前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

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福井県職員退職手当削減について。2013年2月総務教育常任委員会での質疑

2013年06月15日 | Weblog
2013年2月27日 総務教育常任委員会  職員退職手当の削減について


     総務部、教育委員会、公安委員会及び人事委員会関係

◯仲倉委員長  ただいまから総務教育常任委員会を開会する。
 委員の席は、ただいまの着席のとおり指定するので、了承願う。
 また、本日の傍聴人は1名であるので、了承願う。
 なお、傍聴人の方は、さきにお知らせをした注意事項を守って傍聴願う。
 本日付託をされた議案等の一覧は、お手元に配付してあるので、ごらん願う。
 なお、審査に当たり、関係者である総務部、教育委員会、公安委員会及び人事委員会の出席を求めておいたので、了承願う。
 また、先ほどの本会議で、本日の委員会は、会議規則第45条第1項の規定により、1時間以内に審査を終了するように期限を付されているので、質疑及び答弁は簡潔に行っていただくよう協力願う。
 これより審査に入る。
 それでは、今回付託された第140号議案及び陳情第25号について、一括して議題とする。
 初めに、理事者より第140号議案の説明を求める。


◯総務部長  それでは、第140号議案「福井県職員等の退職手当に関する条例等の一部改正について」、説明させていただく。
 この条例案は、国家公務員退職手当法が改正され、平成25年1月に施行されたことを踏まえ、県職員についても国に準じて退職手当の支給水準を引き下げるものである。
 この引き下げは、公務員の退職給付の水準が民間の水準を約400万円上回るとの人事院の調査結果を踏まえ、その官民較差を解消するために行うものである。国においても既に施行していることから、民間との均衡を図るべく、県においても早急に実施する必要があると考えている。
 引き下げに当たっては、民間との均衡を図るために条例上設けられ、現在100分の104となっている退職手当の調整率を、施行日からは100分の98.3、平成25年7月1日からは100分の92.6、また平成26年7月1日からは100分の87と、3段階に分けて引き下げることとしている。
 この条例案については、できる限り早い時期に議決をお願いして、速やかに実施したいと考えている。具体的には、明日2月28日に公布、明後日3月1日に施行させていただきたいと考えているので、よろしくお願いする。


◯仲倉委員長  説明は終わった。
 これより2件に対する質疑、討論に入る。
 各委員より発言願う。


◯山本(正)委員  今回の退職手当の改正については、いろいろな団体、あるいは県民の皆さんから多くの意見を聞いているが、官民較差の是正という趣旨は十分理解できるが、改正時期が年度途中の最後になって、百何十万円という金額が削られてしまうといったことが、一生懸命働いてきた人に対して非常に申しわけないという気持ちが一つある。
 それから、今回、提案された改正案は、本日上程され、明日から施行ということで、やはり周知期間を富山県、石川県のように設けるべきではなかったのかという、2点の問題を考える。特に国政と地方の関係については、地方分権がずっと言われてきて、それぞれの都道府県あるいは市町村が独自に行政をやっている。行政改革についても、福井県は御承知のとおり、県の職員については一番全国で少ない中で、ただ給与の較差だけという形でやると、これまでの行政改革を一生懸命やったところが報われなくて、一律に下げられてしまうということもある。
 それから、教職員の場合には、朝から晩まで本当に頑張って、「学力・体力日本一」を一生懸命やってきたわけであるが、こうして退職手当が削られるということであるし、警察本部においても、24時間、安心・安全のために一生懸命やってきたというところが、今回一律に下げられることについて、本当に残念でならない。国のやり方について、もっと思いやりのある形での対応がなされなくてはいけないと思う。
 そこで、周知期間が短くなった理由を質問したい。職員組合と何度も協議したと思うが、その中で短くした理由、それから、県職員、教職員、警察職員の3部局で、現時点での駆け込み退職する職員数の2点をお聞きしたい。


◯企画幹(行政改革)  まず、期間について答える。委員各位、御存じかと思うが、国の人事院が平成22年給与状況を調査した結果、退職手当について400万円の官民較差があることを踏まえて、国が昨年11月26日に法律改正を行ったところである。その公布を受けて、各地方公共団体にも、均衡の原則で、国準拠で改正するよう国から求められた。
 それを受けて、委員が言われたように、職員組合等ともいろいろと話をさせていただいている。私どもが所管する県職員組合との関係でいうと、年末には国の制度に準拠した形での退職手当を引き下げさせてほしいと提案している。その後、職員組合と1月から2月初めにかけて事務折衝を二、三回と繰り返させていただいた中で、まずは、平成22年に退職手当の官民較差があるということは、できるだけ速やかにこの較差を解消していく必要があり、本年度内に施行したいということで、3月1日施行という形で、職員組合の了解も得た。
 次に、周知期間が短いのではないかという指摘については、当然、議会で議決をいただかないと明確なことは言えない部分があったが、2月中旬には各職員の皆様には、直接、今年度退職手当制度の改正を考えているということを事前にお知らせし、皆さんそれぞれの事情はあるとは思うが、できるだけ最後まで公務を全うしてほしいとお願いしてきた。
 職員の退職状況については、知事部局においては、2名の職員が年度末を待たずにおやめになるということである。所属長からも留意をしたが、どうしても本人の意思がかたいということで、その2名が退職されるということである。


◯教育振興課長  教育委員会における年度末を待たずの退職者数は、現在2名である。


◯警察本部長  警察本部の年度途中退職者であるが、現在18名ある。ただし、このうち警察署長が1名いるが、これは健康上の理由であり、年度途中の退職として報告している。


◯山本(正)委員  今、聞いたところによると、周知をしたけれども、これだけ駆け込み退職者が出た。当の本人にしてみると、土壇場に来て約150万円の退職手当が減額されるということで、気持ちは十分理解できるわけだが、やはり県政全体としての損失にもなるということを考えて、今後対応するときには、もっと事前に周知することを検討すべきである。今回の国から要請があり、補助金あるいは交付金が減らされるということもあり、無理やりこうなった面もあるので、次からはそういうことのないようにお願いしたい。
 また、警察本部にお聞きしたいのは、警察本部での早期退職者が18名と多いが、知事部局や教育委員会のように、事前に通知あるいは職員との話し合い等を持ったのか。


◯警察本部長  職員の周知については、知事部局から今回の制度改正の趣旨について2月中旬に説明を受けた。実は既に退職予定者に対する説明会を行っていたが、急遽、2回に分けて退職予定者の説明会を開催し、その場において、警務部長が出席して、直接、まず30年、40年働いてくれた職員の知識、経験は非常に貴重であるので、年度末まで職務を全うしていただきたいと申し上げた上で、制度改正の趣旨を説明している。また、それぞれの所属長から同様に、職務を全うしていただきたいということとあわせて、今回の制度の趣旨について説明したところであるが、その結果、18名の早期退職者が出た。


◯佐藤委員  2月中旬に職員に事情を説明し、事務折衝を繰り返して、職員組合も了承したという答弁だったと思う。組合といっても、県庁職員組合、教職員組合と幾つかあると思うのだが、それぞれの組合について、どういう内容で妥結したのか教えてほしい。妥結していない組合があれば、それもあわせて報告願う。


◯企画幹(行政改革)  まず、県庁職員組合については、課長交渉3回、事務折衝も3回行い、今回、提案している内容について合意をいただいている。


◯教育振興課長  教育委員会には、県教職員組合と県高等学校教職員組合の2つある。いずれの組合に対しても、平成24年12月28日に、先ほど総務部企画幹からも申し上げたとおり、国の法律に準じて、退職条例の改正案について提案させていただいた。
 県教職員組合については、その後、事務折衝を含めて6回交渉を行った。その結果、2月13日に年度内に調整率を引き下げるということで合意いただいたところである。県高等学校教職員組合については、その後も、同じように交渉や事務折衝を含めて、これまで8回実施している。基本的に制度の改正内容については、了解いただいていると理解しているが、施行時期等については完全な合意には至っていない。


◯佐藤委員  そうすると、県高等学校教職員組合の合意を得られておらず、妥結していないということか。


◯教育振興課長  制度の趣旨については理解をいただいているが、その時期等については、4月1日以降にしてほしいという要請があった。それについては、今回の条例改正は3月施行と考えているので、その部分では合意していないということである。


◯佐藤委員  先ほど、2月中旬ごろから、職員に事前にお知らせしたという回答があって、それぞれ県職員や学校の教職員にもそういう文書を出されている。警察本部も多分出されていると思うが、教育長名で出されている文書と、総務部人事企画課長名、総務部長名で出されている文書を見せてもらった。通知日については、2月と記されているものの、何日とは記されていない。また、公印も押されておらず、行政が作成した正式な文書として、退職予定者に知らせたことになるのか。


◯企画幹(行政改革)  まず、公印については、庁内の文書であるから、公印は省略している。なお、日付等は入れたものを配付している。


◯教育振興課長  教育委員会でも同様で、公印は省略しているが、日付については2月19日付で通知している。


◯佐藤委員  私も今回の件で複数の職員から事情を聞いた。職員組合の関係者からお聞きしたときには、県教育委員会は、公文書ではないと回答していると聞いているが、組合に対する回答と議会に対する回答は違うのか。


◯教育振興課長  公印については省略したということを申し上げたと認識している。


◯佐藤委員  これは大事な問題である。先ほどの議論にもあったように、周知期間がどうなっているのかが大事な問題である。というのは、一つは正式な公文書で通知しているかどうかが1点。それから、いつから実施するかということである。実際、出されている文書を見ても、3月1日からの実施ということが書かれていない。だから、石川県や富山県のように、3月十何日から、あるいは3月20日過ぎからと思う職員がいても不思議ではない文書である。徹底周知したとは言えないだろう。


◯企画幹(行政改革)  公布については、議会に議決していただく必要があるので、公文書にいつ付けで実施するのか明確な記載はない。しかしながら、当然、組合とも話をさせていただいているし、通知文書を配付するときに、各所属の職場管理者を集めて説明している。我々としては、議会の理解が得られれば、一番早くて3月1日から施行させていただきたいと県議会に諮りたいと考えているという説明をさせていただいている。


◯佐藤委員  議会ではそのように言っているかもしれないが、教育関係の組合交渉では、2月定例会開会日に議決し、3月1日から施行するとの説明は行っていない。だから、先日の議案事前調査会のときに、総務部長が文書で周知していると答弁されたが、私が問題にしたように、こういうやり方では通知したとは言えない。3月1日から施行するということが退職予定の全職員に伝わっていないということである。
 それで、きょう議決して、あした公布して、3月1日から実施するというのは無謀である。でたらめな行政はいけない。


◯企画幹(行政改革)  繰り返しになるが、我々としては、県議会に諮って初めて施行日が決まるので、その情報は文書に記載しなかったが、職員組合との交渉の中で、最短で3月1日から施行するという話もしているし、そういう内容を職員に周知するよう、各所属の職場管理者を通じてお願いしているところである。


