ねせりつむ-はるのさはたに-おりたちて-ころものすその-ぬれぬひそなき
(好忠集(曾丹集)~日文研HPより)
百首歌よませ給うける中に、沢若菜 伏見院御製
春あさき雪けの水に袖ぬれて沢田のわかなけふそ摘つる
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)
はるさめの-ふりみふらすみ-そてぬれて-さはたのあせに-こなきつむなり
(新撰和歌六帖_光俊~日文研HPより)
みつまさる-さはたにしける-ふかせりの-ねもみぬひとを-かくこひめやは
(新撰和歌六帖_家良~日文研HPより)
誰かためか春のさはたのうす氷われてもけふのわかなつむらん
(百首歌合_建長八年九月十三日~日文研HPより)
ふしみつや-さはたのさなへ-とるたこは-そてもひたすら-みしふつくらむ
(夫木和歌抄_俊成~日文研HPより)
あめはるる-さはたのさなへ-みつふかき-みきははかりに-けふやとるらむ
(草庵集_頓阿~日文研HPより)
早苗
しつのをか沢田さし行く板舟をおりたたすしてとる早苗かな
(草根集~日文研HPより)
五月五日、粽(ちまき)を人のもとにやるとて
深沢田(ふかさはだ)みぎはがくれの真菰草昨日あやめに引かされにけり
(和泉式部集~岩波文庫)
かけうつす-さはたのみつの-かきつはた-そこのこころは-へたてさりけり
(為家五社百首~日文研HPより)
さひしさを-とふひともかな-しきのたつ-さはたのいほの-あきのゆふくれ
(弘長百首_行家~日文研HPより)
田上鴫
あくるまてかくや百羽をやすめつつくるる沢田に鴫のふすらん
(草根集~日文研HPより)
濡れつゝも鶉なくなる深草や。/\。誰を忍ぶの浅茅原実に住み捨てし故郷の。野となりてしも露繁き。草のはつかに暮れ残る。伏見の沢田水白く薄霧迷ふ夕かな。薄霧迷ふ夕かな。
(謡曲「花軍」~半魚文庫「謡曲三百五十番」より)
あさひかけ-うきよのやみに-いてそめて-(略)-やまのさつをの-しらまゆみ-すゑのみのりに-うまれきて-さはたのうきに-せくみつの-ふかきにこりに-おほほるる-(略)
(続草庵集_頓阿~日文研HPより)