です。
とくに県内原発14基は地震の専門家からも「とくに危険な地域」と警告されているように活断層が密集している地域にあります。再稼動がめざされている大飯原発も熊川断層との連動を考えれば想定されているガルを大きく上回ります。敦賀原発や美浜原発は、まさに活断層の真上や近傍にあるという世界の常識とははずれた建設であることも明らかになっています。このような巨大地震危険地帯での原発再稼動は認めないで下さい。

二、老朽化原発および「もんじゅ」は廃止を求めること
 国の原子炉等規制法改訂案は、運転期間を原則40年とする一方、最長20年延長を可能とし、はやくも政府内で混乱を来たし、関係自治体も困惑しました。このようないい加減な運転延長を認めず、40年超す超老朽化炉はまず、廃炉を求めてください。
「もんじゅ」はトラブルが相次ぎ、停止中も1日4000万円の維持費がかかるなどすでに1兆円近くが投じられています。また、直下には活断層もあり、地震に弱い「もんじゅ」には致命的です。危険な「もんじゅ」の廃炉を求めてください。
三、 国民・県民理解を得られない原発・原子力施設の増設などはおこなわないこと。
敦賀3,4号機の増設計画については中止を求めてください。
関西電力が計画している使用済み核燃料プールの増強・リラッキングは認めないでください。

四、関西電力など電力事業者に「事故時運転操作手順書」の公開を求め、専門家による検証を行うこと
 福島第1原発の「事故時運転操作手順書」の一部が公開されましたが、東京電力は長時間の全電源喪失を想定していなかったことが明らかになりました。他の電力事業者の「手順書」にも同様の欠陥があると考えられます。
関西電力、日本原電、原子力機構の14基の原発について、県として東電のような欠陥がないか、調査し、県民に公表してください。

五、FNCA会合は中止し、県民説明会の開催こそ求めるべき
アジア諸国の原子力推進機関のFNCA会合を福島事故一周年の3月に福井で開催することは県民理解を得られていません。原発輸出なども念頭に置く原子力推進機関の会議ではなく、福島原発事故の教訓を明らかにし、県民の疑問に答える県民説明会の開催こそ国にもとめてください。

六、福島原発事故の実際を踏まえた原子力防災計画を策定すること
県は独自の暫定措置として、原発から5キロ圏の住民が緊急時に避難する経路や受け入れ先を3月末までに選定する方針を示しました。原発の立地、隣接7市町内の5キロ圏外の住民についても、集落単位などの避難先をあらかじめ選定します。しかし、緊急避難対象を5キロ圏とし、どの避難先も県内の他市町にとどめることに、県内17市町の担当者を集めた連絡会議で説明した県に対しては、不満の声が市町側から出されています。
今回の福井県の「避難に関する暫定措置」は基本的に従来の枠を超えないものです。わたしたちは福井県全域を原子力防災の範囲として考えるべき、と主張してきました。避難先を県内に限るような計画では、逆に「放射能漏れを起こしている原発に向かって避難する」などのケースも生まれかねません。福島原発事故をシミュレーションして、全県民・県内滞在者の安全に責任をもつ原子力防災の計画をつくるべきです。そのような計画が「実質不可能」というのであれば、原発からの撤退を福井県として決断すべきです。
また、SPEEDIの活用を後景に追いやる国の方針は許されません。県として、より積極的な活用を国に求めてください。福井県庁にあるシステムは10㌔圏の狭域しか予測できない問題があり、100キロなど広域の予測ができるものに充実してください。

七、住民の願いにこたえて安全協定の改訂促進を
隣接、隣隣接などの市町がもとめている「立地なみ」の安全協定について、県として電力事業者にこれらの自治体の要望実現を助言してください。

八、放射線監視体制の強化を
原発事故による放射能汚染の拡大は最近のマンションや道路建設に使用された採石問題や、NHKで放映された海洋汚染の実態をみてもとどまるところをしらない状況となっています。
県として、食料品はもちろん、産業製品についても適切な放射線測定体制を構築し、監視体制を強化してください。