◯佐藤委員  そういう大事な問題を又聞きのような伝え方で周知していいのか。職場管理者に聞いてくれというやり方は、職員を余りにもばかにしている。年度内に改正するにしても、せめて石川県や富山県のように、なぜ猶予期間や周知期間を設けないのか。


◯企画幹(行政改革)  今年度内の3月1日から施行することに関しては、年度内施行ということで、3カ年に分けてそれぞれ均等に痛みを分けながら、段階的に下げていくこととし、今年度退職予定の職員の方にもお願いしている。3月1日施行ということは職員組合にも説明させてもらい、理解していただいているものと認識している。


◯佐藤委員  そういう答弁がごまかしである。均等に痛みを分けていくのなら、石川県や富山県のように、年度内に周期期間を設けるやり方でも同じことではないか。結局、駆け込み退職を防ぐためであろう。3月1日から改正するときちんと説明していただきたい。駆け込み退職をやめさせるために、議会で通ったら即実行するようなえげつないやり方をしているのではないか。ひど過ぎる。


◯企画幹(行政改革)  先ほども申し上げたが、平成22年度の調査結果で官民較差があることにより、退職手当を改正するものである。


◯佐藤委員  そういうことを質問しているのではない。


◯企画幹(行政改革)  早急に官民格差を解消していくのが、基本的な考えである。


◯佐藤委員  そういう意味で質問していない。


◯企画幹(行政改革)  条例改正の趣旨を説明している。


◯佐藤委員  今の内容は答弁になっていない。今回の県のやり方は余りにもひどい。


◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、今の話を整理すると、佐藤委員は、恐らく組合側からのいろいろな情報をもとに、御自身の情報を今委員会で披露されている。また、理事者側は、今議会で正式にまだ条例化がされていないので、確かに文書に日付を入れていないが、各職員あるいは職員組合には口頭でしっかりと説明責任を果たしている。お互いの主張が並行線でかみ合っていないのが現状であるので、今ここでお互いが追求し合うにしても、なかなか結論が出ないと思う。もう少し違う論点から質問していただくようにお願いしておく。


◯佐藤委員  福井県庁という、法律を一番守らなければいけない役所が、言葉は失礼かもしれないが、脱法ぎりぎりの方法で行動するのはよくないと思う。やはり、先ほども議論があったように、40年なり長年にわたって働いてきた職員の退職金の問題については、丁寧に対応すべきである。


◯仲倉委員長  佐藤委員に尋ねるが、脱法というのはどういう意味か。


◯佐藤委員  この制度の趣旨を言えば、周知はきちんとすべきである。担当している総務省自治行政局給与能率推進室へ周知の考え方とその期間の定めについて、先日電話にて問い合わせをした。その結果、国は、周知期間を例えば1カ月設けなければいけないなどとは特に定めていない。ただ、職員の生活に影響が非常に大きいので、職員組合員、また職員個々の方とよく話し合ってやってほしいというのが、この改正の趣旨であるという回答であった。当然だと思う。
 だから、今の福井県のやり方は、そういう法の趣旨に照らしてもおかしいと思う。職員個々と話し合って、本当に合意を得ているとは言えない。ましてや、県高等学校教職員組合とはまだ妥結していないわけだから、そういう点では合意を得ているとは言えないということで、非常に問題があるという意味である。


◯仲倉委員長  佐藤委員の発言について、総括的に話をしていただきたい。既に議論が並行線になっているから、これ以上議論しても新しい材料は出てこないと思う。


◯総務部長  ただいま佐藤委員から、丁寧な説明の仕方、長年働いてきた職員に対するやり方として問題ではないかという指摘をいただいた。私どもも当然そういう観点を持って、この問題に対処してきたつもりである。ただ、3月1日という施行日を明文化して、各職員あるいは職場に周知することは、議決事項であるので、それはできないという点を答弁申し上げたところである。
 しかしながら、職員にきちんと知っていただかなければならないという点も大きな要請事項であるので、私どもは、先ほどから答弁申し上げているように、職員団体との交渉のさなか、完全な合意に至るまでではないが、ある程度の方の妥結点が見出された時点で、該当する職員の方々に私から内容について通知を申し上げ、また明記できない部分については口頭で説明を申し上げて、その趣旨を御理解いただくように努力してきたつもりである。
 それともう1点、施行日については、県民、国民の公務員あるいは行政に対する厳しい見方というものも勘案しなければならないと考えている。国はもう既に施行している。また、ほかの自治体においても、既に先行して実施している団体がある。そうした中で、もちろん4月1日施行ということも考えたわけであるが、年度内に施行することによって、それもできるだけ早い時期に施行して、前後で不公平感がないようにしなければならないという原則的な考え方をもって、今回の3月1日施行という改正案を議会にお願いしているので、何とぞ御理解賜るようによろしくお願いする。


◯仲倉委員長  違う視点からの質問があれば、発言願う。


◯佐藤委員  では、角度を変えて、人事委員会にお尋ねする。人事委員会もこの間の議案事前調査会のときに、退職手当の問題は勧告の内容ではないと言われた。では、改めてお尋ねする。県の職員録に、人事委員会事務局の分掌事務として19項目が記載されているが、この中に退職手当に関する事務は入っていないのか。


◯人事委員会事務局次長  職員の退職手当については、従来、退職手当の性格として、職員の長期勤続に対する報奨的な意味合いも含まれるということから、これまでも国及び都道府県において、人事委員会で勧告したことはない。
 今回、国の退職手当法の改正に当たっては、総務省、財務省から人事院に要請があって、人事院が調査したという経緯がある。しかし、県の人事委員会がこれまで退職手当に関する調査をした、あるいはそれに関する勧告をしたという例はなく、分掌事務の中に退職手当の勧告に関する記載はないと認識している。


◯佐藤委員  分掌事務にある退職手当の調査審議とは、退職手当の支給制限等の処分に不服がある場合のことを多分書いているのだろうと思う。今回の場合のように、退職手当を減らすことはけしからんという申し出が県職員から出されれば、人事委員会は調査審議をすることになるということだと思う。
 そこで質問するが、今ほどの説明で、退職手当は勧告の対象ではないと言われたが、退職手当は給与の後払いという見方もある。今、長年の仕事に対する報奨と言われたけれども、退職手当は給与の後払いという有力な説もある。その議論をする必要はないが、こういう説が存在するわけである。これだけの大きな影響を与えるわけだから、きちんと人事委員会で討議して、どういう影響を職員に及ぼすのかを議論したのか。


◯人事委員会事務局長  退職金は、今言われたように、給与の後払いという性格のほか、長期勤続に対する報奨的な意味合いの性格もあるということであって、公務員においては、報奨金的な色合いが強いため、給与とは異なる取り扱いをすると認識している。


◯佐藤委員  これだけ大きいことが人事委員会のテーマにならないという仕組み自体がおかしいと思う。
 それで、また質問を変えるが、周りを見ていると、夫婦で県庁職員、教職員、警察職員をしている家庭が少なくないと思う。夫婦で職員の場合には、結構影響も出てくると思う。例えば、3段階の削減で最大400万円を超えるので、夫婦なら800万円を超える。こういう世帯に対する影響については分析したのか。


◯企画幹(行政改革)  世帯というよりも、個々の退職手当給付水準について、官民の較差があるということなので、世帯間で比較する、世帯での考え方という視点は、人事院の調査においてもないと思われる。


◯佐藤委員  普通は、うちの家計はという考え方になる。だから、皆さんの説明はわかるが、そういうところまで気を配って考えていかないといけない。ただ単にぽんと決めるだけでは、大きな問題が出てくると思う。


◯佐藤委員  最後にもう1点、警察では18名が退職を申し出されているということである。これも先日の議案事前調査会でお尋ねしたら、警察本部長は、警察機能には影響が出ないよう取り組むとのことであるが、今回、第41号議案として、警察職員を9名ふやす職員定数条例改正案が出されている。警察職員18名が途中退職しても影響がないということであれば、この9名の増員と、つじつまが合うのか。


◯警察本部長  3月下旬に定期の人事異動を予定している。その際の定年退職予定者のうち、18名が早期退職することとなるが、これに伴い3週間強の空白期間が生じることになる。仮にこの期間が1カ月以上続くと組織としては機能しなくなるが、種々に検討した結果、兼務のほか、駐在所や交番のブロック単位の運用を行う等で、十分こなせるという結論に達し、組織運営には特に影響がないと先日報告申し上げた。
 なお、第41号議案については、警察の関係法令の改正によって、サイバー犯罪対策、暴力団対策で9名を増員されたいという政令が定められることになったので、それに従って議案を提出させていただいた。


◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      (「なし」と呼ぶ者あり)


◯仲倉委員長  ないようであるから、第140号議案ほか1件についての質疑、討論は終結する。

      〔山本(正)委員 退席〕


◯仲倉委員長  これより採決に入る。
 採決は1件ずつ行う。
 まず、付託議案を採決する。
 第140号議案を原案のとおり可決することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯仲倉委員長  賛成多数である。
 よって、第140号議案は、原案のとおり可決することに決定した。
 次に、陳情を採決する。
 陳情第25号を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯仲倉委員長  賛成少数である。
 よって、陳情第25号は不採択と決定した。
 これで本日付託を受けた案件の審査は、全て終了した。
 各位の協力に感謝する。
 委員長報告については、私に一任願うとともに、委員会記録の作成についても、委員会条例第27条の規定により、私に一任願う。
 以上で、総務教育常任委員会を閉会する。

2013年2月県議会 総務関係常任委員会  公舎家賃、財政計画、新幹線・在来線、県立大学など

2013年06月15日 | Weblog
2013年3月7日 総務教育常任委員会


県立大学

◯佐藤委員  第150号議案「公立大学法人福井県立大学定款の一部変更について」の内容を説明してほしい。

◯大学・私学振興課長  9月に承認いただいた中期目標にも明記してあったかと思うが、外部の理事を設置することによって大学改革をさらに進めていく。今後、ますます大学間の競争に打ち勝つための改革活動に配慮することが定款変更の趣旨である。

◯佐藤委員  理事の学内、学外の内訳数を伺う。また、大学改革を進めるためには、外部理事を入れる必要があるとのことだが、大学の中でもいろいろな議論があった。直接、当委員会で視察した際にも聞かせてもらったし、シンポジウムにも参加させていただき、かなり活発にいろいろと議論はされていると思うけれども、外部の理事を入れるべきだという理由がわかりにくいが、どうか。

◯大学・私学振興課長  まず、理事の数については、現在、外部理事を含め6名であるが、さらに外部理事2名を加え、8名になるということである。現在の理事6名のうち外部理事は1名だけであり、あとは理事長、学長、副学長、そして事務局長と、全て大学の教諭、職員なので、改革を進めるためには、さらに外部の意見を受ける必要があると考えた。
 また、大学側から、もう少し外部理事をふやしてほしいとの意見が外部理事からあったと伺っている。


