NY金はいったんは押し戻された1800ドル台を回復して7日の取引を終了。6月16日以来の1800ドル台での引けとなった。
16日というとFOMCの結果発表の当日。当日の終値(清算値)は1861.40ドルだが、これは現地の13時30分時点での価格。結果発表は14時からなので、その内容を織り込んではない。言うまでもなく発表された結果は、メンバーによる金利予測が23年に利上げを2回読むということで、材料となった。その日の時間外でNY金は43ドル強下げていた。翌日はアジア時間から売られ、結局、通常取引は前日とほぼ同じ値幅で下げて前日比86.60ドル安の1774.80ドルで終了。その後の時間外の取引も1774.30ドルで終わっていた。
以前書いたが1800ドル割れでモメンタム系の新規売り(フレッシュ・ショート)が膨らんだ。実際にほとんど抵抗感なく下げた価格帯ゆえに、“真空地帯”というようなことになろうか。
7日は米10年債利回り(長期金利)の低下が目立ち一時1.3%を割れ、すぐに売り直され1.3%台での引けとなった。ところが本日、日本時間の夜にかけて急速に水準を切り下げ1.25%どころまで下げている。実は本日、Podcastの更新を下のだが、収録段階ではここまで下げていなかった。その際に前日までの長期金利の下げについて、前日に発表されたISM非製造業景況指数が、市場予想を下回ったことをきっかけに、米国景気のピークアウト感から金利低下観測が債券市場に広がっているのではした。
債券市場は、秋口にかけての米国経済の減速を織り込み始めているのではという内容で話した。アトランタ地区連銀が公表しているGDP予測(GDP・Now)が、ここにきて下方修正されていることも取り上げた。
現在当ブログを執筆中の20時台ではNY金は1818.70ドルまで上値を見て、6日の高値を抜いている。もっぱらこの長期金利の低下に反応したものといえる。
発表されたFOMC議事要旨の評価に関しては、音声バージョンで確認してもらえればと思う。FRBとくに議長を中心に執行部は、足元のデータのイレギュラー性をどう評価すべきか迷っているように見える。
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