Has Biden got inside Putin’s head?
これは2月19日付英Financial Times電子版の記事の見出しだが、確かにそう言いたいのはわかるし、結果的に、そうでなかったということだろう。現地時間18日にホワイトハウスでスピーチしたバイデン大統領は「ロシア軍が数日以内にウクライナを攻撃しようとしていると信じる理由がある。標的はウクライナの首都キエフだろう」と発言。それほど切迫しているのかと、世界中が身構えることになった。
インテリジェンス(Intelligence)に基づく発言だが、ロイターなどが伝える現地の状況からは、たしかに「ロシアが侵攻の口実にする偽装工作が増えている」ことを思わせる流れではあった。
親ロシア派は攻撃を受けているとの情報を流す一方で、ウクライナ側は攻撃などしていないとしていた。はっきりいって、どちらが本当なのか分からない。 しかし、自分の判断としては、ロシアは力づくで既成事実を作り、後はその状態を維持することで“時間軸の中で一定の法的安定性を作った上で”権利を主張する(既成事実化する)という、 やり方を実行していると思う。習近平の中国も同じ。しかし、これを黙認していると、それこそ権利の上に眠る者はこれを保護せずということで、国境線も変わってしまうことになる。
結果的に日本時間の2月22日早朝に、プーチン大統領は親ロシア派武装勢力が実効支配するウクライナ東部のルガンスク州とドネツク州の一部地域について独立を承認したと発表した。その上で、その地域の住民を隣接するロシア領内への避難手続きを開始したとされる。その保護のための平和維持活動のために、ロシア正規軍を派遣する命令を出したと。。。
この展開は米欧側の兼ねてより想定するところではある。 ところが、米国側が発表した制裁が、なんと、当該地域からの輸入を認めないという類のものだった。強硬な対抗策は今後考えるという話のようだが、CIAもバイデン政権もプーチンロシアに手玉に取られている印象が強い。アフガン撤兵に際して味噌を付けたが、米国の相対的な弱体化を示す事例は今に始まったわけではないが、通貨上で言うならばドルの劣化が進みそうだ。