地方消費税

◯佐藤委員  第21号議案は、平成26年4月1日と平成27年10月1日の消費税の税率引き上げを含めたものだと思うが、改めてお聞きしたい。現在、地方消費税分として県の歳入に受けている額は幾らか。平成26年4月1日以降、平成27年10月1日以降は、幾らぐらいにふえるのか、見通しを伺う。

◯税務課長  地方消費税は、一旦受けて、その後精算手続をとるという変わった制度の税である。地方消費税として福井県が受けている額であるが、現在の5%税率では、一旦受けるもので約110億円、精算後、福井県に帰属するものとして約160億円と理解いただければと思う。
 税率引き上げ後であるが、税率5%時の県税分1%相当が約160億円であるので、平成26年4月1日に税率が8%に引き上げられると、県税分は一旦0.7%上がり、1.7%になる時点で約100億円ふえる。平成27年10月1日に税率が10%に引き上げられると、県税分は1.2%加算され全体で2.2%になるので、その時点で約190億円が加算され、約350億円になると見込んでいる。

◯佐藤委員  もう一つお尋ねしたい。福井県が発注する公共事業、あるいは購入する物品について消費税を支払っているが、現在の消費税額と消費税率が10%になったときの見込み額をそれぞれ教えてほしい。

◯税務課長  平成22年度の決算で、最終的に引き上げ後でどれだけになるのかの試算をした際、県としては約45億円になるということである。

◯佐藤委員  最終的な引き上げ後というのは、福井県が払う公共事業の執行及び物品購入で払う消費税が10%税率で約45億円ということか。少なくないか。

◯仲倉委員長  今の消費税の件については、整理して、後ほど佐藤委員に個別に報告するようにしてほしい。
 ほかに発言はないか。


◯佐藤委員  予算案説明資料の22ページ、高等教育振興費の約500万円増額の中身は何か。


◯大学・私学振興課長  まず一つは、特定運営費交付金で、退職手当の増額が約1,000万円あった。
 また、減額の要因として、大学の施設整備の補助金、入学差金分や、大学役職職員の共済組合負担金でも幾らか減額があって、あわせて約500万円の減額ということである。
 その結果、高等教育振興費がトータルで500万円余を増額した。


◯佐藤委員  先日、「福井県職員等の退職手当に関する条例等の一部改正について」の議案が可決され、職員の退職手当は減額されたが、県立大学教員等の退職手当の取り扱いはどうか。


◯大学・私学振興課長  同様な方向で話を進めている。理事会に諮る必要があるが、趣旨は伝えてあるので、同じような方針で理事会に諮っていただくように進めている。


◯佐藤委員  その内容は、大学の教員等には伝えられているのか。


◯大学・私学振興課長  県からというよりも、大学の事務局からアナウンスするものと理解している。


◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕



月額3万円の知事公舎家賃

◯仲倉委員長  ないようであるので、第120号議案ほか3件についての質疑、討論は終結する。
 次に、平成25年度関係の第1号議案のうち、総務部及び選挙管理委員会関係の所管分、第2号議案、第3号議案並びに第15号議案の合計4件について、各委員より発言願う。

◯佐藤委員  昨年秋の決算特別委員会の指摘を受けて、平成25年度当初予算に反映された項目は、どのようなものがあるのか。

◯企画幹  前回の決算特別委員会で課題になったのは、公舎の貸与料であった。今回見直した結果、公舎の庭木等の維持管理料について、年間約550万円の経費から、約70万円削減した予算にしている。全体の内数になっているので、個別には載っていないが、そういう見直しはさせていただいている。

◯佐藤委員  知事公舎の貸与料の引き上げについては、どう見直したのか。

◯企画幹  管理委託費が問題になったので見直した。公舎貸与料については、前回も答弁させていただいたように、全国基準額で定められているので、従来のままの単価でお願いしたいが、今回、見直しができる公舎維持管理料については、しっかり見直しをかけたということで理解いただきたい。

◯佐藤委員  わかりにくい答弁だが、家賃の額は幾らにするのか。

◯企画幹  知事公舎の賃借料については、見直していない。

◯佐藤委員  月額3万円のままということでは、全然だめではないか。

◯企画幹  前回説明させていただいたように、公舎貸与料は全国同じ基準で決まっており、全国平均等を見て算定しているので、今回見直しをしていない。その際に、同様に議論になった公舎管理料について見直しをしたということである。

◯総務部長  今の指摘であるが、特に知事公舎の貸与料については、企画幹から申し上げたように、ルールをつくっている。それから、全国的な並びを見ながらということもあるし、国家公務員の宿舎の貸与料にも準拠しているところがある。
 それと、公舎について業務として住むことが半ば職務の一環という性格のものであり、住宅事情の便宜を与えているという性格のものではないことを理解いただきたい。その上で、国家公務員の貸与料の見直し、あるいは、全国的な趨勢を見ながら、これからも適正な賃借料に設定していきたいという考え方である。
 それと、決算特別委員会で指摘をいただいた、いろいろな維持管理費の観点については、より適正に管理していく、あるいは県民の皆様方からの指摘という目線を勘案しながら、経費節約に努めていく形を、平成25年度当初予算で反映させていただいた。

◯佐藤委員  そういうことを言われるのであれば、言わせてもらうが、県では、職員の住宅について整理統合を進めている。県職員であっても、異動になって、住みたくてその地域に住んでいない職員も中にはいるわけである。県の職員宿舎は戸数を減らしていくことをしておきながら、知事公舎は、知事が職務上住んでいるから月額3万円でいいという理屈は通らない。総務部長が知事を擁護するのは職務上理解できるが、世間的にそのような理屈は通用しないと思う。

◯仲倉委員長  佐藤委員からの意見ということで、承っておく。


財政収支見通し  歳入では消費税増を見込むが、歳出では見込まず・・・・

◯佐藤委員  今の関連で、財政収支見通しに関する議論の材料が出てきたことは、ありがたいことだと思う。
 歳入の考え方では、地方消費税の増加分を反映と記載されているが、歳出ではどうなっているのか。先ほど言ったように、新幹線やダムの工事にしても、今は消費税が5%であるが、来年から8%、再来年から10%に上がる。それを反映しているのかどうか。入ってくるときだけ反映して、出ていくときに反映していないのは、いかがなものかと思うので、その辺りはどうか。

◯財政企画課長  今回の社会保障と税の一体改革の関係で、地方消費税の増が決まっているので、歳入においては、平成26年度、平成27年度以降、財政収支の中に見込んでいる。歳出においては、地方消費税は特定財源ではないが、社会保障費の増に充てられるという考え方で、地方交付税は約61億円伸びていくので、今回の増税分は、地方交付税で見込んでいる。

◯佐藤委員  地方交付税で見ているのはわかるが、実際に、投資的経費に反映しているかどうか聞いている。要するに、例えば100億円支出する、今なら5%加えた105億円である。それが2年後に110億円の支出になるわけである。それは投資的経費で見ているのか。

◯財政企画課長  歳入・歳出の全体の中で差し引きを見てくることになるが、直接、投資的経費のどこに消費税が充てられるのかといった形の計算にはなっていない。

◯佐藤委員  いろいろな議論があったが、いろいろな角度から見れば、長期財政収支見通しは参考材料の程度であるが、基金が残るからといって油断はできないわけである。1,000億円の事業をやれば、100億円の消費税がかかるので、10億円ほど残るからと言っても全然油断できない。結局、参考材料が出ただけである。


県立大学

◯佐藤委員  関連で、委員会で視察に行かせていただいて、いろいろと思った。やはり大学の教員が、これほどいろいろな意見を出されたというのは、いいことだと思う。やはりその背景には、前にも言ったが、県の職員に対する発想と同じように、教育・研究の分野にまで、しかも、意見を十分に聞かないで、いろいろな数値目標を押しつけることに対して、反発があったということだと思う。大学では、いろいろな意見を反映して少しずつ改善されてきたと思うが、やはり大学というのは、今議論があったように、福井県の学生を迎え入れて、福井県のために働いてもらうということも大きな役割であるし、そのためには、やはり県外から優秀な先生にも来てもらって、きちんと学生を育てていただくことも大事なので、先生が逃げていくような大学ではだめなので、両輪が必要であると思うわけである。知事に申すべきことであろうが、そういう点では、県の職員に対する指示と同じような気持ちで大学に指示を出してもいけないことがあることを痛感した。
 質問であるが、県内の学生をよりたくさん大学に入れるという点で、枠の拡大、これも一つのやり方だと思うが、そのほか、県内学生の経済環境を見て、学費を下げ、経済的に誘い込む手法も考えるなど、学生を募集する方法を検討したらどうか。

◯大学・私学振興課長  大学の授業料や入学金等を合わせて、年間約10億円ある。年間三十数億円の財源のうち、約3分の1を占める貴重な財源である。それを、若干下げるという話になる。

◯佐藤委員  世帯の収入など、何か基準を設けているのか。

◯大学・私学振興課長  低所得層については、高校で実施しているような、全額減免、2分の1減免の制度がある。また、推薦入学の制度も既にある。

◯佐藤委員  それで何人ぐらいふえたのか。

◯大学・私学振興課長  数名程度だと思うが、必要とする学生が使っている。

◯佐藤委員  だから、数名程度ではだめである。せめて、例えば30名とか50名とかの入学生を誘導できるようにしないといけない。どうしたら誘導できるのかを考えたらどうか。

◯大学・私学振興課長  趣旨は理解したので、大学には伝える。


奨学金のあり方

◯佐藤委員  田中敏幸委員と関連があるので、あわせて質問させてほしい。
 全国の12県が、所得連動型奨学金といって、一定の所得の水準になるまで返還を免除する制度を持っている。
 だから、大学を卒業しても就職できないので、大学院へ行くと、奨学金が大きく膨らんで、卒業したときには何百万円もの借金を抱えて人生をスタートすることになるとの話はよくある。社会人としてスタートしたときに、それなりの給与をもらえる会社に入れればいいが、今はそうでない人も多い。そういう状況も踏まえて、考えを伺う。

◯大学・私学振興課長  奨学金制度については、大学は直接関与しておらず、予算を持っていない。教育委員会で所管している日本学生支援機構による奨学金制度であるが、あくまでも、学生と団体との関係である。
 費用減免の話については、経済上の所得制限があって、所得に困っている人、親が失業した等の臨時的なものは対応させていただくが、普通の家庭で、所得が少なくて奨学金をもらっていて、卒業してから返済に困っているという方は確かにいると思う。正規職員ではなく、パート職員等で、非常に少ない収入の中で奨学金を返していくことは、大変だというのは承知しているが、そういう学生を救済する制度は今のところ考えていない。


