亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

とても素晴らしく、壊れやすい

2005年07月05日 11時37分47秒 | 国際情勢
(11:30)アハマディネジャド。この舌を噛みそうな名前がイランの新大統領に選ばれた人物だ。近い将来この名前をメディアで見かける機会が増えそうだ。貧困層を支持基盤にした、と聞くと昨日書いたインドの政権と共通するが、やや趣が異なる。政教一体のイランで宗教家ではない大統領の登場の意味するところは、宗教を前面に出し改革を進めてきた従来路線が、一般民衆の感覚とかい離し支持を失ったという要素がありそうだ。そうなるとEU域民と政府の関係のようでもある。理想と現実の狭間の問題か。題目は何でもいいから、とにかく暮らし向きを良くしてくれということ。あるいは選挙自体が仕組まれたもので、不正という見方もある。どちらの要素もアリだろう。問題は原油価格の上昇で、この国もその恩恵を得ているわけで以前に比べ資金的に余裕が出ていると見られること。一般国民を納得させるための資金投下は行なわれるが、同時に軍事的分野への出費も増える可能性がある。このあたりを米国は警戒する。中ロ首脳会談が持たれたが、両国ともに武器輸出と(特に中国は)エネルギー(原油)確保にからみイランには大いに関心ありだ。その中で米国はどう対応するのか。サミットに便乗して双方の“腹”の探り合いというところか。思うのは、イラクに張り付いたままの米軍13万5千人は、この面でも引けないということ。軍事費の負担は簡単に減りそうに無い。

さっそくイラン新大統領が、79年の米大使館占拠事件に関与していたとの話が流れ、それをイラン側が即座に否定するなど、外交的駆け引きが始まっている。隣国イラクの状況も変わっており(シーア派主導)そこにイスラエルがどう絡むのか。かつてイスラエルは核保有につながるとしてイラクの原子力発電所建設現場を空爆したことがある。そういえば、その爆撃機に乗っていたパイロットが後に宇宙飛行士になり事故に遭遇した。2003年2月にテキサス上空で空中分解したコロンビア号だった。そのイスラエル人飛行士の名前が(なんと)イラン・ラモンだった。スペースシャトルから「ここから見える世界は素晴らしいものです。とても平和で、とても素晴らしく、そしてとても壊れやすく見えます」と英語とヘブライ語でメッセージを送った。そして帰還時に事故に・・・。爆撃機のパイロットとはイメージとして結びつきにくい。戦争とはそんなものか。
書いていて思いだして、昔の資料を引き出した(といってもPCファイルだから時間はかからない)。名前まで覚えてなかったので、見て驚いた。

NY休みで比較的静か。本日は午後、久々にBloomberg TVです。
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