monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「仮の契り」用例

2016年12月04日 | 日本国語大辞典-か行

 「仮の契り」という用語の早い用例として、日本国語大辞典は14C後の例をあげていますが、100年以上さかのぼる用例があります。

ふみ分くるしののは草のしののめにかりの契のわかれをぞしる
(35・宝治百首、寄草恋、隆祐、2867)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2 定数歌編 歌集』角川書店、1986年、426ページ

おくしもの-したにくちそふ-ふゆくさの-かりのちきりも-いつたえにけむ
(道助法親王家五十首・924)~日文研HPの和歌データベースより


「風交(かぜまぜ)」用例

2016年04月01日 | 日本国語大辞典-か行

 「風交(かぜまぜ)」という単語の早い用例として日本国語大辞典・第二版では新古今和歌集(1205年)をあげていますが、もっとさかのぼる用例があります。

落花
吹ちらす梢のはなを天の原風ませにふる雪かとそみる
(巻第二百四十六・従三位頼政卿集、春)
『群書類従・第十四輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、529ページ

 風ませに雪はふるともみになさす我家の梅を花にちらすな
(巻第二百三十四・家持集、早春部)
『群書類従・第十四輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、161ページ


「門の松」用例

2015年12月29日 | 日本国語大辞典-か行

 「門(かど)の松」という用語の古い用例として、日本国語大辞典では「世諺問答」(1544年)をあげていますが、100年以上さかのぼる用例があります。

 山家歳暮
山里のとしのくれこそあはれなれ人のたてたる門の松かは
(宗良親王千首・597)
『新編国歌大観 10巻』角川書店、平成4年、55ページ


「消えやらず」用例

2015年12月26日 | 日本国語大辞典-か行

 「消えやらず」という用語の用例は、日本国語大辞典では1205年の『新古今和歌集』からの例をあげていますが、200年以上さかのぼる用例があります。

消えやらず雪は暫しも止らなむ憂き事繁し我に代りて
(古今和歌六帖、第一、雪)
『校註国歌大系 第九巻』国民図書、1929年、287ページ

立ちかへり君やとひくと待つほとにまたきえやらすのへのあは雪
(山家集・1067)~日文研の和歌データベースより