亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

米欧ともに水面下の問題が・・・・

2011年05月08日 23時46分54秒 | 金融市場の話題

結局、連休中は商品市場も大荒れだったが、同じように為替市場も変動が大きく、荒れた。主役はユーロ。木曜日のECB理事会後の記者会見でトリシェ総裁は利上げについて否定的発言。6月利上げを織り込んでいた市場は肩すかし状態に。ユーロには、それまで買い持ちを膨らませていたヘッジファンドの投げが嵩み急落となった。さらに独誌シュピーゲル(ネット版)が欧州財務当局者がルクセンブルクで緊急会議を開いており、ギリシャの債務再編に関する提案について協議している可能性があると報じたことから、さらに下落。ギリシャのユーロ離脱観測に見方が広がったことによる。5月4日に1.4940ドルと年初来高値をつけたばかりだったが1.4315ドルに沈んだ。

 

ちなみにギリシャ離脱問題について話し合っていないとユーロ圏財務相会合のユンケル議長(ルクセンブルク首相)は否定。しかし、内容はともかく非公式会議を持ったことは事実だった。ユーロ圏に関しては、このところ、こうした内部情報が流れることが多く、何か事があった際に資金拠出の比率の最も高いドイツに関連した話題が多い。ユーロ圏の重債務国の支援の有無については、先行きの命運を握るのはドイツであって、より具体的にはドイツ世論と与党政治サイドの決断のせめぎ合いということになりそうだ。(すでに終わったものを含め)有力州の選挙日程が影を落としている。

 

先週は、引き続きユーロ圏の財政危機と米国では(24万4000人の増加となった)雇用統計の好結果にもっぱら関心が集まっていたが、その陰でひとつの注目すべきニュースがあった。赤字の計上どころか債務超過が続いている2つの米住宅金融の内のひとつファニーメイ(連邦住宅抵当公社)が、この1-3月期も赤字で債務超過状態となり財務省に追加の支援を要請というもの。決算ごとに資本注入を続けているが今回の規模は85億ドルとのこと。もう一つのフレディマック(連邦住宅貸付抵当公社)もこの分だと債務超過になりそうなので、政府支出は累計で1600億ドルを超えることとなりそうだ。こちらは、行く行くは米国政府の債務問題およびドルの材料としてクローズアップされる時がやってこよう。

 

・・・・・・と現在9日の10時20分、ここで訂正、前期フレディマックの決算は6億7600万ドルの黒字で支援要請はしなかった。 

 

 


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1 コメント

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FRBの出口戦略は手順を踏みながら行われる! (Kファン)
2011-05-09 03:49:52
一部の連銀総裁からは「FF金利を0.5パーセントにして、少しでも上げる姿勢を見せるべきだ」との趣旨か?とも取れる発言もある。インフレへの備えなんだろうか??

いずれにしても、米国経済に余程の激変が起こらない限りFRBの出口戦略には段取りがあるのだ。

出口に向かうとして、まずは金融緩和の縮小から始まる。MBSや国債などの償還金を国債に再投資しない。FRBの買取資産を売却する。この二つをやってから、FF金利を上げるのだ。

現状はダドリーFRB副議長が会見したとおり「米国経済の回復は緩慢で、雇用最大化と物価の安定という目標には程遠い」状況であってFF金利上げは来年だろう?

いずれにしろ、米国経済次第だから注意を要する。それに来年は大統領選挙があり経済悪化と失業率の悪化・高どまりは許されないのだ。

オバマのラディン奇襲成功作戦での支持率回復はブッシュ・パパの湾岸戦争勝利パレードの熱狂を思い出せる。あの熱狂から1年も経たないのに大統領に再選されなかったことも思い出す。
やはり、ここ最近は大統領選の勝敗の鍵は経済が握っている。政治的色彩の濃いベンはオバマ再選の後押しをするだろう?さすれば米国経済減速、悪化なら当然QE3ということになりそうだ?

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