monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

いさらゐ(いさら井)

2023年06月27日 | 日本古典文学-坤儀

ゆくとなき-こゑさへすすし-やまかけの-いはのとたえの-いさらゐのみつ
(春夢草~日文研HPより)

納涼
むすふまの手にまく水の玉ゆらも消えて夏なき山のいさら井
(草根集~日文研HPより)

 (水辺納涼)
  右 参議右近中将義澄
むすぶ手にはやくの夏ぞ忘らるる来(こ)ん秋風にいさら井(ゐ)の水
(文亀三年三十六番歌合~「新編日本古典文学全集49」小学館)

いさらゐははやくのこともわすれじをもとのあるじやおもがはりせる
(源氏物語・松風~国文学研究資料館HPより)

なき人のかげだにみえずつれなくてこゝろをやれるいさらゐの水
(源氏物語・藤裏葉~国文学研究資料館HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

岩井

2023年06月26日 | 日本古典文学-坤儀

河原院にてよみ侍りける 大江嘉言
里人のくむだに今はなかるべし岩井の清水水草ゐにけり
(後拾遺和歌集~バージニア大学HPより)

なにとなくくむたひにすむ心かないは井の水にかけうつしつつ
(山家集~日文研HPより)

落花の歌あまたよみけるに
山おろしのこのもとうつむ春の雪はいはゐにうくもこほりとそみる
(山家集~日文研HPより)

河原院のいつみのもとにすすみ侍りて 恵慶 
松影のいはゐの水をむすひあけて夏なきとしと思ひけるかな
(拾遺集~日文研HPより)

せきとむる-いはゐのしみつ-そこきよみ-なつのよそなる-まつのしたかけ
(新葉集~日文研HPより)

したくくる-いはゐのみつの-すむやとや-なつをはほかの-ものときくらむ
(俊成祇園百首~日文研HPより)

納涼
日数さへつもる岩井にすむ水の底の心もしらぬ夏かな
(草根集~日文研HPより)

てにむすふ-いはゐのしみつ-そこみえて-かけもにこらぬ-なつのよのつき
(続古今集_実氏~日文研HPより)

なつのつき-いはゐのみつに-かけすみて-あきおもほゆる-まつのしたかせ
まつかけの-いはゐのみつに-あきかけて-すすしくやとる-よはのつきかな
(建仁元年十首和歌~日文研HPより)

秋ちかくむすふ岩井の水の音も涼しさまさる夏の夕暮
(詩歌合~日文研HPより)

あききぬと-いはゐのみつは-いはねとも-むすふてにてそ-まつしられぬる
(為忠家初度百首~日文研HPより)

むすひあくる-いはゐにやとる-つきかけは-こころもうつる-かかみなりけり
(三井寺山家歌合~日文研HPより)

年暮れて岩井の水もこほりとぢ見し人影のあせもゆくかな
(源氏物語・賢木~バージニア大学HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

石井

2023年06月25日 | 日本古典文学-坤儀

馬酔木なす栄えし君が掘りし井の石井の水は飲めど飽かぬかも
(あしびなす,さかえしきみが,ほりしゐの,いしゐのみづは,のめどあかぬかも)
(万葉集~バージニア大学HPより)

しかの山こえにて、いしゐのもとにてものいひける人のわかれけるをりによめる 貫之
むすふてのしつくににこる山の井のあかても人にわかれぬるかな
(古今集~日文研HP)

山寺なる石井によりて、手にむすびつつ飲みて、「この水のあかずおぼゆるかな」といふ人のあるに、
 奥山の石間の水をむすびあげてあかぬものとは今のみや知る
といひたれば、水のむ人、
 山の井のしづくににごる水よりもこはなほあかぬ心地こそすれ
(更級日記~新編日本古典文学全集26)

わくかこと-めにはみゆれと-わかやとの-いしゐのしみつ-ぬれまさりけり
(古今和歌六帖~日文研HP)

別れにし石井の水のますかかみあかぬかけさへなとにこるらむ
(光明峰寺摂政家歌合~日文研HP)

むすふての-あかぬしつくも-かけみえて-いしゐのみつに-とふほたるかな
(新後拾遺集~日文研HP)

たまほこや-いしゐのしみつ-てにむすひ-かくてもなつは-すきぬへきかな
(俊成五社百首~日文研HP)

石井筒

あふことは-かたやまかけの-いしゐつつ-むすふこころは-いつかとくへき
(右兵衛督家歌合~日文研HP)

 泉をよめる
いしゐつゝ隙もる水にたはふれてつてにも夏を聞わたる哉
(散木奇歌集~群書類従15)

いしゐつつ-むすふしつくの-ささなみに-うつるともなき-ゆふつくよかな
(鴨長明集~日文研HP)

井氷
夜はにたか汲みししつくそ石ゐつつあまるたるひと今朝はなるらん
(草根集~日文研HP)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

板井(いたゐ)

