ほっぷ すてっぷ

精神保健福祉士、元新聞記者。福祉仕事と育児で「兼業」中。名古屋在住の転勤族。

山田洋二監督(1996)「学校Ⅱ」

2014-05-19 10:44:47 | Movie

 

山田洋二監督の映画「学校」「学校Ⅱ」を続けて観た。今の時期に観ようと思った理由は、確か、「学校Ⅲ」で職業訓練校を取り上げていることを知って、最近興味のある労働政策の中で、社会で認知されている以上に公共の職業訓練校って大事だよな、と思っていたことがあるのだが、まだそれは観ていない。

昨夜観た「学校Ⅱ」は、久しぶりに非常に引き込まれた。北海道を舞台にした養護学校で、先生たち、高校生たちを描くもの。寮に入り、力の限り暴れたり失禁したりする男の子、知的障害の度合いが小さい子の葛藤。素直に感じたことは、

・教育のひとつの意味は、高い能力の子どもを作ることではなく、それぞれの子どもの能力を最大限引き上げることなのだ
・普通の子は、日々のかかわりの中で子どもが学んだことが、日々何かの形になっていくが、障害児は日々発現するのではなく、あるとき急に大きなステップを超える、ということがあるのではないか

ということ。
もっとも印象に残ったシーンがある。最後、子ども2人が偶然に気球に乗らせてもらえることになり、必死に2人を探していた教師たちが、気球に乗っている子どもたちを見上げるシーン。子どもたちは時折、教師たちの世界よりふわっと上に居て、教師たちを見下ろしているのではないだろうか。決して上下関係ではない、子どもと教師、子どもと親の関係を象徴しているのではないだろうか。障害のない子も、きっとある程度大きくなるまで、親や教師を「見上げて」などおらず、対等な遊び相手くらいに思っているはず。それがいつの間にか、「教えてもらう」「叱られる」、見上げる人になっていくのかもしれない。それは本来不自然なことなのかもしれない、などと考えた。


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