monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

深田(ふかだ)

2024年04月07日 | 日本古典文学-坤儀

こくさつむ-ふかたのあせの-さはみつに-わかなすすくと-そてぬらしつつ
(夫木和歌抄_為家~日文研HPより)

をやまたの-ふかたのかはつ-なにゆゑに-こひちにぬれて-なくならなくに
(古今和歌六帖~日文研HPより)

こなきつむ-ふかたのしろは-かきてけり-いそきてうゑよ-むろのはやわせ
(堀河百首_仲実~日文研HPより)

さなへとる-ふかたにわたす-いたふねの-おりたつことの-さもかたきかな
(堀河百首_匡房~日文研HPより)

正月廿一日、入相(いりあひ)ばかりの事なるに、うす氷はッたりけり、ふか田ありとも知らずして、馬をざッとうち入れたれば、馬の頭(かしら)も見えざりけり。
(平家物語・9~小学館「新編日本古典文学全集46」)

(略)国衡義盛の二箭に怖れ、重忠の大軍に驚き、道路を閣(さしお)き、深田に打入るの間、数度の鞭を加ふと雖も、馬敢て陸に上る能はず(略)
(吾妻鏡・文治五年八月十日条~龍肅訳注「吾妻鏡2」岩波文庫)

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沼田(ぬた・ぬまた)

2024年04月04日 | 日本古典文学-坤儀

 左京大夫経忠の八條の家にてかはつをよめる
おくろさきぬたのねぬなはふみしたきひもゆふましに蛙鳴也
(散木奇歌集~「群書類従15」)

さみだれて沼田のあぜにせしかきは水もせかれぬしがらみの柴
(聞書集~「新訂 山家集」(岩波文庫))

かるもかく-ぬたのこひちに-たつたこは-さなへよりこそ-そほつなりけれ
(俊成五社百首_俊成~日文研HPより)

わか恋は深き沼田の心ちしてこゝともえこそ思ひかへさね
(正治二年院御百首_藤原経家~「続群書類従14下」)

 殿下にて恋の歌よませ給けるにつかうまつれる
君こふとゐの刈藻よりね覚して編けるぬたにやつれてそみる
(散木奇歌集~「群書類従15」)

こひをして-ふすゐのとこは-まとろまて-ぬたうちすます-よはのねさめに
(久安百首(久安六年御百首)_郁芳門院安芸~日文研HPより)

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沢田(さはだ)、深沢田(ふかさはだ)

2024年04月03日 | 日本古典文学-坤儀

ねせりつむ-はるのさはたに-おりたちて-ころものすその-ぬれぬひそなき
(好忠集(曾丹集)~日文研HPより)

百首歌よませ給うける中に、沢若菜 伏見院御製
春あさき雪けの水に袖ぬれて沢田のわかなけふそ摘つる 
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

はるさめの-ふりみふらすみ-そてぬれて-さはたのあせに-こなきつむなり
(新撰和歌六帖_光俊~日文研HPより)

みつまさる-さはたにしける-ふかせりの-ねもみぬひとを-かくこひめやは
(新撰和歌六帖_家良~日文研HPより)

誰かためか春のさはたのうす氷われてもけふのわかなつむらん
(百首歌合_建長八年九月十三日~日文研HPより)

ふしみつや-さはたのさなへ-とるたこは-そてもひたすら-みしふつくらむ
(夫木和歌抄_俊成~日文研HPより)

あめはるる-さはたのさなへ-みつふかき-みきははかりに-けふやとるらむ
(草庵集_頓阿~日文研HPより)

早苗
しつのをか沢田さし行く板舟をおりたたすしてとる早苗かな
(草根集~日文研HPより)

 五月五日、粽(ちまき)を人のもとにやるとて
深沢田(ふかさはだ)みぎはがくれの真菰草昨日あやめに引かされにけり
(和泉式部集~岩波文庫)

かけうつす-さはたのみつの-かきつはた-そこのこころは-へたてさりけり
(為家五社百首~日文研HPより)

さひしさを-とふひともかな-しきのたつ-さはたのいほの-あきのゆふくれ
(弘長百首_行家~日文研HPより)