2023年06月24日 | 日本古典文学-坤儀

神あそひのうた:とりもののうた
わかかとのいたゐのし水さととほみ人しくまねはみくさおひにけり
(古今集~日文研HPより)

サト人ノクムダニ今ハナカルベシイタ井ノシミヅミクサヰニケリ
(今昔物語・二四・四六~岩波・新日本古典文学大系)

山家水
山かけに里遠からぬ谷河やいた井の水の行へなるらん
(宝治百首_基家~日文研HPより)

わかこひは-いたゐのしみつ-みさひゐて-こころをくみて-しるひとそなき
(為忠家後度百首_親隆~日文研HPより)

みくさゐる-いたゐのしみつ-いたつらに-いはぬをくみて-しるひとはなし
(新後撰集_澄覚法親王~日文研HPより)

 恋下女といふことをよめる 藤原懐網
なれかくむいたゐの水の雫にもおとらぬものをこふる涙は
(月詣和歌集~続群書14上)

わかやとの-いたゐのみつや-ぬるむらむ-そこのかはつそ-こゑすたくなる
(好忠集/曾丹集~日文研HPより)

兵部卿の宮より、
 ぬるみゆく板井の清水手に汲みてなほこそ頼め底は知らねど
(宇津保物語・祭の使~小学館・新編日本古典文学全集・うつほ物語①)

さととほみ-ひとこそくまね-わかかとの-いたゐのしみつ-なつはきにけり
(壬二集~日文研HPより)

さみたれの-ふるのいたゐも-みくさおひて-くむひとかけの-みえすもあるかな
(文保百首_実泰~日文研HPより)

てるつきの-うつれるかけや-にこるとて-いたゐのしみつ-むすはてそみる
(文治二年歌合~日文研HPより)

文永二年八月十五夜歌合に、停午月 從二位行家
今こそは板井の水の底までも殘るくまなく月はすみけれ
(続拾遺和歌集~バージニア大学HPより)

いとなまめける女性。庭の板井を結び上げ花水とし。是なる塚に回向の氣色見え給ふは。いかなる人にてましますぞ。
(謡曲・井筒~バージニア大学HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

遠山田(とほやまだ)

2023年05月03日 | 日本古典文学-坤儀

遠山田(とほやまだ)

とほやまた-かすみたなひき-はやとほに-いもかめみすて-わかこふるかも
(夫木和歌抄_人麿~日文研HPより)

題しらす 躬恒 
とを山田/もるや人めの/しけけれは/ほにこそいてね/忘れやはする 
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

遠山田おりたつ田子のいとまなみとるや早苗にけふも暮れつつ
(宝治百首_基良~日文研HPより)

遠山田むらむらほさき出てにけりいまやみもりのいほりさすらん
(宝治百首_真観~日文研HPより)

わかせなは-つまこひすらし-とほやまた-まもるにつけて-ひかすへぬれは
(好忠集/曾丹集~日文研HPより)

とほやまた-いなはのかせは-ほのかにて-いほもるひたの-さよふかきこゑ
(明日香井集_雅経~日文研HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

深山田(みやまだ)

2023年05月02日 | 日本古典文学-坤儀

深山田(みやまだ)

みやまたに-かすみたなひき-はるめきぬ-いかにみやこの-のとけからまし
(新撰和歌六帖_光俊~日文研HPより)

今はとて早苗とるらしみ山田にせきいるる水の末そにこれる
(宝治百首_頼氏~日文研HPより)

みやまたの-おくてのいねを-かりほして-まもるかりほに-いくよへぬらむ
(躬恒集~日文研HPより)

むらさめにとまふきそへよみ山田のかりほの床は露もこそもれ
(宝治百首_行家~日文研HPより)

めくり行く日数もしらぬみ山田の庵とふ物はあきのむらさめ
(宝治百首_隆親~日文研HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

十代田(そしろだ)

2023年04月17日 | 日本古典文学-坤儀

 のこりたは-そしろにすきし-あすはたた-ゆひもやとはて-さなへとりてむ
(堀河百首_隆源~日文研HPより)

 にひはりの-そしろのかとた-うゑしより-あきはねやこそ-さためさりけれ
(堀河百首_公実~日文研HPより)

そしろたの-わさとかりての-ひつちいね-ほのさらさらに-あきとみゆらむ(イ-ひつちいねの-いさらいさらに-あきとみゆらむ)
(永久百首_仲実~日文研HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

五百代小田(いほしろをだ)

2023年04月16日 | 日本古典文学-坤儀

たにみつを-せくみなくちに-いくしたて-いほしろをたに-たねまきてけり
(堀河百首_仲実~日文研HPより)

とききぬと-なはしろみつや-まかすらむ-いほしろをたに-かはつなくなり
(千五百番歌合~日文研HPより)

ほにいてむ-あきをけふより-かそへつつ-いほしろをたに-さなへとるなり
(正治初度百首_隆房~日文研HPより)

