前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

中高一貫教育、算数WEB,教員の多忙解消、勝山の高校用地問題など・・・2月県議会での質疑

2013年06月17日 | Weblog
福井県議会 2013年3月8日 教育関係の常任委員会での佐藤正雄県議の質疑です。

教員配置問題

◯佐藤委員  第39号議案であるが、以前、この場で質問したときに、高校再編に伴って協議に入るが、ばたついているところは手厚く考えるという答弁をもらったと思う。若狭地区、坂井地区、それぞれどのような教員配置をしたのか。

◯高校教育課長  第39号議案の職員定数条例についてであるが、平成25年度については、高校の場合、勝山南高校の閉校があり、教員定数がかなり大きく落ちる。ただ、奥越明成高校開校時にも再編後スムーズにスタートするように若干定数を手厚く配置したので、今、数字は言えないが、若狭高校、若狭東高校についても同じように、ほかの学校に比べて定数を手厚く配置して、スムーズにスタートするようにしたいと思っている。

◯佐藤委員  再編されるところはきちんと手厚く教員を配置して、対応するということか。
 もう一つは、これまでと比べて学級が減っていないのに、定数を減らすケースはあるのか。

◯高校教育課長  教員定数は県全体で決まる。それを各学校に配置するのであるが、ことしの場合は大きく定数が落ちるので、学級数が変わらないにもかかわらず、例えば定数が1人落ちるとか、そういったケースは出てくる。

◯佐藤委員  それは問題があるのではないのか。学級数は変わらないのに教員の定数が削られることになったら、現場は困るだろう。

◯高校教育課長  定数全体の数が決まっているので、そのようなケースが出てくるが、そのような場合には、例えば非常勤講師の時間数を多目に配置するなどの配慮はしたいと考えている。


放課後子供クラブ応援事業

◯佐藤委員  予算案説明資料14ページの放課後子供クラブ応援事業が大幅に減額になっている。これは先般、一般質問でも取り上げられ、この場でもたびたび言っているが、小学校3年生になるとなかなか入れなくなるとか、拡充の声が出ているわけである。たしか、先日の知事への答弁では、一所懸命取り組んでいるとか、取り組むとかの答弁があったと思うが、減額というのは、知事への答弁の方向と違うのではないのか。なぜ、こういうことになるのか。

◯義務教育課長  この減額については、実績で対応していると理解いただきたい。来年度に向けては、再度、調査をかけている。

◯佐藤委員  実績が減っているから現場は困っているのに、何で減らすのかと聞いているのである。質問の趣旨は、もっと積極的に応援して使わせなくてはいけないのではないのかということである。

◯義務教育課長  各市町に対して、助成等のことについてはそれぞれ徹底して周知しているところであるが、今後も市町との連携をとって、再度、周知徹底を進めていきたいと考えている。

◯佐藤委員  よろしく願う。


生徒が先生を評価するシステム?

◯佐藤委員  今の関連であるけれども、それは生徒が評価することになるわけであるが、これまではある意味では、その学級のテストの点数とか、まとまりぐあいとか、いろいろな形での一つの評価があったと思う。例えば、あの担任の先生のクラスは極端に平均点が悪いので、問題があるのではないかという見方があったと思うが、今回、生徒が教員を評価するシステムを取り入れると、変な言い方であるが、先生と生徒との信頼関係に混乱が生じる懸念はないか。

◯高校教育課長  生徒にもアンケートの結果は返すが、生徒への返し方のところで混乱がないようにしたいと思っているし、委員が言われたように、今までは、模擬試験、あるいは中間・期末試験の点数など、点数だけの評価だったわけであるが、それに加えて、授業に対してのアンケートをすることによって、総合的に指導力を高めていきたい。ただ、点数だけでなくて、その授業が楽しい授業になっているかとか、生徒が興味、関心を引きつけるような授業になっているかというところでの指導力向上を考えていきたいと思っている。

◯佐藤委員  ちょっとわかりにくい。そうは言うものの、教育委員会の方向としては全国学力ナンバー1など、いろいろな数値目標を出したりしているわけだから、結局、そういうことに活用されていることになると、これも以前、議会でも取り上げたけれども、今、ただでさえいろいろなストレスで病気になる教員がふえているのに、さらにそれに輪をかけて、現場の教員に対するプレッシャーになりはしないか。平たくいえば、これまでは、教育委員会というか、上からプレッシャーがあったが、今度はまた下からもプレッシャーがあると、ダブルで一層ストレスになるのではないかとの懸念を持つのである。その辺の活用法を慎重にやらないと、大変なことになるのではないかと思うが、どうか。

◯企画幹(学校教育)  このアンケートについては、基本的には評価の観点よりも、授業改善の観点でやっていこうと考えている。であるから、例えば板書の仕方とか、授業の進度が速いとか遅いとか、また内容が自分たちに合っているとか、合ってないとか、クラスによって、また生徒の集団によって、授業のやり方は変えていかなければならない。そのために、各先生方が子供たちの意見を聞くことによって、自分の授業を振り返りながら授業改善に資することがあくまでも目的であって、生徒が先生を評価するとか、そういう趣旨でやっているものではない。もちろん、各先生方、また各学校にその趣旨をよく説明して、この制度をやっていきたいと考えている。

◯佐藤委員  それならば、この授業評価制度というネーミングそのものがどうかと思うのである。私はこういう仕事をしていると、きょうの私の話はどうであったかと聞いたりして、批判があれば、それでやめたということも大いにあるわけである。多分、そういうイメージだと思うのだが、それであれば、もう少し簡便に、よかった点、悪かった点、もっとこういう改善をしてほしいなどとするのならともかく、こういう評価制度という形で一律に出されると、どうなのかと思う。実際、現物はまだこれからつくるのかもしれないが、どういう内容で出されるのかもあるので、その辺は慎重にお願いしたいと思うがいかがか。

◯企画幹(学校教育)  今、委員が言われた趣旨を各学校にきちんと説明して、この制度を進めていきたいと考えている。


奥越特別支援学校用地問題

◯佐藤委員  予算案説明資料6ページの奥越特別支援学校建設事業は、これまで、地元の親御さんからの要望もあって、こういう形になったのは大変喜ばしいことだと思う。
 それはそれとして、先日、福井新聞や朝日新聞に、その土地をめぐっての大きな報道が載っていた。要するに、もめているという話だが、県のかかわりはどうなっているのか。

◯企画幹  当時、県が県有財産取得で議会にかけている。そのときの議案を見ると、勝山市での議案にかけてあったような附帯条件はついていない。そういうことで、今起きている問題は、基本的には勝山市で責任を持って対応すると認識している。

◯佐藤委員  県の特別支援学校の土地で起こっている問題だけれども、県は関係ない、それは勝山市の問題だと言われるわけである。県有地で起こっている問題が、県は関係ないというのは、県教育委員会の説明としては、県民から見ると非常にわかりにくいと思う。
 もともとは、昭和33年頃の話だと思うのであるが、経過を伺うと、当時の羽根福井県知事が勝山市に寄附させて、全ての手続が終わった後、適当な時期に建築したいという話を勝山市長にしていると、勝山市長が議会で答弁しているわけである。こういう点では、そういう手続の流れは、県が勝山市へ指示したものであることは明瞭だと思う。
 もう一つは、最近の話で、平成20年に、この土地に養護学校の建設を進めたときに、土地問題に関して新たな要望は出てこないのか、そういう可能性はないのかと、県教育委員会から勝山市に念押しをしていることである。であるから、この土地になる経過と、そして平成20年に奥越に養護学校をつくってほしいという要望に応えて、設置場所はどこにしようという議論の過程で、県教育委員会から勝山市に、土地問題は大丈夫かという念押しをしている経過があるから、無関係とは言えないのではないのか。

◯教育長  これは、その時々のいろいろな経緯があると思うが、昭和30年当時も、私立を県立にする中で、地元としては存続するためにとうことで、協力していただきながら、県立に移管したのだろうと思う。そういった意味においては、県議会での議論などがあって、附帯条件は特についていない状況であり、しかも半世紀以上前の話であるので、地元のもともと寄附された方と勝山市の関係については、県としてはそれ以上深く関与できない。
 平成20年当時に、奥越地域に特別支援学校を建てる時にも、勝山市としてはぜひとも現在の勝山南高校の跡地に設置してほしいという思いがあった。過去の経緯を見ると、そういうこともあったようであるけれども、県としても、立地するにあたっては、ほかの地域の皆さん方を含めて理解いただき、協力していただく必要があることから、改めて勝山市に確認をしたときにも、勝山市の問題として対処するということであったと聞いている。県としては、この問題については、勝山市と勝山市へ寄附された所有者の方との話だと受けとめているので、勝山市とはいろいろな話を聞きながら進めるが、現時点で県が介入するような問題ではないと考えている。

◯佐藤委員  介入ではなく、実際、平成20年当時にも、勝山市に問い合わせをしているわけであるから、県としてはそういう問題が起こってくる可能性があると認識は持っていたのだろうと思う。今回、勝山市議会にその問題に対応できるような土地購入代金の予算が出されていると新聞では報道されていた。県民や市民に対して、県は無関係であるということをもう少し丁寧に説明しないと、非常にわかりにくいと思う。県の土地で、ずっと県立高校であったのが、今度、特別支援学校になる。しかし、その土地についてもめているのに、県は関係なくて、勝山市だけで処理すればいいという言い方がいいのかどうか、非常に疑問だと思う。県も知りながら、その責任を勝山市に押しつけるのでは、不誠実ではないかと思う。

◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、今の話についての県の姿勢としては、勝山市の対応をしっかりと見きわめるということである。県議会あるいは県が、こういう場で議論し出すことになると、かえって現場も混乱する可能性があるので、この点については、これ以上議論がないように引き取っていただきたい。

◯佐藤委員  実際、勝山市議会では議論になっているわけであるから、県としてもきちんとその辺は注視して、対応願うと要望しておく。


中高一貫教育導入について

◯佐藤委員  今の中高一貫の問題であるが、教育長が言われたように、先行県を視察してそれなりにうまくいっているという話であるが、うまくいってない学校もあるわけである。
 うまくいっている学校でも、全体の検証がされているかというとそうではなくて、まだスタートして数年であるから、6年間教育して、7年後、8年後と、その後その教育成果がどのようにあらわれているかなどの検証がされているわけでもないのである。だから、非常に未知数なところが多い教育システムだと考えていかないと、先行県でうまくいっているからいいシステムだと断定するのは問題があるのではないかと思うが、どうか。

◯学校教育政策課長  我々が委員会の中で議論している中では、各都道府県とも、小学校6年、中学校3年、高校3年と進まれる方、あるいは中高一貫教育で小学校6年、中学校と高校の6年と進まれる方、いろいろな多様性を導入している。通常であると、3年間いる学校に、12歳から18歳までの子が6年間一緒にいるということで、お互いに助け合い、お兄ちゃんからすると弟に対するように接することで、人間性が出てくることを各県とも利点として挙げている。
 ただ、心配があるとすれば、委員指摘のように、必ずしもなじめる子ばかりではないということで、なじめない子についてはしっかりとしたケアが必要だという意見を伺っているし、我々もそうしたいと考えている。

◯佐藤委員  県立高校の全県5学区制を撤廃して全県1学区になって、高志高校にも多分各地から入学されているのだろうと思うが、例えば、越前市や敦賀市、あわら市、坂井市から、中学校を卒業した子供が高志高校に通学するのと、小学校を卒業した子供が通学するのとでは同レベルには論じられないような、防災も含めたリスクも出てくるのではないかと思う。県内各地で説明会を開催するとの説明があったので、多分、同じような発想で、エリアを限定せずに全県から広く募集されるのであろうが、小学校を卒業した生徒が遠距離通学するリスクへの対応は、どのように考えているのか。

◯学校教育政策課長  高校改革のとき、平成16年度から全県1学区制にしたわけであるが、委員指摘のように、高校生と違って、去年まで小学6年生が学校に入るわけであるから、各県の状況を聞くと、やはり我々としても通学時間に何時間もかけることが適正かどうかは考えるべきかと思う。各県とも1時間程度の通学範囲ということで、これについては先ほど教育長が申し上げたように、石川県、滋賀県等も同じようなことを考えているということである。

◯佐藤委員  きのうも総務部関係の常任委員会があって、県立大学のあり方で大分議論があり、新聞にも報道されているとおりであるが、先ほど山本正雄委員の質疑にもあったように、目指す方向が、学力を最も効果的に伸ばして世界に通用する人材をつくっていくということになると、福井県の人材を育てるという面との兼ね合いは、どのような位置づけで考えているのか伺う。

◯学校教育政策課長  大学進学のことになると思うが、いわゆる難関大学であれば、東京都や関西圏などに出ていって、その子たちが戻ってこないとか、あるいは、本県のものづくりを進める上で、地元に残ってしっかり教育するということを、先生は兼ね合いとおっしゃっている。必ずしも、県外のいわゆる難関大学を勧めるわけでもないし、当然、地元に残って、よりきわめていっていただきたい気持ちもあるので、それについてはしっかりと教育する中で、必ずしも何々大学へ行けということを言っているものではないので、その辺については他部局とも相談しながら進めていきたいと考えている。


算数WEBシステムの課題

◯佐藤委員  以前も尋ねたが、教育委員会や教育研究所がやっている算数Webのシステムについて、各学校との関係では、活用は任意ということであるが、どの程度利用されているのか。

◯義務教育課長  委員指摘の算数Webであるが、昨年10月1日に稼働し、県下の小学校1年生から6年生までが対応できる問題、各9単元提示している。今の実施の状況を見ると、全ての小学校で問題を活用しているということである。

◯佐藤委員  評判はどうか。

◯義務教育課長  子供たちのつまずきの状況を的確に把握できるかという点で、それぞれの小学校から聴取しているのであるが、非常に好評であると認識している。

◯佐藤委員  現場の声とは大分違う。好評であるというのはどういう調査に基づいたものかであるが、ある調査によると、歓迎されているのが3.6%、賛否両論というのが7.1%、おおむね不評だというのが89%と、学校の現場の先生からほとんど不評なのである。だから、教育委員会はいろいろと頭で考えて、教員に押しつけることをやっているかもしれないけれども、不評がこれだけ9割近いということは、現場の先生から見れば迷惑しているシステムではないかと思う。それをよくお互いにフィードバックせずに、そのまま押しつけ続けることはお互いに不幸だと思う。

◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、その根拠となる数字は、具体的にどういうところで、どういう対象の方に、どのように統計をとったものであるか。

◯佐藤委員  学校の関係者を対象にしたものである。

◯仲倉委員長  学校の関係者というのは。

◯佐藤委員  それぞれの学校の関係者である。

◯仲倉委員長  そういうアンケートを何かとっているのか。

◯佐藤委員  民間の団体が、福井市内の小学校28校、中学校14校、合計42校を対象に実施したものである。

◯仲倉委員長  根拠となるその数字については、もう少し具体的に言っていただかないと、何を根拠にそういう数字を出しているかわからない。どういう団体が、どういう人を対象に、どういう数字のとり方をしたのか、そういうことをしっかりと明らかにしなければ、議論の根拠にならないわけである。

◯佐藤委員  わかった。福井市内の小学校、中学校合わせて42校、算数Webについていえば小学校ということになるが、アンケートをとり、実際に現場の学校から返ってきたアンケートの回答の一部である。私も全部見せてもらったわけではないが、集計結果の一部を見せていただくと、そういう回答が非常に多くなっている。
 実際には、印刷、テスト、採点、入力、見直し、解説で時間がかかり過ぎて非常に効果が疑問だとか、算数の主任会に出す議論をしたら、学年の全員がこれは必要ではないのではないかと言っていたと、現場の学校の教員からは不評である。全教員が不評と言っているかどうかは別として、そういう声が非常に強いわけである。その辺については、現場でどう思われているのか、どう活用されているのかを教育委員会としても調査して、改善する姿勢が必要ではないか。

◯義務教育課長  1月であるが、県下7ブロックの小学校教育研究会の代表が、本課の算数担当者と協議会を開催した。その中で、全ての地区からの状況を確認したところ、先ほど申し上げたとおり、非常に児童のつまずきの状況がわかるとか、また、リアルタイムに県下の状況と自分の学級との状況が比較できるとか、指導方法の工夫、改善に大変役立っているとの意見が多数を占めていた。
 ただ、上位層の子については、さらに難易度の高い問題も提示してほしいとの意見があったようなので、難易度の高い問題についても、2月中にインターネット上に提示した。
 県下200校の校長先生方の代表として来られた先生方との協議の中では、先ほど申したとおり、押しなべて大変好評であると私どもは認識している。

◯佐藤委員  2月中に難易度の高い問題をさらに提示したと言うけれども、算数Webのシステムでは、実際の学習の要領というのか、この学年ではこの範囲で勉強するという範囲を超えて出題をしていて、学習の範囲では解けない問題まで出題されているとも聞いている。難易度の高い問題を出すこと、また、さっきの議論にもつながるけれども、とにかく先学び、先学びで、その学年で学ぶのではなく、上級の学年で学ぶことを下へ下へとおろしてくることが、何かいいことであるかのように、どんどん現場に押しつけるのは問題ではないか。

◯義務教育課長  それぞれの学年での問題、例えば6年生であると、全単元が18単元あるが、それに応じたプリント等を提示しており、時間でいえば20分程度で解ける問題である。低位層、中位層、下位層の子たち、それぞれ学級の中にいるわけであるが、下位層の子も十分解ける問題も当然そこに載っている。
 進度であるが、それぞれ学級に応じた進度があるので、担任の先生がそれに対応できるような形で進度を提示しており、この時間帯には必ずこれをやりなさいとは私どもは言っていない。それぞれの学校の状況に応じて対応できるように提示している。その率を見ますと、10月1日から導入したのであるが、全ての学校で約5割の単元の消化という形でやっている。

◯佐藤委員  実際の現場の先生の声と、今、義務教育課長が言われたような校長先生のレベルでの評価とは、どうしても乖離があるのではないかと思う。だから、これを活用している先生全員に、一度、無記名でアンケートをとってほしい。実際に、どう活用されているか、授業に役立っているかのアンケートをやらないで、教育委員会の目線だけで判断していくと、現場の先生の思いとは、ずれが出てきてしまう。それが結局、さっき言ったように、現場にいろいろな課題や仕事だけどんどんふえて、非常にまずい状況になることがあると思う。この算数Webにしても、朝学習のときにやっているとの話も聞いているが、現場にそのような過重負担がかかる一つの要因になりかねないと思う。調査とその調査に基づく改善を求めたいと思うが、いかがか。

◯教育長  算数Webだけの問題ではないかもしれないが、我々は子供たちに対して、いかにいい教育をするかの観点で行っている。であるから、先生方には少し負担をかけることもあるが、例えば先生方も、自分が教室で教えていることがどうかの評価をするためには、これまでは他校の公開授業に行ったり、研修に行くしかなかったが、その労力をいかに省くかということで検討した結果、今はウエブを活用することでいつでも見られる状態であり、効率化の意味では使っていただきやすくしたつもりである。
 それについての先生方の意見についても、学校は一つの組織であるので、我々としては、校長先生が先生方の話を聞いて集まっていただき、話していただいていると思っている。であるから、先生方の意見を踏まえた形として、先ほど話したような状況を踏まえているので、指摘された点については、校長等も通じて、どうであるかの実態をいろいろと聞いて、システムの改善すべきところはこれからどんどん改善しながら、子供たちにとってよりよくなる形を進めていきたいと思うので、よろしく願う。

◯佐藤委員  今、教育長も言われたけれども、教員にとってではなく、子供たちにとっていかに効率的、効果的にやるかが大事だという言葉に象徴的だと思う。今度、高校でもDVDを活用するとかいろいろと言われているけれども、結局、突き詰めていくと、一人一人の教員は何のために存在するのか、そういう名人の授業をビデオで流しておけばいいのかということにもなってくるわけである。やはり、一人一人の教員には、授業をする思い、授業をする権利があるわけで、昔、僕らの小学校のときには、それぞれの先生が自分でガリ版を刷って、プリントをつくってくれていた。当然、隣のクラスとはプリントの内容が違う等があって、それはそれで思いが伝わるわけである。そういうものを全部失って、機械的にとにかくこれでやれという教育で本当にいいのか。そういうやり方では、教員のやる気がますますなくなってしまう。

◯教育長  まさに、委員が言われるように、各教員がどのように授業を工夫するかのために、そういうことをやっているのである。少し誤解があるようであるが、例えば授業名人のDVDも、どこかの予備校のように、インターネットで児童全員にその先生の授業を見せるためのものではなく、先生自身が自分の授業のやり方とほかの先生の授業のやり方とを見比べたときにどうであるかの評価をするときに、わざわざどこかへ出かけていかなくても見られるように考えた方法である。最終的には各教員がどのように工夫していくか、もちろんそのためにはせっかく優秀な教員が本県にたくさんいるので、そういう知恵を結集してやっていこうとのことであるので、決して一律的なものを統一的にやるのではなく、むしろ個々の教員がいかに質を高め合うかのための、協力し合えるシステムとして使っていこうと考えている。委員が言われるような、一律的なものを進めることとは全く趣旨が違うと思う。


教員の多忙の改善は

◯佐藤委員  今の関連であるが、学校改善運動などいろいろと実施されていると思う。しかし、実際の現場では、山本正雄委員が言われたように、多忙感、これは職員も含めて、多忙な感じではなくて、実際に多忙なので、多忙感という言葉がいいのかどうかわからないが、多忙感についてのいろいろな問題が出てきているわけであるから、それを具体的にどう改善していくのかが、余り見えてきていない。以前は、何%書類を削減したなどの答弁があったけれども、実際の多忙感が、それで具体的に大分改善されているのか。

◯学校教育政策課長  昨年、夏前に、各教員の居残り時間について調査した。改善したことによる調査結果は出ていないが、これは一学校一改善の活動として、いろいろな形で先生自身が取り上げていただき、自分自身が授業を見直していただくことで普及していくものだと考えているし、県教育委員会としてもいろいろなシステムを活用しながら応援していきたいと考えている。

◯佐藤委員  一学校一改善が、学校現場で共有されて、きちんと議論されているのかを伺いたい。

◯学校教育政策課長  例えば、毎朝行っていた職員会議なども、みんなが集まるのではなくて、メール等で配信して集まる時間を減らし、子供に向き合う時間をふやしたという各学校からの報告等もある。

◯佐藤委員  そういうことの努力もいろいろされているのであろうけども、実際には現場の中での改善感が余り見られないとの声も多いので、引き続き、続けていただきたいと思う。
 もう一つ、平成25年度(当初)予算案説明資料にも出ているが、先日、視察した坂井地区の高校再編のことであるけれども、前回に聞いたときには、坂井総合産業高校トータルで幾らの予算かは答えられないということだったので、それを答えていただきたい。それから、春江工業高校で校長先生から話を聞いたときに、坂井総合産業高校と春江工業高校の両方で必要になる施設もあり、生徒の異動はさっきバスでと言われたが、教員も行ったり来たり移動しなければならなくなる問題が指摘された。また、レポートなどでも、普通は二度、三度、書き直してようやくレポートになるが、そのあたりのフォローをどうするかなど、現場の教員の間で教育上の不安が強いようである。全体の事業規模と、そのような現場の教育面での不安についてどう対応されるのか、2点伺う。

