「山尾(やまを)」という語は、「山の峰。山の稜線。」という意味です。日本国語大辞典・第二版では、『兼好法師集』(1349年頃か)からの例が早いのですが、さらに、300年以上さかのぼる用例があります。
あしひきのやまをのきぎすなきとよむあさけのすがたみればかなしも
(4・古今和歌六帖、第二、きじ、1183)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、210ページ
「山尾(やまを)」という語は、「山の峰。山の稜線。」という意味です。日本国語大辞典・第二版では、『兼好法師集』(1349年頃か)からの例が早いのですが、さらに、300年以上さかのぼる用例があります。
あしひきのやまをのきぎすなきとよむあさけのすがたみればかなしも
(4・古今和歌六帖、第二、きじ、1183)
『新編国歌大観 第二巻 私撰集編 歌集』角川書店、1984年、210ページ
「山の司(つかさ)」という用語には「山のもっとも高いところ。山の頂。頂上。」という語釈があり、日本国語大辞典・第二版では、『杉のしづ枝』(1795年)からの例が添えられていますが、さらに、472年さかのぼる用例があります。
里ごとに霜はおくらしたかまどの山のつかさの色づくみれば
(181・歌枕名寄、第九、高円、2654)
669ページ〔『新編国歌大観 第十巻 定数歌編2、歌合編2、補遺編 歌集』、1992年、
「夕雲」という単語の日本国語大辞典・第二版の用例よりも100年ほどさかのぼる用例があります。
山風にゆふ雲なびきしぐれきぬ舟はやわたせうぢの河長(かはをさ)
(夫木和歌抄巻第十九、雲)
『校註国歌大系 第21巻』1930年、国民図書、565ページ
「夕暮方(ゆうぐれがた)」という単語の早い用例は、日本国語大辞典・第二版では11C中頃となっていますが、もっとさかのぼる用例があります。
いろいろのはなさきみだるあきのゝのゆふぐれがたぞなをまさりける
(六二・応和三年七月中旬 宰相中将伊尹君達春秋歌合、59)
萩谷朴『平安朝歌合大成 増補新訂 第一巻』同朋舎出版、1995年、476ページ
「夜(よ)すが」という単語は、「よすがら(夜―)」の変化した語で、日本国語大辞典・精選版では、1687年の咄本からの用例をあげていますが、300年以上さかのぼる用例があります。
きりぎりす啼きてよすがにあかずなりまののうら萩色変る比
(夫木抄、巻第十一、萩)
『校註国歌大系 第21巻』国民図書、1930年、299ページ
いほりさすかひのしらねの旅枕よすがに雪をはらひかねつゝ
(夫木抄、巻第三十、廬)
『校註国歌大系 第22巻』国民図書、1930年、415ページ
一首目の和歌の出典は「千五百番歌合」のようですが、日文研HPの和歌データベースで確認したところ、「きりきりす-なきてよすから-あかすなり-まののうらはき-いろかはるころ」という語形でした。
二首目の和歌も「秋篠月清集(日文研HPの和歌データベース)」では「いほりさす-かひのしらねの-たひまくら-よすからゆきを-はらひかねつつ」という語形。