亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

マーケットの“呼吸”、この下げは自律反落でしょ

2008年01月17日 16時49分34秒 | 金市場
ドル建て価格は昨年11月15日から2ヵ月ぶりの20ドル超の下げとなった。12月の米消費者物価(CPI)が高めに出ることは金市場では織り込み済み。それが前月比では予想より低かった。元々800ドルから900ドル台に上昇する過程で調整らしい調整局面を経ることなく来ていただけに、先物市場を中心に手仕舞い売りが出ると、後はストップロス(事前に決めた一定限の損失を超えると自動的に手仕舞い)の引き金が次々引かれるような形で、急落となった。したがって、ドルの戻りやその他理由づけはできるが、市場の自律的な調整という見方でいいだろう。いわばマーケットの“呼吸”のようなもの。息づかいが荒いのは、ここまで無理したからねぇ。まぁ、そうでしょ。大きな「買い残」も背負っているし。強いてあげるならば、新年度入りに伴ったファンドの資産の組み換えは今週で一巡するというタイミングでもある。NY証取上場の金ETF(GLD)に21.51トンに売り物が出たが、ファンドの利食い売りとみられる。いくつかの媒体に昨年書かせてもらったが、ETF=年金基金という図式は必ずしも当てはまらなくなってきていると見られる。そういえば昔、昔、ベアで知られたアンディ・スミス氏(UBS→三井物産→ヘッジファンド)が本日付の日経金融のコラムでブルな分析を書いていたので、はぁ・・・そっかあ~~と思った次第。


コメント (3)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 風雲急を告げ・・・・ | トップ | ひび割れた信用リスク補完機関 »
最新の画像もっと見る

3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
正直下げてくれてよかった (らんらん)
2008-01-17 22:24:39
ノンストップで1000㌦へGO!!というのはやはりきつかったですね。亀井先生仰るとおり、ここは下げでよかったと思います。上がり続ける相場は見ていて疲れますからね(^^)。

ただやはり気になるのはダウと日経平均ですね。ようやく今日はひと息入れた所でしょうか。ただ簡単には買いの気分も盛り上がらないでしょう。かなりの痛手を食らわされてる人も多そうですし。個々の株式を見てみると信じられないような低PBRと低PERです。以前買ってた株のPBRはナント0.34です!!。財務はピカピカで優良株なのに・・・・。個人的に気になるのはやはりトヨタ自動車ですね。5000円を割れてきたら買いたくなってきますね。

金相場のほうはやはり株の損を埋めるという意味でもここからは下げ圧力が強くなるのではと思っていますが、どうでしょうか?。ここ2、3ヶ月は株と金市場は連動していなかったと思うのですが、ここまでサブプライムでダウやら日経平均やらが騒がしくなると、せめて利益の出ている「金」で穴埋めって感じになるのではと思っています。ただその場合でも下値は800㌦くらいまででその後はジリ高かと・・・・
返信する
ドル円為替 (小さな愛犬家)
2008-01-18 00:45:09
 お疲れ様です。
 金価格の高騰は気持ち悪いくらい見事なものですが、この中でドル円為替は107円が心理的節目になりつつあるようです。少し前が116円で1割の円高となりずいぶんの様変わり。
 FRBが0・75%の思い切った利下げにもし踏み込んでくれば、ドル円は100円突破に向けて円高トレンドがエスカレートすると思います。原油の上昇が鈍っている事ですから、当局は当面、面景気対策に重点を置ける。「円>ユーロ>ポンド>ドル」というクロスレートの構図がしばらく続くわけですね。
 中国は上海株が適当な自律調整を行っているみたい。中国政府にインフレに対するトラウマがないこと、大衆の発言力が弱く、もくもくと製造業を支えていることなどから高度成長の構図がまだ続くはず。
 アジア経済は全体としては良いことになる。こうなれば輸出企業は軸をアジアへとシフトすれば良いわけで、アジア相互互換けいざいの始まり。だから円高はすこしも怖くなくむしろ心地よくなり、日本の景気も良くなる。
 アサヒビール元社長の「東京株年末20000」円説は一笑に伏せない展開となりますよ。最強の通貨を持つ国が苦しむなんていう例は世界経済ではまれですよ。欧米のマネーがにげているといっても、東証の大底も近いですね。課題は日本人の経済心理の問題になります。
返信する
FRB議長発言でも株安止まらない (小さな愛犬家)
2008-01-18 03:29:04
 今ほどバーナンキFRB議長の議会証言がありました。金融・財政連動のサブプライム問題対策という力強いものでしたが、ニューヨーク株はまた100ドル以上下げてもう歯止めが利かない状態。アメリカは相当深刻なリセッション入りと見ていいでしょう。市場は次回利下げを0・75%と織り込み始め、そうはならない気がするが今年中に金利は2%台なんていう説まで飛び出したようです。
 金価格の上昇トレンドは益々固まって・・。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

金市場」カテゴリの最新記事