(澗底桜)
春くれはかすみの衣かさねきて山ふところのふしきはなさく
(木工権頭為忠朝臣家百首~群書類従11)
こころして-こまははやめよ-ひをへつつ-のはらのふしき-くさかくれゆく
(万代和歌集~日文研HPより)
渓五月雨
五月雨に谷のかけはし水こえて嶺のふし木をかよふ山人
(宝治百首-有教~日文研HPより)
ゆふまくれ-すたくほたるは-たにかはの-ふしきのはしの-しるへなりけり
(夫木和歌抄~日文研HPより)
たにかはの-ふしきのはしに-せかれたる-みくつをみれは-もみちなりけり
(頼政集~日文研HPより)
たにかはの-ふしきにねふる-をしかもは-つららのとこや-さむけかるらむ
(万代和歌集~日文研HPより)
谷水
こけふかき谷のふし木をせきとめて山の雫や淵と成るらん
(草根集~日文研HPより)
淵亀
河なみのよとむふし木にすむかめの又淵に入る岸の人かけ
(草根集~日文研HPより)
池亀
ふりにける池のふし木の苔の上に日影にあたる亀そむれゐる
(草根集~日文研HPより)
(経年恋)
としをへてこひにくちぬるわがみこそみやまがくれのくちきなりける
(宰相中将国信歌合~「平安朝歌合大成3」)
杣山にたてるふし木の徒らになどひく人のなき身なるらむ 藤原教嗣朝臣
(夫木和歌抄~「校註国歌大系22」)
伏木の中より山鳩二羽飛出て、はたはたと羽打して出たりけるにこそ、(略)
(源平盛衰記・巻21「兵衛佐殿隠臥木附梶原助佐殿事」)
亦、其の国には飽田と云ふ所、狩地にて有なり。其の狩地は微妙かりけれども、本は臥木共高く、大きなる小き石多くて、馬否走らざりければ、十出来る鹿の、六つ七つは必ず逃てぞ遁ける。
(今昔物語・巻29第27話~芳賀矢一校訂「攷証今昔物語集」冨山房)
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