monoろぐ

古典和歌をメインにブログを書いてます。歌題ごとに和歌を四季に分類。

よしながふみ「大奥」

2020年05月06日 | 読書日記

 こちらはウィルスではなく、「赤面(あかづら)疱瘡(ほうそう)」という架空の病気が大流行し、罹患するのは男、死亡率も高いので、生き残っているのは女性が多いため、将軍も女将軍となり、大奥にはべるのも男達、なので男女の立場が逆転するという、面白い設定です。
 浅野内匠頭の松の廊下の刃傷事件、生類憐れみの令、江島生島事件など。どれも、男女逆転の設定の妙が効いてますが、従来の解釈とは全く違う方向で描かれていて面白いんです。男女の役割も(子供を産むとこ以外は)逆転してるので、「そりゃ男のセリフだよ」って内容を女が言ってるんです。
 純愛を描く恋愛ストーリーもありますが、政治的かけひきのドロドロしたストーリーもあります。
 ちなみに、過去、実写映画化されましたが、そちらは見てません。
 平賀源内も女の設定。源内や青沼たちのワクチン発明の話が一番おススメ。泣ける話です。
 現在17巻まで刊行中。家茂は女性設定、和宮も女性。慶喜像がまた、新鮮ですよ。ラストをどう締めるのか、楽しみです。

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吉田秋生「YASHA-夜叉-」+「イヴの眠り」

2020年05月05日 | 読書日記

 GWは、長編マンガを大人読み。
 ウィルス関連で、吉田秋生の「YASHA」+「イヴの眠り」を再読しました。フィクションでは簡単にワクチンが完成して、ウィルス拡大を封じ込めてるのですが、現実世界で特効薬が完成するのはだいぶ日数がかかるんですね。

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大手拓次「四月の風」

2020年04月03日 | 読書日記

 四月の風

ほのぐらい丁子の葉かげをもれてくる風のやはらかさは
恋人の夜(よる)の息(いき)のやうにやさしく
わたしのほほをかるくなでてはたはむれる。
そのにほひはあまく、
そのこゑはさわやかに、
うぐひすの黄色い胸毛(むなげ)のやうになまぬるい。

(『《限定版》大手拓次全集 第一巻』(白鳳社、昭和45年)より)

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三木露風「春の夜」

2020年03月28日 | 読書日記

 春の夜

うつゝなき夢捲くごとく、
連翹の薫り、さながら――
いづこより洩れてくるか。

辿り入る彩ある巻に、
花しどろに紅や紫、
花踏みて酔へるが如し。

(「三木露風全集」より)

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堀口大學訳詞「流れ」

2019年11月20日 | 読書日記

 流れ   ギー・シャルル・クロス

流れの真中にあつて
右にも左にも動かず
百年そこにとどまる石のやうに
萬物の真中に
たつた一人でおのれは居る。

水の中に石一つ、
わななきふるへる水の中に。
おのれの有である何物をも
おのれは持たぬ、さうして
おのれは誰の有でもない。

一人であること、
永久に一人であること、
それを納得し、それを識ること、
此の求める所のない安心に
較ぶべき夢があらうか?

激せずに流れ行く水は
静かでさうして深い。―
おのれつかのまも
世の現實を信じたことがあつたか?

(「月下の一群 堀口大學訳詩集」より)

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