昨日、米中戦略経済対話ついて書いたが、会合を前にして話し合いの中国側がお膳立てを始めている。中国国家外為管理局(SAFE)という機関は、以前、エコノミストが外貨準備の中の金準備を増やすべしというレポートを発表したり、発言するなど金市場へも材料を提供したが、経済対話を前に海外投資家の人民元建て株式・債券投資の枠を従来の100億ドルから300億ドル(約3兆3500億円)へ拡大することを発表した。・・・・といっても、この話は米国財務省との間で今年の5月に合意していたもので、やっと実行に移されるもの。人民元の対ドルレートもここにきてジワジワと切り上がってきているのも、経済対話を睨んでのこと。これなど米国が為替コントロールと非難している、まさにコントロールの賜物といったところだが、そこはやはり中国式の意思表示ということ。“我々には自国通貨を切り上げる用意はある” しかし“急激ではなく自国の発展度合いに見合った・・・すなわち、こちらのペースでやりますけん、ほっといてくれ”と。“こっちだって、米国債やファニーメイやフレディマックの住宅債券をたくさん持ってる” んだかんな!・・・というのもある。そう文句を言いなさんなと。今や環境が環境だけに、米国サイドもイエイエ穏便に穏便に・・・と。中国サイドもボーイングに新鋭機を大量発注したりという見返りを出すのが恒例になっている。今回はqualified foreign institutional investor(QFII、適格海外機関投資家)の枠を増やしたり、同時にqualified domestic institutional investor(QDII、適格国内機関投資家)の海外投資枠を増やし、、つまり金融の解放をさらに進めることで内外の金融市場の安定に資するということと、サブプライム問題などへの対応の米国側からの説明なども重要案件になりそうだ。アラブ世界でドルペッグ(為替の米ドル連動制)について議論が高まっているおりでもあり、かなり突っ込んだ話し合いとなるのではなかろうか。
下げそうで下げない金市場
下げそうで下げない金市場
Citiは中東にUBSはシンガポールにと時代の変化と趨勢の変移を感じさせます。もはや、外貨準備を守りの道具としてではなく攻撃に使おうとする姿勢がありありと見て取れます。結果的に外貨準備という名の大鳥が米国債という名の籠から飛び立つなら何が起きるか不安です。
何となく、「噂で買って事実で売る」感じですね。大引けに期待です。