◯教育振興課長  まず、一つ目の事業費であるが、今回の予算で工業実習棟テクノラボの設計費を計上させていただいており、詳細な数字については、今後詰めていく必要があろうかと思うのであるが、現時点の試算では30億円程度になるのではないかと見込んでいる。
 学校の形態が違うので一概に比較はできないけれども、参考までに最近の事例を申し上げると、4月に開校する奥越特別支援学校は約23億円、平成23年4月に開校した奥越明成高校は、大きな施設整備はなかったが、約9億円であり、それらと比べれば、金額的には大きいものになっている。これは、今申した新たな工業実習棟の建設であるとか、耐震化に関連して第1体育館も新築する建築費などが他の施設と比べて大きな金額になる要因となっている。

◯高校教育課長  工業の実習の移動についてであるが、これまでも説明しているように、1年生については週3時間、週1回程度で、移動はバスで行う。現在、県有バスも1台あるし、借り上げバスも当然検討しなければいけないと考えている。時間的には10分から15分で着く距離である。他府県においても。工業高校を統廃合した場合、移行期2年間は、工業の実習はそのように移動して行っている。
 レポートについては、常に設備を使えている状態で3日かけていたものを、例えば、実習をやったその日のうちに提出させるなど、提出の仕方を検討することで、十分に対応できると考えている。

◯佐藤委員  答弁にあったように、うまくいけばもちろん問題はないとなるのかもしれないけども、現場の実際の校長先生、教員の方々、不安が出ているので、そういう場合には代替教員も含めてきちんと対応するように要望しておく。

請願陳情審査

◯仲倉委員長  これより請願、陳情の審査に入る。
 今回、付託を受けた陳情2件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 まず、陳情第27号「坂井地区の県立高等学校再編に関する陳情」を議題とする。本件に対して各委員より発言願う。

◯畑委員  この陳情については、平成26年4月の坂井総合産業高校の開校に向けて、県はこれまで地域の方々に対して説明をしてきているが、その中で、坂井地区の高校再編を平成30年に延期することは、地域の方々の混乱を招くだけであり、当陳情は不採択に願う。

◯佐藤委員  今、議論があったが、現場の教員が今の拙速な再編については延期の要望をされているわけであるから、その要望に応えて採択とすべきだと思う。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるから、採決する。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成少数である。
 よって、本件は不採択と決定した。
 次に、陳情第28号「坂井地区学校再編計画に関する陳情」を議題とする。本件に対して各委員より発言願う。

◯佐藤委員  地元の父兄から出ている件で、先ほどの陳情とも共通する内容がある。やはり地元のニーズからしても、ここに書いてあるように、中途半端な再編は反対、きちんとしてから統合するなり、開校してほしいというのがメーンの要望だと思うので、採択願いたい。

◯山本(正)委員  私どもは、坂井総合産業高校については、予算についても校舎の建設促進についても、当初おくれていたのを、相当尽力いただいたので、陳情書の最後に記載があるように、十分な環境整備を強くお願いするということで、ぜひ皆さんの賛同を得て採択願いたい。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  ないようであるから、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕

◯仲倉委員長  賛成全員である。よって本件は採択と決定した。
 この際、お諮りする。会議規則第93条第3項の規定により、ただいま採択された陳情第28号については、これを執行機関に送付し、その処理の経過と結果の報告を請求することにしたいと思うが、これに異議はないか。

      〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

◯仲倉委員長  なしと認める。よってそのように決定した。
 これで、請願・陳情の審査を終了する。


課題残した原子力防災総合訓練。美浜オフサイトセンター、おおい町避難所を視察。本日、学習会開催

2013年06月17日 | Weblog
 あわら市議選で日本共産党の山川ともいちろう議員が再選をかちとりました。「大丈夫論」などが流され、大変きびしいたたかいでしたが、議席を死守することができました。
 日本共産党議員がいるといないでは大きな違いです。1億8000万もの無駄遣い・足湯建設などおかしな首長提案になんでも賛成の議員ばかりでは、市政チェックの機能を失うことになります。
 今度は参院選です。消費税増税や憲法改憲などを推進する政党・政治家ばかりでは国会の役割を果たせません。
日本共産党と山田かずおはガンバリマス!応援お願いします!

       ★

 昨日は、原子力防災訓練視察で美浜町とおおい町へ。朝7時に議会バスで同僚議員とともに出発。関電美浜3号機が全電源喪失という事態を想定し、5キロ圏の住民のみなさん方が、おおい町まで避難する訓練をおこなったのです。
 現地では、日本共産党の渡辺孝・高浜町議、猿橋巧・おおい町議ともお会いしました。
 今日は、この検証もふくめて原子力防災問題での学習会を開催します。
   午後7時~ 福井県社会福祉センター2階研修室です。ぜひ、ご参加ください。


 昨日の原子力防災訓練では、美浜町のオフサイトセンター、菅浜地区での訓練視察現場、住民が避難したおおい町の体育館で訓練を視察しながらお話をお聞きしました。
●関電の対応は従来と変化はない。ただ一部、ブラインド訓練を導入した。(このことは県庁担当者はあまり知らなかった)
●自衛隊。三重県から空中モニタリングができる飛行機を投入
●自衛隊も海上保安庁も自分たちの服用する「ヨウ素剤」については把握していなかった。
●住民避難は国が決定するシステムとなった。これで福島事故やJCO事故の教訓は生きるか。
●オフサイトセンターの機能として、オンサイトのことは関電の事業本部対応に。
●自衛隊の掃海艇が出動し、住民避難訓練。しかし、住民を乗せた船は掃海艇には接続せず。
●規制庁幹部は「訓練だから課題がでて当然だ。終わってからの会議できちんとしていきたい」と。
●避難された方々からは「初めて参加しました」「2回目の参加です」「津波の時の避難ルートはこれではだめ」「原発がある、おおい町へ避難するのはどうか」などいろんな声が
●医師からは、「本当に起こった時の計測は、口・鼻のまわり、頭髪で測定してやる」
●美浜町職員がヨウ素剤の箱をもっていたが、中は空、だとか。みえない部分の手抜き訓練は本番ではどうなるか。
●相も変わらず、会議の一言一句がシナリオ化されている。
  ・・・・などなどいろいろお話をお聞きし、感じました。


「完璧なシナリオ」にもとづく会議がおこなわれた・・・



丹生地区の住民避難に掃海艇・・・しかし住民を乗せた船から住民が掃海艇に乗り移ることはなかった・・・・。ショー!




親子で放射能検査。こんなことを絶対に起こしてはならない。原発ゼロへ!




 以下、報道です。
■FBC・・・美浜原発で重大事故を想定して防災訓練~原発5キロ圏住民避難の実効性を検証   (2013年6月16日18:14)

美浜原発での重大事故を想定した県の原子力防災訓練が16日行われ、避難計画に基づいて原発から5キロ圏内の住民がスムーズに避難できるかどうか実効性を検証しました。
訓練は福島第一原発の事故を受けた国の新たな原子力災害対策指針を反映した形で行われました。
地震によって美浜原発が全ての電源を失う緊急事態に陥ったとの想定で行なわれ、原発から5キロ圏内の住民は、バスをはじめ船やヘリを使って直線距離で40キロ以上離れたおおい町まで避難しました。

また今回は初めて原発の状況によって住民が避難を始めるタイミングを変え、まずは子どもや高齢者などを率先して避難させていました。
参加した住民からは「近くに原発があるのに避難する方向がこれでいいのかなという思いはある」「万一の時にスムーズに避難できるか不安」といった声が出ていました。

県は今月末までにこの訓練で出た課題などを検証し、県外への避難も含めたさらに実効性のある計画の策定を目指します。


      ★

 懸念したように、規制委員会は稼働中の大飯原発については運転継続をそのまま認める方向のようです。だんだんと政治判断を優先し、安倍政権の原発再稼働を後押しする機関になるようでは、国民の信頼をなくすでしょう。

■福井・・・大飯運転継続「足りない印象ない」 現地調査で規制委員が認識 (2013年6月16日午前7時08分)

国内で唯一稼働している関西電力大飯原発3、4号機(福井県おおい町)について7月施行の新規制基準に適合しているか事前確認している原子力規制委員会は15日、現地調査を行った。参加した更田豊志委員は「決定的にこれが足りない、緊急に対応が必要という印象は持たなかった」との認識を示した。規制委は新基準に照らして安全上重大な問題がなければ運転継続を容認する方針を示しており、定期検査に入る9月まで運転継続される公算が高まった。

 現地調査は更田委員と原子力規制庁の担当者20人が4班に分かれて実施。過酷事故対策や事故制圧の拠点となる緊急時対策所などを確認した。関電の豊松秀己副社長らを前に、更田委員は「これまで書面で確認してきたが、現地で実物を見て、現地の方に触れて調査することは特段の意味がある」と述べた。

 関電は緊急時対策所として大飯1、2号機中央制御室横の会議室(105平方メートル)を暫定的に使うとしている。更田委員は部屋の広さなどを見ながら、プラントのデータを表示する画面や事故時のマニュアル類を点検。規制庁職員は「(事故時に)検査官の入る場所を確保してほしい」と要望した。

 この後、原子炉圧力容器に直接注水するための可搬式低圧注水ポンプの訓練に立ち会い、現場に組み立てた簡易型の水槽にためた水を問題なく吸い上げるか確認した。更田委員は、水槽に水を入れるための消防ポンプを持ち上げ、簡単に持ち運べるか自ら調べた。
 1時間に1320立方メートルの水を運べる大容量ポンプを使った訓練では、取水口から海水をくみ上げるための常設配管につなぐまでの所員の動きなどをチェックした。

 終了後、更田委員は記者団に「予想していたより良い点もあり、足りない点もあり、いくつかは関電に指摘した」と説明。緊急時対策所については「広いとは言えない」としながらも、1、2号機が停止していることを前提に「中央制御室と合わせればスペースは十分で、対応は可能という印象」と述べた。
 新基準の施行は7月上旬との見通しを示し、6月下旬としていた大飯3、4号機の適合性の評価は7月にずれ込む可能性もあるとした。

 大飯3、4号機は昨年7月、東京電力福島第1原発事故の知見を反映した暫定基準に基づき再稼働した。今年4月に新規制基準の骨子ができたため、規制委は検討会で2基の適合性を事前確認している。・・・・・・


3月県議会、原発特別委。原子力防災訓練問題。活断層。福井県と原発輸出

2013年06月16日 | Weblog
2013年03月12 日: 原子力発電・防災対策特別委員会での質疑記録です。


原発と活断層

◯佐藤委員  今の議論や部長報告の、科学的根拠に基づき透明性と公平性を確保した結論をというくだりであるけれども、以前の原子力発電所の耐震性の審査については、そもそもどういう認識なのか。

◯原子力安全対策課長  これについては、新潟県中越沖地震の際に、過去の安全審査でどういう議論がなされたのか、当時の原子力安全委員会側、もしくは原子力安全・保安院側でいろいろな議論をした。過去には、先ほど言ったように、原子力安全・保安院で審査部会をつくり、専門家の先生方がまず審査をし、それから、二次審査として原子力安全委員会側でも審査をしており、そういう意味では、それぞれ違う専門家の先生方によるダブルチェックという形で非常にしっかりと審査がなされたと我々は理解をしている。

◯佐藤委員  当時審査した結果は、今回見直しに至らざるを得ない状況を生み出しているわけである。先ほど、課長は福島第一原発の事故では地震の影響はなかったと思われると言われたけれども、それだってわからない。例えば、女川原発だって、電源系統が1系統だけ生き残っていたから、辛うじて首の皮1枚つながって助かったのであるし、東海第二原発も、防潮堤とかいろいろな仕掛けがちょうど直前に完成していたから助かったということであり、これも首の皮1枚つながった。福島第一原発・第二原発にしても、福井県内にはまだないけれども重要免震棟をつくっていたからそこで指揮がとれたのであり、もし福井のようになかったら、さらに壊滅的な被害になっていたわけである。だから、福島第一原発事故を受けて、国民にも、本当に日本の国がどうなるかわからないような大変な事態になりかねないという危機感があるし、当然学会の中でも危機感があるということだと思う。
 もともと、たしか1980年ごろに活断層研究会が、「日本の活断層」という本を出して、活断層の問題を指摘したが、途端に原子力の土木学会が、平たく言えば、原発の建設を邪魔するような学会の活動は許さないと猛烈に批判して、それこそ横やりを入れたのである。そういうことで、学者の中でも活断層を長く評価するような学者は次々排除されて、短く評価して次々と原発をつくっていくことが実際にされて、今、いろいろと批判や反省の弁が述べられたりしているけれども、やはり当時の国の基準そのものが、非常に不十分だったことが明らかではないか。

◯原子力安全対策課長  委員のおっしゃった活断層学会の中の動きの詳細は承知していないが、基本的に断層の長さをどう判断するのかについては、例えば、近接する5キロメートル以内のものは連続させようなどといういろいろなルールを専門家の先生方がつくり、それで原子力発電所付近の活断層の距離などを議論されたところはある。
 一方で、平成18年に新しい耐震指針ができて以降は、より厳しい連動性なり、同時活動性なりという言葉で、長さを長く捉えた上で評価するよう事業者に求めているのも実態かと思う。例えば、福井県でいくと干飯崎からずっと南の方への連動を評価しろといった形でバックチェックなどもされていたので、近年においては、活断層の同時活動性や連動の問題は非常に長く見る形で評価がなされていると思っている。

◯佐藤委員  あわせて、先ほど議論もあったけれども、活断層の評価については、十二、三万年前以降なのか、40万年前以降なのかが、問題になっている。原子力規制委員会も最近揺らぎ初めて、40万年前以降で評価しないといけないと言ったのを、取り下げるというか、もとに戻るような動きも出てきている。もし仮に40万年前以降まで考えないといけないとなると、全ての原発について再度調査、点検が行われなければいけないけれども、従来どおり十二、三万年前ならそういうことは必要なくなるので、再稼働準備のため揺れ戻しではないかと私は思っているところである。
 やはり、透明性、公平性が言われているのであるから、福島第一原発事故や東日本大震災を受けて、より厳しいチェックをしていかなければいけないのは、当然だと思う。だから、従来の耐震性の判断、断層の活動年代の判断、あるいは変動地形学の知見を排除してきた判断といったものを反省して、より厳しく、安全側の立場で仕事をすることこそ、福井県が求めるべきことではないか。

◯原子力安全対策課長  東日本大震災が起きた前後で、当時の原子力安全・保安院が問題視したのは、東日本大震災以前は日本列島全体が圧縮されるような応力場であり、圧縮されることで生まれる断層が逆断層系というか乗り上がるような形なのだが、それ以前の日本列島は、膨張するというか、外側に引っ張られる正断層系であり、過去に見つかった断層でも、古い正断層系のものはもう動かないだろうという評価がなされたのが、東日本大震災以降、応力場が、全体として日本列島が大きく動いていることで変わったのではないかという指摘があったことである。もう一度、正断層が古いものであっても本当に動くのかどうか、応力場と言われる周りにかかる力を含めて再評価すべき、これが東日本大震災以降の耐震の一つの大きな課題かと思う。
 それを含めて、今、敦賀原発や大飯原発の破砕帯の活動性などの議論がなされているかと思う。そういう意味では、今後、より厳しく、新しい目で各発電所を見ることになるかと思っている。

◯佐藤委員  では、具体的にお聞きするが、敦賀原発2号機の問題で、最初、原子力規制委員会の有識者会合が調査に入って、浦底断層と連動しているという判断もされた。しかし、日本原子力発電が異議を出されて、再度ほかの専門家も入れて協議をしたところ、私も新聞報道しか知らないが、この破砕帯については活動性があるという判断がされ、再度日本原子力発電が異議の申し立てをされたという記事を読んだけれども、県としては、この局面をどう見ているのか。原子力規制委員会と有識者会合の検討で、何が十分で何が不十分だというのがあれば、答えていただきたい。

◯原子力安全対策課長  議論を見て端的に申し上げるが、昨年4月の局面で問題視されたのが、今、委員が言われたように、浦底断層が動いて一緒にこちらの破砕帯が動くのではないかという議論である。先週行われたピアレビューで、浦底断層は4,000年間隔ぐらいの活動周期であり、過去に何回か動いているだろうが、一方で、破砕帯の動いた時期は十何万年前ごろとなると、浦底断層が動いて破砕帯が動くという概念は年代的に本当なのだろうかと言う先生もいらっしゃった。それと、日本原子力発電は、動いた方向を見るための資料片として岩石の薄片をとっているけれども、そういう見方が正しいのかと言われる先生もいらっしゃるので、それぞれの議論の中で、やはり納得するような議論をしっかりとやっていただくのがいいのではないか。先ほど言ったように、浦底断層が動いて破砕帯が動くという議論から、破砕帯だけが単独で動くという議論になっているので、今後、有識者会合においてどういう形で議論されるのかを、我々も注目していこうと思う。

◯佐藤委員  ただ、はっきりしておかなければいけないが、日本原子力発電は、もともと浦底断層にしても、活断層でなかったという主張をずっと続けてきたわけである。そして、国はそういうことも含めて認めてきた経過があるわけである。課長が言われるように、日本原子力発電の主張を検討するのはもちろん構わないけれども、原子力規制委員会という立場の専門家、学会の専門家、事業者側で何とか運転再開したいと思っている専門家とでは、利害が対立するのであるから、議論が合わないことが出てくるのは、当たり前であろう。そこで、県民の立場に立って、より安全に考えればどう判断すべきなのか、そういうことをするのが福井県の仕事である。違うか。

◯原子力安全対策課長  先ほども申したが、地質の中の動き方を分析するというか、例えば、年代測定にしても土の中にあるものをいろいろ議論するのだが、科学的根拠で事業者なりが調査をし、またそれに対して有識者会合の評価をしっかりやっていくべきだと思っているので、どういうとり方でどういう議論をするのか、そこが一番の鍵になるかと思っている。



原子力防災訓練問題

◯佐藤委員  関連であるけれども、今年度は、これまでずっと行ってきた住民参加の原子力防災訓練を、事実上やらないことになった。住民参加の訓練を10年余りずっとやってきたのに、なぜ今年度はやらないのかと、マスコミでも住民の批判の声がたくさん報道されていた。なぜやらないのか。いつやらないと決めたのか。

◯危機対策・防災課長  福井県では実効性のある訓練を実施することを考えており、そのために、原子力規制委員会の指針の中でどのようなものが出てくるかを待っていた。けれども、それが出てこないので、まず、5キロメートル圏の計画をつくり、訓練を実施したいと考えている。

◯佐藤委員  いつやらないと決めたのか。

◯安全環境部長  今ほど課長が申したように、ことしの原子力防災訓練については、避難の経路について見直しがあるので、それを踏まえて行う手順で考えている。2月27日に国が案を示して、私どもが常々申し上げてきたように、5キロメートル圏内の3段階の避難の基準を出した。これで一応の形はできるので、これに応じて5キロメートル圏の計画をつくり、その検証として訓練をやろうとしている。
 2月27日の国の基準を見て、先日、議会で知事から手順としてはそういうふうになると申し上げたところである。

◯佐藤委員  これまでの県の答弁とちょっと違う。これまでは、議会に対して、新しいものができるまでは従来のものがあるからそれでやればいいのだ、もし事故が起こったときには、これでいいとは言わないけれども、とにかく不十分ながらも計画がないわけではないのだという説明であった。ところが、今度は、原子力規制委員会の指針を待ってから訓練をやらなかったのだというが、それは全くおかしいと思う。先ほど、石川委員からも常日ごろの備えが住民には大事だからもう一度やりなさいと指摘され、わかったと言っているが、県自身がそういう常日ごろの備えを怠っているではないのか。

◯危機対策監  今御説明したのは、実際に実践的な訓練をやろうと思うと、それまでにもとになる計画をつくり、それに基づいて実践的な訓練をやることがやり方として一番いいと考えているということである。5キロメートル圏内については、今まで国が出してきたものを踏まえて計画をつくることができるので、その検証ということで実践的な訓練をするのが訓練のやり方としては一番いいと考えているところである。

◯佐藤委員  全然反省していない。今年度訓練をやらないことについては、地域の住民からの批判や不安の声がある。持ち回りではあるけれども、ずっと十数年にわたって、せっかく住民参加の原子力防災訓練を続けてきたのに、今年度はやらない。そういうことでいいのか。

◯安全環境部長  何も反省していないとおっしゃることがわからないが、福島第一原発事故が起きてから、昨年、現計画で訓練は一度やっている。今回は5キロメートル圏の計画をつくり、その検証をしたいということで、年度にこだわるのがよくわからないところであるけれども、そういう手順で行いたいと考えている。

◯佐藤委員  年度で訓練してきたのは県である。とにかく敦賀市、美浜町、おおい町、高浜町と持ち回りで訓練をするという流れをつくってきたのも県であるのだから、今年度だけやらないというのはいかがなものかと申し上げた。
 そこで、今回出された計画であるが、部長の報告にもあったように、万一の損害が大きくなる可能性がある立地地域の安全を第一に考えるということであるが、福島第一原発事故を見れば、事故の進展が早いケースもあることが明らかになっているし、放射能の影響が及ぶ範囲が急激に広がるとことも明らかになったと思う。福島県では、10キロメートル圏内避難と言っていたと思うと20キロメートル圏内に広げられたり、飯舘村が全村避難になったりしたのであるけれども、なぜ、万一の損害が大きくなるのが5キロメートル圏内だと限定して考えないといけないのかをまずお尋ねする。

◯危機対策・防災課長  まずは、5キロメートル圏内の実効性ある訓練を行い、それを徐々に広めていきたいと考えている。

◯佐藤委員  そういうことも含めて見通しを言わないと、5キロメートル圏内ということでマスコミが大きく報道すると、万一の事故の際は5キロメートル圏内だけでいいのかと思ってしまうわけである。先ほどの議論にもあったように、防災は常に備えないといけないと日ごろから言っているわけだから、20キロメートル圏内であろうと、飯舘村のように四、五十キロメートル離れていようと、万が一の場合はああいう事態もあり得ると、県としてもきちんと教育もするし、これからそれに備えた計画もつくっていくけれども、まず今回はこれでやらせてもらうという流れを説明せずに、これだけ出すから誤解を受けるのではないか。