505億円の債務の旧林業公社問題

◯佐藤委員  一般質問でも質問させてもらった旧林業公社の問題で、答弁はいただいたが、確認したいのであるが、なぜ第三セクター等改革推進債を使わないのかということに対して、部長の答弁は、実際には単年度当たりの財政負担がふえるとうことであった。これは期間が短くなれば単年度当たりの負担がふえるという趣旨だと思うので、それはわかるのだが、問題は、それによって、114億円がどの程度圧縮されるかである。未払い分がある程度圧縮されるけれども、それに比べて、期間が短くなるほうが非常に厳しいと判断したのか、そのあたりを聞きたい。

◯財政企画課長  第三セクター等改革推進債を使わない場合、日本政策金融公庫の借り入れを県が引き受けて、定時償還で平成70年まで返していく場合は、元金114億円強、これに対して、将来、発生利息が約30億円あるので、144億円強になる形になる。年負担額としては約3億円である。仮に、第三セクター等改革推進債を用いて、10年で返済する形をとった場合は、10年間で借りた場合の利息なども加味し、発生利息が4億円程度あるので、繰り上げ償還するときには公庫に対して補償金を払うことになるので、その補償金が約14億円である。発生利息に対する特別交付税措置などがあるが、トータルの負担額としては約132億円である。よって、1年当たりの負担額は約13億円になる。

◯佐藤委員  そうすると、トータルでは安くなるけれども、それより平成70年までかかって払ったほうが財政上都合よいとの判断をしたということか。

◯総務部長  単年度、10カ年といっても、今から10カ年だと平成34年度まであるから、今、財政フレームの平成40年度までの大半がそれによって年の償還額がふえた状態が続くこと、それから、公庫債務は繰り上げ償還、あるいは利率の引き下げを要望していきたいと思うが、もちろんそれは清算を今ここで100%申し上げるわけではなく、そういった運動を重ねながらの行為であるので、これはできるだけ低減に努めていきたいという考え方で申し上げた。

◯佐藤委員  よくわからないのは、なぜもっと早く手を打たなかったのかということである。部長が言われるように、確かに今、北陸新幹線の建設も決まって、明るい話題で進もうというときに、いつまでも引きずっていたくない気持ちになるのはわかる。しかし、第三セクター等改革推進債でいえば、確か四、五年前から使えたわけであるから、もっと早く手を打っていれば、もう少し手の打ちようもあったし、額からいえば十数億円の節約になった。新幹線も高速道路も始まるときに、決着をつけないといけないということだけで、なぜ、わざわざこの時期になるようなことをしたのかということである。北陸新幹線、足羽川ダムは国との関係があるから県の裁量だけではどうにもならないが、旧林業公社問題は、県の裁量で手を打とうと思えばもっと早く打てたのではないのか。

◯総務部長  もちろん、委員指摘のように、もっと早くスキームを固めていれば、もっといい条件のもとにできたことがあることは否定しない。ただ、これまでも、私どもはただ手をこまねいていたわけではなく、これまでの返済部分について、公社に対して無利子化してみたり、あるいは、補助金化してみたりなどの手だてを取ったり、あるいは全国的な動きをにらみながら、検討してきた。この時期になったのが遅いのか早いのかという評価はあるが、県としては、現時点でもうこれ以上引きずるわけにはいかないという判断のもとに、今回提示させていただいたところである。

◯佐藤委員  言葉は悪いが、こういう状況であるから、スキームは仕方がない部分はあると思う。ただし、歴代の旧林業公社には県からも理事長等のポストで天下りしているわけで、経営責任問題はどうするのか。

◯総務部長  歴代の経営責任というよりも、これまで国策で実施してきた分収造林事業が積年の中で悪い状況になってきたという点と、これから林業はどうしていくのかという今後の問題と、それをいつ切りかえるのかという問題だと思う。それをいつの時点でやるのが一番妥当であったのかということである。この時点で今、歴代の責任者を追及して、物事が解決するのであれば、それにこしたことはないであろうが、私はそれでは解決できないと思うので、今後どうしていくのかという方向で考えていくのが、今の時点での考え方であろうと思っている。

◯佐藤委員  そういう趣旨で聞いているのでなくて、解決しなければいけないのだが、505億円を県民に負担願おうというわけである。県が説明すると言ったときに、これまでの責任者には一定負担を求めるというような話は、全然出てこないのか。

◯総務部長  これまでもいろいろな改善策を検討してきた。それがそれぞれの時点で、先ほど申し上げたように無利子化であったり、あるいは補助金化であったり、あるいは繰り上げ償還、民間金融機関を通じての低利での借りかえであったりしてきたわけである。私どもはこれまでそれなりの経営改善に努めてきたという考え方をしている。

◯仲倉委員長  佐藤委員に申し上げるが、これ以上の答弁は恐らく出てこないと思うから、旧林業公社に関する質疑はこれぐらいにしていただきたい。

◯佐藤委員  もう終わるが、やはり県民にこれだけ巨額の負担をかぶせるわけであり、公社は従来から県の外郭団体であるわけだから、責任を取る姿勢を明確にすることも必要だと思う。指摘はしておきたい。


職員給与削減

◯佐藤委員  一般質問で笠松議員が取り上げた、県職員の給与を平成25年7月から平成26年3月まで削減するかどうかの話だが、答弁では検討すると言ったが、実際にそれを削減しなくても、県の財政上やりくりはできると思う。だから、その辺をはっきりさせないといけないし、検討すると言っても、減らすなら6月定例会に出すことになるし、減らさないならこのままということになるが、どう検討するのか。

◯企画幹(行政改革)  今の件であるが、これは代表質問、一般質問のときにも答えさせていただいているように、今までいろいろ行財政改革で努力もしてきているというのもあるが、現実的に地方交付税がその分減額されてきている中で、どういった形のことができるか。一方、国からも国家公務員の減額と同様な削減をするようにとの強い要請はある。そういった中で、健全財政を維持する中でどういうことが検討できるかは、当然、職員の皆さんの痛みを伴う部分のことでもあるので、職員組合ともいろいろと相談しながら、どういうスキームが一番いいのかを今後検討させていただき、また、方向性が決まり次第、議会にも相談させていただきたいと思っている。

◯佐藤委員  要望をしておくが、何でも国の言うとおりになる必要はないと思う。地域主権、自主権など、民主党政権時代も自民党政権時代も、言葉は並べるけれど、いざとなったら国の言うとおりにしなさいというのではいけないと思うし、こういうことでは県の職員が仕事のやる気をなくす。これからいろいろな仕事をさせるのに、給料を下げて、仕事しなさいというのではよくないので、その期間だけの話であるから、当面、給与引き下げにならないようにお願いしたいと要望しておく。


新幹線の地元負担

◯仲倉委員長  説明は終わった。これより、質疑、討論に入るが、審査については、初めに付託議案、次に、調査依頼を受けた予算関係議案、次に、所管事務調査の順序で行うので、了承願う。
 初めに、付託議案について審査する。審査は年度ごとに行う。
 まず、平成24年度関係の第151号議案について、各委員より発言願う。

◯佐藤委員  この考え方は、北陸新幹線の建設によって、受益のある自治体には負担を求めるということか。

◯新幹線建設推進課長  基本的な考え方はそのとおりであり、県内の7市町に新幹線が通るが、このうちの駅が置かれる4市ということで、しかも対象の区域は、駅と駅につながっている用途地域に限っている。

◯佐藤委員  念のために尋ねるが、受益というのはどういう計算に基づいているのか。細かいことはいいが、要するに、例えば、鯖江市民も新南越駅を利用するだろうということは、当然、計画していると思うが、その辺はどういう区切りで計算したのか。

◯新幹線建設推進課長  基本的な考え方については、駅の周辺に乗降客がおりていくので、まちづくりと密接にかかわってくる市街地、用途地域ということを基本にしている。福井県だけではなく、全国的に新幹線事業が行われている地域では、同じような考え方で進められていると認識している。


サーバーの低入札に問題はないか

◯佐藤委員  予算案説明資料8ページ、サーバー統合環境基盤整備事業で約6,900万円減額になっているが、決算特別委員会からいろいろな指摘があったと思うが、なぜこれだけの減額になったのか。

◯情報政策課長  このサーバー統合環境基盤整備事業については、当初、予定価格で4億5,000万円を想定していたが、かなりの競争が発生し、実際には落札価格が予定価格の37.6%となる1億7,000万円で落札した。これが5カ年の長期契約であるので、それを単年度に換算すると記載のとおりの金額となっている。

◯佐藤委員  品質の確保という面で、土木部では低入札価格調査を行うが、そのような調査はするのか。

◯情報政策課長  それについては、十分にスタッフ等と統合基盤の条件等の確認をしているし、統合基盤を設置した場所の確認、それから、カバーをするためにほかの電力地区にもサーバーを設置しているが、実際に完成したときにもその現場確認に行き、安全を確保している。


福井鉄道への車両購入

◯佐藤委員  車両購入費7,800万円の内訳を教えてほしい。

◯交通まちづくり課長  車両購入費が200万円で、走行装置整備費が3,000万円、運転台機器改造費が1,100万円、車体整備(内装、外装更新)が2,300万円、輸送費が600万円、試験費等が600万円である。

◯佐藤委員  そうすると、土佐電鉄への支払いは200万円ということか。

◯交通まちづくり課長  そうである。

◯佐藤委員  土佐電鉄が海外製車両を導入して、車両を使用されなくなった経過とは、老朽化して入れかえたということなのか。また、土佐電鉄ある高知県では、実際にどういう効果があったのか、2点伺う。

◯交通まちづくり課長  一つ目の土佐電鉄での経緯だが、土佐電鉄では20年前にドイツから輸入してきて、さまざまな改造を加えて10年間走らせていた。ちょうど10年くらい前に、土佐電鉄が新型の車両を購入したが、走行系のレバーが逆に動くようなものであったために、とっさのときの危険性を回避するために運行を停止したと聞いている。
 それから、土佐電鉄で走ったときの効果については、土佐鉄道では3種類ほどの外国製車両を走らせており、土佐鉄道も利用日と時間を決めて走らせているが、乗ると乗車証明書をくれるようなサービスをしていて、鉄道ファンの中では乗車証はすごく人気であるという状況である。それ以外にも、鉄道関係の雑誌や新聞などに取り上げられて、非常に観光的にはプラスになったとお聞きしている。ただ、具体的な人数については、調査したが、そこまできちんと集計していなかったということである。

◯佐藤委員  さきほど質問のあった土曜日、日曜日、祝日を中心に走行させることの効果であるが、7,800万円もの多額の費用であるから、平日も動かすということは運転区間の関係で、福井鉄道にデメリットが大きいのか。

◯交通まちづくり課長  通常のダイヤとは別のダイヤで外国製車両を走らせて、走っているダイヤの間を縫うような形での運行を考えている。もちろん、通常ダイヤとして普通に田原町から北の方へ続けて運行するのは構わないのだが、一応、観光的な意味合いで、今の路線の合間を縫って走る形にしている。これは何分、もとは50年近く前の古い電車なので、なるべく県内で長いこと使っていきたいと思っているので、まずは観光客が来県することが多く望める土曜日、日曜日、祝日で運行していきたいと考えている。


