ひび割れた信用リスク補完機関

昨日話題になったメリル・リンチ評価損の拡大。新CEOが一気に膿出しを図っているわけだが、片方でどこまで資本を積み増すことができるかという手腕も問われている。そのメリルの10－12月期決算では115億ドル（1兆2千億円）の有価証券評価損の計上ばかりが報道の先頭に立っているが、それとは別に金融保証会社との取引にからみ31億ドルの損失を計上するということがあった。サブプライム関連証券の価格下落に備えた保険契約を結んでいたものの、その受け手である保証会社の経営内容が思わしくないため、契約通りに保険金を受け取れない事態に備え、損失として計上したとされる。つまりリスクとして計上する程、金融保証会社の状況は悪いと認めているということ。昨夜のNY株は、この金融保証会社の大手の格付けが引き下げられるという見方が広がったことも急落につながったとされる。信用リスク補完機能自体がヒビ割れているわけだ。