亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

相場が比較的新しい金、騰勢続く

2014年03月13日 13時53分38秒 | 金市場
金価格はファンドの買い攻勢に年初来高値の更新となった。12日のアジアの時間帯から買いが優勢となり、日本時間の午前の早い段階でまとまった買いが入ったことで3月3日に記録していた年初来の高値1355ドルを上抜けることになった。この動きがさらに強気の買いを呼び込んだことで騰勢が増すことになった。アジアの時間帯にまとまった買いが入ったのは、このところのウクライナ情勢もあるが、中国の信用不安を背景にしたものと見られた。先週末に発生した太陽電池メーカーの社債が中国初のデフォルトになったことが、先んじて懸念されている「影の銀行(シャドーバンキング)」問題と重なり、憶測が憶測を呼ぶ形で商品市場では銅や鉄など産業用メタルが売られ、その一方でリスク回避を前面に出したファンドの買い攻勢が続いている。

そこに膠着状態よりも、むしろ悪化の方向に事態が進んでいるように見受けられるウクライナ情勢が加わる形となっている。次の日曜日に予定されているクリミア自治共和国のロシア編入の是非を問う住民投票を前に、米ロの外相会談が持たれる予定になっている。足元でロシアのウクライナ国境への兵員の増強が伝えられており不測の事態も想定せねばならなくなったということか。そのために米ロの会談が持たれるということだろう。

12日のNY市場では時間外での上昇がテクニカル要因からの買いをさらに刺激したことから、改めて騰勢が強まり1370ドル台乗せに至った。その後も取引終盤にかけて買いの勢いは衰えずこの水準を維持して終了した。ウクライナという地政学リスクに中国の信用リスクさらに金独自のテクニカル要因の改善持続を押し立てて投機的な買いが続いている。

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