新幹線にともなう並行在来線

◯佐藤委員  予算案説明資料8ページ、在来線対策事業の490万円の具体的な中身を教えていただきたい。

◯新幹線建設推進課長  並行在来線対策事業であるが、昨年3月に、並行在来線がJR西日本から経営分離された後どうするかについての議論があり、知事と沿線7市町首長との間で、経営分離後も並行在来線として存続させることで合意をしている。部長報告でも説明したが、今回、この合意に基づいて、並行在来線対策協議会を設け、敦賀までの約79キロメートル間にある、駅、線路、トンネルなど、ハード面を中心に、鉄道施設の整備状況、経過年数、運行している車両数などを調査するとのことで、その現況調査費を計上している。

◯佐藤委員  JR西日本の資産を第三セクターに譲渡するための現況調査ということで、石川県、富山県も同様の調査を行ったりしていると思うが、実際には、石川県、富山県の第三セクターとの違いは何か。違いがあれば、福井県としてはどういう方向で考えているのか。

◯新幹線建設推進課長  並行在来線について、石川県も富山県もそれぞれ認可の翌年度に調査をしている。福井県では、北陸本線で1日に1万8,000人の方が利用していて、駅数としては18あるが、今まで一度も調査していない。車両基地、北陸トンネルなどの長大トンネルもあるので、具体的にどういった施設があるのか、また、どのようになっているのかをきちんと調べさせていただきたいということである。

◯佐藤委員  調査した結果、明らかに不備があればJR西日本に修理しておいてほしい旨を要求する予定なのか。

◯新幹線建設推進課長  昨年、富山県及び石川県は、資産譲渡についてJR西日本と合意している。その内容については、譲渡する前に必要な修繕を行うようにとのことで合意されたと伺っている。本県でもこうした先例をよく研究しながら、また、今回の調査を生かしながら、検討していきたいと考えている。

◯佐藤委員  ここ十数年間が仮に今の計画どおりだとして、県は、安全運行の点でも調査するのだと思うし、私は第三セクター化は反対であるが、第三セクター化することになったときにも備えて、引き受ける状態をよくしておくというのも当然だと思うが、そうなると、引き渡し価格が上がるという面も出てくるわけか。

◯新幹線建設推進課長  これも先行事例で富山県、石川県の場合だが、引き渡し価格は安く、交渉価格となっており、また、事前修繕は無償で前倒しで行うということになっている。

◯佐藤委員  最後にするが、並行在来線の扱いの問題というのは、これから心配事になると思う。今度、石川県はJR西日本金沢支社の建物を買うとの報道があるが、いろいろな設備は石川県が買って、石川県の第三セクターが利用することになると、福井県の場合はどうなるのかも心配なので、そういう方向でいくのであれば、石川県も今、金沢までの短い距離であるから、できれば、金沢から福井まで共同の第三セクターとして立ち上げるということは、いろいろな設備の面も含め、きちんと交渉すればいいと思う。

◯新幹線建設推進課長  そのような重要な課題については、今回、立ち上げる並行在来線対策協議会の中で各界各層からの声を聞きながら、見極めていきたいと考えている。


公共交通機関の利用

◯佐藤委員  先ほど議論になったことに関係するが、公共交通機関の利用について伺う。先日、県立大学の学生が研究していた資料を見ていたら、福井県の輸送機関別旅客流動状況の推移表があり、これを見ると、1975年と2009年の分担率は、国鉄、JRは9.0%が1.7%、さきに議論になった民鉄は6.7%が0.7%、バスは17%が0.7%、自家用車は51.7%が95.2%となっている。公共交通機関の利用率が下がってきていることは、ずっと問題になっていて議論されおり、県もノーマイカーデー等のキャンペーンを実施するなど、いろいろと取り組んではきているが、なかなか利用率が上がらない。観光客を集める、あるいは相互に乗り入れて利用者をふやすなどいろいろと考えてはいるが、何かしっかりとした作戦を考えないといけない。この傾向を見ていると、さきの議論ではないが、民鉄0.7%にどれだけ税金を使うのかとの議論が残念ながら出てきてしまう。だから、それを深刻に受けとめて、真剣に考えなくてはいけないと思う。高齢社会であるから、当然、公共交通機関も残しておかなくてはいけないこともはっきりしているので、問題認識は共通していると思うが、県として、この間ずっと利用率が下がってきていることに対して、どういう点に問題があるのか、どういう認識なのか。

◯総合政策部長  まずは、免許を持たない人の人数が減ってきているのであろうと思う。ほとんどの方が免許を持っている。それから、子供の数が減っているのも大きな要因だと思う。
 ただ、今、県内においては、残念ながらバスは若干微減であるが、えちぜん鉄道、福井鉄道ともに乗客数を伸ばしてきている。えちぜん鉄道、福井鉄道の乗客が伸びていることを見れば、電車というのは、便利で魅力があるのだろうと思っている。まだ一度も乗っていない方が随分いると思うので、皆さんに乗っていただいて、意外に便利だということを体感してもらうためにも、先ほどのような、珍しい電車を導入したり、LRVを走らせたりすることで、動機づけをしていって、県の施策を進めていきたいと思う。

◯佐藤委員  そういうことだけでなく、俗に言えば、もう少し経済的な誘導というか、車を使うよりも公共交通機関のほうが経済的に得であるなどということも検討してはどうか。県としては、上下分離方式の原則があるから、上の部分の、利用料金の補助はできないところはあるが、利用メリットを感じさせるようにしていかないと、幾ら電車が環境に優しいといっても、現実には急速に、さらに自動車にシフトしてしまっているのが現状であるので、事業者あるいは市町と作戦を考えていく必要があるのではないかと思うが、どうか。

◯交通まちづくり課長  公共交通の利用促進に関しては、奥越地域、嶺南地域など、広域的に協議会を設けて、例えば、定期を購入した場合助成するという経済的支援を行っているところもある。それらの協議会に関しては、県がメンバーとして入って、県もいろいろと相談、協議しながら、公共交通の利用が促進されるように努めてきている。
 また、それ以外にも、地域公共交通会議が、市町ごとに設けられており、年に何回かの会合がある。それに対しても、当課の職員がメンバーとして入っているので、出席し、より利用が進むようなことについていろいろ相談にのったり、協議したりしている。そういったことの積み上げの中で鉄道も伸ばし、また、バスも何とか歯どめをかけつつ、少し新しい路線を出して、また伸ばしていくということも努めていきたいと考えている。


特急『サンダーバード』『しらさぎ』の存続を求める意見書提出に関する請願」が不採択に

◯仲倉委員長  賛成多数である。
 よって、本件は適当である旨報告することに決定した。
 これより、請願・陳情の審査に入る。
 今回付託を受けた請願2件の審査に入る。審査は1件ずつ行う。
 まず、請願第25号「特急『サンダーバード』『しらさぎ』の存続を求める意見書提出に関する請願」を議題とする。本件に対し、各委員より発言願う。

◯佐藤委員  紹介議員になっているのでお願いしたいと思うが、以前は、北陸新幹線の認可がおりる前に、この請願書を出したときには時期尚早であると見送られていた経過がある。それで、北陸新幹線がいよいよ実現することになってきたということで、ほかの沿線の自治体である、福井市、越前市、鯖江市でも請願を採択して、関係機関へ意見書の提出を求めているので、県議会としても意見書提出をお願いする。

◯畑委員  この請願については、特急存続の方針は、国でなくJR西日本が検討するものであって、これまでJR西日本に対しては、乗りかえとの利便性の確保の要請を行ってきているから、当該請願は不採択としたい。

◯山本(正)委員  県の対応状況も、きちんと国に対して要請をしており、不採択としたい。

◯仲倉委員長  ほかに発言はないか。

      〔「なし」と呼ぶ者あり〕


◯仲倉委員長  ないようなので、本件に対する採決に入る。
 本件を採択と決定することに賛成の方は、挙手願う。

      〔賛成者挙手〕


◯仲倉委員長  賛成少数である。よって、本件は不採択と決定した。

あわら市議選個人演説会で訴え。今日、福井市で憲法学習会。危険な原発まとめて再稼動計画!

2013年06月15日 | Weblog
  昨日は、朝の街頭宣伝は鈴木市議や民医連後援会のみなさんとともに・・激励もつよくなってきています。
その後、会議、訪問活動などがつづき、夜は、あわら市議選の応援で山川ともいちろう候補の個人演説会の弁士。東山地区でした。たくさんのみなさんに集まっていただき、地元のお医者さんの応援演説、山川ともいちろう候補の気迫の訴え、でした。わたしも安倍政権のTPPや経済雇用政策の問題点を訴え、市議選、参院選での支援をお願い。選挙戦でながされる「大丈夫論」ほど怖いものはない、ことを強調し、最後までのご支援をお願いしました。
  いろんな方との対話のなかでは、「TPPなんてとんでもない。絶対だめだ」「県職員の給与削減がいわれているが、国いいなりでは人材が育たない」「共産党のSNSの取り組みはどうですか」などなど・・・。
  しっかりとがんばります。

  
  さて、いよいよ本日、憲法問題での学習会が、福井市で開催されます。
 15日午後2時から 福井市光陽2丁目 福井県社会福祉センター
 講師は、自由法曹団の吉川弁護士です。また、各分野からの発言、質疑応答もあります。
昨日の赤旗文化欄に大きく報道された、福井アオッサでの「憲法」の書撤去事件についての報告もあります。
 96条改憲が大きくクローズアップされてきましたが、・・・ぜひご参加ください。

 また、96条改憲反対の意見広告を福井新聞に掲載する運動を9条の会がすすめています。
1口1000円募金で、目標は100万円です。
 安倍政権や維新の会などが参院選後にすすめようとする改憲策動に歯止めをかけるためにも、草の根からの世論と行動が必要です。ぜひ、ご支援をよろしくお願いいたします。
 9条の会ふくい090-3888-9291 ひだまり法律事務所0776-43-0838まで。
 もちろん、私におあずけいただいても結構です。


  16日には美浜原発事故の想定で原子力防災訓練がおこなわれます。
翌日、17日月曜日、日本共産党は原子力防災問題の学習会を開催します。ぜひ、ご参加ください。
  17日 午後7時~  福井市光陽2丁目 福井県社会福祉センター
 越前市出身で科学者会議の児玉一八さんがお話しします。私も報告します。


 それにしても、原発推進は安倍政権の後押しで、どんどんすすめようとしています。
関西電力は規制委員会の審査体制の「弱点」を見越して、一気に4基分の再稼動申請をおこなう強硬姿勢です。
 
 福井県も大飯再稼動で実績をあげた県の専門委員会を今度の再稼動でもフルに活用する計画のようです。
さらに北朝鮮を名指しして、原発地域への自衛隊の常駐まで求めました。まさに、危険な原発が、危険をよびこむ構図です。
その一方で、アジア各地に原発輸出推進の一翼をにない、原発「拡散」政策ですから、「安全保障上」の整合性もありません。