そともなる-いほしろをたに-ひたはへよ-きりかくれくる-しかもこそあれ
(正治初度百首_経家~日文研HPより)

こととはむ-いほしろをたの-みたやもり-さてそのいねは-いかはかりそも
(久安百首_季通~日文研HPより)

大伴坂上郎女竹田庄作歌二首
しかとあらぬ五百代小田を刈り乱り田廬に居れば都し思ほゆ
(万葉集~バージニア大学HPより)

秋の田の五百代田より家ゐしてちつかやをしね積んとすらむ
(文治六年女御入内御屏風和歌~群書類従11)

もりすてし-いほしろをたを-きてみれは-あさかせさえて-しもむすふなり
(延文百首_為明~日文研HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

御戸代・御田代

2023年04月15日 | 日本古典文学-坤儀

御戸代・神田(みとしろ)、御戸代小田(みとしろをだ)

たのもしな-みたらしかはを-せきかけて-みしめはへたる-みとしろのうね
(俊成五社百首~日文研HPより)

みあれひく卯月に成りぬむへしこそ神の御戸代早苗とりけれ
(百首歌合_建長八年九月十三日~日文研HPより)

みあれひく-かものみとしろ-ひきうゑて-いまはとしのみ-いのるはかりそ(イいまはたとしの-かみをいのらむ)
(好忠集/曾丹集~日文研HPより)

題しらす 賀茂益久
神まつる/みとしろを田に/引しめの/ゆふかくるまて/とる早苗哉
(新続古今和歌集~国文学研究資料館HP)

けふときく-かみのみとしろ-とるなへに-をりはへいそく-をたのやをとめ
(夫木和歌抄_為家~日文研HPより)

宝治百首歌奉りける時、早苗 祝部成茂
五月きぬ/みとしろ小田に/しめはへて/神の宮人/早苗とらなん
(続千載和歌集~国文学研究資料館HP)

すみよしの-みとしろをたに-しめはへて-かみのをとめこ-さなへとるなり
(草庵集_頓阿~日文研HPより)

ちはやふる-かみのみまへの-みとしろに-みなつきかけて-さなへとるなり
(新撰和歌六帖_信実~日文研HPより)

御田代(みたしろ)

みたしろやおりたつ田子のゆふたすき夕くれかけてさなへとるなり
(院四十五番歌合_建保三年六月二日~日文研HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

荒田・荒小田

2023年04月14日 | 日本古典文学-坤儀

荒田(あらた・あれた)

みくさゐる-あらたのこほり-うちとけて-つのくむあしそ-みしかかりける
(夫木和歌抄~日文研HPより)

きみかため-をののあれたを-ふみわけて-ゑくつむそてや-かつこほるらむ
(後鳥羽院御集~日文研HPより)

けふこそは-あれたのさはに-ねせりつめ-なはしろみつを-まかせかてらに
(堀河百首_師時~日文研HPより)

うつらふす-あらたのをたを-うちかへし-ゆきけのみつを-まかせつるかな
(万代集~日文研HPより)

土かたき春のあら田の一かへしくるしきしつか初とそ見る
(草根集~日文研HPより)

ますけおふる荒田に水をまかすれはうれしかほにも鳴く蛙かな
(西行法師家集~日文研HPより)

おしなへて-うゑぬあらたも-なかりけり-あめのうるひの-みよのさなへは
(夫木和歌抄_為家~日文研HPより)

このめはる-はるのあらたを-うちかへし-おもひやみにし-ひとそこひしき
(古今和歌六帖~日文研HPより)

あしのねの-おふるあらたを-うちかへし-したにておもふ-こころあるらし
(信明集~日文研HPより)

ちきらすよ-あれたのさはに-かりこもの-おもひみたれて-そてぬらせとは
(為尹千首_雅縁~日文研HPより)

田中うちすぎ民宅うちすぎて遙々とゆけば、農夫ならび立ちて荒田を打つ聲、行雁の鳴きわたるが如し。
(海道記~バージニア大学HPより)

荒小田(あらをだ)

こほりたに-またうちとけぬ-あらをたを-あらすきかへす-はるはきにけり
(慶運法師集~日文研HPより)

あらをたを-かへすいまより-ひとしれす-おもひほにいてむ-ことをこそおもへ
(貫之集~日文研HPより)

あら小田も降春雨に水こめてよもきかくれにかはつ鳴なり
(祈雨百首~「群書類従11」)

やまかけや-つくりすてたる-あらをたの-こそのふるあとに-しけるはるくさ
(新撰和歌六帖_家良~日文研HPより)

つくりやらぬ-なつのあらをた-はらひかね-よもきなからや-いまかへすらむ
(夫木和歌抄_為相~日文研HPより)

あらをたを-かへすとみてし-ほともなく-とるやさなへは-うゑみててけり
(延文百首_公蔭女~日文研HPより)

あきをたに-いつかとおもひし-あらをたは-かりほすほとに-なりそしにける
(玉葉集_順徳院~日文研HPより)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする