昨日取り上げたWSJの報じたアトランタ連銀のロックハート総裁のインタビュー記事。同総裁が利上げ慎重派つまりハト派と目されており、したがってそうした位置付けの高官が現状を維持するだけでも9月は利上げするべきというニュアンスの発言を行うこと自体がサプライズと言えた。ただし、それだけではない。
記事を書いたWSJの記者は、ヒルセンラス(Jon Hilsenrath )記者。同紙のFedウォッチャーとして知る人ぞ知る人物でFOMCの動きを正確に把握していると評価の高い記者のひとりで、時にその記事が市場を動かすこともある。ロックハート総裁を、「FRB内のコンセンサスを反映する中道派」として注目しており、つまりこの発言は「FOMCメンバーが9月の利上げを真剣に検討している明らかなシグナル」としている。現状をズバリ言い当てているというわけだ。
5日はややタカ派と目されるパウエルFRB理事が「利上げを支持するかどうか決める前に、それまでに発表されるデータを見極めたい」と9月利上げにやや慎重と受け止められる発言をしたが注目度が低かったのは、ヒルセンラス記者の記事の印象が強かったこともあるだろう。
ところで原油が下げ止まらない。5日は米原油在庫が減っていたことから一度は反発に向かう動きを見せたWTI原油だが、結局続落となった。今夜もマイナス圏で移行中。