monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「潮馴衣」用例

2015年05月28日 | 日本国語大辞典-さ行

 「潮馴衣(しおなれごろも)」という単語の早い用例として、日本国語大辞典・第二版は1364年の『新拾遺集』の和歌をあげていますが、もっとさかのぼる用例があります。

五月雨をうらみて渡るすまのあまの塩なれ衣まとほにぞほす(34・洞院摂政家百首、五月雨五首、中納言経通、424)354ページ
和歌の浦やしほなれ衣袖の上にひろふもせばきいけるかひかな(34・洞院摂政家百首、述懐五首、家長朝臣、1855)370ページ
(『新編国歌大観 4私家集編2、定数歌編 歌集』1986年、角川書店

すすかかは-たかなをたてて-いせのあまの-しほなれころも-ふりすててけむ
(「夫木抄」~日文研の和歌データベースより)

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「潮垂衣」用例

2015年05月28日 | 日本国語大辞典-さ行

 「潮垂衣(しおたれごろも)」という単語の用例は日本国語大辞典・第二版では、『続後撰集』(1251年)からの例が早いのですが、さらに、200年以上さかのぼる用例を含めて、複数のさかのぼる用例があります。

なれゆけばうけめよるよるすまのあまのしほたれごろもまどほなるらん
(4・古今和歌六帖、第五、しほやきごろも、3288)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、238ページ

海士のきる鹽たれ衣ほさすして明石の浦そわひしかりける
(巻第二百五十二・藤原長能集)
塙保己一編『群書類従・第十四輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、698ページ

しかのあまの汐たれ衣なるれとも恋てふ物は忘れかねつも
(巻第二百三十四巻・柿本集)
塙保己一編『群書類従・第十四輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1993年、154ページ

さみたれは-ふるともいてむ-すまのあまの-しほたれころも-われにかさなむ
(林葉集)日文研HPより

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「さ濡る」用例

2015年05月18日 | 日本国語大辞典-さ行

 「さ濡る」という単語の初例として、日本国語大辞典・第二版では、『初学和歌式』(1696年)からの例が添え得られていますが、600年近くさかのぼる用例があります。

月清みあけのの(ゝ)原の夕露にさゝめ分来(く)る衣(ころも)さぬれぬ
(雑廿首、野、仲実、1399)
『和歌文学大系15 堀河院百首和歌』明治書院、2002年、256ページ

さゝめかりのはらの露にさぬれつゝこひの衣の面影そたつ
(巻第四百二十三・後鳥羽院御集、詠五百首和歌、雑百首)
塙保己一編『続群書類従・第十五輯下(訂正三版)』続群書類従完成会、1981年、596ページ

なみのやの-うらにすむてふ-あまなれや-しほにさぬれて-ころもくちけり
(歌枕名寄・9642)日文研HPの和歌データベースより

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「静心(しづごころ)」用例

2015年03月30日 | 日本国語大辞典-さ行

 日本国語大辞典・第二版の「静心(しづごころ)」という単語の用例よりもさかのぼる用例があるので、以下に挙げます。

春の日をいまいくかとも思はねはしつ心して花をやはみる
(巻第二百六十一・躬恒集)
『群書類従・第十五輯(訂正三版)』塙保己一編、続群書類従完成会、1987年、272ページ

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「慕ひ侘ぶ」という単語

2015年03月29日 | 日本国語大辞典-さ行

 日本国語大辞典・第二版には「慕ひ侘ぶ」という単語が立項されていませんが、和歌に複数の用例があります。
 語釈としては「思い嘆く。思い嘆き、心細く思う。」という意味かと思います。恋歌に用いることが多いようです。

したひわびなくはならひの別路になにとか鳥のねをもかこたん
(15・続千載和歌集、巻第十三・恋歌三、1346/1349)
『新編国歌大観 第一巻 勅撰集 歌集』角川書店、1983年、508ページ

したひわひおもかけうかふこころこそいつもくもらぬかかみなりけれ
(延文百首・1583)日文研HPより

ひとりねにあふと見えつる面影の覚る夢路をしたひ侘つゝ
(新千載和歌集・恋歌二・1158)国文学研究資料館HPより

したひわひあまたの春を送りても花に老ぬる身こそ惜けれ
(新拾遺和歌集・雑歌上・1547)国文学研究資料館HPより

したひわひわかれもやらぬきぬきぬにとりのやこゑをかさねてそきく
(新葉集・恋三・860)日文研HPより

あはてたに年へぬる身のいつの間に今朝の別をしたひ侘らん
(新続古今集・恋歌四・1336)国文学研究資料館HPより

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