4日は米国関連の主要指標の発表はなかったが、6月の製造業受注が発表され前月比1.8%増と、力強い回復をみせた。指標の細目に「コア資本財の出荷」という項目がある。国内総生産(GDP)で企業の設備投資の計算に使われるデータで、これが速報値のマイナスから+0.3%に上方修正された。今月下旬に発表される4-6月期GDPの改定値の上方修正につながる要素となるもの。仮にそうならば9月利上げジグゾーパズルのまたワンピースがはまることになる。
昨日は、その9月の利上げという点で注目のニュースがあった。米ウォール・ストリート・ジャーナルが米国の地区連邦準備銀行(地区連銀)のひとつアトランタ連銀ロックハート総裁にインタビューした記事がそれ。
「米経済は(中略)引き上げに向け用意が整っている」とし、「景気指標が大幅に悪化しない限り9月の利上げを支持する考えは揺らがない」と発言。ロックハート総裁は、今年のFOMC(連邦公開市場委員会)での投票権を有する人物。景気重視派すなわち利上げに慎重なハト派のメンバーとして知られており、それゆえ昨日の発言は意外性があるとともに、FRB内部の集約意見として利上げの検討が進んでいることをうかがわせるものとなった。
やはり先月のイエレン議長の議会証言で感じたニュアンスの変化は、誤りではなかったかと思わせる発言だった。
「行動を起こさないハードルは現時点で高いと思う」、「「(9月の)会合に向け現時点では、米経済は(利上げの)用意が整っており、変更を加えるのに妥当な時期だと考えている」という内容は、かなり突っ込んだものといえる。この後、米国債券市場では、2年債を中心に売りが見られ金利は急騰。為替市場ではドルが買われ、利上げを織り込みに掛った。時間外取引に移行していた金市場では、通常取引時の上げ幅を削り1080ドル台に売り戻されることになった。
ところで、今夜のADP民間雇用は悪かった・・・・というより伸びが鈍化していることを思わせた。民間部門雇用者数は18万5000人増えたが、4月以来の低い伸びにとどまった。市場予想は21万5000人増になっていた。6 月分が当初の23万7000人増から22万9000人増に下方修正された。FRBは見切り発車するのかな。金利を上げたいのは、理解できる。