monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

「笹竹」用例

2015年12月17日 | 日本国語大辞典-さ行

 「笹竹」という単語の用例は、日本国語大辞典・第二版では、俳諧『虚栗』(1683年)からの例が早いのですが、かなりさかのぼる用例が複数あります。

海原や波まにみゆるささ竹の一葉ばかりのあまの釣舟
(34・洞院摂政家百首、雑、眺望五首、1685)
『新編国歌大観 第四巻 私家集編2、定数歌編 歌集』角川書店、1986年、368ページ

ささたけの野べのふるみちまよふとも雪ふみならしとふ人もがな
(228・院御歌合 宝治元年、野外雪、144)
『新編国歌大観 第五巻 歌合編 歌集』角川書店、1987年、611ページ

冬衣
宮人の衣にすれるさゝ竹は雪にやさやくおみのうら風
(50・正徹4・草根集、5255)
和歌史研究会編〔『私家集大成 5巻(中世3)』明治書院、1983年、683ページ

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「笹舟」用例

2015年12月09日 | 日本国語大辞典-さ行

 「笹舟」という単語には、「軽い、小さな船」という意味の語釈があり、日本国語大辞典・第2版では、『日葡辞書』(1603-04年)からの例が早いのですが、さかのぼる用例があります。
 表記は「笹」の字をあてないで、語素「ささ(細・小)」+「船・舟」のような気もします。

海辺冬 霜をへて松に汐かせさやく日の海のおもてはさゝ舟もなし
(草根集、巻十二)
早川純三郎編『丹鶴叢書 草根集下・萬代和歌集』国書刊行会、1473年、85ページ

思ひと戀(こひ)を笹舟(さゝふね)に乗せて、思ひは沈む、戀は浮く。
(「寛永十二年跳記」)
高野辰之編『日本歌謡集成 巻六 近世編』東京堂、1960年、71ページ

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「笹葺き」用例

2015年11月23日 | 日本国語大辞典-さ行

 「笹葺き」という単語の語釈は「笹の葉で屋根を葺(ふ)くこと。また、その屋根や家。」で、用例は日本国語大辞典・第二版では、『春夢草』(1515-16年)からの例が早いのですが、さらに、100年以上さかのぼる用例があります。

小山田のいほのささぶき露さむみなれていくよをもりあかすらん
(39・延文百首、藤原実夏、雑十首、田家、1896)
『新編国歌大観 4私家集編2、定数歌編 歌集』角川書店、1986年、570ページ

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「鹿鳴草」用例

2015年08月29日 | 日本国語大辞典-さ行

 「鹿鳴草」という単語は訓みは「しかなくくさ」又は「しかなくさ」で、萩の別名です。
 下記用例は訓みは不明ですが、どちらの訓みであっても日本国語大辞典・第二版用例よりもさかのぼります。

鹿鳴草 左
生(お)ひかか(ゝ)り葛(くず)の玉(たま)巻(ゝ)く夏萩(なつはぎ)を植ゑ(へ)ては秋(あき)の鹿(しか)や待(ま)たれむ
(33・〔延長五年〕秋 小一条左大臣忠平前栽合、十巻本、鹿鳴草、9)
萩谷朴『平安朝歌合大成 増補新訂 第一巻』同朋舎出版、1995年、266ページ
(※廿巻本では、歌題が「萩」となっています。)

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「袖に墨付く」用例

2015年07月07日 | 日本国語大辞典-さ行

 「袖に墨付く」という用語の日本国語大辞典・第二版の用例年よりも100年ほどさかのぼる用例があります。
 『新編国歌大観 3巻』では、同一歌が「七夕はひまなく袖につくす身をけふやあふせにすすぎすつらん」と表記されていますが、「袖に尽くす」では意味がとおらないと思います。

修理大夫顕季の六條の家にて七夕をよめる
七夕はひまなく袖につくすみをけふやあふせに薄すつらん
(巻第二百五十四・散木奇歌集、第三・秋部・七月)
『群書類従・第十五輯(訂正三版)』続群書類従完成会、1987年、17ページ

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