亀井幸一郎の「金がわかれば世界が見える」

マクロな要因が影響を及ぼす金(ゴールド)と金融の世界を毎日ウォッチする男が日常から市場動向まで思うところを書き綴ります。

再び積み増されるショート(売り建て取引)

2014年06月02日 23時55分41秒 | 金市場

週末の取引でドル建て金価格が1250ドルを割り込んだところから、売りが膨らんだ。節目割れでプログラム売りがヒットしたと見られた。それで一旦は1240ドル割れを試すところまで売られたものの、終盤では買戻しの動きから1245ドル前後、その後の週末の時間外の取引ではさらに買い戻され1250ドル近辺で終了していた。

ウクライナでの大統領選終了後に、ファンドの手仕舞い売りが増え、同時に新規売りに転じたよう。またこれからショート・ポジションの構築が始まるということか。そのタイミングで週末に米国防総省の報道部長が記者会見にてウクライナ国境に展開していたロシア軍の3分の2が撤収済みであることを公表。残りも撤退準備中とした。この話は、ウクライナ東部での戦闘激化とは逆のイメージにつき売りの背中を押すに十分だった。

ところで30日は米商務省が4月の個人消費・消費統計を発表し、個人消費支出が前月比0.1%ながら減少となったのが目を引いた。前月3月が1.0%と大きく伸びたことに対する反動との見方があるが、米個人消費は昨年末から年明けに掛けての減速こそあれ回復基調を続けてきただけに、警戒する見方も一方ではある。実際にマイナスとなったのは1年ぶりのこと。足元でちょうど長期金利(10年国債の利回り水準)が2.5%割れまで低下したことに対する様々な憶測があるようだが、株高の中で異例の上昇(金利低下)を見せる債券価格については背景を探しあぐねているという状況のようだ。その債券市場での思惑外れから大きな損失を出したファンドが、その穴埋めに金のポジションを解消しているという話もあった。

さて今夜は米5月のISM製造業景況指数が発表された。事前予想では前回の54.9から55.5への上昇が予想されていたが、実際は53.2への予想外の落ち込みとなった。日本時間の夕刻、ロンドンの取引時間帯に金は1240ドルどころまで売られたが、ISMでやや戻している状況。それでも弱含みが続きそうだ。

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