 日本共産党は国内原発の再稼動にも、危険な原発のアジアへの「拡散」にも反対です。

 以下、報道です。

■NHK・・・関電 新基準で大飯も7月申請

  関西電力の八木誠社長は記者会見で、7月中に高浜原発3・4号機とともに稼働中の大飯原発3・4号機についても、新たな規制基準による適合性の審査を申請する考えを明らかにしました。
原発の再稼働には、7月18日までに施行される新たな規制基準に安全対策が適合しているか国の原子力規制委員会の審査を受けることになっています。
国内で唯一稼働中の大飯原発3・4号機については、定期検査で、ことし9月までには稼働を停止する予定で、再稼働には新たな審査が必要になります。これについて関西電力の八木社長は、14日、都内で行われた記者会見で「新基準の施行後速やかに申請したい」と述べ、新たな規制基準が、施行される7月中に、審査を申請する考えを明らかにしました。
大飯原発を巡っては、地下の断層が活断層かどうかについて追加調査が行われていますが、八木社長は「これまでの調査でも活断層ではないと説明してきた」と述べて再稼働に支障はないという考えを改めて示しました。
関西電力は高浜原発の3・4号機についても7月中に再稼働に向けた申請を行う方針で、2つの申請は同時に行われる見通しです。


■NHK・・・知事“独自の安全性見極める”

  一方、西川知事は今後、県内の原発について、事業者から再稼働に向けた申請が出された場合、7月中に施行される国の新たな規制基準に基づく審査の行方を注視した上で県としても、独自に安全性を見極めていく考えを示しました。西川知事は、6月定例県議会を前に、14日県庁で記者会見を開きました。
西川知事は、今後、県内の原発について、事業者から再稼働に向けた申請が出された場合の対応について「規制委員会の審査が行われると思うので、その状況をみる必要がある」と述べて、審査の行方を注視していく考えを示しました。その上で「県としても、県の原子力安全専門委員会などの意見も踏まえて客観的に安全性を審査することになる」と述べて、県としても独自に安全性を見極めていく考えを示しました。
  また、西川知事は最近の北朝鮮を巡る情勢が緊迫していることなどを踏まえて国に原発の立地地域に陸上自衛隊と海上自衛隊の常駐を求めたことについては「今後、必要な人員や装備の検討が具体的に進むことを期待したい」と述べました。

2013年3月県議会一般質問  TPP、原発、孤独死、巨額債務の分収造林事業などを質問

2013年06月15日 | Weblog
◯7番(佐藤正雄君) 日本共産党の佐藤正雄です。
 昨年末の総選挙で誕生した安倍政権の政策では、日本の国土と国民は大変なことになるということについて質問いたします。
 TPPで日本の農業や医療を破壊することになります。消費税増税、年金引き下げ、医療費引き上げで国民生活を破壊することになります。生活保護基準引き下げで、保護受給者はもとより、就学援助や介護、国保、保育など国民生活を支える各種制度に重大な影響が及びます。集団的自衛権行使や憲法改憲で平和を破壊することになります。まさに美しい日本を破壊する政策のオンパレードであります。安倍総理のキャッチフレーズは「美しい国」だそうですが、逆から読むと「にくいし くつう」となり、ここに国民感情は早晩一致せざるを得ないでしょう。

TPP問題

 まず、焦点のTPP問題について質問いたします。
 自民党はTPP反対を公約に掲げて、関係団体の支援も得て勝利いたしました。しかし、オバマ米大統領との日米首脳会談後に発表されたTPPに関する日米共同声明は、3つのパラグラフからなっておりますが、その第1パラグラフでは、全ての物品が交渉の対象とされると例外がないことを明記し、2011年11月12日のTPPのアウトラインにおいて示された包括的で高い水準の協定を達成していくことを確認しています。このアウトラインは、関税と非関税障壁の撤廃が原則だと明記したものであり、その高い水準の協定の意味について、外務省は、940品目について関税撤廃を求められると述べております。まさに例外なき関税撤廃が前提となっています。安倍首相がそれをごまかし、聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になったと述べているのは、大うそにほかなりません。
 また、TPP交渉の特徴の一つは、徹底した秘密主義です。交渉の文書、各国の提案などは、TPP発効後も4年間は伏せられたままです。交渉に参加していない日本に交渉の中身はわかりません。それなのに交渉に参加しようとしたら、既に合意された内容をそのまま受け入れなければなりません。何が入っているかわからないのに丸のみするなど、国民に責任を負う政府のすべきことではありません。
 知事は政治家として、このようにわずか2カ月ほど前の総選挙のときの公約を翻し、国民を欺きながらTPPに進もうとしている安倍首相の姿勢をどのように見ておられるのか、お尋ねをします。
 ところで、福井県農業にとって壊滅的な打撃を与えることはJAや県庁も発表してきました。
 知事は12月議会の私の質問に対して、「日本の農業に与える影響が極めて大きく、農林水産省の試算では、国境措置を撤廃した場合、国内の農林水産物の生産額は4兆5,000億円程度減少し、食料自給率は40%から13%となる厳しい見通しをしております。このため、具体的な農業・農村の振興策を提示することもなくTPP参加について議論を進めることは適当ではないと考えております」と答弁されております。
 しかし、全国農業協同組合中央会(JA全中)の萬歳章会長も「自民党の政権公約全てをクリアしなければだめだというのが全国のJAグループの声だ」と述べ、JAグループとして交渉参加に強く反対することを総理や与党に申し入れをしている緊迫した状況にありますように、安倍政権のもとで参加の議論だけが一方的に進められようといたしております。
 県内米生産の9割近くが打撃を受けるTPPでは、平成28年度完成目指して進められている坂井平野の農業パイプライン事業の効果にも甚大な影響を与えかねません。
 そこで質問いたします。この事業の事業費と農業生産に与える費用と効果についてお尋ねするとともに、仮にTPP参加となると、この事業の効果はどの程度影響を受けるのか、答弁を求めます。

中小企業政策

 次に、3月末での打ち切りが予定されております中小企業金融円滑化法について質問します。
 我が国の景気動向指数は低下しており、中小企業の資金繰りは厳しさを増す一方です。そのもとで、同法は、中小企業等にとって大きな役割を果たしています。2009年12月末から2012年9月末までの間で、同法に基づく中小企業への元本支払い猶予等は全国で約343万件、対象となった中小企業向け債権額は約96兆円に達しています。また、住宅ローンの元本支払い猶予等は同時期に約23万件、対象債権額は3兆6,000億円に上ります。
 福井県でも申し込みが3万691件、7,669億円余り、うち実行が2万7,837件、7,193億円余りという状況であります。同法が打ち切られれば、多くの中小企業が廃業、倒産の危機に瀕するおそれがあります。県内中小企業を円滑化法打ち切りによる倒産や廃業から全力で守るのが県庁の責務です。
 そこでお尋ねします。県として国に最後まで延長を強く求めつつ、打ち切られた場合でも各金融機関に円滑化法の趣旨どおり変わりなく対応することを要請すること。また、貸し渋り、貸しはがし対応の臨時の相談体制などをとることを求めますが、見解をお尋ねをいたします。

賃金引上げ助成の活用

 さて、労働者の福井県の最低賃金は690円と極めて低額であることは御承知のとおりです。これでは、仮に年間1,800時間働いても124万2,000円にしかなりません。年収200万以下がワーキングプアと言われていますが、働いても貧困のどん底であります。
 そこで、使い勝手の悪い制度ではありますが、国は最低賃金が700円以下の地域の事業所を対象に800円以上への賃金引上げ計画と労働能率の増進に資する設備器具の導入を行う中小企業に対し助成制度を設けております。
 そこでお尋ねしますが、県内でのこの国の制度の利用実績と、800円以上に賃上げした事業所数、労働者数をお尋ねします。
 また、日本共産党が提案してまいりましたように賃金の上昇が個人消費と景気回復の道であり、ようやく安倍政権にかわりまして財界団体に賃上げ要請を行っていることも御承知のとおりです。知事として、県内経済界への働きかけを行うこと、また最低賃金を800円以上、さらには1,000円以上に引き上げるよう具体的な行動をとられるよう強く求めておきます。

円安の影響

 アベノミクスの悪影響は福井のような地域に早くも顕著です。家計の消費支出を項目別に見てみますと、福井では全国平均に比べてガソリン代、灯油代の負担が重くなっております。消費支出に占めるガソリンと灯油の割合は、全国平均ではガソリン2%、灯油が0.62%。福井市ではガソリンは2.35%、灯油は0.83%です。ガソリン、灯油のこの間の急激な値上がりは、アベノミクスの影響であり、車社会の福井県民、寒冷地の福井県民の生活や営業を直撃しております。
 要因は、アベノミクスがつくり出した金融緩和への期待から円安が進み、原油等の輸入価格が上昇しているからです。みずほ総研の研究員も、円安になった分、原油の輸入価格は上がり、灯油などの価格を押し上げていると指摘しております。
 一方、安倍晋三首相の経済政策「アベノミクス」への期待感などで株高傾向が続いておりますが、株を保有している安倍内閣の閣僚と家族自身が7,200万円以上の資産を上積みしています。早くも7,200万ですよ。庶民には痛みを押しつけながら、自分たちはぬれ手にアワとは許されません。この円安傾向は継続するでしょうし、来春からは消費税増税の直撃を受けかねません。
 そこで、県として福祉灯油、福祉ガソリンなどの低所得者、障害者向けの支援策を創設すべきではありませんか、お尋ねをいたします。
 また、石油製品や食料品、日用品などの便乗値上げの監視を強めるべきではありませんか、お尋ねをいたします。

原発問題

 次に、原子力行政について質問いたします。
 安倍政権は、原子力規制委員会が7月に策定する原発の新安全基準をてこに、原発の再稼働を強行しようとしております。しかし、新安全基準骨子案の中身を見れば、世界最高水準の安全をうたいながら、原発の危険から国民の安全を守れないものです。
 規制委員会が先月6日に了承した新安全基準骨子案は、福島の事故を踏まえたかのように装っていますが、その中身は、消防車や電源車など持ち運び可能な機材で対応するなど、対症療法的な対策を並べただけです。事故の進展が早いケースに対して、絶対に間に合わない、難しいと新基準を検討する専門家さえ疑問符をつけております。安全を置き去りにし、安全基準のもとで再稼働を判断するという安倍首相の態度は無責任です。
 このような抜け穴だらけの新基準では、県民、国民の安全を守ることはできません。特に福井県は全国で唯一再稼働を認めている県であり、県民の安全に負うべき責任は重大です。であるにもかかわらず、重要な時期に県の専門委員会も開催をしない、また住民参加の原子力防災訓練も今年度は実施しない、こういう態度は県民の安全に無責任ではありませんか。見解をお尋ねをします。


