週末土曜日の日本時間午前10時過ぎにシリア空爆の速報を見てまず浮かんだのは、トランプ大統領の独断での攻撃指令ということだった。というのも、その2時間ほど前に、ヘイリー国連大使が、シリア攻撃の決断には慎重さを要するという意味合いの話をしていたこと。さらに、ちょうど週末金曜日にコミー前FRB長官が近く回想録を出版するとかで米ABCテレビなどでインタビューを受け、トランプ大統領の女性問題に関連する話題を取り上げているのを見たことがあった。これは、何らかの形で、外(外交)に打って出るのではないかと。
まず、なぜヘイリー発言で逆に打って出ると思ったのかというと、大統領は自ら決断を下したことを広く世に示したいのではと思ったことによる。つまり、皆と相談して決めましたではなく、決めるのは自分だ!ということ。コミー回想録については、これは常套手段で世論の関心を外に向かわせることで、この話題から目を逸らせ、一定の成果を上げることで、消し去ろうとしたのだろう・・・・と。したがって、荒れるのかなぁ・・・と。
ただし、それは違った。その直ぐ後に、英仏との共同歩調を取ったと作戦であることが報じられたからだ。そうか、単独攻撃ではなかったか・・・と。ならば、話は変わる。攻撃事態が金曜日のNYの引け後という配慮(おそらく)もあり、市場に波乱はなかった。市場が警戒するのは、早い話が独断による“大統領の暴走”ということ。そうでは、なかったことが大きい。
次いで気になるのが、17-18日の日米首脳会談。この話し合いで一定の成果を上げ、国内向けにそれを誇示したいのは、首相もそうだろうが大統領の方がその意は強いのではなかろうか。とくに日本は少々強面で対応しても離れることはないだろうし・・・と。外交得点を挙げる機会に使われはしまいか。これも杞憂か。日本側は違うだろうが、先方は大統領がかなりアドリブを利かせてきそうだ。シンゾーとドナルドの関係でつつがなくとは、いかないのではなかろうか。18日あるいは19日は為替も日本株も要注意か。出たとこ勝負の日米首脳会談。
杞憂に終わればいいが。