昨日最後に取り上げた話は、それなりにインパクトのある内容だったが、メディアの取り上げ方はそうでもなかった。
さて、書き込みに産金コスト(採掘コスト)についてのものがあり、やや誤解があるようですので書いておきましょう。
まず発表されているコストは、1オンス(=31.1035グラム)あたりのドルで表示するのはいいでしょうね。一般に発表されているコストは平均値のもので、鉱山各社によって生産条件が異なるためにばらばらになります。これも、言わずもがなですね。
さて、コストを割れたら鉱山会社は生産を止めるのか、というとそうでもなく、一定の期間は創業を続けるのが一般的です。これは個別の企業体力によります。南アの鉱山など、3000メートル、4000メートルなど深いところを掘っているところは、(そうでなくとも)仮に休山や閉山になると地下水が溜まってしまい、坑道が水没し市況が上向いても再開にはかなりのコストがかかるために、なかなか生産は止めないのが一般的です。程度の問題ではありますが・・。
したがって、コスト割れまで価格が下がると、生産量が一気に減って需給が締まり・・・・という状態は直ぐには起きないのです。つまり、(これは私のセミナーでもこの話題に触れた時には確認していますが)生産コストは必ずしも盤石な下値めどにはならないのです。ただし市場内では、一定の目安として参考にはされます。今なら「下げても1200ドル程度でしょう」などというのがそれですね。
4月以降、ゴールドの持分を5倍以上に増やしているというTFレポートというのがあるらしいです。
http://www.tfmetalsreport.com/blog/5131/paging-dr-crane
さて、これはどう考えればいいのでしょう??