「青いこと」を意味する「さあお」という単語は日本国語大辞典・第二版には立項されていませんが、以下のとおり複数の用例があります。(古い順に挙げます。)
蒼青(さあを)なる月の光は その上に夜は愁へむ、
(廃園遺珠、幻想)
『三木露風全集 第3巻』三木露風全集刊行会、1974年、574ページ
浮びいづるごとくにも その泳ぎ手はさあをなり
(「游楽」)
『詩歌』第四巻第七號・大正三年七月號(1914年7月1日)白日社、42ページ
いよよさあをに
わがかなしみは
そのままに あらしめよ
わが胸に生(お)ふる草 しげらせよ
わがみは いよよきよらかに
いよよ さあをになりゆかむ
(「いよよさあをに」)
『《限定版》大手拓次全集 第三巻(詩Ⅲ)』白鳳社 1971年、246ページ
あかときの さあをなる闇(やみ)
(「梢の上の鳥の歌」)
『《限定版》大手拓次全集 第三巻(詩Ⅲ)』白鳳社 1971年、391ページ
くちびるをさあをにぬらしふえをふかうよ
(水底吹笛)
『大岡信著作集 第三巻』青土社、1977年、181ページ