◯危機対策監  今回、まず5キロメートル圏の計画をつくることにしたのは、5キロメートル圏内は発電所に一番近いところであるから、当然一番意識も高いし、いろいろな頻度とかそういったものも高くなってくるので、やはりここを最優先すべきだからである。また、国から出された防災指針の中で、5キロメートルの範囲での防護措置は避難だと決まっているので、それに基づいて計画をつくることができる。ただ、部長の報告でも申したが、今、佐藤委員のおっしゃるような5キロメートルの外は即避難ではなく、範囲を決めて、屋内退避や、避難所の開設、安定ヨウ素剤の服用など、複数の防護措置を含めて対応することになるので、その基準が国から示されないと実効性のある計画ができないのである。だから、我々はまず5キロメートル圏の計画をつくり、それに基づいて実効性のある訓練をすることによって、住民の方々にも安心をしていただけるだろうと考えている。また、一番不安に思っておられる近接の地域に住んでいる方々についても、そういう実践的な訓練をすることで安心をしていただきたい。その次の、外の話については、避難の範囲の特定の仕方であるとか安定ヨウ素剤の配布基準であるとか、モニタリングのやり方だとか、そういったものを国に出すように求めているけれども、それが出てくるのにあわせて、5キロメートル圏の計画をもとに範囲を広げて行っていこうと考えている。

◯佐藤委員  他県では、県境を越えた訓練を実施しているという報道がどんどん流れている。しかし、日本じゅうで唯一原発を動かしている福井県がなぜしないのだと、県民が不安に思うのは当然であろう。県としては、慎重に、実効性のあるものをと考えているのかもしれないが、県民の不安に機敏に応えていかないと、福井県は日本じゅうでただ一か所原発を動かしているわけであるから、そこでなぜ広域訓練が行われないのか、あるいは県境を超えたような発想での訓練が行われないのかと、県民は誰でもそう思う。何も5キロメートル圏の人だけでなく、福井県でもみんなが不安に思っているわけである。そういう県民ニーズに応えた計画づくりをきちんとやっていただけるのか。

◯危機対策監  まず、訓練についてであるが、先ほど石川委員から、本当に実態に即した実効性のある訓練をやらなければいけないという御指摘もあったが、そういった面では、今、5キロメートル圏についてはきちんと計画がつくれるので、それに基づいて実践的な、実態に即した訓練ができる。ただし、その外については、ほかの県のいろいろな訓練のやり方もあろうかと思うけれども、先ほど申したように、避難の範囲を特定する方法であるとか、モニタリングの方法とかも決まっていない段階で、実際に広い範囲での実践的な訓練をやることは、我々はできない。それでは、石川委員がおっしゃるように、想定で一応やろうということになりかねないので、まずは実践的な訓練を、今きちんと計画ができる5キロメートル圏でやることを考えている。

◯佐藤委員  まだ、県民の不安に全然応えていない。実践的、実効性のある訓練と言うけれども、国民は、福島第一原発事故のような過酷事故が起こったときには一体どうなるのかと心配をしているわけである。それに応えて、ではこの地域ではこうしようと考えるのが普通ではないか。確かに坂井市の人と地元の敦賀市の人では意識の違いも出てくるだろうけれども、坂井市でも福井市でも考えているわけであるから、福井県でもしあのような事故が起こったときにはこうするのだと県民にきちんとシナリオとして示していくことが必要なのではないのか。5キロメートル圏だけを強調し過ぎると逆効果だと思う。

◯危機対策監  何度も繰り返すが、まずは何を優先的に取り組むか、また何ができるかということから考えて、まずは5キロメートル圏をきちんとやっていきたい。その外については、今、国にいろいろな作戦を考えるために必要となるものを早く出すようにと言っているけれども、そういった国から出てくるものも踏まえて、5キロメートル圏の計画をきちんとやった上で広げていきたいと考えている。

◯山岸委員長  5キロメートル圏内の問題は、先ほどから答弁されていることであり、まとめていただきたい。

◯佐藤委員  原子力事故が起こったときには、県はこういう計画で対応するのだと、きちんと県民全体に示していくことが必要だと思うということである。
 最後にお尋ねするが、実動部隊である自衛隊への早い段階での進出要請などが記載されているが、オフサイトセンターのあり方懇談会では、国が自衛隊の活用を提案したときに、その場におられた自衛隊の幹部の方が、自衛隊としては確認してないと反発した場面があった。今回の県の素案が、防衛省の本省も含めてきちんと確認された計画になっているのかどうかと、あわせて、自衛隊は、原子力災害のときには国民保護の観点から別の目標で行動するが、そういう場合との整合性はどう考えているのかを伺う。

◯危機対策・防災課長  この素案については、今、自衛隊と協議をしているところである。また、国民保護の絡みであるけれども、テロで自衛隊が行動する場合には、自衛隊の中で予備隊を招集すると聞いている。

◯佐藤委員  今の答弁にあったように、国民保護となれば、自衛隊は住民救難の仕事を請け負えないわけであるから、そういうことも含めて、いろんなパターンを考えておかなければならないことを要望しておく。


福島3号機のメルトダウンの教訓

◯佐藤委員  先日、10日だったか、NHKで、福島第一原発3号機のメルトダウンはなぜ防げなかったのかということに関し、消防が注水したけれども原子炉にたまらずに復水器かどこかに流れてしまってだめだったという番組があった。その番組を見て、そのことは国会の事故調査委員会の報告などにも載っていないということだったので、事故原因がまだ十分に解明されていないということと、それから、福井県などもいざというときには消防車や電源車を配備したと言っているけれども、今回の事故と同じようなことが起これば、また同じことになるなと痛感した。県が大飯原発再稼働に際して認めた消防ポンプなどのとりあえずの配置だけではまだまだ不十分だという印象を受けたが、どうであろうか。

◯原子力安全対策課長  NHKの番組は、津波で電源がなくなるという非常に厳しい状態の中で、消防車を使った給水により原子炉の冷却をしなければいけないということで、事故を収束させるための作業として、図面でラインを決めて水を入れてはみたけれども、残念ながら細い配管から復水器側へ水が逃げていって、原子炉には直接入っていなかったのではないかという指摘であった。事故を収束する過程で行った方策がうまくいっていない、そういう部分での問題点かと思う。
 そこで、昨日、事業者に、消防ポンプを使って直接原子炉または蒸気発生器に注水するラインが形成されているか、ほかに逃げ道がないか確認をした結果、それぞれ消防のラインは直接原子炉へ行くラインがあり、分岐していても逆止弁により水が流れない状態になっていることを確認している。
 一方で、今度の新しい安全基準でのシビアアクシデント対策として、どういうものが必要かが骨子案として議論されているが、福島第二原発や女川原発においても、電気があって既にある設備が使える状態であれば、原子炉の冷却は確実にできているのも事実である。今回の安全対策は、電気がなくなるような状態にあっても外側に電源車を置いてそれを使えるようにする、もしくは既設のポンプが被水して動かない状態でも水を入れられるようにするといった外づけ的なものとして可搬できる設備を追加している。本来既にある設備を電気を使って十分動かすことで原子炉の冷却は可能であることはほかの発電所で実証されているので、そういう部分では、今の対策で一応の十分な安全は確認されているが、今後、新しい安全基準で必要となる設備はまだ明確になっていないので、どこまで必要になるのかはこれからの議論かと思う。

◯佐藤委員  そうすると、例えば、福島第一原発と同じタイプの敦賀1号機を考えてみると、福島では抜けがあったけれども、敦賀1号機では抜けがないことを確認したということであるか。

◯原子力安全対策課長  消防のラインについては、分岐していく先はあるけれども、そこに流れが一方的になる逆止弁が確実についていて、水はその先に逃げていくことはなく、原子炉側に直接行く。今回のNHKの番組では、入れた水が、あるポンプを冷やす細い管でバルブを介さずに復水器側に逃げていったのではないかという報道であったと理解している。

なぜ福井県は原発輸出の応援をするのか

◯佐藤委員  関連でエネルギー研究開発拠点化計画について伺うが、原子力の安全を支える人材育成について、今月26日、27日にアジア原子力人材育成会議を開くが、これと先般の第13回アジア原子力協力フォーラム(FNCA)コーディネーター会合はどういう関係であるか。

◯電源地域振興課長  昨年行ったFNCA会合は国の事業でアジア人材育成会議と合同で行った。今回は、県が主催するこの会議を単独で今月26日に行うものである。

◯佐藤委員  県単独で開くということであるが、どういうプログラムであるか。

◯電源地域振興課長  2日間にわたり、敦賀の日本原子力発電の研修センターを会場に、インドネシア、タイ、ベトナム、マレーシア、カザフスタンの5カ国から担当省庁の高官の方などをお呼びする。IAEAから原子力安全局の課長クラスの方、日本国内からは原子力規制庁や資源エネルギー庁からも来ていただく。そこで、まず、原子力の安全についてさまざまな講義を行い、各国の安全に対する人材育成の取り組みについていろいろと話をしながら、どういったものが一番いいのかも議論していただいく会議である。

◯佐藤委員  そういう会議を、国ではなく、なぜ福井県が主催する必要があるのか。

◯電源地域振興課長  本県は、原子力の安全を支える人材育成を大変重要な課題と考えている。特に本県は、原子炉の技術や安全対策について、日本においても、アジアの国々に対しても、きちんと協力しながら人材育成を行って貢献していくことが必要と考えている。

◯佐藤委員  よくわからない。先ほどの議論の中で、原子力のいろいろな安全の問題は一元的には国の責任であり、県独自でいろいろな原子力の安全の問題を調査をしたりすることはないと言われた。では、なぜその人材育成に県が乗り出すのか。

◯電源地域振興課長  先ほどから申し上げているように、特に福井県の場合は、さまざまな原子力発電所を抱える中で、いろいろな技術を持っているので、そういったものを、しっかりとアジアの導入国等に対して指導していくことが、本県にとっても、また国にとっても必要と考えて行うものである。

◯佐藤委員  全くおかしな話である。アジアへのこれからの原発の輸出に私は反対しているけれども、アジアの導入国に対して福井県が安全の問題を指導すると言うが、その立場というのは、先ほどの福井県内の原発の安全問題に対する県のスタンスと180度違う。そうであろう。

◯電源地域振興課長  何回も申し上げているように、原子力に対する人材育成に協力、貢献することを目的に、本県として行うべきと考えて、アジア原子力人材育成会議を開催するものである。

◯佐藤委員  アジアの心配をするより福井県の心配をしていただきたい。そうであろう。福井県の県民が、福井県の原発は大丈夫かと言っているのに、県は、県民に対しては何ら説明会も開催せずにいて、何でアジアの心配するのか。おかしいであろう。

◯総合政策部長  今、各種の人材育成をやっているが、この事業は県で行っているけれども、国庫から費用をいただいて若狭湾エネルギー研究センターが行っている事業も幾つかある。アジア原子力人材育成会議については、本県が国際貢献の一環として行うものであり、安全に対する国への要求とか、県内で安全をしっかり確保していこうということとは別の視点から行っているものである。

◯佐藤委員  国際貢献は、もちろん一般論として、県としての大事な課題だと思う。けれども、なぜ原子力の安全の問題で福井県がそういう役割を担わなければならいのか。福井県民に対して県内の原子力の安全性の説明会も開いてない県が、なぜわざわざベトナムやインドネシアの人のために安全問題を講義しなければいけないのか。順番が違うであろう。まず福井県民に対してきちんと説明をするとか、あるいは福井県内の原発の安全性がどうなのか県の原子力安全専門委員会で調査に乗り出すとか、そのほうが先であろう。順番が違うのではないか。

◯総合政策部長  二つを同時に一つのラインで考えるのではなくて、国際貢献は国際貢献として、それから国内の安全対策については国内の安全対策として、それぞれ充実していく必要があると考える。

◯佐藤委員  それぞれ充実していない。何回も言っているけれども、2年前の事故が起こってから、福井県としては、正式に県民に対して、福島第一原発事故についてどうなのか、福井県内の原子力発電所の対策についてはどうなのかといったオープンな説明会は一度も開催してない。それから、一般質問でも言ったけれども、今回の原子力規制委員会ができていろいろな指針がつくられる過程において、県の原子力安全専門委員会では、平たく言えばそれをチェックするというか検証する会議が一つも開かれていないではないか。おかしいではないか。

◯安全環境部長  今ほどお尋ねの住民への説明や再稼働等に対しては、何回もお答えしているけれども、我々としては住民の代表である県議会の御議論を踏まえてやっていきたいと思っている。

◯佐藤委員  福井県は、平成7年1月の阪神・淡路大震災の後だけれども、11月に、素早くと言っていいかどうかは別として、原子力施設耐震安全性にかかる県民説明会を開いている。このとき、何と言って開いているかと見たら、「福井県は15基の原子力発電所がある。まことに重要で県民の強い関心事項になっている。県民に十分理解をしていただく必要があると考え、今回原子力発電所の耐震安全性について説明会を開く。」ということで、当時副知事であった西川知事があいさつされているわけである。やはり阪神・淡路大震災のときもそうしたにもかかわらず、ましてや、今回、原発がそれを上回る被害を公衆に与える事故を起こしておきながら、福井県民の心配にも答えずに、一方では、アジアの心配をしてはいけないというわけではないけれども、ベトナムやインドネシアの安全の問題に乗り出すというのは、福井県庁は仕事が全くあべこべである。

◯原子力安全対策課長  委員御指摘の平成7年の県民説明会であるが、その当時、以前から敦賀3、4号機の増設の問題などいろいろあって、原子力に対して今後どうするのだという県民の関心が全体的に高い中で阪神・淡路大震災が起きたことを踏まえて、耐震安全性の説明会を開催させていただいた。
 今回の福島第一原発事故後は、立地市町や隣接市町で、例えばその当時いた原子力安全・保安院の地域統括管理官が各議会に行って説明をされるとか、もしくは事業者が説明をされるという形で、それぞれ説明をされてきた。我々としては県原子力安全専門委員会において公開で議論をする、それから、県原子力環境安全管理協議会という各種団体の方の集まった会議体で説明をする、さらには、知事みずからがいろいろと記者会見をするという形で県民への説明に努めてきたところである。

◯佐藤委員  そういう答弁を聞くたび、むなしくなる。課長はまじめに仕事をしている人だと思うけれども、平成7年だと課長も入職していただろうし、多分そういう現場を見ていると思うけれども、そのときは、県民の声を募って県民からの質問も受け付けて、県は丁寧に努力していたわけである。最近、そういう努力が足りないと自分でも思わないか。

◯原子力安全対策課長  その当時、もう一つ県民のシンポジウムも開催した。それは、やはり先ほど申したように、敦賀3、4号機の増設や15基体制の維持とかいろいろな課題があり、原子力に対して県民としてどうするかという大きな議論があった中で、そういうシンポジウムや説明会を開催したという経緯であったと思う。県としては、原子力の問題には県民のいろいろな意見があることから、さまざまな機会を捉えて議論をさせていただき、なるべくわかりやすく、問題の本質というか、問題点をしっかりと説明していきたいと考えている。

◯佐藤委員  福井県原子力安全専門委員会であるが、大飯原発の再稼働までは開いていたけれども、それ以降は開いていない。国がいろいろな基準をどんどんつくりつつあるが、これだけ福井県の原子力行政に大きな影響を与える議論が原子力規制委員会等の会議で展開されているときに、福井県原子力安全専門委員会を開かないのは何か理由があるのか。

◯原子力安全対策課長  原子力規制委員会での審査の指針の議論は全てインターネットで公開されている。原子力規制委員会では、委員が何人かおられて意見を述べられ、それから原子力規制庁側が案を示す形で、いろいろな議論をしている。今のところ骨子の状態で具体性がまだ少し見えない。どこまで求めるのか、それはいつまでの段階か、先々の話がまだはっきりしてない。
 県が規制そのものを議論していくよりも、県としては、その規制が決まったことによって発電所にどういう形で安全対策が反映されていくか、事業者の対応も含めて、安全の確認をしていくべきと思っている。現状では、規制そのものは国の委員会としてやるべきことを議論している段階だから、福井県原子力安全専門委員会の委員の方々には情報提供という形でいろいろ情報はお送りしているが、福井県原子力安全専門委員会の場で議論することは今の時点では考えてない。

◯佐藤委員  おかしな話だと思う。なぜかというと、大飯原発3、4号機の再稼働のときには、福井県原子力安全専門委員会の専門の先生方が、それぞれの事業者を呼んだり、当時の国の原子力安全・保安院の担当者を呼んだりして、緻密に何回も議論をして、暫定的基準みたいなものをつくり上げて、それで政府とすり合わせして、当時、野田総理大臣が再稼働に踏み切るといういきさつがあったわけである。それがそのまま適用されるなら黙っていればいいのであろうが、やはりそのときの基準が一体どの程度どのように変更されていくかとか、あるいは不十分な点があって改善されるかとか、当然、ハード、ソフトの両面でいろいろなことが出てきていると思う。しかし、今回の過程では、ある意味では大飯原発3、4号機の再稼働に専門家として責任持たれた県の原子力安全専門委員会の先生方は、ノータッチである。国の議論に対して、いや、そのときの判断はこういう判断であると言わないとか、あるいはもっとこうしたほうがよかったのではないかという議論もできないというのは、どうなのか。やはり、県民としても、大飯原発3、4号機だけが日本じゅうで再稼働しているわけであるから、それを、ある意味では、ハード、ソフトの両面で検討して決めた専門家の先生方が、今、国の新しい指針や基準がつくられようとしているときに、何も意見が出せない、言わないということに違和感があると思う。

◯原子力安全対策課長  昨年、大飯原発3、4号機の再稼働を判断したときは、いわゆるストレステストをベースにした一つの判断基準があり、それを上回る30項目の安全対策が示され、国が示した安全基準を基本にしてどこまででき上がっているかを、我々は、丁寧に現場も含めて議論させていただいた。現在、議論しているのは、まだ指針の骨子であるので、これを発電所の設備に対してどこまで具体的に、どの時期までに求めるのかがまだ見えていない。福井県原子力安全専門委員会の中には、30項目を含めた昨年の安全基準の考え方を一つのベースにものを捉えるべきだと発言しておられる先生もおられる。そういう意味では一つのベースにはなるけれども、新しいものがそれに対してどうかというところはまだ見えないので、7月以降になるが、具体的なものが出てきて、事業者がそれにどう対応するのか、ここが一つの大きな議論となるであろうし、確認すべきポイントかと思っている。

◯佐藤委員  けれども、逆に言うと、そういう基準ができたときに、福井県原子力安全専門委員会の判断はどうだったのかが問われることになってくる。その点、検証も含めて、あるいは課長が先ほど言われたように、県民の前できちんとオープンで議論をする機会をつくっていただくことが必要であると思うが、いかがであろうか。

◯原子力安全対策課長  どの時点で福井県原子力安全専門委員会が開けるかは今の時点で約束はできない。先ほどから申し上げているように、事業者として、特定の発電所かどうかわからないが、どういう形で対応していくかが決まってくれば、昨年の30項目の安全対策の実効性も含めての議論になるかと思う。そういう場面では、我々として福井県原子力安全専門委員会の先生方の御意見を聞く必要があるのではないかと思っている。

◯佐藤委員  それはそれでお願いしておきたいと思う。
 それから、先日の新聞報道で、日本原子力研究開発機構でパソコンが盗まれたという報道があった。しかも、原子力発電所の重要なデータが入っているパソコンだということであった。少々驚いたのだが、原子力発電所の敷地内はもちろん厳重なセキュリティーであろうし、原子力発電所のそういう重要な機密が置いてある事務所も、当然、厳重なセキュリティーだと思っていたのだが、違ったのか。

◯原子力安全対策課長  日本原子力研究開発機構の本部の事務所に、安全研究的な業務をされる部署があって、そこで使用していたパソコンが2台なくなっているというのが事実である。ただ、セキュリティーの管理もしていたが警報が鳴っていないとか、ガラスの破損等もないということで、どこかの場所に持って行っているというような可能性も含めて今調査をしているところである。

◯佐藤委員  どこかの場所へ行ってしまいよくわからないというのは、内部でどこかへ移動していてどこかから出てくるかもしれないという意味か、それとも内部の人がどこかへ持ち出したのではないかという意味か、どちらなのか。

◯原子力安全対策課長  そのどちらかというか、外部から侵入したのかはよくわからないが、土日も仕事をしていたようで、そのケースもあるかもしないし、中の方がどこかへ持ち運んだということもあるかもしれない。それは断定的ではなくて、今、日本原子力研究開発機構内で調査をしているところである。そういうことで、なくなったという事実として、警察等も含めて報告されているようである。



県職員の給与削減の強行は許されない。会場いっぱいの憲法学習会。市民体育大会開会式。

2013年06月16日 | Weblog
  昨日は、自治体関係者との会合、憲法問題の学習会、打ち合わせ、市民体育大会開会式などでした。
自治体関係者との会合では給与削減についての不満や不安がだされました。
 福井県は開会日に提案するとの方針のようですが、大規模な給与削減が十分な周知と納得が得られないままに強行されることになればそもそもの公務員労働者にたいする重大な権利侵害となります。
 全国的規模で、このような不法行為がおこなわれることは大問題です。

 憲法改悪反対共同センターがよびかけた学習会には会場いっぱいの人が集まり、吉川弁護士の講演や、河合良信さんのピースアート展などの取り組み、元教員の南部みやこさんの50回以上続く憲法読書会の経験、9条の会の屋敷事務局長の報告、山本富士夫福井大学名誉教授のお父さんの戦争遺品の現物を示しながらの生々しいお話しに聞き入りました。
 私も県政での憲法問題などについて発言しました。

 市民体育大会開会式では、水泳の部で近所の方が5年連続優勝の栄誉で表彰されました。式典が終わり、お祝いの握手をしました。
 約1万人が参加するという大会、ぜひみなさんがんばっていただきたいと思います。
 暑さ対策には十分気をつけていただきたいと思います。


           ★

 先日も書きましたが、安倍総理が国民総所得について「国民の平均年収を150万円増やす」などと国民を欺く演説を繰り返しています。
 あらためて、赤旗でも明快な批判記事が載りましたので紹介します。
 選挙戦のなかで、ウソをつくことなどいっそう許されません。
それとも「TPP絶対反対」などと言いながら、総選挙後に交渉参加にすすんだ安倍総理にとっては、平気なのでしょうか?

