銀行と証券の分離を決めたグラス・スティーガル法が成立したのは、まさに大恐慌発生に至った問題点に対する対応策の一環だった。危機をテコにより良く強いシステムを構築してきたのが米国だった。そして80年近く経った現在、システムが時代の流れに沿わなくなり制度疲労を起こしていたことも、今回の金融危機を深刻なものとした理由とされるし、そのとおりだろう。約1年前に当時のポールソン財務長官とバーナンキFRB議長が声を合わせて訴え始めたのが、金融の一元管理ということだった。今回、その改革案をその他金融規制策とともに形にする具体的動きが起きている。
この政策案の具体化のスピードが米国の柔軟性であり優れた点といえる。一方でFRBを中心にした金融の一元管理は、昨年来「特別融資」の名の下で実施されてきた現状の追認すなわち「緊急避難の常態化」の制度化といえるものでもある。大きな荷物を一手に引き受けてきたFRBの屋台骨が軋(きし)みはしないかとの心配もある。オバマ政権の力というよりも、バーナンキFRBの力量というべきなんだろう。これで来年2月の任期満了時に再任という方向か。また、そうでなければ着手している量的緩和策の行く末自体に対する懸念も高まることになる。あらゆる面で表に出るFRBなのだ。
ファンドの手仕舞いが進む金市場。100日移動平均の位置する925ドルの攻防。
この政策案の具体化のスピードが米国の柔軟性であり優れた点といえる。一方でFRBを中心にした金融の一元管理は、昨年来「特別融資」の名の下で実施されてきた現状の追認すなわち「緊急避難の常態化」の制度化といえるものでもある。大きな荷物を一手に引き受けてきたFRBの屋台骨が軋(きし)みはしないかとの心配もある。オバマ政権の力というよりも、バーナンキFRBの力量というべきなんだろう。これで来年2月の任期満了時に再任という方向か。また、そうでなければ着手している量的緩和策の行く末自体に対する懸念も高まることになる。あらゆる面で表に出るFRBなのだ。
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