県医療計画案

 次に、福祉行政について質問します。
 まず、提案されている福井県医療計画案についてです。
 今回提案されている福井県医療計画案では、医療提供体制の抑制が際立っています。何と5年後には一般病床、療養病床計で現在の9,001を6,471へと3割も減らそうというべらぼうなものです。精神病床は2,342を2,116へと1割減です。政府による診療報酬や負担増による患者追い出しをやめさせ、慢性期患者の医療についても生存権保障の立場で確保されなくてはなりません。
 率直にお尋ねしますが、このような計画で県民は安心でき、福井県の健康長寿政策は維持発展できるとお考えなのでしょうか。また、この数字では病院の数の減少も見込まれるのではありませんか。その医療圏ごとの見込みをお尋ねをいたします。

孤独死、孤立死

 さて、今、孤独死、孤立死が社会問題化しております。福井県内の世帯数は27万4,800世帯余りですが、65歳以上の高齢単身世帯は2万1,356世帯、7.8%、高齢の御夫婦だけの世帯は2万2,444世帯、8.2%です。しかしこれは平成22年の国勢調査の値であり、さらに高齢者のみの世帯はふえているでしょう。
 このような世帯構成の反映もあり、毎年のいわゆる異状死、変死の数もふえており、最近ではとうとう年間1,000人を突破いたしました。東京では、監察医務院が平成19年から、「一人暮らしの者の死因」「一人暮らしの者の死亡における発見者」「65歳以上の一人暮らしの者の死亡場所」「65歳以上の一人暮らしの者の自宅で死亡した時の発見者」の統計表を公開し、行政の対策に生かしております。そのまとまった資料として、平成23年に「東京都23区における孤独死統計:世帯分類別異状死統計調査」を公刊しております。この報告のまとめでは、「単身世帯者の自宅死亡は高い発生率を認めています。孤独死率では地域格差が認められたり、中年男性でも高い発生率が観察されるなど、大変興味深い結果が得られています」と述べています。
 そこで、福井県として、10年後、20年後の福井県の高齢のみ世帯はどのような数になっていると推計しているのかお尋ねするとともに、孤独死、孤立死についての調査体制を整備し、今後さらに増大が見込まれる孤独死を抑制していく調査研究を行い、行政施策に生かすべきではありませんか、提案し、答弁を求めます。
 このような孤立死、孤独死がふえ続ける背景にあるのは、貧困問題の急速な進行です。雇用が不安定にされ、社会保障が切り下げられ、高齢者や病気を抱える人にとってはますます暮らしにくくなっております。地域の人たちによる見守りやネットワーク、通報体制づくりは当然重要です。しかし、それだけでは限界があります。社会保障制度がしっかり機能し、人間らしく暮らせる社会の実現が急務です。
 年金削減、医療費値上げ、介護や入院の体制は悪くなる、そして生活必需品も含めて消費税増税という安倍政権の方向では、ますます高齢者や病気を抱える人が暮らしにくい国になります。大型公共事業中心に13兆円もの大型補正を組みましたが、そのツケはますます高齢者や弱者に重くのしかかることになり、日本の国が壊れていくおそれがあるということを強く指摘しておきます。

財政収支

 最後に、その他で2点質問いたします。
 今回議会に示されました財政収支見通しについてです。
 今、県は平成37年度末完成予定の新幹線工事の前倒し完成を国に要求し、政府・与党内にもそのような動きがあります。これまで私の指摘に対して、県は負担を平準化して影響が余り出ないように工夫していくと答弁し、今回出された見通しもその方向でしょう。それでもかなり厳しい数値であるわけです。
 そこで、仮に県が要求しているように新幹線工期の短縮が行われ、仮に3年短縮したとすると、今回示された数値はどう変わるのか。30年度、35年度、40年度について、基金残高、県債残高、実質公債費比率の数値見通しをお答えください。

505億円もの巨額債務の分収造林事業

 次に、今回提案された505億円もの巨額債務となっている分収造林事業の失敗についてです。
 知事は提案理由説明で、「国には引き続き責任ある対応を求めてまいりますが、これ以上債務が累増することを防ぎ、今、改革に着手し、林業政策を新たな方向に転換していくことが県民の皆様の将来負担を抑える最善の方法であると考えます。御理解をいただきますようお願い申し上げます」と述べました。県民の税金で尻拭いすることに県民理解を得るために、かかる失政についてのまず知事の県民への丁寧な説明が必要ではないでしょうか。国策とはいうものの、福井県庁に責任はないのでしょうか。県民はすっきりしないでしょう。四半世紀近くにわたり福井県政中枢に責任を持ってこられた西川知事の県民への誠意ある答弁を求めます。
 また、今回の提案のように巨額負担を丸々福井県民に押しつけるのではなく、第三セクター等改革推進債を活用しての特別交付税措置などによる県民負担の軽減、日本政策金融公庫への弁済財源としての活用を選択しなかった理由についてもお尋ねをして、私の質問を終わります。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。
    〔知事西川一誠君登壇〕

◯知事(西川一誠君) 佐藤議員の一般質問にお答えをいたします。
 まず、安倍政権の政策についての御質問が幾つかございました。
 その中で、TPPの政策につきまして選挙公約との関係、また、その姿勢をどのように考えるかという御質問であります。
 安倍首相は先月28日の施政方針演説で、TPPにつきましては次のようなこと、「聖域なき関税撤廃は前提でないことを日米首脳会談で確認をした。今後、政府の責任において交渉参加を判断する」と述べておられるところであります。なおそういう状況でありますが、関税が存続する分野やその担保措置といった重要な見通しが不明であり、もちろんTPPは外交交渉でありますが、現段階での評価はなお時期尚早な状況にあります。
 また、県議会においては昨年7月に、国民的合意の形成や具体的な農業振興策の提示なしに参加すべきではないとの意見書を採択しているところであります。政府には、通商政策と農業政策の両立、特に農業に不利益を与えない貿易ルールの確立に最善を尽くすように求めてまいりたいと考えます。また、私どもも福井県として、福井県の農業についてあらゆる方策を講じ、力強く、また収益の上がる農業についての施策を進めてまいりたいと、このように考えております。
 次に、原子力政策についてであります。
 福井県は唯一再稼働がなされている県であるけれども、こういう時期に県の専門委員会の開催はないのか。また、住民参加の原子力防災訓練を急ぐ必要があるのではないかという御質問です。
 福島原発事故から間もなく2年が過ぎようとしているわけでありますが、原子力発電所の新しい安全基準や審査のルール、原子力災害対策指針の具体的な運用方針は、今なお曖昧な状況であります。国においては、国民の不安をなくすためにも原子力発電所の安全対策の方向づけをぜひとも急ぎ、早期に科学的かつ合理的な基準やその審査ルールを明らかにする必要があり、我々としてもこれまで安倍総理及び関係閣僚等に対し、こうした点について強く要請してきているところでございます。
 また、原子力防災訓練につきましては、そうした状況の中で、まず原子力発電所プラント5キロ圏内の住民避難計画を策定をした上で、住民の参加を得て、かつ自衛隊等の船舶等による住民の実動的な避難訓練の実施、また可搬型モニタリングポストの設置訓練等、より実効的な訓練を新年度のできる限り早い時期に実施したいと今考えている状況であります。
 それから福祉問題についてでありますが、10年後あるいは20年後の福井県の高齢者のみの世帯はどのような数になるのかの推計。また、孤独死というのでしょうか、そうした世帯での将来についての調査体制を整備し、行政政策に生かすべきではないかとの御質問です。
 高齢者のみの世帯数を例えば75歳以上で見ますと、国立社会保障・人口問題研究所によれば、平成22年には1万9,900世帯余りでありますけれども、平成32年にはこれが約3万1,000世帯、平成42年では3万9,000世帯と予測されます。
 福井県は、3世代の同居あるいは同居とは至らないけれどもごく近くにお子さんたちが近居しているという3世代近居に代表される家族のつながりが大変強く残っており、また、市や町においても支援が必要な世帯の実態をよく把握し、地域で孤立をしないよう民生委員や福祉委員などの協力を得て日常的な見守りや生活支援、また地域住民の交流の場づくり等が行われている県であります。さらに福井県では、平成23年度から地域全体で見守りネットワークづくりを支援しており、平成25年1月末現在では3,733の自治会のうち1,753の自治会でネットワークが結成されておりまして、2年間で990自治会がふえているという、こういう状況です。
 今後とも、このような地域での支え合い活動の充実を支援するとともに、支援の必要な方が地域で孤立しないよう、またこれは個別の対策が必要でございますが、全体としてそういう体制を整えてまいりたいと思います。
 その他については関係部長から御答弁します。

◯議長(吉田伊三郎君) 総務部長森阪君。
    〔総務部長森阪輝次君登壇〕

◯総務部長(森阪輝次君) 私のほうから、財政収支見通しについて3点お答えをいたします。
 1つは、新幹線工期の短縮、仮に3年短縮したとすると数値はどう変わるのかというお尋ねでございます。
 3年前倒しした場合の収支見通しについて、厳密に計算を行っているわけではございませんが、工事を前倒しすることによりまして県債発行の時期が早まります。それに伴う県債償還時期も前にスライドするということが考えられます。
 また、年度ごとの数値が多少変動はいたしますが、最終的な歳入歳出の総合計は変わらないことから、基金残高や県債残高、あるいは実質公債費比率が財政運営に支障を来すような水準になることはないものと考えているところでございます。
 それから、2点目の旧林業公社の債務に関係いたしまして、まず県民理解を得るために知事の県民への丁寧な説明が必要ではないかという関係でございます。
 分収造林事業は、国が経済発展に伴う木材需要の大幅な増大を見込み、国策として推進したことを受けて、本県でも林業公社を設立して進めてまいりました。この事業は多くの自治体で進められてまいりましたが、木材価格の下落と労務費の高騰などによる採算性悪化により、全国でも同様に厳しい経営状態に陥っているところでございます。
 本県におきましても、これまで高金利借入金の借りかえや新規植林の中止など債務縮減に向けた対策を進めますとともに、センターに対する県からの無利子貸し付けなどの支援を実施してきたところでございます。
 今後、新幹線など大型プロジェクトを控え、県全体が新たな目標に向かっていくべき段階でございまして、この問題をいつまでも引きずっているわけにはいかないと考えております。これ以上債務が累増することを防ぎ、一刻も早く債務を処理し、県民の将来負担を最小化することが何よりも重要であると考えております。このことにつきましては、県民の皆様に対して丁寧な説明をしながら進めていきたいと考えております。
 3点目、同じく財政収支に関係いたしまして、第三セクター等改革推進債、いわゆる三セク債を活用しない理由についてでございます。
 日本政策金融公庫からの借入金につきましては、現在、公庫が繰り上げ償還を認めていないことから、県が償還条件を引き継ぎ、平成70年までの45年間で償還してまいりますけれども、いわゆる三セク債を活用いたしますと償還期間が10年となりまして、単年度当たりの財政負担が大きく増加をいたします。さらに、破産や民事再生など法的な手続を経る必要がございますけれども、これは他県の事例によりますと年数がかかっております。
 これらのことから、三セク債の活用ではなく、早期に債務処理が可能な任意整理による方法が最善と判断したところでございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 安全環境部長石塚君。
    〔安全環境部長石塚博英君登壇〕

