亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

過去最低金利の更新(欧米でも名実ともに夏休み明け)

2014年09月01日 20時52分41秒 | 金融市場の話題

米欧を中心とした低金利の広がり、つまり国債価格の上昇が一般ニュースにまで取り上げられ始めた。欧州各国の国債金利が過去最低になっている・・・と。ほんの2、3年前には南欧諸国の破たんだ、ユーロの崩壊だと騒がれていたことと、180度異なる展開がニュース性を高めるのだろう。先週初めだったか先々週だったか、スペイン債が2%割れ寸前まで買われているのを見た時には、正直言って冗談でしょ!!と思った。“1%割れは常態化か”・・・と市況分析などに書いた10年物のドイツ国債は、1%割れてからが早く今では0.8%台に突入している。

カネ余りのところにユーロ圏ではECBの中銀預金のマイナス金利の導入があり、さらにウクライナ情勢の地政学要因が被る。消去法的にも国債が選ばれる環境が出来上がっている。バブルの域に入っていると思われるが、これからECBが資産購入に向かうとなると、まさに“国策に売りなし”のユーロ圏版ということか。そのあおりは米国債に波及し、南欧債との比較では米国債は買い!という判断か。しかも、米欧の今後の政策の方向性が逆ゆえに、ユーロ安期待からも米国債には外から買いが入りやすいのだろう。

本日のNYはレイバーデーの休日。明日から名実ともに夏休み明け。ここまで動きが無かったが、この秋はいろいろ動くのだろう。金市場も、実需がベタ凪の6~8月を超え、多少の動きが出る季節に入るが市場の期待は低い。

しかし、これからのFRB内の政策論議の行方は見もの。明快な“解”はなく、どの部分に重点を置くかで主張も異なる。長期金利の歴史的低下は、そのまま成長率の低迷を意味すると読むのか、ばら撒き過ぎたカネの副作用と見るのか、その先の対応策が変わってくる。


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