monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「苔衣」用例

2019年11月18日 | 日本国語大辞典-か行

 「苔衣(こけごろも)」という語には、「①粗末な衣。僧等の衣。」と「②苔。」という語釈がありますが、いずれも日本国語大辞典用例よりもさかのぼる用例があります。

①粗末な衣。僧等の衣。

浜風にわが苔衣ほころびて身に降りつもる夜半の雪かな
(金葉和歌集、第四冬、288~「和歌文学大系34 金葉和歌集・詞花和歌集」)

②苔。

 浪洗石苔
波あらふ磯邊の石の苔衣ほす間もみえぬ興津鹽風
(巻第三百九十・為家卿藤川題百首、雑)
続群書類従・第十四輯下(訂正三版)823ページ

 浪洗石苔
苔ころもわかなきぬらすたくひとや岩こす浪のまなく歸らん
(巻第三百九十八・安嘉門院四条百首、雑)938ページ
続群書類従・第十四輯下(訂正三版)

00590 いはしみつ-あたりのいはの-こけころも-けかるるちりを-いかてすすかむ
(為家五社百首~日文研の和歌データベースより)

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「枯葦(かれあし)」用例

2019年02月21日 | 日本国語大辞典-か行

 日本国語大辞典では、「枯葦・枯蘆(かれあし)」の用例として1430年頃の謡曲の用例を早い例として挙げていますが、さかのぼる用例があります。

鹽風にしほれにけりなかれ蘆のおきふし春を待とせしまに
(巻第百六十七・堀川院御時百首和歌、冬、寒蘆)
『群書類従11』1993年、165ページ

みつしほの-いりえにたてる-かれあしの-すゑはもなみに-しをれはてぬれ
(沙玉集・00595)~日文研HPより

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「くんづほぐれつ」用例

2018年04月09日 | 日本国語大辞典-か行

 「組んづほぐれつ」という用語の用例は日本国語大辞典・第二版では、仮名垣魯文『西洋道中膝栗毛』(1870-76年)からの例を早い例として挙げていますが、100年以上さかのぼる用例があります。

ねこの子のくんづほぐれつ胡蝶哉
(炭俵、上巻、春之部発句、其角)
『芭蕉七部集』中村俊定校注、岩波書店(ワイド版岩波文庫)、1991年、257ページ

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「枯草(かるも)」用例

2017年11月05日 | 日本国語大辞典-か行

 「枯草(かるも)」という語は日本国語大辞典では「夫木抄」(1310年頃)の例を早い用例として挙げていますが、もっとさかのぼる用例が複数あります。

雪降れば何にか身をばかくすべきかるもがしたのゐどころもなし
(117・頼政集、300)
『新編国歌大観3』角川書店、1985年、521ページ

 師の宮亡(う)せ給ひての頃
かるもかき臥(ふ)す猪(ゐ)の床(とこ)の寝(い)を安(やす)みさこそ寝(ね)ざらめかからずもがな
『和泉式部集 和泉式部続集(岩波文庫)』岩波書店、1983年、48ページ

かるもかき臥(ふ)す猪(ゐ)の床(とこ)のいを安(やす)みさこそ寝(ね)ざらめかゝらずもがな
(恋四、821)
『後拾遺和歌集(新日本古典文学大系8)』岩波書店、1994年、263ページ

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「かるもかく〔枕詞〕」用例

2017年10月29日 | 日本国語大辞典-か行

 「かるもかく(枯草掻)」という枕詞の早い用例として日本国語大辞典は1244年頃の和歌を載せていますが、さかのぼる用例が複数あります。

かるもかくゐなののはらの秋風にこやのいけみづささらなみたつ
(146・関白内大臣歌合 保安二年、野風、19、雅光)
『新編国歌大観5』角川書店、1987年、165ページ

かるもかくゐまちの月もまちいでついまはいやすくねもやしなまし
(29・為忠家後度百首、秋月廿首・居待月・337)
『新編国歌大鑑4』角川書店、1986年、276ページ

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