■赤旗・・・安倍首相 ごまかし論議    「国民の年収150万円増やす」

     「国民総所得」 →すりかえ→ 「国民平均年収」

  安倍晋三首相は、「成長戦略第3弾」で、「10年間で1人当たり国民総所得(GNI)を150万円増やす」という「目標」を打ち出しましたが、各地の演説では、「国民の平均年収を150万円増やす」などと言っています。「国民総所得」と「国民の平均年収」は全く違うものですが、安倍首相は経済学を知らないので間違えたのでしょうか。知っていながら、言葉をすりかえたのなら、意図的に国民をだまそうとするものです。菅義偉(よしひで)官房長官は「首相は分かりやすく説明しようとしたんだろう」などと言っていますが、こんな言い訳は通りません。

  GNIとは、国内総生産(GDP)に「海外からの利子・配当の純額(受取マイナス支払)など」を加えたものです。これは、昔はよく使われていた「国民総生産(GNP)」と同じものです。それを、わざわざ国民にとって耳慣れない「国民総所得」という言葉に言い換えているのは、その方が「所得が増える」というイメージがするからでしょう。これ自体、言葉の言い換えで国民をごまかそうという意図が見え見えです。

 しかも、安倍首相はGNIを「国民の平均年収」とか「みなさんの所得」とか呼んでいます。これは、単なる「言い換え」ではなく、違う意味に「すり替え」るものです。

 「国民総所得=国民総生産」には、賃金などの家計の所得だけでなく、企業の利益や株主への配当、海外からの利子・配当なども含まれています。GNIが増えたからといって、賃金などの国民の年収がそれと同額で増えるわけではありません。

 実際、小泉純一郎内閣から前回の安倍内閣、福田康夫内閣の時代の2002年度から07年度の5年間に、1人当たりGNIは約18万円増えましたが、1人当たり雇用者報酬(賃金プラス社会保険料の事業主負担)は2・8万円減りました。増えたのは、海外からの利子・配当(7・7万円)、主に企業の利益である「営業余剰・混合所得」(7・4万円)でした。しかも「雇用者報酬」には、会社役員の報酬もふくまれており、雇用者数の増加による影響も含まれています。それを除いた従業員1人当たりで見た給与年収(厚生労働省「毎月勤労統計」)は、この5年間に16万円も減ってしまいました。

所得奪う政策

 本当にGNIを1人当たり150万円も増やそうとすれば、賃金も増える必要があります。たとえば、1980年代の10年間には、1人当たりGNIが155万円増えました。この時期には1人当たり雇用者報酬が75万円増えています。民間給与所得者の平均給与年収は、80年代の10年間で130万円増えました。

 逆に言えば、企業の利益が増えるだけでなく、賃金も増えたからこそ、内需が活発化して経済成長が継続し、GNIが155万円も増えたのです。そもそも、GNIの半分は雇用者報酬なのですから、雇用者報酬が増えなければGNIも大きくは増えません。02~07年度には、企業の利益は増えても賃金は減ってしまったため、成長は長続きせず、結局、1人当たりGNIも18万円しか増えなかったのです。

 「1人当たりGNI150万円増」を本気で実現するつもりなら、賃金をはじめとする家計の所得が増えるような政策が不可欠です。しかし、アベノミクスには賃金や家計所得を増やす策は何もありません。それどころか、雇用規制のいっそうの緩和など賃金を減らす政策、消費税増税など家計の購買力を奪う政策ばかりです。これでは、「GNI150万円増」という「目標」自体が「絵に描いた餅」となることは確実です。

破綻つくろう

 安倍首相は、なぜ、こんなごまかしの議論を持ち出したのでしょうか。それは、アベノミクスの破綻をつくろうためにほかなりません。

 アベノミクスは「物価上昇率2%目標」を掲げましたが、賃金が増えずに物価だけが上がれば、暮らしはますます苦しくなります。「景気がよくなれば、そのうち賃金も上がる」と言ってきましたが、頼みの株価も乱高下し、制御不能に陥る始末です。「投機とバブルで景気回復をねらう」というアベノミクスは、暴走を始めた途端に破綻し始めました。

 安倍首相は、「これでは選挙を乗り切れない」ということで、新たなごまかしの議論を持ち出したのです。

 NHKの世論調査(10日)では、「1人当たりの国民総所得を10年後に150万円増やすことを目標とする経済の成長戦略が、経済の再生につながると思うか」という質問に対して、「つながると思う」はわずか13%にすぎず、「つながると思わない」が33%となっています。

 小手先のごまかしでは、アベノミクスの破綻はつくろえません。(垣内亮 日本共産党政策委員会)






福井県職員退職手当削減について。2013年2月総務教育常任委員会での質疑

2013年06月15日 | Weblog
2013年2月27日 総務教育常任委員会  職員退職手当の削減について


     総務部、教育委員会、公安委員会及び人事委員会関係

◯仲倉委員長  ただいまから総務教育常任委員会を開会する。
 委員の席は、ただいまの着席のとおり指定するので、了承願う。
 また、本日の傍聴人は1名であるので、了承願う。
 なお、傍聴人の方は、さきにお知らせをした注意事項を守って傍聴願う。
 本日付託をされた議案等の一覧は、お手元に配付してあるので、ごらん願う。
 なお、審査に当たり、関係者である総務部、教育委員会、公安委員会及び人事委員会の出席を求めておいたので、了承願う。
 また、先ほどの本会議で、本日の委員会は、会議規則第45条第1項の規定により、1時間以内に審査を終了するように期限を付されているので、質疑及び答弁は簡潔に行っていただくよう協力願う。
 これより審査に入る。
 それでは、今回付託された第140号議案及び陳情第25号について、一括して議題とする。
 初めに、理事者より第140号議案の説明を求める。


◯総務部長  それでは、第140号議案「福井県職員等の退職手当に関する条例等の一部改正について」、説明させていただく。
 この条例案は、国家公務員退職手当法が改正され、平成25年1月に施行されたことを踏まえ、県職員についても国に準じて退職手当の支給水準を引き下げるものである。
 この引き下げは、公務員の退職給付の水準が民間の水準を約400万円上回るとの人事院の調査結果を踏まえ、その官民較差を解消するために行うものである。国においても既に施行していることから、民間との均衡を図るべく、県においても早急に実施する必要があると考えている。
 引き下げに当たっては、民間との均衡を図るために条例上設けられ、現在100分の104となっている退職手当の調整率を、施行日からは100分の98.3、平成25年7月1日からは100分の92.6、また平成26年7月1日からは100分の87と、3段階に分けて引き下げることとしている。
 この条例案については、できる限り早い時期に議決をお願いして、速やかに実施したいと考えている。具体的には、明日2月28日に公布、明後日3月1日に施行させていただきたいと考えているので、よろしくお願いする。


◯仲倉委員長  説明は終わった。
 これより2件に対する質疑、討論に入る。
 各委員より発言願う。


◯山本(正)委員  今回の退職手当の改正については、いろいろな団体、あるいは県民の皆さんから多くの意見を聞いているが、官民較差の是正という趣旨は十分理解できるが、改正時期が年度途中の最後になって、百何十万円という金額が削られてしまうといったことが、一生懸命働いてきた人に対して非常に申しわけないという気持ちが一つある。
 それから、今回、提案された改正案は、本日上程され、明日から施行ということで、やはり周知期間を富山県、石川県のように設けるべきではなかったのかという、2点の問題を考える。特に国政と地方の関係については、地方分権がずっと言われてきて、それぞれの都道府県あるいは市町村が独自に行政をやっている。行政改革についても、福井県は御承知のとおり、県の職員については一番全国で少ない中で、ただ給与の較差だけという形でやると、これまでの行政改革を一生懸命やったところが報われなくて、一律に下げられてしまうということもある。
 それから、教職員の場合には、朝から晩まで本当に頑張って、「学力・体力日本一」を一生懸命やってきたわけであるが、こうして退職手当が削られるということであるし、警察本部においても、24時間、安心・安全のために一生懸命やってきたというところが、今回一律に下げられることについて、本当に残念でならない。国のやり方について、もっと思いやりのある形での対応がなされなくてはいけないと思う。
 そこで、周知期間が短くなった理由を質問したい。職員組合と何度も協議したと思うが、その中で短くした理由、それから、県職員、教職員、警察職員の3部局で、現時点での駆け込み退職する職員数の2点をお聞きしたい。


◯企画幹(行政改革)  まず、期間について答える。委員各位、御存じかと思うが、国の人事院が平成22年給与状況を調査した結果、退職手当について400万円の官民較差があることを踏まえて、国が昨年11月26日に法律改正を行ったところである。その公布を受けて、各地方公共団体にも、均衡の原則で、国準拠で改正するよう国から求められた。
 それを受けて、委員が言われたように、職員組合等ともいろいろと話をさせていただいている。私どもが所管する県職員組合との関係でいうと、年末には国の制度に準拠した形での退職手当を引き下げさせてほしいと提案している。その後、職員組合と1月から2月初めにかけて事務折衝を二、三回と繰り返させていただいた中で、まずは、平成22年に退職手当の官民較差があるということは、できるだけ速やかにこの較差を解消していく必要があり、本年度内に施行したいということで、3月1日施行という形で、職員組合の了解も得た。
 次に、周知期間が短いのではないかという指摘については、当然、議会で議決をいただかないと明確なことは言えない部分があったが、2月中旬には各職員の皆様には、直接、今年度退職手当制度の改正を考えているということを事前にお知らせし、皆さんそれぞれの事情はあるとは思うが、できるだけ最後まで公務を全うしてほしいとお願いしてきた。
 職員の退職状況については、知事部局においては、2名の職員が年度末を待たずにおやめになるということである。所属長からも留意をしたが、どうしても本人の意思がかたいということで、その2名が退職されるということである。


◯教育振興課長  教育委員会における年度末を待たずの退職者数は、現在2名である。


◯警察本部長  警察本部の年度途中退職者であるが、現在18名ある。ただし、このうち警察署長が1名いるが、これは健康上の理由であり、年度途中の退職として報告している。


◯山本(正)委員  今、聞いたところによると、周知をしたけれども、これだけ駆け込み退職者が出た。当の本人にしてみると、土壇場に来て約150万円の退職手当が減額されるということで、気持ちは十分理解できるわけだが、やはり県政全体としての損失にもなるということを考えて、今後対応するときには、もっと事前に周知することを検討すべきである。今回の国から要請があり、補助金あるいは交付金が減らされるということもあり、無理やりこうなった面もあるので、次からはそういうことのないようにお願いしたい。
 また、警察本部にお聞きしたいのは、警察本部での早期退職者が18名と多いが、知事部局や教育委員会のように、事前に通知あるいは職員との話し合い等を持ったのか。


◯警察本部長  職員の周知については、知事部局から今回の制度改正の趣旨について2月中旬に説明を受けた。実は既に退職予定者に対する説明会を行っていたが、急遽、2回に分けて退職予定者の説明会を開催し、その場において、警務部長が出席して、直接、まず30年、40年働いてくれた職員の知識、経験は非常に貴重であるので、年度末まで職務を全うしていただきたいと申し上げた上で、制度改正の趣旨を説明している。また、それぞれの所属長から同様に、職務を全うしていただきたいということとあわせて、今回の制度の趣旨について説明したところであるが、その結果、18名の早期退職者が出た。


◯佐藤委員  2月中旬に職員に事情を説明し、事務折衝を繰り返して、職員組合も了承したという答弁だったと思う。組合といっても、県庁職員組合、教職員組合と幾つかあると思うのだが、それぞれの組合について、どういう内容で妥結したのか教えてほしい。妥結していない組合があれば、それもあわせて報告願う。


◯企画幹(行政改革)  まず、県庁職員組合については、課長交渉3回、事務折衝も3回行い、今回、提案している内容について合意をいただいている。


◯教育振興課長  教育委員会には、県教職員組合と県高等学校教職員組合の2つある。いずれの組合に対しても、平成24年12月28日に、先ほど総務部企画幹からも申し上げたとおり、国の法律に準じて、退職条例の改正案について提案させていただいた。
 県教職員組合については、その後、事務折衝を含めて6回交渉を行った。その結果、2月13日に年度内に調整率を引き下げるということで合意いただいたところである。県高等学校教職員組合については、その後も、同じように交渉や事務折衝を含めて、これまで8回実施している。基本的に制度の改正内容については、了解いただいていると理解しているが、施行時期等については完全な合意には至っていない。


◯佐藤委員  そうすると、県高等学校教職員組合の合意を得られておらず、妥結していないということか。


◯教育振興課長  制度の趣旨については理解をいただいているが、その時期等については、4月1日以降にしてほしいという要請があった。それについては、今回の条例改正は3月施行と考えているので、その部分では合意していないということである。


◯佐藤委員  先ほど、2月中旬ごろから、職員に事前にお知らせしたという回答があって、それぞれ県職員や学校の教職員にもそういう文書を出されている。警察本部も多分出されていると思うが、教育長名で出されている文書と、総務部人事企画課長名、総務部長名で出されている文書を見せてもらった。通知日については、2月と記されているものの、何日とは記されていない。また、公印も押されておらず、行政が作成した正式な文書として、退職予定者に知らせたことになるのか。


◯企画幹(行政改革)  まず、公印については、庁内の文書であるから、公印は省略している。なお、日付等は入れたものを配付している。


◯教育振興課長  教育委員会でも同様で、公印は省略しているが、日付については2月19日付で通知している。


◯佐藤委員  私も今回の件で複数の職員から事情を聞いた。職員組合の関係者からお聞きしたときには、県教育委員会は、公文書ではないと回答していると聞いているが、組合に対する回答と議会に対する回答は違うのか。


◯教育振興課長  公印については省略したということを申し上げたと認識している。


◯佐藤委員  これは大事な問題である。先ほどの議論にもあったように、周知期間がどうなっているのかが大事な問題である。というのは、一つは正式な公文書で通知しているかどうかが1点。それから、いつから実施するかということである。実際、出されている文書を見ても、3月1日からの実施ということが書かれていない。だから、石川県や富山県のように、3月十何日から、あるいは3月20日過ぎからと思う職員がいても不思議ではない文書である。徹底周知したとは言えないだろう。


◯企画幹(行政改革)  公布については、議会に議決していただく必要があるので、公文書にいつ付けで実施するのか明確な記載はない。しかしながら、当然、組合とも話をさせていただいているし、通知文書を配付するときに、各所属の職場管理者を集めて説明している。我々としては、議会の理解が得られれば、一番早くて3月1日から施行させていただきたいと県議会に諮りたいと考えているという説明をさせていただいている。


◯佐藤委員  議会ではそのように言っているかもしれないが、教育関係の組合交渉では、2月定例会開会日に議決し、3月1日から施行するとの説明は行っていない。だから、先日の議案事前調査会のときに、総務部長が文書で周知していると答弁されたが、私が問題にしたように、こういうやり方では通知したとは言えない。3月1日から施行するということが退職予定の全職員に伝わっていないということである。
 それで、きょう議決して、あした公布して、3月1日から実施するというのは無謀である。でたらめな行政はいけない。


◯企画幹(行政改革)  繰り返しになるが、我々としては、県議会に諮って初めて施行日が決まるので、その情報は文書に記載しなかったが、職員組合との交渉の中で、最短で3月1日から施行するという話もしているし、そういう内容を職員に周知するよう、各所属の職場管理者を通じてお願いしているところである。


◯佐藤委員  そういう大事な問題を又聞きのような伝え方で周知していいのか。職場管理者に聞いてくれというやり方は、職員を余りにもばかにしている。年度内に改正するにしても、せめて石川県や富山県のように、なぜ猶予期間や周知期間を設けないのか。


◯企画幹(行政改革)  今年度内の3月1日から施行することに関しては、年度内施行ということで、3カ年に分けてそれぞれ均等に痛みを分けながら、段階的に下げていくこととし、今年度退職予定の職員の方にもお願いしている。3月1日施行ということは職員組合にも説明させてもらい、理解していただいているものと認識している。


◯佐藤委員  そういう答弁がごまかしである。均等に痛みを分けていくのなら、石川県や富山県のように、年度内に周期期間を設けるやり方でも同じことではないか。結局、駆け込み退職を防ぐためであろう。3月1日から改正するときちんと説明していただきたい。駆け込み退職をやめさせるために、議会で通ったら即実行するようなえげつないやり方をしているのではないか。ひど過ぎる。


◯企画幹(行政改革)  先ほども申し上げたが、平成22年度の調査結果で官民較差があることにより、退職手当を改正するものである。


◯佐藤委員  そういうことを質問しているのではない。


◯企画幹(行政改革)  早急に官民格差を解消していくのが、基本的な考えである。


◯佐藤委員  そういう意味で質問していない。


◯企画幹(行政改革)  条例改正の趣旨を説明している。


◯佐藤委員  今の内容は答弁になっていない。今回の県のやり方は余りにもひどい。


◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、今の話を整理すると、佐藤委員は、恐らく組合側からのいろいろな情報をもとに、御自身の情報を今委員会で披露されている。また、理事者側は、今議会で正式にまだ条例化がされていないので、確かに文書に日付を入れていないが、各職員あるいは職員組合には口頭でしっかりと説明責任を果たしている。お互いの主張が並行線でかみ合っていないのが現状であるので、今ここでお互いが追求し合うにしても、なかなか結論が出ないと思う。もう少し違う論点から質問していただくようにお願いしておく。


◯佐藤委員  福井県庁という、法律を一番守らなければいけない役所が、言葉は失礼かもしれないが、脱法ぎりぎりの方法で行動するのはよくないと思う。やはり、先ほども議論があったように、40年なり長年にわたって働いてきた職員の退職金の問題については、丁寧に対応すべきである。


◯仲倉委員長  佐藤委員に尋ねるが、脱法というのはどういう意味か。


◯佐藤委員  この制度の趣旨を言えば、周知はきちんとすべきである。担当している総務省自治行政局給与能率推進室へ周知の考え方とその期間の定めについて、先日電話にて問い合わせをした。その結果、国は、周知期間を例えば1カ月設けなければいけないなどとは特に定めていない。ただ、職員の生活に影響が非常に大きいので、職員組合員、また職員個々の方とよく話し合ってやってほしいというのが、この改正の趣旨であるという回答であった。当然だと思う。
 だから、今の福井県のやり方は、そういう法の趣旨に照らしてもおかしいと思う。職員個々と話し合って、本当に合意を得ているとは言えない。ましてや、県高等学校教職員組合とはまだ妥結していないわけだから、そういう点では合意を得ているとは言えないということで、非常に問題があるという意味である。


◯仲倉委員長  佐藤委員の発言について、総括的に話をしていただきたい。既に議論が並行線になっているから、これ以上議論しても新しい材料は出てこないと思う。


◯総務部長  ただいま佐藤委員から、丁寧な説明の仕方、長年働いてきた職員に対するやり方として問題ではないかという指摘をいただいた。私どもも当然そういう観点を持って、この問題に対処してきたつもりである。ただ、3月1日という施行日を明文化して、各職員あるいは職場に周知することは、議決事項であるので、それはできないという点を答弁申し上げたところである。
 しかしながら、職員にきちんと知っていただかなければならないという点も大きな要請事項であるので、私どもは、先ほどから答弁申し上げているように、職員団体との交渉のさなか、完全な合意に至るまでではないが、ある程度の方の妥結点が見出された時点で、該当する職員の方々に私から内容について通知を申し上げ、また明記できない部分については口頭で説明を申し上げて、その趣旨を御理解いただくように努力してきたつもりである。
 それともう1点、施行日については、県民、国民の公務員あるいは行政に対する厳しい見方というものも勘案しなければならないと考えている。国はもう既に施行している。また、ほかの自治体においても、既に先行して実施している団体がある。そうした中で、もちろん4月1日施行ということも考えたわけであるが、年度内に施行することによって、それもできるだけ早い時期に施行して、前後で不公平感がないようにしなければならないという原則的な考え方をもって、今回の3月1日施行という改正案を議会にお願いしているので、何とぞ御理解賜るようによろしくお願いする。


◯仲倉委員長  違う視点からの質問があれば、発言願う。


◯佐藤委員  では、角度を変えて、人事委員会にお尋ねする。人事委員会もこの間の議案事前調査会のときに、退職手当の問題は勧告の内容ではないと言われた。では、改めてお尋ねする。県の職員録に、人事委員会事務局の分掌事務として19項目が記載されているが、この中に退職手当に関する事務は入っていないのか。


◯人事委員会事務局次長  職員の退職手当については、従来、退職手当の性格として、職員の長期勤続に対する報奨的な意味合いも含まれるということから、これまでも国及び都道府県において、人事委員会で勧告したことはない。
 今回、国の退職手当法の改正に当たっては、総務省、財務省から人事院に要請があって、人事院が調査したという経緯がある。しかし、県の人事委員会がこれまで退職手当に関する調査をした、あるいはそれに関する勧告をしたという例はなく、分掌事務の中に退職手当の勧告に関する記載はないと認識している。


◯佐藤委員  分掌事務にある退職手当の調査審議とは、退職手当の支給制限等の処分に不服がある場合のことを多分書いているのだろうと思う。今回の場合のように、退職手当を減らすことはけしからんという申し出が県職員から出されれば、人事委員会は調査審議をすることになるということだと思う。
 そこで質問するが、今ほどの説明で、退職手当は勧告の対象ではないと言われたが、退職手当は給与の後払いという見方もある。今、長年の仕事に対する報奨と言われたけれども、退職手当は給与の後払いという有力な説もある。その議論をする必要はないが、こういう説が存在するわけである。これだけの大きな影響を与えるわけだから、きちんと人事委員会で討議して、どういう影響を職員に及ぼすのかを議論したのか。


◯人事委員会事務局長  退職金は、今言われたように、給与の後払いという性格のほか、長期勤続に対する報奨的な意味合いの性格もあるということであって、公務員においては、報奨金的な色合いが強いため、給与とは異なる取り扱いをすると認識している。


◯佐藤委員  これだけ大きいことが人事委員会のテーマにならないという仕組み自体がおかしいと思う。
 それで、また質問を変えるが、周りを見ていると、夫婦で県庁職員、教職員、警察職員をしている家庭が少なくないと思う。夫婦で職員の場合には、結構影響も出てくると思う。例えば、3段階の削減で最大400万円を超えるので、夫婦なら800万円を超える。こういう世帯に対する影響については分析したのか。


◯企画幹(行政改革)  世帯というよりも、個々の退職手当給付水準について、官民の較差があるということなので、世帯間で比較する、世帯での考え方という視点は、人事院の調査においてもないと思われる。


◯佐藤委員  普通は、うちの家計はという考え方になる。だから、皆さんの説明はわかるが、そういうところまで気を配って考えていかないといけない。ただ単にぽんと決めるだけでは、大きな問題が出てくると思う。


◯佐藤委員  最後にもう1点、警察では18名が退職を申し出されているということである。これも先日の議案事前調査会でお尋ねしたら、警察本部長は、警察機能には影響が出ないよう取り組むとのことであるが、今回、第41号議案として、警察職員を9名ふやす職員定数条例改正案が出されている。警察職員18名が途中退職しても影響がないということであれば、この9名の増員と、つじつまが合うのか。


◯警察本部長  3月下旬に定期の人事異動を予定している。その際の定年退職予定者のうち、18名が早期退職することとなるが、これに伴い3週間強の空白期間が生じることになる。仮にこの期間が1カ月以上続くと組織としては機能しなくなるが、種々に検討した結果、兼務のほか、駐在所や交番のブロック単位の運用を行う等で、十分こなせるという結論に達し、組織運営には特に影響がないと先日報告申し上げた。
 なお、第41号議案については、警察の関係法令の改正によって、サイバー犯罪対策、暴力団対策で9名を増員されたいという政令が定められることになったので、それに従って議案を提出させていただいた。


◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      (「なし」と呼ぶ者あり)


◯仲倉委員長  ないようであるから、第140号議案ほか1件についての質疑、討論は終結する。

      〔山本(正)委員 退席〕


◯仲倉委員長  これより採決に入る。
 採決は1件ずつ行う。
 まず、付託議案を採決する。
 第140号議案を原案のとおり可決することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯仲倉委員長  賛成多数である。
 よって、第140号議案は、原案のとおり可決することに決定した。
 次に、陳情を採決する。
 陳情第25号を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯仲倉委員長  賛成少数である。
 よって、陳情第25号は不採択と決定した。
 これで本日付託を受けた案件の審査は、全て終了した。
 各位の協力に感謝する。
 委員長報告については、私に一任願うとともに、委員会記録の作成についても、委員会条例第27条の規定により、私に一任願う。
 以上で、総務教育常任委員会を閉会する。

2013年2月県議会 総務関係常任委員会  公舎家賃、財政計画、新幹線・在来線、県立大学など

2013年06月15日 | Weblog
2013年3月7日 総務教育常任委員会


県立大学

◯佐藤委員  第150号議案「公立大学法人福井県立大学定款の一部変更について」の内容を説明してほしい。

◯大学・私学振興課長  9月に承認いただいた中期目標にも明記してあったかと思うが、外部の理事を設置することによって大学改革をさらに進めていく。今後、ますます大学間の競争に打ち勝つための改革活動に配慮することが定款変更の趣旨である。

◯佐藤委員  理事の学内、学外の内訳数を伺う。また、大学改革を進めるためには、外部理事を入れる必要があるとのことだが、大学の中でもいろいろな議論があった。直接、当委員会で視察した際にも聞かせてもらったし、シンポジウムにも参加させていただき、かなり活発にいろいろと議論はされていると思うけれども、外部の理事を入れるべきだという理由がわかりにくいが、どうか。

◯大学・私学振興課長  まず、理事の数については、現在、外部理事を含め6名であるが、さらに外部理事2名を加え、8名になるということである。現在の理事6名のうち外部理事は1名だけであり、あとは理事長、学長、副学長、そして事務局長と、全て大学の教諭、職員なので、改革を進めるためには、さらに外部の意見を受ける必要があると考えた。
 また、大学側から、もう少し外部理事をふやしてほしいとの意見が外部理事からあったと伺っている。


地方消費税

◯佐藤委員  第21号議案は、平成26年4月1日と平成27年10月1日の消費税の税率引き上げを含めたものだと思うが、改めてお聞きしたい。現在、地方消費税分として県の歳入に受けている額は幾らか。平成26年4月1日以降、平成27年10月1日以降は、幾らぐらいにふえるのか、見通しを伺う。

◯税務課長  地方消費税は、一旦受けて、その後精算手続をとるという変わった制度の税である。地方消費税として福井県が受けている額であるが、現在の5%税率では、一旦受けるもので約110億円、精算後、福井県に帰属するものとして約160億円と理解いただければと思う。
 税率引き上げ後であるが、税率5%時の県税分1%相当が約160億円であるので、平成26年4月1日に税率が8%に引き上げられると、県税分は一旦0.7%上がり、1.7%になる時点で約100億円ふえる。平成27年10月1日に税率が10%に引き上げられると、県税分は1.2%加算され全体で2.2%になるので、その時点で約190億円が加算され、約350億円になると見込んでいる。

◯佐藤委員  もう一つお尋ねしたい。福井県が発注する公共事業、あるいは購入する物品について消費税を支払っているが、現在の消費税額と消費税率が10%になったときの見込み額をそれぞれ教えてほしい。

◯税務課長  平成22年度の決算で、最終的に引き上げ後でどれだけになるのかの試算をした際、県としては約45億円になるということである。

◯佐藤委員  最終的な引き上げ後というのは、福井県が払う公共事業の執行及び物品購入で払う消費税が10%税率で約45億円ということか。少なくないか。

◯仲倉委員長  今の消費税の件については、整理して、後ほど佐藤委員に個別に報告するようにしてほしい。
 ほかに発言はないか。


◯佐藤委員  予算案説明資料の22ページ、高等教育振興費の約500万円増額の中身は何か。


◯大学・私学振興課長  まず一つは、特定運営費交付金で、退職手当の増額が約1,000万円あった。
 また、減額の要因として、大学の施設整備の補助金、入学差金分や、大学役職職員の共済組合負担金でも幾らか減額があって、あわせて約500万円の減額ということである。
 その結果、高等教育振興費がトータルで500万円余を増額した。


◯佐藤委員  先日、「福井県職員等の退職手当に関する条例等の一部改正について」の議案が可決され、職員の退職手当は減額されたが、県立大学教員等の退職手当の取り扱いはどうか。


◯大学・私学振興課長  同様な方向で話を進めている。理事会に諮る必要があるが、趣旨は伝えてあるので、同じような方針で理事会に諮っていただくように進めている。


◯佐藤委員  その内容は、大学の教員等には伝えられているのか。


◯大学・私学振興課長  県からというよりも、大学の事務局からアナウンスするものと理解している。


◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕



月額3万円の知事公舎家賃

◯仲倉委員長  ないようであるので、第120号議案ほか3件についての質疑、討論は終結する。
 次に、平成25年度関係の第1号議案のうち、総務部及び選挙管理委員会関係の所管分、第2号議案、第3号議案並びに第15号議案の合計4件について、各委員より発言願う。

◯佐藤委員  昨年秋の決算特別委員会の指摘を受けて、平成25年度当初予算に反映された項目は、どのようなものがあるのか。

◯企画幹  前回の決算特別委員会で課題になったのは、公舎の貸与料であった。今回見直した結果、公舎の庭木等の維持管理料について、年間約550万円の経費から、約70万円削減した予算にしている。全体の内数になっているので、個別には載っていないが、そういう見直しはさせていただいている。

◯佐藤委員  知事公舎の貸与料の引き上げについては、どう見直したのか。

◯企画幹  管理委託費が問題になったので見直した。公舎貸与料については、前回も答弁させていただいたように、全国基準額で定められているので、従来のままの単価でお願いしたいが、今回、見直しができる公舎維持管理料については、しっかり見直しをかけたということで理解いただきたい。

◯佐藤委員  わかりにくい答弁だが、家賃の額は幾らにするのか。

◯企画幹  知事公舎の賃借料については、見直していない。

◯佐藤委員  月額3万円のままということでは、全然だめではないか。

◯企画幹  前回説明させていただいたように、公舎貸与料は全国同じ基準で決まっており、全国平均等を見て算定しているので、今回見直しをしていない。その際に、同様に議論になった公舎管理料について見直しをしたということである。

◯総務部長  今の指摘であるが、特に知事公舎の貸与料については、企画幹から申し上げたように、ルールをつくっている。それから、全国的な並びを見ながらということもあるし、国家公務員の宿舎の貸与料にも準拠しているところがある。
 それと、公舎について業務として住むことが半ば職務の一環という性格のものであり、住宅事情の便宜を与えているという性格のものではないことを理解いただきたい。その上で、国家公務員の貸与料の見直し、あるいは、全国的な趨勢を見ながら、これからも適正な賃借料に設定していきたいという考え方である。
 それと、決算特別委員会で指摘をいただいた、いろいろな維持管理費の観点については、より適正に管理していく、あるいは県民の皆様方からの指摘という目線を勘案しながら、経費節約に努めていく形を、平成25年度当初予算で反映させていただいた。

◯佐藤委員  そういうことを言われるのであれば、言わせてもらうが、県では、職員の住宅について整理統合を進めている。県職員であっても、異動になって、住みたくてその地域に住んでいない職員も中にはいるわけである。県の職員宿舎は戸数を減らしていくことをしておきながら、知事公舎は、知事が職務上住んでいるから月額3万円でいいという理屈は通らない。総務部長が知事を擁護するのは職務上理解できるが、世間的にそのような理屈は通用しないと思う。

◯仲倉委員長  佐藤委員からの意見ということで、承っておく。


財政収支見通し  歳入では消費税増を見込むが、歳出では見込まず・・・・

◯佐藤委員  今の関連で、財政収支見通しに関する議論の材料が出てきたことは、ありがたいことだと思う。
 歳入の考え方では、地方消費税の増加分を反映と記載されているが、歳出ではどうなっているのか。先ほど言ったように、新幹線やダムの工事にしても、今は消費税が5%であるが、来年から8%、再来年から10%に上がる。それを反映しているのかどうか。入ってくるときだけ反映して、出ていくときに反映していないのは、いかがなものかと思うので、その辺りはどうか。

◯財政企画課長  今回の社会保障と税の一体改革の関係で、地方消費税の増が決まっているので、歳入においては、平成26年度、平成27年度以降、財政収支の中に見込んでいる。歳出においては、地方消費税は特定財源ではないが、社会保障費の増に充てられるという考え方で、地方交付税は約61億円伸びていくので、今回の増税分は、地方交付税で見込んでいる。

◯佐藤委員  地方交付税で見ているのはわかるが、実際に、投資的経費に反映しているかどうか聞いている。要するに、例えば100億円支出する、今なら5%加えた105億円である。それが2年後に110億円の支出になるわけである。それは投資的経費で見ているのか。

◯財政企画課長  歳入・歳出の全体の中で差し引きを見てくることになるが、直接、投資的経費のどこに消費税が充てられるのかといった形の計算にはなっていない。

◯佐藤委員  いろいろな議論があったが、いろいろな角度から見れば、長期財政収支見通しは参考材料の程度であるが、基金が残るからといって油断はできないわけである。1,000億円の事業をやれば、100億円の消費税がかかるので、10億円ほど残るからと言っても全然油断できない。結局、参考材料が出ただけである。


県立大学

◯佐藤委員  関連で、委員会で視察に行かせていただいて、いろいろと思った。やはり大学の教員が、これほどいろいろな意見を出されたというのは、いいことだと思う。やはりその背景には、前にも言ったが、県の職員に対する発想と同じように、教育・研究の分野にまで、しかも、意見を十分に聞かないで、いろいろな数値目標を押しつけることに対して、反発があったということだと思う。大学では、いろいろな意見を反映して少しずつ改善されてきたと思うが、やはり大学というのは、今議論があったように、福井県の学生を迎え入れて、福井県のために働いてもらうということも大きな役割であるし、そのためには、やはり県外から優秀な先生にも来てもらって、きちんと学生を育てていただくことも大事なので、先生が逃げていくような大学ではだめなので、両輪が必要であると思うわけである。知事に申すべきことであろうが、そういう点では、県の職員に対する指示と同じような気持ちで大学に指示を出してもいけないことがあることを痛感した。
 質問であるが、県内の学生をよりたくさん大学に入れるという点で、枠の拡大、これも一つのやり方だと思うが、そのほか、県内学生の経済環境を見て、学費を下げ、経済的に誘い込む手法も考えるなど、学生を募集する方法を検討したらどうか。

◯大学・私学振興課長  大学の授業料や入学金等を合わせて、年間約10億円ある。年間三十数億円の財源のうち、約3分の1を占める貴重な財源である。それを、若干下げるという話になる。

◯佐藤委員  世帯の収入など、何か基準を設けているのか。

◯大学・私学振興課長  低所得層については、高校で実施しているような、全額減免、2分の1減免の制度がある。また、推薦入学の制度も既にある。

◯佐藤委員  それで何人ぐらいふえたのか。

◯大学・私学振興課長  数名程度だと思うが、必要とする学生が使っている。

◯佐藤委員  だから、数名程度ではだめである。せめて、例えば30名とか50名とかの入学生を誘導できるようにしないといけない。どうしたら誘導できるのかを考えたらどうか。

◯大学・私学振興課長  趣旨は理解したので、大学には伝える。


奨学金のあり方

◯佐藤委員  田中敏幸委員と関連があるので、あわせて質問させてほしい。
 全国の12県が、所得連動型奨学金といって、一定の所得の水準になるまで返還を免除する制度を持っている。
 だから、大学を卒業しても就職できないので、大学院へ行くと、奨学金が大きく膨らんで、卒業したときには何百万円もの借金を抱えて人生をスタートすることになるとの話はよくある。社会人としてスタートしたときに、それなりの給与をもらえる会社に入れればいいが、今はそうでない人も多い。そういう状況も踏まえて、考えを伺う。

◯大学・私学振興課長  奨学金制度については、大学は直接関与しておらず、予算を持っていない。教育委員会で所管している日本学生支援機構による奨学金制度であるが、あくまでも、学生と団体との関係である。
 費用減免の話については、経済上の所得制限があって、所得に困っている人、親が失業した等の臨時的なものは対応させていただくが、普通の家庭で、所得が少なくて奨学金をもらっていて、卒業してから返済に困っているという方は確かにいると思う。正規職員ではなく、パート職員等で、非常に少ない収入の中で奨学金を返していくことは、大変だというのは承知しているが、そういう学生を救済する制度は今のところ考えていない。


505億円の債務の旧林業公社問題

◯佐藤委員  一般質問でも質問させてもらった旧林業公社の問題で、答弁はいただいたが、確認したいのであるが、なぜ第三セクター等改革推進債を使わないのかということに対して、部長の答弁は、実際には単年度当たりの財政負担がふえるとうことであった。これは期間が短くなれば単年度当たりの負担がふえるという趣旨だと思うので、それはわかるのだが、問題は、それによって、114億円がどの程度圧縮されるかである。未払い分がある程度圧縮されるけれども、それに比べて、期間が短くなるほうが非常に厳しいと判断したのか、そのあたりを聞きたい。

◯財政企画課長  第三セクター等改革推進債を使わない場合、日本政策金融公庫の借り入れを県が引き受けて、定時償還で平成70年まで返していく場合は、元金114億円強、これに対して、将来、発生利息が約30億円あるので、144億円強になる形になる。年負担額としては約3億円である。仮に、第三セクター等改革推進債を用いて、10年で返済する形をとった場合は、10年間で借りた場合の利息なども加味し、発生利息が4億円程度あるので、繰り上げ償還するときには公庫に対して補償金を払うことになるので、その補償金が約14億円である。発生利息に対する特別交付税措置などがあるが、トータルの負担額としては約132億円である。よって、1年当たりの負担額は約13億円になる。

◯佐藤委員  そうすると、トータルでは安くなるけれども、それより平成70年までかかって払ったほうが財政上都合よいとの判断をしたということか。

◯総務部長  単年度、10カ年といっても、今から10カ年だと平成34年度まであるから、今、財政フレームの平成40年度までの大半がそれによって年の償還額がふえた状態が続くこと、それから、公庫債務は繰り上げ償還、あるいは利率の引き下げを要望していきたいと思うが、もちろんそれは清算を今ここで100%申し上げるわけではなく、そういった運動を重ねながらの行為であるので、これはできるだけ低減に努めていきたいという考え方で申し上げた。

◯佐藤委員  よくわからないのは、なぜもっと早く手を打たなかったのかということである。部長が言われるように、確かに今、北陸新幹線の建設も決まって、明るい話題で進もうというときに、いつまでも引きずっていたくない気持ちになるのはわかる。しかし、第三セクター等改革推進債でいえば、確か四、五年前から使えたわけであるから、もっと早く手を打っていれば、もう少し手の打ちようもあったし、額からいえば十数億円の節約になった。新幹線も高速道路も始まるときに、決着をつけないといけないということだけで、なぜ、わざわざこの時期になるようなことをしたのかということである。北陸新幹線、足羽川ダムは国との関係があるから県の裁量だけではどうにもならないが、旧林業公社問題は、県の裁量で手を打とうと思えばもっと早く打てたのではないのか。

◯総務部長  もちろん、委員指摘のように、もっと早くスキームを固めていれば、もっといい条件のもとにできたことがあることは否定しない。ただ、これまでも、私どもはただ手をこまねいていたわけではなく、これまでの返済部分について、公社に対して無利子化してみたり、あるいは、補助金化してみたりなどの手だてを取ったり、あるいは全国的な動きをにらみながら、検討してきた。この時期になったのが遅いのか早いのかという評価はあるが、県としては、現時点でもうこれ以上引きずるわけにはいかないという判断のもとに、今回提示させていただいたところである。

◯佐藤委員  言葉は悪いが、こういう状況であるから、スキームは仕方がない部分はあると思う。ただし、歴代の旧林業公社には県からも理事長等のポストで天下りしているわけで、経営責任問題はどうするのか。

◯総務部長  歴代の経営責任というよりも、これまで国策で実施してきた分収造林事業が積年の中で悪い状況になってきたという点と、これから林業はどうしていくのかという今後の問題と、それをいつ切りかえるのかという問題だと思う。それをいつの時点でやるのが一番妥当であったのかということである。この時点で今、歴代の責任者を追及して、物事が解決するのであれば、それにこしたことはないであろうが、私はそれでは解決できないと思うので、今後どうしていくのかという方向で考えていくのが、今の時点での考え方であろうと思っている。

◯佐藤委員  そういう趣旨で聞いているのでなくて、解決しなければいけないのだが、505億円を県民に負担願おうというわけである。県が説明すると言ったときに、これまでの責任者には一定負担を求めるというような話は、全然出てこないのか。

◯総務部長  これまでもいろいろな改善策を検討してきた。それがそれぞれの時点で、先ほど申し上げたように無利子化であったり、あるいは補助金化であったり、あるいは繰り上げ償還、民間金融機関を通じての低利での借りかえであったりしてきたわけである。私どもはこれまでそれなりの経営改善に努めてきたという考え方をしている。

◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、これ以上の答弁は恐らく出てこないと思うから、旧林業公社に関する質疑はこれぐらいにしていただきたい。

◯佐藤委員  もう終わるが、やはり県民にこれだけ巨額の負担をかぶせるわけであり、公社は従来から県の外郭団体であるわけだから、責任を取る姿勢を明確にすることも必要だと思う。指摘はしておきたい。


職員給与削減

◯佐藤委員  一般質問で笠松議員が取り上げた、県職員の給与を平成25年7月から平成26年3月まで削減するかどうかの話だが、答弁では検討すると言ったが、実際にそれを削減しなくても、県の財政上やりくりはできると思う。だから、その辺をはっきりさせないといけないし、検討すると言っても、減らすなら6月定例会に出すことになるし、減らさないならこのままということになるが、どう検討するのか。

◯企画幹(行政改革)  今の件であるが、これは代表質問、一般質問のときにも答えさせていただいているように、今までいろいろ行財政改革で努力もしてきているというのもあるが、現実的に地方交付税がその分減額されてきている中で、どういった形のことができるか。一方、国からも国家公務員の減額と同様な削減をするようにとの強い要請はある。そういった中で、健全財政を維持する中でどういうことが検討できるかは、当然、職員の皆さんの痛みを伴う部分のことでもあるので、職員組合ともいろいろと相談しながら、どういうスキームが一番いいのかを今後検討させていただき、また、方向性が決まり次第、議会にも相談させていただきたいと思っている。

◯佐藤委員  要望をしておくが、何でも国の言うとおりになる必要はないと思う。地域主権、自主権など、民主党政権時代も自民党政権時代も、言葉は並べるけれど、いざとなったら国の言うとおりにしなさいというのではいけないと思うし、こういうことでは県の職員が仕事のやる気をなくす。これからいろいろな仕事をさせるのに、給料を下げて、仕事しなさいというのではよくないので、その期間だけの話であるから、当面、給与引き下げにならないようにお願いしたいと要望しておく。


新幹線の地元負担

◯仲倉委員長  説明は終わった。これより、質疑、討論に入るが、審査については、初めに付託議案、次に、調査依頼を受けた予算関係議案、次に、所管事務調査の順序で行うので、了承願う。
 初めに、付託議案について審査する。審査は年度ごとに行う。
 まず、平成24年度関係の第151号議案について、各委員より発言願う。

◯佐藤委員  この考え方は、北陸新幹線の建設によって、受益のある自治体には負担を求めるということか。

◯新幹線建設推進課長  基本的な考え方はそのとおりであり、県内の7市町に新幹線が通るが、このうちの駅が置かれる4市ということで、しかも対象の区域は、駅と駅につながっている用途地域に限っている。

◯佐藤委員  念のために尋ねるが、受益というのはどういう計算に基づいているのか。細かいことはいいが、要するに、例えば、鯖江市民も新南越駅を利用するだろうということは、当然、計画していると思うが、その辺はどういう区切りで計算したのか。

◯新幹線建設推進課長  基本的な考え方については、駅の周辺に乗降客がおりていくので、まちづくりと密接にかかわってくる市街地、用途地域ということを基本にしている。福井県だけではなく、全国的に新幹線事業が行われている地域では、同じような考え方で進められていると認識している。


サーバーの低入札に問題はないか

◯佐藤委員  予算案説明資料8ページ、サーバー統合環境基盤整備事業で約6,900万円減額になっているが、決算特別委員会からいろいろな指摘があったと思うが、なぜこれだけの減額になったのか。

◯情報政策課長  このサーバー統合環境基盤整備事業については、当初、予定価格で4億5,000万円を想定していたが、かなりの競争が発生し、実際には落札価格が予定価格の37.6%となる1億7,000万円で落札した。これが5カ年の長期契約であるので、それを単年度に換算すると記載のとおりの金額となっている。

◯佐藤委員  品質の確保という面で、土木部では低入札価格調査を行うが、そのような調査はするのか。

◯情報政策課長  それについては、十分にスタッフ等と統合基盤の条件等の確認をしているし、統合基盤を設置した場所の確認、それから、カバーをするためにほかの電力地区にもサーバーを設置しているが、実際に完成したときにもその現場確認に行き、安全を確保している。


福井鉄道への車両購入

◯佐藤委員  車両購入費7,800万円の内訳を教えてほしい。

◯交通まちづくり課長  車両購入費が200万円で、走行装置整備費が3,000万円、運転台機器改造費が1,100万円、車体整備(内装、外装更新)が2,300万円、輸送費が600万円、試験費等が600万円である。

◯佐藤委員  そうすると、土佐電鉄への支払いは200万円ということか。

◯交通まちづくり課長  そうである。

◯佐藤委員  土佐電鉄が海外製車両を導入して、車両を使用されなくなった経過とは、老朽化して入れかえたということなのか。また、土佐電鉄ある高知県では、実際にどういう効果があったのか、2点伺う。

◯交通まちづくり課長  一つ目の土佐電鉄での経緯だが、土佐電鉄では20年前にドイツから輸入してきて、さまざまな改造を加えて10年間走らせていた。ちょうど10年くらい前に、土佐電鉄が新型の車両を購入したが、走行系のレバーが逆に動くようなものであったために、とっさのときの危険性を回避するために運行を停止したと聞いている。
 それから、土佐電鉄で走ったときの効果については、土佐鉄道では3種類ほどの外国製車両を走らせており、土佐鉄道も利用日と時間を決めて走らせているが、乗ると乗車証明書をくれるようなサービスをしていて、鉄道ファンの中では乗車証はすごく人気であるという状況である。それ以外にも、鉄道関係の雑誌や新聞などに取り上げられて、非常に観光的にはプラスになったとお聞きしている。ただ、具体的な人数については、調査したが、そこまできちんと集計していなかったということである。

◯佐藤委員  さきほど質問のあった土曜日、日曜日、祝日を中心に走行させることの効果であるが、7,800万円もの多額の費用であるから、平日も動かすということは運転区間の関係で、福井鉄道にデメリットが大きいのか。

◯交通まちづくり課長  通常のダイヤとは別のダイヤで外国製車両を走らせて、走っているダイヤの間を縫うような形での運行を考えている。もちろん、通常ダイヤとして普通に田原町から北の方へ続けて運行するのは構わないのだが、一応、観光的な意味合いで、今の路線の合間を縫って走る形にしている。これは何分、もとは50年近く前の古い電車なので、なるべく県内で長いこと使っていきたいと思っているので、まずは観光客が来県することが多く望める土曜日、日曜日、祝日で運行していきたいと考えている。


新幹線にともなう並行在来線

◯佐藤委員  予算案説明資料8ページ、在来線対策事業の490万円の具体的な中身を教えていただきたい。

◯新幹線建設推進課長  並行在来線対策事業であるが、昨年3月に、並行在来線がJR西日本から経営分離された後どうするかについての議論があり、知事と沿線7市町首長との間で、経営分離後も並行在来線として存続させることで合意をしている。部長報告でも説明したが、今回、この合意に基づいて、並行在来線対策協議会を設け、敦賀までの約79キロメートル間にある、駅、線路、トンネルなど、ハード面を中心に、鉄道施設の整備状況、経過年数、運行している車両数などを調査するとのことで、その現況調査費を計上している。

◯佐藤委員  JR西日本の資産を第三セクターに譲渡するための現況調査ということで、石川県、富山県も同様の調査を行ったりしていると思うが、実際には、石川県、富山県の第三セクターとの違いは何か。違いがあれば、福井県としてはどういう方向で考えているのか。

◯新幹線建設推進課長  並行在来線について、石川県も富山県もそれぞれ認可の翌年度に調査をしている。福井県では、北陸本線で1日に1万8,000人の方が利用していて、駅数としては18あるが、今まで一度も調査していない。車両基地、北陸トンネルなどの長大トンネルもあるので、具体的にどういった施設があるのか、また、どのようになっているのかをきちんと調べさせていただきたいということである。

◯佐藤委員  調査した結果、明らかに不備があればJR西日本に修理しておいてほしい旨を要求する予定なのか。

◯新幹線建設推進課長  昨年、富山県及び石川県は、資産譲渡についてJR西日本と合意している。その内容については、譲渡する前に必要な修繕を行うようにとのことで合意されたと伺っている。本県でもこうした先例をよく研究しながら、また、今回の調査を生かしながら、検討していきたいと考えている。

◯佐藤委員  ここ十数年間が仮に今の計画どおりだとして、県は、安全運行の点でも調査するのだと思うし、私は第三セクター化は反対であるが、第三セクター化することになったときにも備えて、引き受ける状態をよくしておくというのも当然だと思うが、そうなると、引き渡し価格が上がるという面も出てくるわけか。

◯新幹線建設推進課長  これも先行事例で富山県、石川県の場合だが、引き渡し価格は安く、交渉価格となっており、また、事前修繕は無償で前倒しで行うということになっている。

◯佐藤委員  最後にするが、並行在来線の扱いの問題というのは、これから心配事になると思う。今度、石川県はJR西日本金沢支社の建物を買うとの報道があるが、いろいろな設備は石川県が買って、石川県の第三セクターが利用することになると、福井県の場合はどうなるのかも心配なので、そういう方向でいくのであれば、石川県も今、金沢までの短い距離であるから、できれば、金沢から福井まで共同の第三セクターとして立ち上げるということは、いろいろな設備の面も含め、きちんと交渉すればいいと思う。

◯新幹線建設推進課長  そのような重要な課題については、今回、立ち上げる並行在来線対策協議会の中で各界各層からの声を聞きながら、見極めていきたいと考えている。


公共交通機関の利用

◯佐藤委員  先ほど議論になったことに関係するが、公共交通機関の利用について伺う。先日、県立大学の学生が研究していた資料を見ていたら、福井県の輸送機関別旅客流動状況の推移表があり、これを見ると、1975年と2009年の分担率は、国鉄、JRは9.0%が1.7%、さきに議論になった民鉄は6.7%が0.7%、バスは17%が0.7%、自家用車は51.7%が95.2%となっている。公共交通機関の利用率が下がってきていることは、ずっと問題になっていて議論されおり、県もノーマイカーデー等のキャンペーンを実施するなど、いろいろと取り組んではきているが、なかなか利用率が上がらない。観光客を集める、あるいは相互に乗り入れて利用者をふやすなどいろいろと考えてはいるが、何かしっかりとした作戦を考えないといけない。この傾向を見ていると、さきの議論ではないが、民鉄0.7%にどれだけ税金を使うのかとの議論が残念ながら出てきてしまう。だから、それを深刻に受けとめて、真剣に考えなくてはいけないと思う。高齢社会であるから、当然、公共交通機関も残しておかなくてはいけないこともはっきりしているので、問題認識は共通していると思うが、県として、この間ずっと利用率が下がってきていることに対して、どういう点に問題があるのか、どういう認識なのか。

◯総合政策部長  まずは、免許を持たない人の人数が減ってきているのであろうと思う。ほとんどの方が免許を持っている。それから、子供の数が減っているのも大きな要因だと思う。
 ただ、今、県内においては、残念ながらバスは若干微減であるが、えちぜん鉄道、福井鉄道ともに乗客数を伸ばしてきている。えちぜん鉄道、福井鉄道の乗客が伸びていることを見れば、電車というのは、便利で魅力があるのだろうと思っている。まだ一度も乗っていない方が随分いると思うので、皆さんに乗っていただいて、意外に便利だということを体感してもらうためにも、先ほどのような、珍しい電車を導入したり、LRVを走らせたりすることで、動機づけをしていって、県の施策を進めていきたいと思う。

◯佐藤委員  そういうことだけでなく、俗に言えば、もう少し経済的な誘導というか、車を使うよりも公共交通機関のほうが経済的に得であるなどということも検討してはどうか。県としては、上下分離方式の原則があるから、上の部分の、利用料金の補助はできないところはあるが、利用メリットを感じさせるようにしていかないと、幾ら電車が環境に優しいといっても、現実には急速に、さらに自動車にシフトしてしまっているのが現状であるので、事業者あるいは市町と作戦を考えていく必要があるのではないかと思うが、どうか。

◯交通まちづくり課長  公共交通の利用促進に関しては、奥越地域、嶺南地域など、広域的に協議会を設けて、例えば、定期を購入した場合助成するという経済的支援を行っているところもある。それらの協議会に関しては、県がメンバーとして入って、県もいろいろと相談、協議しながら、公共交通の利用が促進されるように努めてきている。
 また、それ以外にも、地域公共交通会議が、市町ごとに設けられており、年に何回かの会合がある。それに対しても、当課の職員がメンバーとして入っているので、出席し、より利用が進むようなことについていろいろ相談にのったり、協議したりしている。そういったことの積み上げの中で鉄道も伸ばし、また、バスも何とか歯どめをかけつつ、少し新しい路線を出して、また伸ばしていくということも努めていきたいと考えている。


特急『サンダーバード』『しらさぎ』の存続を求める意見書提出に関する請願」が不採択に

◯仲倉委員長  賛成多数である。
 よって、本件は適当である旨報告することに決定した。
 これより、請願・陳情の審査に入る。
 今回付託を受けた請願2件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 まず、請願第25号「特急『サンダーバード』『しらさぎ』の存続を求める意見書提出に関する請願」を議題とする。本件に対し、各委員より発言願う。

◯佐藤委員  紹介議員になっているのでお願いしたいと思うが、以前は、北陸新幹線の認可がおりる前に、この請願書を出したときには時期尚早であると見送られていた経過がある。それで、北陸新幹線がいよいよ実現することになってきたということで、ほかの沿線の自治体である、福井市、越前市、鯖江市でも請願を採択して、関係機関へ意見書の提出を求めているので、県議会としても意見書提出をお願いする。

◯畑委員  この請願については、特急存続の方針は、国でなくJR西日本が検討するものであって、これまでJR西日本に対しては、乗りかえとの利便性の確保の要請を行ってきているから、当該請願は不採択としたい。

◯山本(正)委員  県の対応状況も、きちんと国に対して要請をしており、不採択としたい。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯仲倉委員長  ないようなので、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。

あわら市議選個人演説会で訴え。今日、福井市で憲法学習会。危険な原発まとめて再稼動計画!

2013年06月15日 | Weblog
  昨日は、朝の街頭宣伝は鈴木市議や民医連後援会のみなさんとともに・・激励もつよくなってきています。
その後、会議、訪問活動などがつづき、夜は、あわら市議選の応援で山川ともいちろう候補の個人演説会の弁士。東山地区でした。たくさんのみなさんに集まっていただき、地元のお医者さんの応援演説、山川ともいちろう候補の気迫の訴え、でした。わたしも安倍政権のTPPや経済雇用政策の問題点を訴え、市議選、参院選での支援をお願い。選挙戦でながされる「大丈夫論」ほど怖いものはない、ことを強調し、最後までのご支援をお願いしました。
  いろんな方との対話のなかでは、「TPPなんてとんでもない。絶対だめだ」「県職員の給与削減がいわれているが、国いいなりでは人材が育たない」「共産党のSNSの取り組みはどうですか」などなど・・・。
  しっかりとがんばります。

  
  さて、いよいよ本日、憲法問題での学習会が、福井市で開催されます。
 15日午後2時から 福井市光陽2丁目 福井県社会福祉センター
 講師は、自由法曹団の吉川弁護士です。また、各分野からの発言、質疑応答もあります。
昨日の赤旗文化欄に大きく報道された、福井アオッサでの「憲法」の書撤去事件についての報告もあります。
 96条改憲が大きくクローズアップされてきましたが、・・・ぜひご参加ください。

 また、96条改憲反対の意見広告を福井新聞に掲載する運動を9条の会がすすめています。
1口1000円募金で、目標は100万円です。
 安倍政権や維新の会などが参院選後にすすめようとする改憲策動に歯止めをかけるためにも、草の根からの世論と行動が必要です。ぜひ、ご支援をよろしくお願いいたします。
 9条の会ふくい090-3888-9291 ひだまり法律事務所0776-43-0838まで。
 もちろん、私におあずけいただいても結構です。


  16日には美浜原発事故の想定で原子力防災訓練がおこなわれます。
翌日、17日月曜日、日本共産党は原子力防災問題の学習会を開催します。ぜひ、ご参加ください。
  17日 午後7時~  福井市光陽2丁目 福井県社会福祉センター
 越前市出身で科学者会議の児玉一八さんがお話しします。私も報告します。


 それにしても、原発推進は安倍政権の後押しで、どんどんすすめようとしています。
関西電力は規制委員会の審査体制の「弱点」を見越して、一気に4基分の再稼動申請をおこなう強硬姿勢です。
 
 福井県も大飯再稼動で実績をあげた県の専門委員会を今度の再稼動でもフルに活用する計画のようです。
さらに北朝鮮を名指しして、原発地域への自衛隊の常駐まで求めました。まさに、危険な原発が、危険をよびこむ構図です。
その一方で、アジア各地に原発輸出推進の一翼をにない、原発「拡散」政策ですから、「安全保障上」の整合性もありません。

 日本共産党は国内原発の再稼動にも、危険な原発のアジアへの「拡散」にも反対です。

 以下、報道です。

■NHK・・・関電 新基準で大飯も7月申請

  関西電力の八木誠社長は記者会見で、7月中に高浜原発3・4号機とともに稼働中の大飯原発3・4号機についても、新たな規制基準による適合性の審査を申請する考えを明らかにしました。
原発の再稼働には、7月18日までに施行される新たな規制基準に安全対策が適合しているか国の原子力規制委員会の審査を受けることになっています。
国内で唯一稼働中の大飯原発3・4号機については、定期検査で、ことし9月までには稼働を停止する予定で、再稼働には新たな審査が必要になります。これについて関西電力の八木社長は、14日、都内で行われた記者会見で「新基準の施行後速やかに申請したい」と述べ、新たな規制基準が、施行される7月中に、審査を申請する考えを明らかにしました。
大飯原発を巡っては、地下の断層が活断層かどうかについて追加調査が行われていますが、八木社長は「これまでの調査でも活断層ではないと説明してきた」と述べて再稼働に支障はないという考えを改めて示しました。
関西電力は高浜原発の3・4号機についても7月中に再稼働に向けた申請を行う方針で、2つの申請は同時に行われる見通しです。


■NHK・・・知事“独自の安全性見極める”

  一方、西川知事は今後、県内の原発について、事業者から再稼働に向けた申請が出された場合、7月中に施行される国の新たな規制基準に基づく審査の行方を注視した上で県としても、独自に安全性を見極めていく考えを示しました。西川知事は、6月定例県議会を前に、14日県庁で記者会見を開きました。
西川知事は、今後、県内の原発について、事業者から再稼働に向けた申請が出された場合の対応について「規制委員会の審査が行われると思うので、その状況をみる必要がある」と述べて、審査の行方を注視していく考えを示しました。その上で「県としても、県の原子力安全専門委員会などの意見も踏まえて客観的に安全性を審査することになる」と述べて、県としても独自に安全性を見極めていく考えを示しました。
  また、西川知事は最近の北朝鮮を巡る情勢が緊迫していることなどを踏まえて国に原発の立地地域に陸上自衛隊と海上自衛隊の常駐を求めたことについては「今後、必要な人員や装備の検討が具体的に進むことを期待したい」と述べました。

2013年3月県議会一般質問  TPP、原発、孤独死、巨額債務の分収造林事業などを質問

2013年06月15日 | Weblog
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 昨年末の総選挙で誕生した安倍政権の政策では、日本の国土と国民は大変なことになるということについて質問いたします。
 TPPで日本の農業や医療を破壊することになります。消費税増税、年金引き下げ、医療費引き上げで国民生活を破壊することになります。生活保護基準引き下げで、保護受給者はもとより、就学援助や介護、国保、保育など国民生活を支える各種制度に重大な影響が及びます。集団的自衛権行使や憲法改憲で平和を破壊することになります。まさに美しい日本を破壊する政策のオンパレードであります。安倍総理のキャッチフレーズは「美しい国」だそうですが、逆から読むと「にくいし くつう」となり、ここに国民感情は早晩一致せざるを得ないでしょう。

TPP問題

 まず、焦点のTPP問題について質問いたします。
 自民党はTPP反対を公約に掲げて、関係団体の支援も得て勝利いたしました。しかし、オバマ米大統領との日米首脳会談後に発表されたTPPに関する日米共同声明は、3つのパラグラフからなっておりますが、その第1パラグラフでは、全ての物品が交渉の対象とされると例外がないことを明記し、2011年11月12日のTPPのアウトラインにおいて示された包括的で高い水準の協定を達成していくことを確認しています。このアウトラインは、関税と非関税障壁の撤廃が原則だと明記したものであり、その高い水準の協定の意味について、外務省は、940品目について関税撤廃を求められると述べております。まさに例外なき関税撤廃が前提となっています。安倍首相がそれをごまかし、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったと述べているのは、大うそにほかなりません。
 また、TPP交渉の特徴の一つは、徹底した秘密主義です。交渉の文書、各国の提案などは、TPP発効後も4年間は伏せられたままです。交渉に参加していない日本に交渉の中身はわかりません。それなのに交渉に参加しようとしたら、既に合意された内容をそのまま受け入れなければなりません。何が入っているかわからないのに丸のみするなど、国民に責任を負う政府のすべきことではありません。
 知事は政治家として、このようにわずか2カ月ほど前の総選挙のときの公約を翻し、国民を欺きながらTPPに進もうとしている安倍首相の姿勢をどのように見ておられるのか、お尋ねをします。
 ところで、福井県農業にとって壊滅的な打撃を与えることはJAや県庁も発表してきました。
 知事は12月議会の私の質問に対して、「日本の農業に与える影響が極めて大きく、農林水産省の試算では、国境措置を撤廃した場合、国内の農林水産物の生産額は4兆5,000億円程度減少し、食料自給率は40%から13%となる厳しい見通しをしております。このため、具体的な農業・農村の振興策を提示することもなくTPP参加について議論を進めることは適当ではないと考えております」と答弁されております。
 しかし、全国農業協同組合中央会(JA全中)の萬歳章会長も「自民党の政権公約全てをクリアしなければだめだというのが全国のJAグループの声だ」と述べ、JAグループとして交渉参加に強く反対することを総理や与党に申し入れをしている緊迫した状況にありますように、安倍政権のもとで参加の議論だけが一方的に進められようといたしております。
 県内米生産の9割近くが打撃を受けるTPPでは、平成28年度完成目指して進められている坂井平野の農業パイプライン事業の効果にも甚大な影響を与えかねません。
 そこで質問いたします。この事業の事業費と農業生産に与える費用と効果についてお尋ねするとともに、仮にTPP参加となると、この事業の効果はどの程度影響を受けるのか、答弁を求めます。

中小企業政策

 次に、3月末での打ち切りが予定されております中小企業金融円滑化法について質問します。
 我が国の景気動向指数は低下しており、中小企業の資金繰りは厳しさを増す一方です。そのもとで、同法は、中小企業等にとって大きな役割を果たしています。2009年12月末から2012年9月末までの間で、同法に基づく中小企業への元本支払い猶予等は全国で約343万件、対象となった中小企業向け債権額は約96兆円に達しています。また、住宅ローンの元本支払い猶予等は同時期に約23万件、対象債権額は3兆6,000億円に上ります。
 福井県でも申し込みが3万691件、7,669億円余り、うち実行が2万7,837件、7,193億円余りという状況であります。同法が打ち切られれば、多くの中小企業が廃業、倒産の危機に瀕するおそれがあります。県内中小企業を円滑化法打ち切りによる倒産や廃業から全力で守るのが県庁の責務です。
 そこでお尋ねします。県として国に最後まで延長を強く求めつつ、打ち切られた場合でも各金融機関に円滑化法の趣旨どおり変わりなく対応することを要請すること。また、貸し渋り、貸しはがし対応の臨時の相談体制などをとることを求めますが、見解をお尋ねをいたします。

賃金引上げ助成の活用

 さて、労働者の福井県の最低賃金は690円と極めて低額であることは御承知のとおりです。これでは、仮に年間1,800時間働いても124万2,000円にしかなりません。年収200万以下がワーキングプアと言われていますが、働いても貧困のどん底であります。
 そこで、使い勝手の悪い制度ではありますが、国は最低賃金が700円以下の地域の事業所を対象に800円以上への賃金引上げ計画と労働能率の増進に資する設備器具の導入を行う中小企業に対し助成制度を設けております。
 そこでお尋ねしますが、県内でのこの国の制度の利用実績と、800円以上に賃上げした事業所数、労働者数をお尋ねします。
 また、日本共産党が提案してまいりましたように賃金の上昇が個人消費と景気回復の道であり、ようやく安倍政権にかわりまして財界団体に賃上げ要請を行っていることも御承知のとおりです。知事として、県内経済界への働きかけを行うこと、また最低賃金を800円以上、さらには1,000円以上に引き上げるよう具体的な行動をとられるよう強く求めておきます。

円安の影響

 アベノミクスの悪影響は福井のような地域に早くも顕著です。家計の消費支出を項目別に見てみますと、福井では全国平均に比べてガソリン代、灯油代の負担が重くなっております。消費支出に占めるガソリンと灯油の割合は、全国平均ではガソリン2%、灯油が0.62%。福井市ではガソリンは2.35%、灯油は0.83%です。ガソリン、灯油のこの間の急激な値上がりは、アベノミクスの影響であり、車社会の福井県民、寒冷地の福井県民の生活や営業を直撃しております。
 要因は、アベノミクスがつくり出した金融緩和への期待から円安が進み、原油等の輸入価格が上昇しているからです。みずほ総研の研究員も、円安になった分、原油の輸入価格は上がり、灯油などの価格を押し上げていると指摘しております。
 一方、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」への期待感などで株高傾向が続いておりますが、株を保有している安倍内閣の閣僚と家族自身が7,200万円以上の資産を上積みしています。早くも7,200万ですよ。庶民には痛みを押しつけながら、自分たちはぬれ手にアワとは許されません。この円安傾向は継続するでしょうし、来春からは消費税増税の直撃を受けかねません。
 そこで、県として福祉灯油、福祉ガソリンなどの低所得者、障害者向けの支援策を創設すべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 また、石油製品や食料品、日用品などの便乗値上げの監視を強めるべきではありませんか、お尋ねをいたします。

原発問題

 次に、原子力行政について質問いたします。
 安倍政権は、原子力規制委員会が7月に策定する原発の新安全基準をてこに、原発の再稼働を強行しようとしております。しかし、新安全基準骨子案の中身を見れば、世界最高水準の安全をうたいながら、原発の危険から国民の安全を守れないものです。
 規制委員会が先月6日に了承した新安全基準骨子案は、福島の事故を踏まえたかのように装っていますが、その中身は、消防車や電源車など持ち運び可能な機材で対応するなど、対症療法的な対策を並べただけです。事故の進展が早いケースに対して、絶対に間に合わない、難しいと新基準を検討する専門家さえ疑問符をつけております。安全を置き去りにし、安全基準のもとで再稼働を判断するという安倍首相の態度は無責任です。
 このような抜け穴だらけの新基準では、県民、国民の安全を守ることはできません。特に福井県は全国で唯一再稼働を認めている県であり、県民の安全に負うべき責任は重大です。であるにもかかわらず、重要な時期に県の専門委員会も開催をしない、また住民参加の原子力防災訓練も今年度は実施しない、こういう態度は県民の安全に無責任ではありませんか。見解をお尋ねをします。


県医療計画案

 次に、福祉行政について質問します。
 まず、提案されている福井県医療計画案についてです。
 今回提案されている福井県医療計画案では、医療提供体制の抑制が際立っています。何と5年後には一般病床、療養病床計で現在の9,001を6,471へと3割も減らそうというべらぼうなものです。精神病床は2,342を2,116へと1割減です。政府による診療報酬や負担増による患者追い出しをやめさせ、慢性期患者の医療についても生存権保障の立場で確保されなくてはなりません。
 率直にお尋ねしますが、このような計画で県民は安心でき、福井県の健康長寿政策は維持発展できるとお考えなのでしょうか。また、この数字では病院の数の減少も見込まれるのではありませんか。その医療圏ごとの見込みをお尋ねをいたします。

孤独死、孤立死

 さて、今、孤独死、孤立死が社会問題化しております。福井県内の世帯数は27万4,800世帯余りですが、65歳以上の高齢単身世帯は2万1,356世帯、7.8%、高齢の御夫婦だけの世帯は2万2,444世帯、8.2%です。しかしこれは平成22年の国勢調査の値であり、さらに高齢者のみの世帯はふえているでしょう。
 このような世帯構成の反映もあり、毎年のいわゆる異状死、変死の数もふえており、最近ではとうとう年間1,000人を突破いたしました。東京では、監察医務院が平成19年から、「一人暮らしの者の死因」「一人暮らしの者の死亡における発見者」「65歳以上の一人暮らしの者の死亡場所」「65歳以上の一人暮らしの者の自宅で死亡した時の発見者」の統計表を公開し、行政の対策に生かしております。そのまとまった資料として、平成23年に「東京都23区における孤独死統計:世帯分類別異状死統計調査」を公刊しております。この報告のまとめでは、「単身世帯者の自宅死亡は高い発生率を認めています。孤独死率では地域格差が認められたり、中年男性でも高い発生率が観察されるなど、大変興味深い結果が得られています」と述べています。
 そこで、福井県として、10年後、20年後の福井県の高齢のみ世帯はどのような数になっていると推計しているのかお尋ねするとともに、孤独死、孤立死についての調査体制を整備し、今後さらに増大が見込まれる孤独死を抑制していく調査研究を行い、行政施策に生かすべきではありませんか、提案し、答弁を求めます。
 このような孤立死、孤独死がふえ続ける背景にあるのは、貧困問題の急速な進行です。雇用が不安定にされ、社会保障が切り下げられ、高齢者や病気を抱える人にとってはますます暮らしにくくなっております。地域の人たちによる見守りやネットワーク、通報体制づくりは当然重要です。しかし、それだけでは限界があります。社会保障制度がしっかり機能し、人間らしく暮らせる社会の実現が急務です。
 年金削減、医療費値上げ、介護や入院の体制は悪くなる、そして生活必需品も含めて消費税増税という安倍政権の方向では、ますます高齢者や病気を抱える人が暮らしにくい国になります。大型公共事業中心に13兆円もの大型補正を組みましたが、そのツケはますます高齢者や弱者に重くのしかかることになり、日本の国が壊れていくおそれがあるということを強く指摘しておきます。

財政収支

 最後に、その他で2点質問いたします。
 今回議会に示されました財政収支見通しについてです。
 今、県は平成37年度末完成予定の新幹線工事の前倒し完成を国に要求し、政府・与党内にもそのような動きがあります。これまで私の指摘に対して、県は負担を平準化して影響が余り出ないように工夫していくと答弁し、今回出された見通しもその方向でしょう。それでもかなり厳しい数値であるわけです。
 そこで、仮に県が要求しているように新幹線工期の短縮が行われ、仮に3年短縮したとすると、今回示された数値はどう変わるのか。30年度、35年度、40年度について、基金残高、県債残高、実質公債費比率の数値見通しをお答えください。

505億円もの巨額債務の分収造林事業

 次に、今回提案された505億円もの巨額債務となっている分収造林事業の失敗についてです。
 知事は提案理由説明で、「国には引き続き責任ある対応を求めてまいりますが、これ以上債務が累増することを防ぎ、今、改革に着手し、林業政策を新たな方向に転換していくことが県民の皆様の将来負担を抑える最善の方法であると考えます。御理解をいただきますようお願い申し上げます」と述べました。県民の税金で尻拭いすることに県民理解を得るために、かかる失政についてのまず知事の県民への丁寧な説明が必要ではないでしょうか。国策とはいうものの、福井県庁に責任はないのでしょうか。県民はすっきりしないでしょう。四半世紀近くにわたり福井県政中枢に責任を持ってこられた西川知事の県民への誠意ある答弁を求めます。
 また、今回の提案のように巨額負担を丸々福井県民に押しつけるのではなく、第三セクター等改革推進債を活用しての特別交付税措置などによる県民負担の軽減、日本政策金融公庫への弁済財源としての活用を選択しなかった理由についてもお尋ねをして、私の質問を終わります。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、安倍政権の政策についての御質問が幾つかございました。
 その中で、TPPの政策につきまして選挙公約との関係、また、その姿勢をどのように考えるかという御質問であります。
 安倍首相は先月28日の施政方針演説で、TPPにつきましては次のようなこと、「聖域なき関税撤廃は前提でないことを日米首脳会談で確認をした。今後、政府の責任において交渉参加を判断する」と述べておられるところであります。なおそういう状況でありますが、関税が存続する分野やその担保措置といった重要な見通しが不明であり、もちろんTPPは外交交渉でありますが、現段階での評価はなお時期尚早な状況にあります。
 また、県議会においては昨年7月に、国民的合意の形成や具体的な農業振興策の提示なしに参加すべきではないとの意見書を採択しているところであります。政府には、通商政策と農業政策の両立、特に農業に不利益を与えない貿易ルールの確立に最善を尽くすように求めてまいりたいと考えます。また、私どもも福井県として、福井県の農業についてあらゆる方策を講じ、力強く、また収益の上がる農業についての施策を進めてまいりたいと、このように考えております。
 次に、原子力政策についてであります。
 福井県は唯一再稼働がなされている県であるけれども、こういう時期に県の専門委員会の開催はないのか。また、住民参加の原子力防災訓練を急ぐ必要があるのではないかという御質問です。
 福島原発事故から間もなく2年が過ぎようとしているわけでありますが、原子力発電所の新しい安全基準や審査のルール、原子力災害対策指針の具体的な運用方針は、今なお曖昧な状況であります。国においては、国民の不安をなくすためにも原子力発電所の安全対策の方向づけをぜひとも急ぎ、早期に科学的かつ合理的な基準やその審査ルールを明らかにする必要があり、我々としてもこれまで安倍総理及び関係閣僚等に対し、こうした点について強く要請してきているところでございます。
 また、原子力防災訓練につきましては、そうした状況の中で、まず原子力発電所プラント5キロ圏内の住民避難計画を策定をした上で、住民の参加を得て、かつ自衛隊等の船舶等による住民の実動的な避難訓練の実施、また可搬型モニタリングポストの設置訓練等、より実効的な訓練を新年度のできる限り早い時期に実施したいと今考えている状況であります。
 それから福祉問題についてでありますが、10年後あるいは20年後の福井県の高齢者のみの世帯はどのような数になるのかの推計。また、孤独死というのでしょうか、そうした世帯での将来についての調査体制を整備し、行政政策に生かすべきではないかとの御質問です。
 高齢者のみの世帯数を例えば75歳以上で見ますと、国立社会保障・人口問題研究所によれば、平成22年には1万9,900世帯余りでありますけれども、平成32年にはこれが約3万1,000世帯、平成42年では3万9,000世帯と予測されます。
 福井県は、3世代の同居あるいは同居とは至らないけれどもごく近くにお子さんたちが近居しているという3世代近居に代表される家族のつながりが大変強く残っており、また、市や町においても支援が必要な世帯の実態をよく把握し、地域で孤立をしないよう民生委員や福祉委員などの協力を得て日常的な見守りや生活支援、また地域住民の交流の場づくり等が行われている県であります。さらに福井県では、平成23年度から地域全体で見守りネットワークづくりを支援しており、平成25年1月末現在では3,733の自治会のうち1,753の自治会でネットワークが結成されておりまして、2年間で990自治会がふえているという、こういう状況です。
 今後とも、このような地域での支え合い活動の充実を支援するとともに、支援の必要な方が地域で孤立しないよう、またこれは個別の対策が必要でございますが、全体としてそういう体制を整えてまいりたいと思います。
 その他については関係部長から御答弁します。

◯議長(吉田伊三郎君) 総務部長森阪君。
    〔総務部長森阪輝次君登壇〕

◯総務部長(森阪輝次君) 私のほうから、財政収支見通しについて3点お答えをいたします。
 1つは、新幹線工期の短縮、仮に3年短縮したとすると数値はどう変わるのかというお尋ねでございます。
 3年前倒しした場合の収支見通しについて、厳密に計算を行っているわけではございませんが、工事を前倒しすることによりまして県債発行の時期が早まります。それに伴う県債償還時期も前にスライドするということが考えられます。
 また、年度ごとの数値が多少変動はいたしますが、最終的な歳入歳出の総合計は変わらないことから、基金残高や県債残高、あるいは実質公債費比率が財政運営に支障を来すような水準になることはないものと考えているところでございます。
 それから、2点目の旧林業公社の債務に関係いたしまして、まず県民理解を得るために知事の県民への丁寧な説明が必要ではないかという関係でございます。
 分収造林事業は、国が経済発展に伴う木材需要の大幅な増大を見込み、国策として推進したことを受けて、本県でも林業公社を設立して進めてまいりました。この事業は多くの自治体で進められてまいりましたが、木材価格の下落と労務費の高騰などによる採算性悪化により、全国でも同様に厳しい経営状態に陥っているところでございます。
 本県におきましても、これまで高金利借入金の借りかえや新規植林の中止など債務縮減に向けた対策を進めますとともに、センターに対する県からの無利子貸し付けなどの支援を実施してきたところでございます。
 今後、新幹線など大型プロジェクトを控え、県全体が新たな目標に向かっていくべき段階でございまして、この問題をいつまでも引きずっているわけにはいかないと考えております。これ以上債務が累増することを防ぎ、一刻も早く債務を処理し、県民の将来負担を最小化することが何よりも重要であると考えております。このことにつきましては、県民の皆様に対して丁寧な説明をしながら進めていきたいと考えております。
 3点目、同じく財政収支に関係いたしまして、第三セクター等改革推進債、いわゆる三セク債を活用しない理由についてでございます。
 日本政策金融公庫からの借入金につきましては、現在、公庫が繰り上げ償還を認めていないことから、県が償還条件を引き継ぎ、平成70年までの45年間で償還してまいりますけれども、いわゆる三セク債を活用いたしますと償還期間が10年となりまして、単年度当たりの財政負担が大きく増加をいたします。さらに、破産や民事再生など法的な手続を経る必要がございますけれども、これは他県の事例によりますと年数がかかっております。
 これらのことから、三セク債の活用ではなく、早期に債務処理が可能な任意整理による方法が最善と判断したところでございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 安全環境部長石塚君。
    〔安全環境部長石塚博英君登壇〕

◯安全環境部長(石塚博英君) 私からは、便乗値上げの監視を強めるべきではないかという問いにお答えを申し上げます。
 県内の価格動向の監視につきましては、肉や野菜などの食料品、洗剤やLPガスなどの日用品、合計53品目を対象に県が独自に毎月調査を行っているところでございます。また、ガソリンや灯油などの石油製品の価格につきましては、これは国が調査を行っておりまして、県のホームページや生活情報誌におきまして国の調査結果と県の調査結果をあわせまして毎月公表しておるところでございます。
 2月の調査結果を見てみますと、昨年の11月と比べまして、ガソリンは1リットル当たり147円50銭から156円40銭と約6%高くなっております。また灯油は、18リットル当たり1,630円から1,811円と、これは11.1%高くなっているという状況でございますが、ほかの品目につきましては比較的落ち着いている状況となっていると認識しております。
 しかし、今後、小麦の政府売り渡し価格の引き上げが予定されているなど、生活関連商品の値上げが懸念されることから、今月から県独自に小麦粉、うどん、豆腐などの調査品目を新たにふやしますほか、調査対象の店舗数も拡大しまして便乗値上げの監視の強化に努めてまいりたいと考えております。

◯議長(吉田伊三郎君) 健康福祉部長小林君。
    〔健康福祉部長小林正明君登壇〕

◯健康福祉部長(小林正明君) 私から2点お答えをいたします。
 灯油等の値上げについて、低所得者等への支援策を創設すべきではないかということでございます。
 灯油価格等の値上げによります生活保護世帯等への影響につきましては、相談窓口でございます健康福祉センター並びに市の福祉事務所において、生活に支障が生じているというような相談は寄せられておりません。
 原油価格や為替レートによる物価の影響については、今後も注意して見ていく必要があると考えておりますが、これから暖房用の灯油等の使用が少なくなるような時期でもございますので、現時点においては具体的支援策は考えておりません。
 次に、医療計画の関係で、病床を減らすような計画で健康長寿政策は維持発展できるのかということでございます。
 今回の医療計画に掲載しております基準病床数は、国の基準に基づきまして二次医療圏ごとに算定したものでございます。実際の病床数は、4つの医療圏ともに基準病床数を超えております。これは直ちに病床数を削減させるものではなく、医療法の規定により原則として増床ができないということでございます。ただし、必要性の高い産科、小児科あるいは在宅療養支援診療所などは、医療審議会の審議を経て病床の新設が可能でございます。
 前回の計画におきましても同じような形でございましたが、実際の病床数は基準病床数を超えておりますが、5年間で廃業や有床診療所から無床診療所への転換などにより482床減少しておりますが、一方、産科などの増床により22床増加したというような状況でございます。
 今回の医療計画におきましては、急性期あるいは回復期、在宅まで医療機能を各医療機関が分担するとともに、患者情報の共有化などによりまして連携を強化することによって、必要な医療機能を高めながら医療提供体制の効率化を図っていくという計画でございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 産業労働部長山田君。
    〔産業労働部長山田賢一君登壇〕

◯産業労働部長(山田賢一君) 私からは2点、御答弁申し上げます。
 まず、中小企業金融円滑化法が終了した場合でも金融機関に変わりなく対応するよう要請すること。それから、貸し渋り等に対する相談体制を強化するようにというふうなお尋ねでございます。
 先月開催いたしました県の経済新戦略推進本部会議というのがございまして、金融機関の役員である方が委員として出席しておられました。その際、金融円滑化法に関連いたしまして、資金繰り支援等を引き続き行わなければならないということは国の指導方針でもある。この法律が終わることにより中小企業への影響はほとんどないというふうな発言をしておられます。
 ほかの金融機関の担当役員等に対しましても、直接、円滑化法終了に伴う対応を確認しておりますが、同様な見解、考え方でございます。そのような対応をお願いをしているところでございます。
 また相談でございますが、中小企業再生支援協議会の相談窓口がございます。そこに昨年4月から2月までに約500件の相談が持ち込まれております。県におきましても相談体制ありますので、この再生支援協議会と連携いたしまして相談を強化してまいりたいというふうに考えております。
 もう一つ、国の最低賃金引き上げ支援制度がございますが、その利用実績と800円以上に賃上げした事業所数、労働者数をお尋ねでございます。
 この制度は、中小企業がその会社の最も低い賃金を4年間で800円以上にするという計画を上げて申請をいたします。単年度で1年間で40円以上賃金を引き上げた場合には、その業務改善に要した費用、例えば賃金制度を見直すために社会保険労務士のコンサルを受けた場合にその費用、あるいは能率向上を図るような設備を入れた場合、その導入経費の2分の1を、上限100万円を補助するという制度でございまして、昨年度からスタートいたしております。
 国が実施しておりますので福井労働局からお聞きしたところ、本年2月末までに35の事業所から申請、計画が上がっているということでございます。そのうち800円以上に賃上げをした事業所は7事業所、労働者の数としましては22人であったというふうにお聞きしております。

◯議長(吉田伊三郎君) 農林水産部長齊藤君。
    〔農林水産部長齊藤清一君登壇〕

◯農林水産部長(齊藤清一君) 私のほうからは、国営かんがい排水事業の事業費及び農業生産に与える費用と効果について伺うとともに、仮にTPPに参加した場合にこの事業の効果はどの程度影響を受けるかという御質問でございます。
 国営かんがい排水事業九頭竜川下流地区は、老朽化した農業水利施設をパイプライン化することによりまして、農業用水の安定供給、それから水管理の省力化を通しまして農産物の品質向上、あるいは営農コストの軽減を目的にしまして、総事業費1,133億円で進めているところでございます。
 TPPにつきましては、聖域が、例えば米が聖域になるかどうかも含めましてまだ不確定な要素がありますので、本地区に与える影響について推測することは困難でございます。しかし、いずれにいたしましても本県の農地面積の約3割を占める九頭竜川下流地域というのは、国営事業の効果による優位性を最大限生かした力強い農業が展開できる地域であると考えております。
 具体的にいいますと、水稲につきましては、冷たくきれいな水による福井米の品質向上ができます。また水管理の省力化によるコスト低減が図れます。また園芸につきましても、自然圧のパイプラインを利用しまして散水かんがい導入によりまして水田園芸の拡大が図れるなど、整備が行き届いた生産基盤を生かした農業振興を進めていきたいと考えています。

◯議長(吉田伊三郎君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) 知事に再質問しますけれども、今、農水部長から答弁ありましたように、このパイプライン事業一つとってみても莫大な税金、また県のつくっていく枝管といいますか、そういうものも含めれば大きな事業費なわけですね。ですから議論になっているように、旧林業公社のそういう問題があるわけですけれども、稲作で同じような問題をつくり出してはならないというように思うわけです。当たり前ですが。
 ですから知事としても明確に、やはり今のTPPの進め方、米が聖域になるかどうかとか、米だけ守ればいいというものでもないわけですから、やはりここはきちんと政府に対して物を言うという姿勢が必要ではないかと。TPP参加交渉はだめだと。今の時点でこれだけ大きな反対もある、関係団体反対している、それから実際に農業が守れなくなるというおそれが強いわけですから、そこは明確に御答弁をいただきたいというのが1点。
 それから、これは総務部長がお答えになったのですが、知事にもぜひ御答弁願いたいのは、旧林業公社の問題で、よくサラリーマンの世界では上司と雲は流れていくからという言葉があるそうですけれども、知事は数十年とか二十数年にわたって福井県政に責任を持っておられるわけですね。その間にこの問題がずっと続いてきているわけですよ。ですから、やはり御自分の政治責任から含めて一体どう思っているのかということを明確に知事の口から御答弁をいただきたいということ。この2点は、知事に御答弁をいただきたいと思います。
 それから総務部長にお尋ねしたいのは、この旧林業公社の問題で、三セク債を使わなかった理由というのは単年度当たりの財政負担がふえるからというような御答弁でした。しかし、ほかの県では、この三セク債を活用して全体の県の財政負担を圧縮するというやり方をとっている県もあるわけですね。ですから全体を圧縮するほうが得なのか、単年度負担を減らすほうがいいのかという判断はどこでされたのですか。そういうのは議会に何も相談ないじゃないですか。

◯議長(吉田伊三郎君) 総務部長森阪君。

◯総務部長(森阪輝次君) 三セク債の御質問でございますが、全体が、三セク債を使うことによって全体の債務が圧縮されるわけではございません。それは変わりません。あとは単年度の財政運営で単年度当たりの負担がふえることがほかのいろんな大型プロジェクト、あるいはいろんな全体の収支バランスから見て三セク債よりも今の任意の整理のほうを選ぶ。そのほうが処理のスピードも速くできる。そういう総合的観点に立っての判断をさせていただいたわけでございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) まず九頭竜川かん排事業と林業公社については、事業の進め方、そしてその財源、どんなふうに調達しているか、全く制度は違いますから、それを同一に論ずるわけにはいきません。いずれにしても農業や林業について、この問題を的確にこれから進めていくことは重要だと思います。
 それから林業公社の問題につきましては、これは国有林野の改善とほぼ全国ベースで共通にあったのでありますが、何しろ国の事業については国においてしっかり財源調達をして再建ができたわけですが、地方の多くのというか、全ての林業公社の事業は全くそれがなされていない。そして事業は国策によってなされ、かつ貿易上の問題については十分な林業の保護ができていないというそういう状況での事業でありますから、我々としては今の段階でこの問題に方向性を与えて次の林業振興につなげていく。こういうことが我々福井県として、また私自身としても進めていく方向であると、このように認識して今回御提案をいたしているところでございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) もう1点、総務部長にお尋ねしますが、しかし実際に三セク債で処理しようとしている県の議会の議事録を見ますと、こう答弁しているんですね。第三セク債を活用することで県の将来的な負担は大幅に軽減されると見込んでいるからこのやり方を提案したと。この県では大幅に負担が軽減されている。──福井県は何で軽減されないのですか。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) 今回のこの問題については、全国の状況を見ますと、福井県は県議会の御理解を得て県による貸付金のウエートが高いのです。ということは、つまり公庫債の負担を、そういう御理解を得て小さくしているわけです。他の公社については公庫のお金が非常に割合が高いものだから、これにいかに対応するかということで大変悩んでおられて、短期で、余り有利ではないけれども、これをいかに借りかえるかというやり方をとっているわけです。福井県はそうではありませんので、これは幸いというような言い方はともかく、貸付金によって多くの利子をカバーしましたので今回こうした対応が可能であると。このように理解していただきたいと思います。


株価で人生狂わせかねないアベノミクスは中止を!今日は原発ゼロアクション。明日は、憲法問題学習会。

2013年06月14日 | Weblog
  株価が大幅下落し、アベノミクス開始以前以下の水準に落ち込みました。
日銀福井支店長の講演では「一喜一憂しない」といわれていましたが、株価にふりまわされる経済政策の転換こそ必要です。
今朝の朝日新聞の1面には月収20万、家賃8万円の女性が株に願いを託し、400万もつぎこんでいる姿が報道されていましたが、哀れです。ほんとうに求められるのは、少ない収入でバクチにたよる人をうみだすアベノミクス政策ではなく、大幅賃上げで安心して生活できる雇用環境こそ実現するのが、政治の責任です。

 さて、昨日は訪問活動や生活相談の対応、打ち合わせ、福井市9条の会などでした。
相談では「県営住宅内の公園の木の剪定まで自治会にまかせるのはおかしいのではないか」と会長さんから。担当課にお聞きしますと、「従来から草取りと低いところの剪定はお願いしている。高いところはこちらでやっている」との回答でした。
 自治会によっては高齢化がすすみ、大変になるところもでてくるのではないでしょうか。
まあ、県営住宅に限らず、地域の自治会でも課題は同様ですが・・・・。
 福井市9条の会の会合では、各党の参院選政策で憲法がどのように位置づけられているか、をお話し。公示まで3週間をきりましたが、まだ参院選政策をだしていない党や、だしていても憲法にふれていない党も。
自民党も国民からの反発で改憲では厭戦気分もあるようです。参院選で、きちんとした審判を、日本共産党の躍進で下しましょう。

 憲法問題での学習会が明日、福井市で開催されます。
 15日午後2時から 福井市光陽2丁目 福井県社会福祉センター
 講師は、自由法曹団の吉川弁護士です。また、各分野からの発言、質疑応答もあります。
 96条改憲が大きくクローズアップされてきましたが、・・・ぜひご参加ください。

     ★

 今日は、原発ゼロめざす福井県庁・関電前行動です。
午後4時から 県庁前行動、デモ行進
午後6時から 県庁・関電前アピール行動です。
  ぜひご参加ください。

 規制委員会も電力事業者の「圧力」をうけて、再稼働にむけた審査体制を強化する方針です。各地の再稼働したい原発が先をあらそって審査を求めるのに対応しようという、安倍政権の再稼働方針にそった対応のようです。
  しかし、国民の多数は再稼働反対です。

 福島原発事故の収束の目途もたたず、15万人ともいわれる避難生活者が苦しんでいます。原発ゼロの声をひろげましょう!

 なお、16日には美浜原発事故の想定で原子力防災訓練がおこなわれます。
翌日、17日月曜日、日本共産党は原子力防災問題の学習会を開催します。ぜひ、ご参加ください。
  17日 午後7時~  福井市光陽2丁目 福井県社会福祉センター
 越前市出身で科学者会議の児玉一八さんがお話しします。私も報告します。

■NHK・・新基準 4原発以上を同時並行で審査も
6月12日 21時55分

国の原子力規制委員会の田中俊一委員長は、停止中の原子力発電所の新たな規制基準に基づく審査について、4つ以上の原発を同時並行で審査する可能性があることを示しました。

原発の運転再開の前提となる新たな規制基準は来月18日までに施行され、電力会社の申請を受けると、原子力規制委員会は、停止中の原発の安全対策を新たな基準に基づいて審査する予定で、原子力規制庁の職員などでつくる3つのチームで対応します。
これについて、規制委員会の田中委員長は会見で、「『3チームだから原発3基しか見ることができない』とは言っていない。効率よく審査できるように工夫する」と述べ、4つ以上の原発を同時並行で審査する可能性があることを示しました。
停止中の原発を巡っては、愛媛県の伊方原発のほか、鹿児島県の川内原発、福井県の高浜原発、北海道の泊原発の少なくとも4つの原発が、運転再開に向けて新基準の施行後の来月に規制委員会に申請する計画です。ただ、規制委員会は審査に半年以上かかると説明しているほか、過酷事故の対策など初めて審査する項目も少なくないことから、実際の審査がどのように進められるのかは依然不透明です。・・・

    ★

私も生活保護法改悪を批判してきましたが、福井弁護士会の島田会長が談話をだしました。無謀な人権無視の改悪を参院で食い止めましょう!

