monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

江川・江河(えがは)

2023年07月17日 | 日本古典文学-坤儀

江上鷺
さかのほる江河の水の白あわをなかして過くるさきの一行
(草根集~日文研HPより)

しほのひく-えかはのすゑの-そなれまつ-またこえてゆく-はるのふちなみ
(為尹千首~日文研HPより)

さきのゐる-えかはにおほふ-ふしやなき-いまはなみこす-さみたれのころ
(為尹千首~日文研HPより)

江雨鷺飛
あまつつみとほき江川のふし柳浪こすなれやさきそむれ行く
雨しほる江川の岸の村柳とひかふ鷺も色そ暮れゆく
(草根集~日文研HPより)

河鷺
夕ま暮江河のくひに立つ鷺のひとりならすは哀ともみし
(草根集~日文研HPより)


沼江(ぬまえ)

2023年07月16日 | 日本古典文学-坤儀

 (沼水杜若) (伊豆守藤原為業)
春ふかみ(イき)ぬま江の水にかけみえて花咲にけるかきつはたかな
(丹後守為忠朝臣家百首~群書類従11)

はるふかき-ぬまえのみつの-いはかきに-なほかきこむる-かきつはたかな
(俊成五社百首~日文研HPより)

いつかとぞまちしぬま江のあやめぐさけふこそながきためしにはひけ
(拾遺愚草~久保田淳「藤原定家全歌集 上」筑摩書房)

つくまえの-ぬまえのみつや-ふかかりし-ひとくるしめの-あやめひくなり
(夫木和歌抄~日文研HPより)

早苗 
けふも又田子のいた舟さしうけてぬま江をふかみとる早苗かな
(宝治百首_蓮性~日文研HPより)

さみたれは-もりこしみつも-いはこえて-にはもぬまえの-そことなりけり
(散木奇歌集~日文研HPより)

さみたれの-ふるからをのの-わすれみつ-みなぬまえにて-わたるせもなし
(夫木和歌抄_俊頼~日文研HPより)

あさことに-わたるぬまえの-みつとりの-あとなきこひを-われはするかな
(長能集~日文研HPより)


古江・旧江(ふるえ)

2023年07月08日 | 日本古典文学-坤儀

思放逸鷹夢見感悦作歌一首[并短歌]
大君の 遠の朝廷ぞ (略)葦鴨の すだく古江に 一昨日も 昨日もありつ (略)
(万葉集~バージニア大学HPより)

あしたつの-ふるえのうらに-あさりする-あまとやみらむ-たひゆくわれを
(夫木和歌抄_読人不知~日文研HPより)

みさひゐる-ふるえのかはつ-くさかけに-ひともすさめぬ-ねこそなかるれ
(新撰和歌六帖_為家~日文研HPより)

(たいしらす) 津守国夏
みこもりの/古江の浪に/朽はてゝ/しほたにさゝぬ/あまの捨舟
(新千載和歌集~国文学研究資料館HPより)

江柳
水草ゐる古江の柳朽ちすとももゆる緑のかけやなからん
氷とく古江の水草かたよりに糸もてはらふ青柳の風
(草根集~日文研HPより)

月照独舟
古江もる水にも月はわれ舟のたくひつれなき有明のかけ
(草根集~日文研HPより)

江葦 
なにはかた古江の蘆のしをれ葉のよをへて波の下に朽ちぬる
(宝治百首_為経~日文研HPより)

堤上霧
鷺のゐる古江の堤霧こめて柳は見えぬ雪のむら立
(草根集~日文研HPより)


濁江(にごりえ)

2023年07月05日 | 日本古典文学-坤儀

(たいしらす 読人不知)
にこり江の/すまん事こそ/かたからめ/いかてほのかに/影を見せまし(イ影を見てまし)
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)

題しらす 伊勢
すむ人の/かたかるへきに/濁り江は/恋路にかけも/みえぬなりけり
(玉葉和歌集~国文学研究資料館HPより)

にこりえに-おふるすかこも-みかくれて-わかこふらくは-しるひとそなき
(躬恒集~日文研HPより)

にこりえに-おふるたまもの-みたるとも-そこのこころは-みえしとそおもふ
(延文百首_実継~日文研HPより)

恋歌の中に 前大納言為家
にこり江の/水草かくれの/うきぬなは/くるしとたにも/知人はなし
(続拾遺和歌集~国文学研究資料館HPより)

濁り江におもふ心はふかけれと人こそしらねにほの下みち
(月卿雲客妬歌合~日文研HPより)

にこりえの-したかくをしの-ここちして-すむよもしらぬ-こひもするかな
(右衛門督家歌合~日文研HPより)

わかれては-のちそかなしき-にこりえの-そこともしらぬ-ありかとおもへは
(古今和歌六帖~日文研HPより)

にこり江にかけみぬ水や塵つもるまくらのしたのなみたなるらむ
(光明峰寺摂政家歌合~日文研HPより)

にこりえの-こひちにわれは-しつみつつ-こきすてられし-あまのすてふね
(安嘉門院四条五百首_阿仏~日文研HPより)

(たいしらす) 平時元
にこり江の/あしまにやとる/月みれは/けにすみかたき/世こそしらるれ
(新後撰和歌集~国文学研究資料館HPより)

よのなかを-なににたとへむ-にこりえの-そこにならても(イそこになからは)-やとるつきかけ
(順集~日文研HPより)

すみやらぬ-よのことわりを-おもふにも-なほにこりえの-みつからそうき
(新葉集~日文研HPより)

江葦 
うしとのみ世にすみわひぬにこりえの蘆間の波にさわく水鳥
(宝治百首_但馬~日文研HPより)

にこりえに-なほしもしつむ-あしのねの-いとふふしのみ-しけきころかな
(拾遺愚草~日文研HPより)

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かはつ
みさひゐて月もやとらぬにこりえにわれすまんとてかはつなくなり
(山家集~日文研HPより)

とふほたる-なそやうきよの-にこりえに-かけをかくさて-もえわたるらむ
(兼好法師集~日文研HPより)

みくさゐて-かけたにみえぬ-にこりえの-そこまててらす-あきのよのつき
(内裏歌合_承暦二年四月二十八日~日文研HPより)

江葦 
にこりえに今は枯れたる蘆の根のしたはふへしとおもひやはせし
(宝治百首_真観~日文研HPより)

久かたの月たにすまぬにこり江に影みゆはかりこほる冬かな
(百首歌合_建長八年九月十三日~日文研HPより)

なけくそよ-こほりにとつる-にこりえの-うちとけかたき-よにすまふとて
(為家五社百首~日文研HPより)


錆江(さびえ)

2023年07月04日 | 日本古典文学-坤儀

忠房朝臣つのかみにて、新司はるかたかまうけに屏風てうして、かのくにの名ある所所ゑにかかせて、さひ江といふ所にかけりける 忠峯 
年をへてにこりたにせぬさひえには玉も帰りて今そすむへき
(後撰集~日文研HPより)

江月
秋の霜剣やふりて朽ちぬらんさひ江の水にくもる月かけ
(草根集~日文研HPより)

しもかれの-さひえのあしへ-ゐるかもの-なくねもかなし-ありあけのそら
(宗祇法師集~日文研HPより)