◯安全環境部長(石塚博英君) 私からは、便乗値上げの監視を強めるべきではないかという問いにお答えを申し上げます。
 県内の価格動向の監視につきましては、肉や野菜などの食料品、洗剤やLPガスなどの日用品、合計53品目を対象に県が独自に毎月調査を行っているところでございます。また、ガソリンや灯油などの石油製品の価格につきましては、これは国が調査を行っておりまして、県のホームページや生活情報誌におきまして国の調査結果と県の調査結果をあわせまして毎月公表しておるところでございます。
 2月の調査結果を見てみますと、昨年の11月と比べまして、ガソリンは1リットル当たり147円50銭から156円40銭と約6%高くなっております。また灯油は、18リットル当たり1,630円から1,811円と、これは11.1%高くなっているという状況でございますが、ほかの品目につきましては比較的落ち着いている状況となっていると認識しております。
 しかし、今後、小麦の政府売り渡し価格の引き上げが予定されているなど、生活関連商品の値上げが懸念されることから、今月から県独自に小麦粉、うどん、豆腐などの調査品目を新たにふやしますほか、調査対象の店舗数も拡大しまして便乗値上げの監視の強化に努めてまいりたいと考えております。

◯議長(吉田伊三郎君) 健康福祉部長小林君。
    〔健康福祉部長小林正明君登壇〕

◯健康福祉部長(小林正明君) 私から2点お答えをいたします。
 灯油等の値上げについて、低所得者等への支援策を創設すべきではないかということでございます。
 灯油価格等の値上げによります生活保護世帯等への影響につきましては、相談窓口でございます健康福祉センター並びに市の福祉事務所において、生活に支障が生じているというような相談は寄せられておりません。
 原油価格や為替レートによる物価の影響については、今後も注意して見ていく必要があると考えておりますが、これから暖房用の灯油等の使用が少なくなるような時期でもございますので、現時点においては具体的支援策は考えておりません。
 次に、医療計画の関係で、病床を減らすような計画で健康長寿政策は維持発展できるのかということでございます。
 今回の医療計画に掲載しております基準病床数は、国の基準に基づきまして二次医療圏ごとに算定したものでございます。実際の病床数は、4つの医療圏ともに基準病床数を超えております。これは直ちに病床数を削減させるものではなく、医療法の規定により原則として増床ができないということでございます。ただし、必要性の高い産科、小児科あるいは在宅療養支援診療所などは、医療審議会の審議を経て病床の新設が可能でございます。
 前回の計画におきましても同じような形でございましたが、実際の病床数は基準病床数を超えておりますが、5年間で廃業や有床診療所から無床診療所への転換などにより482床減少しておりますが、一方、産科などの増床により22床増加したというような状況でございます。
 今回の医療計画におきましては、急性期あるいは回復期、在宅まで医療機能を各医療機関が分担するとともに、患者情報の共有化などによりまして連携を強化することによって、必要な医療機能を高めながら医療提供体制の効率化を図っていくという計画でございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 産業労働部長山田君。
    〔産業労働部長山田賢一君登壇〕

◯産業労働部長(山田賢一君) 私からは2点、御答弁申し上げます。
 まず、中小企業金融円滑化法が終了した場合でも金融機関に変わりなく対応するよう要請すること。それから、貸し渋り等に対する相談体制を強化するようにというふうなお尋ねでございます。
 先月開催いたしました県の経済新戦略推進本部会議というのがございまして、金融機関の役員である方が委員として出席しておられました。その際、金融円滑化法に関連いたしまして、資金繰り支援等を引き続き行わなければならないということは国の指導方針でもある。この法律が終わることにより中小企業への影響はほとんどないというふうな発言をしておられます。
 ほかの金融機関の担当役員等に対しましても、直接、円滑化法終了に伴う対応を確認しておりますが、同様な見解、考え方でございます。そのような対応をお願いをしているところでございます。
 また相談でございますが、中小企業再生支援協議会の相談窓口がございます。そこに昨年4月から2月までに約500件の相談が持ち込まれております。県におきましても相談体制ありますので、この再生支援協議会と連携いたしまして相談を強化してまいりたいというふうに考えております。
 もう一つ、国の最低賃金引き上げ支援制度がございますが、その利用実績と800円以上に賃上げした事業所数、労働者数をお尋ねでございます。
 この制度は、中小企業がその会社の最も低い賃金を4年間で800円以上にするという計画を上げて申請をいたします。単年度で1年間で40円以上賃金を引き上げた場合には、その業務改善に要した費用、例えば賃金制度を見直すために社会保険労務士のコンサルを受けた場合にその費用、あるいは能率向上を図るような設備を入れた場合、その導入経費の2分の1を、上限100万円を補助するという制度でございまして、昨年度からスタートいたしております。
 国が実施しておりますので福井労働局からお聞きしたところ、本年2月末までに35の事業所から申請、計画が上がっているということでございます。そのうち800円以上に賃上げをした事業所は7事業所、労働者の数としましては22人であったというふうにお聞きしております。

◯議長(吉田伊三郎君) 農林水産部長齊藤君。
    〔農林水産部長齊藤清一君登壇〕

◯農林水産部長(齊藤清一君) 私のほうからは、国営かんがい排水事業の事業費及び農業生産に与える費用と効果について伺うとともに、仮にTPPに参加した場合にこの事業の効果はどの程度影響を受けるかという御質問でございます。
 国営かんがい排水事業九頭竜川下流地区は、老朽化した農業水利施設をパイプライン化することによりまして、農業用水の安定供給、それから水管理の省力化を通しまして農産物の品質向上、あるいは営農コストの軽減を目的にしまして、総事業費1,133億円で進めているところでございます。
 TPPにつきましては、聖域が、例えば米が聖域になるかどうかも含めましてまだ不確定な要素がありますので、本地区に与える影響について推測することは困難でございます。しかし、いずれにいたしましても本県の農地面積の約3割を占める九頭竜川下流地域というのは、国営事業の効果による優位性を最大限生かした力強い農業が展開できる地域であると考えております。
 具体的にいいますと、水稲につきましては、冷たくきれいな水による福井米の品質向上ができます。また水管理の省力化によるコスト低減が図れます。また園芸につきましても、自然圧のパイプラインを利用しまして散水かんがい導入によりまして水田園芸の拡大が図れるなど、整備が行き届いた生産基盤を生かした農業振興を進めていきたいと考えています。

◯議長(吉田伊三郎君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) 知事に再質問しますけれども、今、農水部長から答弁ありましたように、このパイプライン事業一つとってみても莫大な税金、また県のつくっていく枝管といいますか、そういうものも含めれば大きな事業費なわけですね。ですから議論になっているように、旧林業公社のそういう問題があるわけですけれども、稲作で同じような問題をつくり出してはならないというように思うわけです。当たり前ですが。
 ですから知事としても明確に、やはり今のTPPの進め方、米が聖域になるかどうかとか、米だけ守ればいいというものでもないわけですから、やはりここはきちんと政府に対して物を言うという姿勢が必要ではないかと。TPP参加交渉はだめだと。今の時点でこれだけ大きな反対もある、関係団体反対している、それから実際に農業が守れなくなるというおそれが強いわけですから、そこは明確に御答弁をいただきたいというのが1点。
 それから、これは総務部長がお答えになったのですが、知事にもぜひ御答弁願いたいのは、旧林業公社の問題で、よくサラリーマンの世界では上司と雲は流れていくからという言葉があるそうですけれども、知事は数十年とか二十数年にわたって福井県政に責任を持っておられるわけですね。その間にこの問題がずっと続いてきているわけですよ。ですから、やはり御自分の政治責任から含めて一体どう思っているのかということを明確に知事の口から御答弁をいただきたいということ。この2点は、知事に御答弁をいただきたいと思います。
 それから総務部長にお尋ねしたいのは、この旧林業公社の問題で、三セク債を使わなかった理由というのは単年度当たりの財政負担がふえるからというような御答弁でした。しかし、ほかの県では、この三セク債を活用して全体の県の財政負担を圧縮するというやり方をとっている県もあるわけですね。ですから全体を圧縮するほうが得なのか、単年度負担を減らすほうがいいのかという判断はどこでされたのですか。そういうのは議会に何も相談ないじゃないですか。

◯議長(吉田伊三郎君) 総務部長森阪君。

◯総務部長(森阪輝次君) 三セク債の御質問でございますが、全体が、三セク債を使うことによって全体の債務が圧縮されるわけではございません。それは変わりません。あとは単年度の財政運営で単年度当たりの負担がふえることがほかのいろんな大型プロジェクト、あるいはいろんな全体の収支バランスから見て三セク債よりも今の任意の整理のほうを選ぶ。そのほうが処理のスピードも速くできる。そういう総合的観点に立っての判断をさせていただいたわけでございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) まず九頭竜川かん排事業と林業公社については、事業の進め方、そしてその財源、どんなふうに調達しているか、全く制度は違いますから、それを同一に論ずるわけにはいきません。いずれにしても農業や林業について、この問題を的確にこれから進めていくことは重要だと思います。
 それから林業公社の問題につきましては、これは国有林野の改善とほぼ全国ベースで共通にあったのでありますが、何しろ国の事業については国においてしっかり財源調達をして再建ができたわけですが、地方の多くのというか、全ての林業公社の事業は全くそれがなされていない。そして事業は国策によってなされ、かつ貿易上の問題については十分な林業の保護ができていないというそういう状況での事業でありますから、我々としては今の段階でこの問題に方向性を与えて次の林業振興につなげていく。こういうことが我々福井県として、また私自身としても進めていく方向であると、このように認識して今回御提案をいたしているところでございます。

◯議長(吉田伊三郎君) 佐藤君。

◯7番(佐藤正雄君) もう1点、総務部長にお尋ねしますが、しかし実際に三セク債で処理しようとしている県の議会の議事録を見ますと、こう答弁しているんですね。第三セク債を活用することで県の将来的な負担は大幅に軽減されると見込んでいるからこのやり方を提案したと。この県では大幅に負担が軽減されている。──福井県は何で軽減されないのですか。

◯議長(吉田伊三郎君) 知事西川君。

◯知事(西川一誠君) 今回のこの問題については、全国の状況を見ますと、福井県は県議会の御理解を得て県による貸付金のウエートが高いのです。ということは、つまり公庫債の負担を、そういう御理解を得て小さくしているわけです。他の公社については公庫のお金が非常に割合が高いものだから、これにいかに対応するかということで大変悩んでおられて、短期で、余り有利ではないけれども、これをいかに借りかえるかというやり方をとっているわけです。福井県はそうではありませんので、これは幸いというような言い方はともかく、貸付金によって多くの利子をカバーしましたので今回こうした対応が可能であると。このように理解していただきたいと思います。