田上鴫
あくるまてかくや百羽をやすめつつくるる沢田に鴫のふすらん
(草根集~日文研HPより)

濡れつゝも鶉なくなる深草や。/\。誰を忍ぶの浅茅原実に住み捨てし故郷の。野となりてしも露繁き。草のはつかに暮れ残る。伏見の沢田水白く薄霧迷ふ夕かな。薄霧迷ふ夕かな。
(謡曲「花軍」~半魚文庫「謡曲三百五十番」より)

あさひかけ-うきよのやみに-いてそめて-(略)-やまのさつをの-しらまゆみ-すゑのみのりに-うまれきて-さはたのうきに-せくみつの-ふかきにこりに-おほほるる-(略)
(続草庵集_頓阿~日文研HPより)

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港入江(みなといりえ)

2023年07月19日 | 日本古典文学-坤儀

ひとしれぬ-こひのくるしさ-もかりふね-みなといりえに-たつそなくなる
(古今和歌六帖~日文研HPより)

寄湊恋 
いさやさはみなと入江の波のとに我か思ふかたのみるめもとめむ
(宝治百首_顕氏~日文研HPより)

そてのうらの-みなといりえの-みをつくし-くちすはなほや-うきなたちなむ
(新後撰集_祝部成茂~日文研HPより)

かせのおとも-みなといりえの-さはりおほみ-あしわけをふね-なみやかくらむ
(明日香井集_雅経~日文研HPより)
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 (江中菖蒲)  (兵庫頭源仲正)
人しれすみなと入江のあやめ草みちひるしほやけふは曳らむ
(丹後守為忠朝臣家百首~群書類従11)

おもはすに-ときのとりこそ-きなくなれ-よをうみはつる-みなといりえに
(為忠家後度百首_仲正~日文研HPより)

なにはかた-ゆふなみちとり-こゑたてて-みなといりえに-うらかせそふく
(嘉元百首_冬平~日文研HPより)

風さゆる湊入えのみかくれにうきて波よるあちのむら鳥
(宗尊親王百五十番歌合~日文研HPより)

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港江・湊江(みなとえ)

2023年07月18日 | 日本古典文学-坤儀

湊江やあしまの小舟こきこきてかすめる方にまたさかりつつ
(詩歌合_正和三年~日文研HPより)

ゆふたちの-またすきやらぬ-みなとえの-あしのはそよく-かせのすすしさ
(続古今集~日文研HPより)

ゆふやみに-そこともみえぬ-みなとえの-あしまあらはに-とふほたるかな
(文保百首_俊光~日文研HPより)

みなとえや-ゆふしほふかく-なるままに-つきにそうかふ-うらのまつはら
(李花集_宗良親王~日文研HPより)

みなとえの-たななしをふね-あくかれて-つきのよすから-こきもかへらす
(続草庵集_頓阿~日文研HPより)

つきかけの-よるさすほかは-みなとえに-ゆくかたもなき-あまのすてふね
(新千載集_為世~日文研HPより)

かれのこる-あしのすゑはに-なみこえて-みなとえさむく-うらかせそふく
(文保百首_実任~日文研HPより)

江寒芦 読人しらす 
湊江の/氷にたてる/あしの葉に/夕霜さやき/浦風そふく 
(風雅和歌集~国文学研究資料館HPより)

みなとえや-あしのかれはに-かせさえて-しもよのつきに-ちとりなくなり
(新拾遺集~日文研HPより)

うらかせに-みなとえこほる-よもすから-なくやちとりの-こゑやさむけき
(嘉元百首_俊光~日文研HPより)

ふゆさむみ-ゆきそふりつむ-みなとえに-くちてのこれる-あまのすてふね
(続草庵集_頓阿~日文研HPより)

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みなとえに-かしふりたつる-とまりふね-なかるるまてに-しほはみちきぬ
(新撰和歌六帖_家良~日文研HPより)

ゆふしほの-さすにまかせて-みなとえの-あしまにうかふ-あまのすてふね
(玉葉集~日文研HPより)

あしのはに-よるのあめきく-みなとえの-なみのまくらを-いかてあかさむ
(草庵集_頓阿~日文研HPより)

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