本日の話題は何と言っても日本時間の6時から始まったイエレンFRB議長の講演会。先週のFOMC以降に株価の下落に拍車が掛るなど、利上げの見送りは“決められないFRB”を印象付けるとともに“利上げに踏み切れないほど先行きを懸念している”と裏読みされたことがある。
「中国を注視」という記者会見での質疑応答で繰り返された言葉も、政策変更は中国次第なのかと揶揄するような飛躍した論評も多かった。(日本時間)今朝の講演の終盤でイエレン議長が体調不良を訴えたとされるが、心労もいかばかりかと心配になってしまうほどだ。非常に難しいバトンを渡されていることは言うまでもない。我らが日銀ならばPost- Kurodaの人物が同じことになるのは確定といえるだろう。
さて今回の講演は、内容的にはこれまでと大きな違いはなかった。ただ年内の利上げ意向を再確認という感じで念押しする際に、自分自身もその賛成者であることを表明したところが、講演であるから当然と言われれば確かにそうだが、やや意外性があった。となると、今回の講演は議長の思うところを述べたということになろう。不安定な国際金融市場については、「現時点で金融政策の方向性に大幅な変更を与えるほどではない」と一蹴するような感じだったので、FOMC後の市場の反応を牽制する意味合いも強かったのか・・・と思ってしまう。いろいろ神経を使いながらの対応は、心労も溜まろう。
終了後の市場の反応は、方向性が確認されたと受け止めたのか、株式市場はワーゲン・スキャンダルに揺れる欧州も上昇するなど、上海以外は上昇のようだ。金の方は逆に弱含みに推移というところ。
そういえば今日の昼に、安倍首相と黒田総裁が合って話したとかで、その後に東証REIT指数がずいぶん上がったというニュースがあったが、追加緩和観測なのだそうだ。なんだかなぁ・・・という感じ。いつまで、こんなの続くのか疑問。それともそういう自分が間違っているのか。
他には春にオーストラリアの露天ぶり鉱山を見たこともあるが、キャタピラーの1万人人員削減と利益見通しの下方修正も目に留まったニュースだった。世界的に需要が落ちているイメージで、このところ製造業関連の指数が米国でも落ちているのが気にかかる。来週のISM製造業PMIは見もの。株式市場はまだ荒れそうだ。