■福井・・・生活保護法改正反対で声明発表 福井弁護士会「削減狙い明らか」
(2013年6月13日午前7時03分)

福井弁護士会(島田広会長)は12日、生活保護法改正案の廃案を求める声明を発表した。法改正が「増え続ける生活保護費を削減する狙いであることは明らかで、拙速に進めるべきではない」と訴えている。

 声明は、口頭で申請できる現行法に対し、改正案は原則、規定の書類を添付しなければならないと指摘。手続きが複雑化するため「手続きのハードルを高くして、申請を抑制しようとしている」と批判している。

 また、改正案では生活保護申請者の扶養義務者である親族らに対し、申請者を扶養できないかを調査する自治体の権限が強化される。それにより、申請者は扶養義務者に気を使い「申請を萎縮する」としている。

 不正受給対策などを強化する同法改正案は、今国会で成立する見通しとなっている。声明文は各政党や県選出参院議員らに送った。・・・・

不法な賃下げ許さない、福井でも公務員が立ちあがった!がんばろう!

2013年06月13日 | Weblog
昨日は朝と夜は訪問あいさつ活動、日中は議会での会議などがつづきました。いよいよ来週定例県議会が開会します。

 議案事前調査会では議会に提案されるおもな議案の説明と質疑がおこなわれました。
このなかで総務部長は「具体的な内容はまだしめせないが、県職員の給与削減について組合と協議中。妥結すれば議会に提案したい」と口頭報告しました。
わたしは「もう来週開会で、代表質問、一般質問がおこなわれる。ここに間にあわないなら今議会への提案はみおくるべきではないか」と質問。部長は「交渉中であり、答えられない」などと答弁しました。
理事者は、このような重大な問題で議会開会日に提案できない事態なら、見送り、別の手当ての方法を考えるべきでしょう。

それだけ、県職員、教職員の批判がつよいということです。警察には組合はありませんが、気持ちは同様でしょう。

 昨日は、福井県高教組、春闘共闘が主催して、賃下げ反対の緊急集会とデモ行進がおこなわれました。
100数十名の組合員が参加して、吉田智明委員長が、国の地方交付税削減、県の給与削減計画をきびしく批判しました。
「過労死になるぐらいへとへと働いているのにこの仕打ちはなんだ」の怒りの声が教員のなかに広がっていることが報告されました。

 福井でも公務員が立ち上がりました!感動しました!

 本当にそのとおりです。
また、国家公務員の組合の連帯挨拶では「憲法違反の賃下げに全国で裁判がたたかわれています。国会議員のなかには期間延長を主張する議員もおり、国は賃下げ期間の延長もやりかねない」と状況が報告されました。

 ぜひ、各組合のみなさんには、組合員の生活実態、要求で不法な賃下げ撤回へがんばっていただきたいと思います。
県当局は相次ぐ、職員の待遇改悪のうえに、不要不急の公共事業などを推進するのではなく、まず職員の生活を第一に考えるべきです。ましてや、今回のような野蛮な国の手法に屈することなく、地方自治、分権の心意気を発揮していただきたいと思います。

  
  このほか、福井県原子力安全専門委員会の傍聴、電力事業者の説明会、日本銀行福井支店長を講師にした議会研修会、打ち合わせなどでした。

「国土強靭化」などで大型公共事業復活の陰で、古い自民党政治も復活!?つけは国民大増税!?

2013年06月12日 | Weblog
昨日は、九頭竜川再改修の同盟会、原発ゼロめざす市民行進、町内会合などでした。

原発ゼロ目指す市民行進では、暑い中を県庁まわりをデモ行進しました。みなさん、おつかれさまでした。


写真は藤岡ひとみさんのFBからです。




大型公共事業の説明をうけますと、その背景にも思いをめぐらせることも。
昨日も足羽川ダムの説明をうけましたし、今朝の報道では福井市議会でも68世帯の移転問題などが取り上げられたようです。移転期間プラス工事期間13年間もかかる足羽川ダム事業には1000億円ともいわれる税金がつかわれます。さらに県の事業も加わります。
 わたしはかねてから「巨大ダムは不要。治水対策はもっと短期間に効果がでるやり方で、費用のかからない手法で」と提案しつづけてきました。結果、福井豪雨となってしまいましたが、国も足羽川の河川改修に取り組み、福井豪雨規模でも大丈夫な河川に生まれ変わりました。ダムよりはるかに安く、短期間の事業で、福井豪雨災害を大きく食い止めることが可能だったわけです。「放置」してきた国や県の責任を当時私は専門家の協力も得て問いましたが、このような声は少数でした。
 逆に、巨大ダム計画がふたたびよみがえったのは皮肉なことでした。

  さて、いま「国土強靭化」名目の各地の大型公共事業復活で自民党の政治資金パーティが盛況だといいます。
しんぶん赤旗は「公共事業をばらまき、業界や企業、団体には政治資金パーティー券を購入してもらい、二人三脚で進む利益誘導型の政治。安倍自公政権は古い自民党政治を取り戻しています」と報じています。
 つけは、さらなる増税と年金削減など国民負担に、という愚を増長させてはなりません。


■赤旗・・・政官業の癒着
「アベノミクス」で復活
麻生氏 「やっぱり与党はええ」 国交族議員 「宝の山だ」

安倍政権の最大の売り物である経済対策「アベノミクス」。その中でも機動的な財政政策の名の下に復活した大型公共事業のばらまきで政官業の癒着が復活しています。

無駄な大型公共事業 自公政権でゾロゾロ
 5月21日の夕方、国会近くのホテルに黒やグレーの高級車が次々に滑り込みました。ホテルでは日本道路建設業協会が定時総会を開催。終了後に行われた懇談パーティーには、鶴保庸介国土交通副大臣や公明党の山口那津男代表らが並びました。
 三好武夫会長は冒頭のあいさつで頬を緩めました。「新政権の大規模な補正予算の成立により、道路建設業を取り巻く環境も改善の兆しが出てきている」
 同協会は道路建設関係業者約160社を擁する団体。設立の目的は「道路整備の推進」などです。2012年度事業計画では「被災地の復旧・復興だけにとどまらず、全国的な防災の観点から強靱(きょうじん)な国土を構築するために必要な幹線道路網整備」を要請するとしていました。
 会長がいう12年度補正予算は自公政権が復活して最初に行った大きな仕事のひとつ。アベノミクスの財政政策として、総額13・1兆円の巨額の予算となりました。この中には、道路や橋などの維持・管理や改修といった不可欠な事業にまぎれて、沿線住民が反対している1メートル1億円の東京外郭環状道路などの大都市圏環状道路(高速道路)が盛り込まれました。無駄な大型公共事業もずらりと並び、協会の計画もかなえられた形となっています。
 パーティーには、国交省の技官や局長も顔を見せ、道路建設業関係者らとグラスを重ねました。政治家、官僚、業者が一堂に会し、政官業癒着の完全復活を印象付けました。
 自民党は10年間で200兆円規模の公共事業をばらまく「国土強靭化」、公明党は防災・減災と称して10年間で100兆円の公共事業を掲げています。こんな場面も見られました。
 同29日、衛藤晟一首相補佐官のパーティーが国会近くで開かれました。会場の入り口には7、8人の国会議員が並び、来場者を迎えました。そこに近づいたスーツ姿の参加者の男性が声をかけました。「国土強靭化、すごいですね」。すると、固い握手を交わしながら国交族のベテラン議員はこう応じました。「宝の山ですよ」
 5月20日に都内で開かれた自民党の石破茂幹事長の政治資金パーティーは多くの来場者が詰め掛けました。その席で麻生太郎副総理は実感を込めて語りました。「来て最初に思った感想。やっぱり与党はええなあ。野党のときのパーティーはこれの10分の1ぐらいだった気がする」
 公共事業をばらまき、業界や企業、団体には政治資金パーティー券を購入してもらい、二人三脚で進む利益誘導型の政治。安倍自公政権は古い自民党政治を取り戻しています。

今日は原発ゼロへ、市民行進です。原発固執の安倍政権、西川県政を変えましょう!明日、県の専門委員会。

2013年06月11日 | Weblog
  昨日は、金元書記長らとともに朝の街頭宣伝、議会で打ち合わせ、農業パイプラインの会合、共産党の会議、地域訪問活動などがつづきました。

 今日は、原発ゼロ求め市民行進です。
午後1時半、福井市中央公園フジタホテル側を出発し、福井県庁まわりをデモ行進して、原発推進政治の転換を訴えます。
 昨日も西川知事らは、「もんじゅの体制強化」「敦賀2号機の活断層評価に異議あり」などを政府に申し入れ。まさに原発にしがみつく執念を発揮しています。
 福島原発事故と被災者の現況を考えれば、危険な原発にしがみつく政治を変えなくてはなりません。
 今日の市民行進にぜひご参加ください。
また、目前の参院選で、「即時原発ゼロ」を主張し、国民の命と安全、財産を守ろう!と訴えている日本共産党への応援をよろしくお願いします。

 福井県原子力安全専門委員会が明日午前10時半から開催されます。傍聴希望の方は9時半に県庁304会議室にお集まりください。関西電力から安全性向上対策や新規制基準の適合性確認結果についての報告があり、審議される予定です。
  それにしても明日は県議会の会議が開かれる日です。時間帯も県議会の会議の時間帯にほぼあわせています。これまでの委員会では議員の傍聴者もいました。なぜこんな日に決めたのでしょうか?

■NHK・・・知事が官房長官にも要請

 西川知事は10日菅官房長官とも会談し、国の原子力規制委員会が敦賀原発2号機の真下を走る断層を活断層であると判断したことについて、「結論ありきの姿勢に固執している」として政府自らが主体となって新たな調査体制を作り、あらためて公平・公正な科学的結論を出すよう要請しました。
さらに、西川知事は規制委員会の判断に基づき、敦賀原発を再稼働させない場合は原発内のプールに保管している使用済み核燃料を、即刻、県外に撤去するよう求めました。・・・

        ★

 「わが国でも、政党が国民の税金にオンブにダッコで政治をしようなどとは思わずに、党員拡大による党費の増収などで賄うことを考えたらいかがなものだろう」・・産経新聞の記事です。その通りです。

 実際、政党助成金を受け取り拒否している政党は日本共産党だけです。まさに、党員の党費や、国民のみなさんに購読をお願いする赤旗、募金などでまかなっています。
 一方、助成金が党運営費用の7割とか9割をしめる党もあります。
国民には年金削減や消費税増税などを押し付けながら、自分たちは税金でぬくぬく!
 税金で新聞やテレビに大々的なCMまで。
こんな政党、政治家は選挙でお灸をすえないとわからないのです。


■産経・・・イタリア便り 政党助成金、減額を
2013.6.9 03:20 [外信コラム]
 日本の政党は、年額約320億円(国民1人当たり250円)の政党交付金を議員数と得票割合に応じて受け、政党事務費などに使用している。国会議員も高額の歳費を受けとる。党の経費は本来なら各議員の歳費の一部や党員からの党費で賄うべきで、税金から支出すべきではないと思う人も多いに違いない。

 イタリアでも2010年には2億8900万ユーロ(約370億円)という多額の政党助成金を国庫から受けて各党で分け合っていた。だが、世論の批判を受けてからは毎年減額し、13年には9100万ユーロ(国民1人当たり1・5ユーロ=約190円)と3分の1に減額している。

 そればかりではない。レッタ新首相は今後も減額を続け、17年からはゼロにする予定である。そして、政党助成金に代わるものとして国民に援助を求めることを決め、所得税の一部を政党への寄付として指定できるようにするほか、寄付金額により税金から一定率の控除を認める法案も予定している。この法案が議会を通過すると、各政党ともに事務経費や事務職員の大幅な削減が必要になる。

 わが国でも、政党が国民の税金にオンブにダッコで政治をしようなどとは思わずに、党員拡大による党費の増収などで賄うことを考えたらいかがなものだろう。(坂本鉄男)

あわら市議選、山川ともいちろう出発!鎌仲ひとみ監督講演会。安倍首相のウソにだまされるな!

2013年06月10日 | Weblog
昨日は、あわら市会議員選挙の告示日で、山川ともいちろう候補の出発式に参加し、応援活動に取り組みました。
対話のなかでは、「がんばってください」「税金は高すぎる」という声とともに、「言うことはわかるけど、共産党1人でなにができるの」とママさんからの質問も。「共産党1人でやろうというのではありません。みなさんと力をあわせて無駄遣いの足湯建設などにストップをかけたいのです」とお願いしました。
 連れ合いは午後からアナウンサーをつとめたそうです。
 参院候補の山田かずおさんも元気にあいさつ、街頭宣伝での応援をおこないました。

  暑い中の活動は大変ですが、他の候補者も同じ。県内の市で一番高い国保税を押し付けながら、いっぽうでは、北陸最大の足湯建設に1億8000万も使おうという市政に市民の声を届けるためにもがんばらなくてはいけません。
 大変な激戦です。あわら市にお知り合いのおられる方は、ぜひ応援をお願いいたします。

 午後は、福井県母親大会で、鎌仲ひとみ監督の講演をお聞きしました。劣化ウラン弾取材でバグダッドへ、そこへ米英軍の空爆がはじまった・・・と大変な体験をユーモラス、軽妙なトークで語られました。さらに、被曝問題、発送電分離とエネルギーなどについて1時間の熱演でした。

わたしたちは原発ゼロの運動に取り組んでいますが、あらためてエネルギー問題を広い視野で考え、連帯し、提案していくことの大事さを痛感しました。
思わず、サインセールに並びましたよ。

       ★

 安倍総理が東京都議選応援での演説で、「年収を10年で150万増やす」などと自分の政策と違うセールストークをやっていることがマスコミでも批判されています。

 この問題では5日に共産党の志位委員長は、「首相「1人当たり国民総所得(GNI)を10年間で150万円増やす」。GNIとは企業の海外投資による利益も含む。GNIが増えたからといって賃金が同じように増えるわけではない。小泉内閣5年間で1人当たりGNIは18万円増えたが、1人当たり賃金は16万円減った。言葉のトリックにご用心!」と喝破しています。

 悪質な国民だましです。
それとも安倍総理自身、経済のことがよくわかっていないのか?
 どちらにしても首相失格ではないか。

■朝日・・・「年収150万増やす」 首相演説、成長戦略と矛盾?

 安倍晋三首相は8日、東京都内で街頭演説し、「私たちは10年間で平均年収を150万円増やす」と訴えた。だが、首相が5日に公表した成長戦略第3弾で増額を約束したのは、「1人あたりの国民総所得(GNI)」。年収とは異なる。

 この日は、首相が「準国政選挙」と意気込む都議選に向けた初遊説で、1日に6カ所を回った。最初の2カ所では「所得」との表現で増額を約束したが、後半4カ所は「平均年収」「収入」「年収」を150万円増やすと変わった。

 首相周辺は「演説だから分かりやすく説明したのだろうが、修正する必要がある」。首相が増額を約束した「1人あたりGNI」は企業のもうけが含まれ、家庭の年収とは別物で、企業がもうけをため込めば給料は上がらないことになるためだ。 ・・・・

今日から、あわら市議選。母親大会では鎌仲ひとみ監督講演会があります。昨日は山田候補事務所びらき

2013年06月09日 | Weblog
  今日から、あわら市会議員選挙がはじまります。
新聞報道では2名オーバーの大激戦となる様相。日本共産党の山川ともいちろうさんは再選目指してがんばります。
  高すぎる国保税の引下げや、無駄遣いの足湯建設見直しなど全力でがんばります。


  また、今日は福井県母親大会が開催されます。
映画「ミツバチの羽音と地球の回転」の上映と、監督の鎌仲ひとみさんが「未来のエネルギーを考える  エネルギーシフトの希望」と題して講演します。参加費は1000円。高校生以下無料。保育室もあります。
  会場はNHK前の福井県教育センター。12時半開会、映画は1時~、講演は3時15分から、です。


  昨日は比例代表・日本共産党と福井選挙区・山田かずお候補の事務所びらきでした。私もともにたたかう決意を述べさせていただきました。女性後援会や労働者後援会、民医連後援会、派遣ぎりとたたかう河本さんらからご挨拶をいただきました。たくさんのみなさんにご参加いただきありがとうございました。議員では、鈴木、西村両市議、松本坂井市議、山田勝山市議、菅原鯖江市議が参加しました。

  事務所びらきのあとは、5台の宣伝カーに分譲して宣伝行動をおこないました。
私は山田候補とともに宣伝。山田候補の訴えに、各地で「消費税増税は困ります」「憲法変えるのは心配」「がんばってほしい」などなど期待の声が寄せられました。
  自民党の安倍総理は「アベノミクスは正しい。いまやめたら元の木阿弥だ」と叫んだようですが、それだけ経過と国民の評判がよくないので焦っているのでしょう。
  心配しなくてもいいのです。年金削減や消費税増税で国民の景気がよくなるはずはありません。歴代総理同様に、早々に国民の厳しい審判をうけることになるのです。sれは、今でしょう!ということで、日本共産党はがんばります。
  応援よろしくお願いいたします。


          ★

  国民の多数が再稼動反対、原発からの脱却をのぞんでいる時に、国際原子力ムラ同士の世界への原発展開を確認しあった日仏会談。ほとんど地震被害のないフランスと、地震・津波大国である日本という福島事故の教訓を忘れ去るかのような原発推進ショーです。

 世界への原発輸出・日本の原発の再稼動を推進する自民党政権と、原発ゼロの政治決断で国土国民の安全を守る日本共産党の対決の様相がますますはっきりしてきましたね。

■赤旗・・・原発輸出推進で連携   日仏首脳会談 兵器共同開発も

 安倍晋三首相は7日、フランスのオランド大統領と首相官邸で会談し、第三国への原発輸出に向けた連携強化を確認しました。「死の灰の商人」ともいえる安倍政権の原発輸出への前のめりな姿勢を改めて示しました。

 会談後、両首脳が発表した共同声明では、「共同開発原子炉アトメア1の国際展開の支援」「第三国における協力を進めていく」とし、ヨルダンなど第三国での受注をめざす日仏合弁企業を支援することを明記しました。

 三菱重工は、仏原子力大手アレバと合弁会社アトメア社を設立。最新鋭とされる加圧水型原子炉「アトメア1」を開発し、トルコの原発プロジェクトで排他的交渉権を獲得し、さらにヨルダンなどでの受注を目指しています。

 共同声明は、両国は「民生原子力エネルギーに関するパートナーシップを強化する」「両国は原子力発電が重要であることを共有する」と宣言。六ケ所村再処理施設(青森県)に言及し、すでに破たんしている核燃料サイクルや「第4世代」とされる高速炉の研究開発のための連携を引き続き深めるとしました。

 また、共同声明では、「防衛装備品等の分野における協力、及び輸出管理措置」を扱うと明記。両国は、武器の共同開発や武器転用が可能な民生品の輸出管理で合意しました。

 日本政府は2011年に武器や関連技術の輸出を禁止している「武器輸出三原則」を緩和し、武器の国際共同開発に全面的に道を開きました。武器の共同開発で合意したのは、米英に続きフランスで3カ国目になります。

 また、外務・防衛担当相による会合(2プラス2)を行うとし、そのために「対話の枠組みを創設する」ことを盛り込みました。・・・・・・

本日午前9時~、共産党・山田かずお事務所びらきです。ぜひご参加を。また原発「もんじゅ」で異常事態

2013年06月08日 | Weblog
 今日は、参議院比例代表・日本共産党、福井選挙区・山田かずお候補の事務所びらきがおこなわれます。
午前9時~、福井市文京2丁目の明道中学校並びの日本共産党事務所前です。ご参加よろしくお願いします。


  昨日は、明日告示される、あわら市会議員選挙に出馬する山川ともいちろうさんの応援に。
街を歩くと、けっこう外にでておられる方がいて、対話になりました。高すぎる国保税の引下げや、無駄遣いの足湯建設見直しなどかかげて全力でがんばっています。

  夕方には、県庁・関電前の原発ゼロアクション。
軽妙な替え歌をみんなで歌いました。
  アピールでは、私からも6月2日に参加した NO NUKES DAY のことや、6月17日午後7時~ 福井県社会福祉センターで開催される原子力防災問題学習会の案内などをおこないました。この学習会には医学博士で科学者会議の児玉一八先生(越前市出身)が講演されます。
 また、前日の16日には福井県の訓練もおこなわれますので、その内容もふくめて検証する機会にしたいと思います。
多くの県民のみなさんのご参加をお願いいたします!


 県庁前アクションで発言する私。となりは原発問題住民運動連絡会の林事務局長




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 これが「軽微なトラブル」なのか!?

 福島原発事故の要因は全電源喪失による冷却機能のストップ。つまり、原子炉冷却機能は原発にとって最重要。
その人為トラブルが30分も放置されたというのに、報告は翌日、発表は新理事長の地元挨拶の後に遅らせるとは・・・。

■NHK・・・・「もんじゅ」またトラブル

  敦賀市にある高速増殖炉「もんじゅ」で、6月2日、点検作業中に、冷却剤のナトリウムの温度を保つヒーターを誤って停止させるトラブルが起きていたことがわかりました。
日本原子力研究開発機構によりますと6月2日午後4時半頃、敦賀市の高速増殖炉「もんじゅ」のタービン建物で、全体の電源設備の点検作業中に、作業員が誤って冷却剤のナトリウムの温度を保つヒーターの電源を切ったまま気づかずに30分ほど放置したということです。

  ナトリウムは100度になると固まってしまうため常に200度に保温する必要がありますが、電源が停止した影響で一部の配管では、ナトリウムの温度が158度まで下がったということです。
原子力機構によりますと、この間、原子炉の状態や放射線量などに異常はなかったということで、今回のトラブルは、点検を行ったか所の、作業のマニュアルが整備されていなかったことなどが原因とみられるとしています。
原子力機構では、トラブルの翌日、6月3日に国や関係自治体には、連絡したとしていますがトラブルの発表が、7日になったことについて原子力機構は「通報するレベルにあたらない軽微なトラブルなので、すぐに発表する必要はないと判断した」としています。
「もんじゅ」を巡っては、約1万の機器で点検漏れなどが見つかり、責任をとって前の理事長が辞任したほか、国の原子力規制委員会が5月30日、安全管理体制の改善が確認されるまで運転再開に向けた準備作業を行わないよう命じています。