暮秋聞蛬といへることをよめる 覚延法師
秋深きかへの中なるきりきりすいつまて草のねをやなくらん
(月詣和歌集~「続群書類従14上」)
秋深けぬいつまてとてかきりきりすかへに生ひたる草になくらん
(宗尊親王百五十番歌合~日文研HPより)
かべになく秋のすゑばのきりぎりすいつまで草にすまんとすらん
(千五百番歌合~「新編国歌大観5」)
ゆめはかり-おもはぬひとは-かへにおふる-いつまてくさの-いつまてかみむ
(久安百首_待賢門院堀河~日文研HPより)
(たいしらす) 皇嘉門院
何とかや/壁におふなる/草の名よ/それにもたくふ/我身成けり
(新古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
むしの鳴をきゝて 雅成親王
かへにおふる/草の中なる/きり++す/いつまて露の/身をやとすらん
(続古今和歌集~国文学研究資料館HPより)
はかなしないつまで草のいつとだに知らぬ命や残る白露
(光経集)
よしそれも 同じ世(よ)の、 命のみを さりともと、 壁生草(いつまでぐさ)の 露の間(ま)も、(略)
(謡曲「班女」~岩波・日本古典文学大系40)
越後の国府に着きしかば、越後の国府に着きしかば、人目も分(わ)かぬ我姿、壁生(いつまで)草のいつまでと、知らぬ心はあさ衣、(略)
(謡曲「柏崎」~岩波・新日本古典文学大系57)
いつまで草は、またはかなくあはれなり。「岸の額よりも、これは崩れやすからむかし。まことの石灰などには、え生ひずやあらむ」と思ふぞ、わろき。
(枕草子~新潮日本古典集成)
かくつれ++にものせさせ給へば。このしきぶきやうのみやのおほうへも。かよひておはします。ほりかはのにようごとのはたゞいつまでぐさとのみあはれにものをおぼしあかしくらさせ給。
(栄花物語~国文学研究資料館HPより)